弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

            主     文
       本件上告を棄却する。
            理     由
 弁護人五十嵐利之久,同塚田裕二,同内野眞紀の上告趣意のうち,判例違反をい
う点は,引用の判例が所論のような趣旨を示したものではないか,実質において量
刑不当の主張であり,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反
,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは
認められない。
 付言すると,本件は,当時Aの幹部であった被告人が,共犯者らと共に,(1) 
同教団の出家信者(当時21歳)が,教団内で修行中に死亡した他の信者の死体の
処理に関与した後,教団からの脱会を強く希望するようになったため,口封じ等を
目的にこれを殺害し,(2) 同教団の被害対策弁護団の中心となり,教団に対抗す
る活動をしていた弁護士(当時33歳)とその妻(当時29歳),長男(当時1歳)
を,その自宅において殺害したという事案である。
 その動機は,教団の組織防衛のみを目的にするものであって酌量の余地がない。
取り分け,(2)の犯行は,正当な職務上の活動をしていた弁護士を,教団に敵対す
るとの一事をもって,その家族もろとも皆殺しにしたという,法治国家の秩序を一
顧だにしない反社会性の極めて強いものである。
 また,(1)の犯行は,被害者の頸部にロープを巻き,被告人を含む4人がかりで
これを引っ張って締め付け,更にその頸部を強くひねるなどして殺害したものであ
り,(2)の犯行は,被告人を含む6名で深夜弁護士方に押し入り,就寝中の被害者
3名に対し,顔面を手けんで殴打し,あるいは,腹部に膝を打ち付け,首を締め付
けるなどして,全員を窒息死させたものであり,犯行態様は,いずれも,組織的か
つ計画的で,冷酷,残忍である。結果は極めて重大である上,犯行後は,(1)の被
害者の死体を長時間にわたって焼き尽くし,灰状にして地面にまいて捨て,(2)の
各被害者の死体を県を異にする山中にそれぞれ埋めるなどして,犯跡の隠ぺいを図
っている。被告人は,教団幹部の立場で各犯行に積極的に加わり,(1)の被害者に
対しては直接ロープを引っ張る行為を行い,(2)の被害弁護士に対してはその首を
腕で締め付けて窒息死させており,その果たした役割は,非常に重い。これらの事
情に加え,遺族の処罰感情は厳しく,社会に与えた影響も大きい。以上のような事
情に照らすと,被告人が,いずれの犯行についても自首し,反省していること,被
害者らのめい福を祈っていることなど,被告人のために酌むべき事情を十分考慮し
ても,被告人の刑事責任は,極めて重大であるといわざるを得ない。したがって,
被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,当裁判所もこれを是認せざ
るを得ない。
 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
 検察官中村雄次 公判出席
平成17年4月7日
    最高裁判所第一小法廷
        裁判長裁判官     島   田   仁   郎
           裁判官     泉       徳   治
           裁判官     才   口   千   晴

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛