弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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            主   文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
            事実及び理由
第1 控訴の趣旨
 1 原判決を取り消す。
 2 被控訴人Aは,橿原市に対し,15万3600円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5
分の割合による金員を支払え。
 3 被控訴人Bは,橿原市に対し,5万8240円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5分
の割合による金員を支払え。
 4 被控訴人Cは,橿原市に対し,11万5460円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5
分の割合による金員を支払え。
 5 被控訴人Dは,橿原市に対し,12万8500円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5
分の割合による金員を支払え。
 6 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人らの負担とする。
第2 事案の概要
 1 本件は,橿原市の住民である控訴人らが,橿原市議会議員であった被控訴人らは平成13年度に交付さ
れた政務調査費を本来の目的外に使用したと主張して,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のも
の。以下同じ。)242条の2第1項4号に基づき,橿原市に代位して,被控訴人らに対して不当利得の返還又
は損害賠償を求めた事案である。
 2 原審は,被控訴人らはいずれも橿原市議会議員として調査研究活動を行っており,その活動のために政
務調査費を充てたことが議員としての裁量権の範囲を逸脱,濫用したものということはできないとして,控訴人
らの請求を棄却した。そこで,控訴人らが原判決を不服として控訴した。
 3 前提となる事実及び争点は,原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「1 前提事実」及び「2
 争点」に記載のとおりであるから,これを引用する。
第3 当裁判所の判断
 1 当裁判所も,控訴人らの本件請求は理由がないからこれを棄却するのが相当であると判断する。その理
由は,次のとおり訂正するほか,原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりである
から,これを引用する。
 原判決35頁21行目から36頁2行目までを次のとおり改める。
 「(ウ)なお,上記ア(カ)及び証拠(甲8の12,原審における被控訴人A本人尋問の結果)によると,被控訴人A
は,東京から酒田まで航空機で移動したものとして収支報告書を提出したが,実際には,鉄道を利用してこの
間の移動を行ったことが認められるけれども,上記区間の航空賃が鉄道賃を上回ることの主張,立証はない
上,上記収支報告書の誤記につき被控訴人Aに不当な意図があったと認めることもできないから,上記誤記
があるからといって直ちに被控訴人Aによる政務調査費の使用が違法であるとか,法律上の原因を欠くとまで
いうことはできない。」
 2 よって,原判決は正当であって,本件控訴は理由がないからこれを棄却し,主文のとおり判決する。
    大阪高等裁判所第3民事部
        裁判長裁判官岡 部 崇 明
           裁判官片 岡 勝 行
           裁判官福 井章 代

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