弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人藤井五一郎、同福田末一上告趣意第一点について。
 所論第一審公判調書中記録四一丁裏と同四二丁表との間に該調書の作成者である
裁判所書記Aの契印が存在しないことは(但し同四二丁表には契印の片割と認めら
れる印影はある)論旨の指摘する通りである。従つてこの点において同調書は旧刑
訴七一条二項所定の方式に違反して作成されたものであること勿論であるが、その
形式内容に照らし右両葉は、正当に連絡するものであり、その間に何等落丁又は後
日の剥奪等のあつたことを窺うべき形跡なく、単なる契印の遺脱に過ぎないものと
認められる。されば右契印欠缺の一事から該調書を無効であると即断する所論には
賛同し得ない(昭和二三年(れ)一、三一二号、同二四年二月二四日当小法廷判決、
判例集三巻二号二三八頁以下参照)。のみならず原判決は右第一審公判調書を証拠
として採用してはいないのであつて、原審は覆審主義に基ずき第一審とは全く別個
にその審理を新たにし適法な証拠調を経た証拠によつて事実の認定をしているので
ある。それ故第一審公判調書の瑕疵は原判決に法令違反を来たすべき筋合ではない。
論旨はこの点よりするも採用に値しない。
 同第二点について。
 しかし、原審は所論Bの始末書の外に被告人Cの原審公判廷における判示同旨の
供述等を綜合して、判示第一の事実を認定しているのであり、この原審の事実認定
は原判決挙示の証拠を綜合すればこれを肯認するに難くないのである。所論は結局
事実審である原審がその裁量権の範囲内で適法になした事実の認定を非難するに帰
着し上告適法の理由とならない。
 弁護人上野常一上告趣意第一点について。
 しかし、記録によれば原審が所論証人申請を却下したのは、既になされた審理の
結果に照らし、もはやこれを取調べる必要なきものと判定したために外ならないこ
とが窺われる、そして証拠調の限度は、事実審裁判所が各場合における証拠関係に
鑑み合理的にこれを裁定し得るところである。原審の右裁定にはその審理の内容に
照らしその合理性を疑わしむべき何等の証跡も存在しない。論旨は理由なきもので
ある。
 同第二点について。
 刑の執行猶予を言渡すか否かは事実審裁判所が各事件にあらわれた諸般の事情を
斟酌して裁定するところに委ねられている。原審が被告人両名に対し実刑を科した
ことも亦この酌量の結果として首肯し得るのである。仮りに論旨の縷述するような
事情があるとしても、これによつて原審の右裁量を違法であると即断することはで
きない。所論は結局、事実審である原審の裁量権に属する刑の量定を非難するに帰
着し上告適法の理由とならない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 長部謹吾関与
  昭和二四年一一月一〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    齋   藤   悠   輔

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