弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
一 原判決を取り消す。
二 本件訴えを却下する。
三 訴訟費用は第一、二審を通じて三分し、その一を被控訴人の、その余を控訴人
の各負担とする。
       事実及び理由
第一 申立て
一 控訴人
1 主文第一、二項同旨
2 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
との判決又は
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求を棄却する。
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
 本件訴えが却下されるのはやむを得ないと考えるが、訴訟費用は第一、二審とも
控訴人の負担とする旨の判決を求める。
第二 事案の概要
 事案の概要は、次のとおり付け加えるほか、原判決「事実及び理由」中の第一、
第三及び第四に記載のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決書六頁一一行目の「一〇条二項」を「一〇条二号」に改め、同七頁五行
目の「・一二条五項二号」を削る。
二 当審における控訴人の主張
 原審で主張したとおり被控訴人に原告適格はない。また訴外会社は平成一一年一
二月二八日付けで廃棄物処理法一四条の三で準用される同法七条の二第三項に基づ
く産業廃棄物処理業廃止届出書を提出し、本件許可処分に係る許可証を返納してい
るから、被控訴人に訴えの利益はない。したがって、右いずれの理由によっても本
件訴えは却下を免れない。
三 当審における被控訴人の主張
1 許可証の返納に関する控訴人の主張事実は認め、被控訴人の訴えの利益が消滅
したことは争わないが、原告適格がない旨の控訴人の主張は争う。
2 本件許可処分の失効により控訴人が控訴して争う利益も消滅するから、控訴人
の本件控訴は不必要なものである。また被控訴人の訴えの利益が消滅した以上、控
訴審はこれを理由として本件訴えを却下し、原判決の判断の当否について実質的な
審理判断をしないから、控訴審で本件訴えが却下されてもそのことで原判決の判断
の正当性が覆されたことにはならない。
 したがって、本件訴訟費用は民事訴訟法六二条を適用して第一、二審とも控訴人
に負担させるべきである。
第三 証拠関係
 証拠関係は、本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるからこれ
を引用する。
第四 当裁判所の判断
一 訴えの利益について
 訴外会社が平成一一年一二月二八日付けで廃棄物処理法一四条の三、七条の二第
三項に基づく産業廃棄物処理業廃止届出書を控訴人に提出し、本件許可処分に係る

可証を返納したことは当事者間に争いがない。右事実によれば被控訴人が本件訴え
により取消しを求める対象である本件許可処分が失効したことが明らかであるか
ら、現時点でその取消しを求める利益は失われたといわなければならない。したが
って、被控訴人の本件訴えは現時点においては不適法なものとして却下を免れな
い。
二 訴訟費用の負担について
 右判示から明らかなとおり、当裁判所は原判決言渡し後に生じた前記事由により
被控訴人の訴えの利益が消滅したものと認め、原告適格の点を含めたその余の点に
ついて審理するまでもなく本件訴えを却下すべきことが明らかであると判断するも
のである。したがって、当裁判所が被控訴人の原告適格の有無について更に職権で
審理調査する必要はなく、訴訟費用の負担について判断するための資料とする目的
で右の点について審理調査をすることも民事訴訟法二八二条の趣旨に照らして許さ
れないから、訴訟費用の負担については本件口頭弁論終結時の訴訟資料に基づいて
判断するをもって足りるというべきである。
 本件許可処分の取消訴訟について本件産廃処理施設の付近に居住又は耕作等して
いる住民等の原告適格を肯認することができるか否かは、廃棄物処理法の規定がこ
のような住民等の個別的利益を保護する趣旨を含むものであるか否かを慎重に検討
して判断されるべきものである。原審は新法一四条六項が付近住民の生命身体の安
全等を個々人の個別的利益として保護する趣旨を含むものであるとして被控訴人の
原告適格を肯認したが、この点については控訴人が指摘するような疑義もあり、前
記事情により当審で被控訴人の原告適格の有無について当事者双方の主張立証が尽
くされていないことを考えると、当裁判所がこの点について確定的な判断をするこ
とは困難でありまた適切ではない。一方、原告適格について原判決の判断を明らか
に不当とすべき根拠を見いだすことができない。
 また被控訴人は本件控訴が不必要なものであると主張するが、控訴人には本件許
可処分の失効により被控訴人の訴えの利益が消滅したことを理由として本件訴えの
却下を求める利益があるから、右被控訴人の主張は採用することができない。
 以上を総合すると、本件訴訟費用の負担について民事訴訟法六二条を適用し、第
一、二審の訴訟費用を通じて三分し、その一を被控訴人の、その余を控訴人の各負
担とするのが相当である。
第五 結論
 よって、原判決は原判決後の事情により不当となったからこれを取り消し、被控
訴人の本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、
民事訴訟法六七条二項、六二条、六一条を適用して、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第一七民事部
裁判長裁判官 新村正人
裁判官 宮岡章
裁判官 田川直之

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