弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
       本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意のうち,立法不作為を理由とする憲法41条違反をいう点は,高
等裁判所のした再審請求棄却決定に対し再度の事実審理を受ける機会を設けなかっ
た裁判所法,刑訴応急措置法,刑訴法施行法の各規定が憲法11条,13条,14
条1項,31条,32条に違反するものでないことは,当裁判所の判例(昭和22
年(れ)第56号同23年2月6日大法廷判決・刑集2巻2号23頁,同22年(
れ)第43号同23年3月10日大法廷判決・刑集2巻3号175頁,同22年(
れ)第126号同23年7月19日大法廷判決・刑集2巻8号922頁,同23年
(れ)第167号同年7月19日大法廷判決・刑集2巻8号952頁)の趣旨に徴
して明らかであり(昭和62年(し)第45号平成2年10月17日第一小法廷決
定・刑集44巻7号543頁参照),所論のように再度の事実審理を受けることが
できる旨の規定を設けるか否かは,専ら立法政策の問題であって,憲法適否の問題
ではないから,所論は前提を欠き,その余は,憲法32条,82条1項違反をいう
が,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,刑訴応急措置法18条の適
法な抗告の理由に当たらない。
 よって,刑訴法施行法2条,旧刑訴法466条1項により,裁判官全員一致の意
見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 横尾和子 裁判官 深澤武久 裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉
 徳治 裁判官 島田仁郎)

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