弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中、上告人敗訴の部分を破棄する。
     前項の部分につき、被上告人の控訴を棄却する。
     控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人右田堯雄の上告理由第一点について
 一 原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
 1 上告人は、昭和六〇年三月二〇日、建設業者であるD建設株式会社との間で、
上告人を注文者、D建設を請負人とし、代金三五〇〇万円、竣工期同年八月二五日
と定めて、上告人所有の宅地上に本件建物を建築する旨の工事請負契約を締結した
(以下「本件元請契約」という)。この契約には、注文者は工事中契約を解除する
ことができ、その場合工事の出来形部分は注文者の所有とするとの条項があった。
 2 D建設は、同年四月一五日、上告人から請け負った本件建物の建築工事を代
金二九〇〇万円、竣工期同年八月二五日の約定で、建設業者である被上告人に一括
して請け負わせた(以下「本件下請契約」という)。被上告人もD建設が上告人か
ら請け負った工事を一括して請け負うものであることは知っていたが、D建設も被
上告人もこの一括下請負について上告人の承諾を得ていなかった。なお、本件下請
契約には、完成建物や出来形部分の所有権帰属についての明示の約定はなかった。
 3 被上告人は、自ら材料を提供して本件建物の建築工事を行ったが、被上告人
が昭和六〇年六月下旬に工事を取りやめた時点においては、基礎工事のほか、鉄骨
構造が完成していたものの、陸屋根や外壁は完成しておらず、右工事の出来高は、
工事全体の二六・四パーセントであった(以下、右時点までの工事出来形部分を「
本件建前」という)。
 4 上告人は、D建設との約定に基づき、請負代金の一部として、契約締結時に
一〇〇万円、昭和六〇年四月一〇日に九〇〇万円、同年五月一三日に九五〇万円の
合計一九五〇万円を支払った。
   他方、上棟工事は同年五月一〇日に完了し、それまでの工事分としてD建設
から被上告人に支払が予定されていた第一回の支払分五八〇万円の支払時期は同年
六月一五日であったが、その前々日の同月一三日にD建設が京都地方裁判所に自己
破産の申立てをし、同年七月四日に破産宣告を受けたため、被上告人は、下請代金
の支払を全く受けられなかった。
 5 上告人は、同年六月一七日ころ、被上告人から聞かされて初めて本件下請契
約の存在を知り、同月二一日、D建設に対して本件元請契約を解除する旨の意思表
示をするとともに、被上告人との間で建築工事の続行について協議したが、工事代
金額のことから合意は成立しなかった。そこで、上告人は、同月二九日、被上告人
に工事の中止を求め、次いで、同年七月二二日、被上告人を相手に本件建前の執行
官保管、建築妨害禁止等の仮処分命令を得て、その執行をした。
 6 その後、上告人は、同年七月二九日、株式会社Eとの間で代金二五〇〇万円、
竣工期同年一〇月一六日の約定で、本件建前を基に建物を完成させる旨の請負契約
を締結し、Eは、同月二六日までに右工事を完成させ、そのころ上告人から代金全
額の支払を受けて本件建物を引き渡し、上告人は、本件建物につき所有権保存登記
をした。
 二 原審は、右事実に基づき、(一) 本件建前は、いまだ不動産たる建物とはな
っていなかった、(二) D建設と被上告人との間では出来形部分の所有権帰属の合
意がなく、被上告人は本件元請契約には拘束されないから、本件建前の所有権は、
材料を自ら提供して施工した被上告人に帰属する、(三) 本件建物は、本件建前を
基にEが自ら材料を提供して建物として完成させたものであり、Eの施工価格とそ
の提供した材料の価格の合算額は本件建前の価格を超えると認められるから、本件
建物の所有権はEに帰属し、Eと上告人の合意により上告人に帰属した、(四) 被
上告人は、本件建前が本件建物の構成部分となってその所有権を失ったことにより、
本件建前の価格相当の損失を被り、他方、上告人は、本件建前を基に建物を完成さ
せることをEに請け負わせ、その請負代金も本件建前分を除外した部分に対して支
払われたから、本件建前価格に相当する利得を得た、(五) したがって、上告人は
被上告人に対し、民法二四六条、二四八条により、本件建前価格に相当する七六五
万六〇〇〇円(下請代金二九〇〇万円の出来高二六・四パーセントに相当する額)
を支払う義務がある、と判断した。
 三 しかしながら、原審の右判断は是認することができない。その理由は、次の
とおりである。
  建物建築工事請負契約において、注文者と元請負人との間に、契約が中途で解
除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合に、当該
契約が中途で解除されたときは、元請負人から一括して当該工事を請け負った下請
負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても、注文者と下請負人との
間に格別の合意があるなど特段の事情のない限り、当該出来形部分の所有権は注文
者に帰属すると解するのが相当である。けだし、建物建築工事を元請負人から一括
下請負の形で請け負う下請契約は、その性質上元請契約の存在及び内容を前提とし、
元請負人の債務を履行することを目的とするものであるから、下請負人は、注文者
との関係では、元請負人のいわば履行補助者的立場に立つものにすぎず、注文者の
ためにする建物建築工事に関して、元請負人と異なる権利関係を主張し得る立場に
はないからである。
  これを本件についてみるのに、前示の事実関係によれば、注文者である上告人
と元請負人であるD建設との間においては、契約が中途で解除された場合には出来
形部分の所有権は上告人に帰属する旨の約定があるところ、D建設倒産後、本件元
請契約は上告人によって解除されたものであり、他方、被上告人は、D建設から一
括下請負の形で本件建物の建築工事を請け負ったものであるが、右の一括下請負に
は上告人の承諾がないばかりでなく、上告人は、D建設が倒産するまで本件下請契
約の存在さえ知らなかったものであり、しかも本件において上告人は、契約解除前
に本件元請代金のうち出来形部分である本件建前価格の二倍以上に相当する金員を
D建設に支払っているというのであるから、上告人への所有権の帰属を肯定すべき
事情こそあれ、これを否定する特段の事情を窺う余地のないことが明らかである。
してみると、たとえ被上告人が自ら材料を提供して出来形部分である本件建前を築
造したとしても、上告人は、本件元請契約における出来形部分の所有権帰属に関す
る約定により、右契約が解除された時点で本件建前の所有権を取得したものという
べきである。
 四 これと異なる判断の下に、被上告人は上告人とD建設との間の出来形部分の
所有権帰属に関する合意に拘束されることはないとして、本件建前の所有権が契約
解除後も被上告人に帰属することを前提に、その価格相当額の償金請求を認容した
原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるものといわざるを得ず、右違
法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。この点の違法をいう論旨は理由があ
り、その余の上告理由について判断するまでもなく、原判決中上告人敗訴の部分は
破棄を免れない。
  そして前記説示に徴すれば、被上告人の上告人に対する償金請求は理由のない
ことが明らかであるから、これを失当として棄却すべきであり、これと同趣旨の第
一審判決は正当であるから、原判決中上告人敗訴の部分を破棄し、右部分につき被
上告人の控訴を棄却することとする。
 よって、民訴法四〇八条、三九六条、三八四条、九六条、八九条に従い、裁判官
可部恒雄の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 裁判官可部恒雄の補足意見は、次のとおりである。
 一 本件は、注文者甲と元請負人乙及び下請負人丙とがある場合に、乙が倒産し
たときは甲丙間の法律関係はどのようなものとして理解さるべきか、との論点が中
心となる事案で、請負関係について実務上しばしば遭遇する典型的事例の一つであ
り、本件において下請負人丙(被上告人)の請求を排斥した第一審判決を取り消し
た上これを認容すべきものとした原判決の理由中に、右甲乙丙三者間の法律関係に
つき特段の言及をした説示が見られるので、法廷意見に補足して、私の考えるとこ
ろを述べておくこととしたい。
 二 原判決は、その理由の三の1において、上告人甲と乙との間の元請契約には、
甲は工事途中で右契約を解除することができ、その場合乙が施工した出来形部分の
所有権は甲に帰属する旨の条項が設けられ、その後、右契約は解除されたが、右特
約条項は注文者甲と元請負人乙との間の約定であって、下請負人たる被上告人丙を
拘束するものではなく、乙丙間の下請契約には、丙が施工した出来形部分の所有権
の帰属に関する特約はなされていなかったから、右元請契約の解除により直ちに本
件建前の所有権が甲に移転する理はないと解される旨を判示した。
  甲乙丙三者間の法律関係は原判決説示のようなものとして理解され得るか、こ
れが本件の問題点である。
 三 本件事案の概要は、注文者甲がその所有地上に家屋を築造しようとして乙に
請け負わせたところ、乙は注文者甲と関りなくこれを一括して丙に下請させ、丙が
乙との間の契約に従って施工中に元請負人乙が倒産した、甲は工事請負代金中の相
当部分を乙に支払済みであったが、乙から丙への下請代金は支払われていなかった、
というものである。
  そして、本件において被上告人丙が建築工事を取り止めた時点における出来形
部分の状態は、法廷意見に記述のとおりであるが、本件において工事を施工したの
は一括下請負人たる丙のみであり、材料は丙が提供し、工事施工の労賃は丙の出捐
にかかるものである。したがって、この点のみに着目すれば、出来形部分は丙の所
有というべきものとなろう。工事途中の出来形部分の所有権は、材料の提供者が請
負人である場合は、原則として請負人に帰属する、というのが古くからの実務の取
扱いであり、この態度は施工者が下請負人であるときも異なるところはない。
 四 しかし、此処で特段の指摘を要するのは、工事途中の出来形部分に対する請
負人(下請負人を含む)の所有権が肯定されるのは、請負人乙の注文者甲に対する
請負代金債権、下請についていえば丙の元請負人乙に対する下請代金債権確保のた
めの手段としてである(注)という基本的な構成についての理解が、従前の実務上
とかく看過されがちであったことである。
   注 この点をつとに指摘した裁判例として、東京高裁昭和五四年四月一九日
判決・判例時報九三四号五六頁を挙げることができよう。
  本件において、下請負人丙の出来形部分に対する所有権の帰属の主張が、丙の
元請負人乙に対する下請代金債権確保のための、いわば技巧的手段であり、かつ、
それにすぎないものであることは、丙が出来形部分の収去を土地所有者甲から求め
られた局面を想定すれば、容易に理解され得るであろう。
  すなわち、元請負人乙に対する丙の代金債権確保のために、下請負人丙の出来
形部分に対する所有権を肯定するとしても、敷地の所有者(又は地上権、賃借権等
を有する者)は注文者甲であって、丙はその敷地上に出来形部分を存続させるため
の如何なる権原をも有せず、甲の請求があればその意のままに、自己の費用をもっ
て出来形部分を収去して敷地を甲に明け渡すほかはない。丙が甲の所有(借)地上
に有形物を築造し、甲がこれを咎めなかったのは、一に甲乙間に元請契約の存する
が故であり、丙による出来形部分の築造は、注文者甲から工事を請け負った乙の元
請契約上の債務の履行として、またその限りにおいて、甲によって承認され得たも
のにほかならない。
 五 本件の法律関係に登場する当事者は、まず注文者たる甲及び元請負人乙であ
り、次いで乙から一括下請負をした丙であるが、この甲、乙、丙の三者は平等並立
の関係にあるものではない。基本となるのは甲乙間の元請契約であり、元請契約の
存在及び内容を前提として、乙丙間に下請契約が成立する。比喩的にいえば、元請
契約は親亀であり、下請契約は親亀の背に乗る子亀である。丙は乙との間で契約を
締結した者で、乙に対する関係での丙の権利義務は下請契約によって定まるが、そ
の締結が甲の関与しないものである限り、丙は右契約上の権利をもって甲に直接対
抗することはできず(下請契約上の乙、丙の権利義務関係は、注文者甲に対する関
係においては、請負人側の内部的事情にすぎない)、丙のする下請工事の施工も、
甲乙間の元請契約の存在と内容を前提とし、元請契約上の乙の債務の履行としての
み許容され得るのである。
  このように、注文者甲に対する関係において、下請負人丙はいわば元請負人乙
の履行補助者的立場にあるものにすぎず、下請契約が元請契約の存在と内容を前提
として初めて成立し得るものである以上、特段の事情のない限り、丙は、契約が中
途解除された場合の出来形部分の所有権帰属に関する甲乙間の約定の効力をそのま
ま承認するほかはない。甲に対する関係において丙は独立平等の第三者ではなく、
基本となる甲乙間の約定の効力は、原則として下請負人丙にも及ぶものとされなけ
ればならない。子亀は親亀の行先を知ってその背に乗ったものであるからである。
ただし、甲が乙丙間の下請契約を知り、甲にとって不利益な契約内容を承認したよ
うな場合(法廷意見にいう特段の事情─甲と丙との間の格別の合意─の存する場合)
は別であるが、このような例外的事情は通常は認められ難いであろう(甲丙間に格
別の合意がない限り、甲が丙の存在を知っていたか否かによって結論が左右される
ことはない。法廷意見中に、上告人は本件下請契約の存在さえ知らなかったもので
ある旨言及されているのは、単なる背景的事情の説明にほかならない)。
 六 しかるに原判決が、前記のように、中途解除の場合の出来形部分の所有権帰
属についての特約は甲乙間の約定であって、下請負人丙を拘束するものでないとし
たのは、さきに見たような元請契約と下請契約との関係、下請負人丙の地位が注文
者甲に対する関係においては、元請負人乙の履行補助者的地位にとどまることを忘
れたものとの非難を免れないであろう。
  もとより、下請負人丙のための債権確保の要請も考慮事項の一たるを失わない。
しかし、この点における丙の安否は、もともと、基本的には元請負人乙の資力に依
存するものであり、事柄は乙と注文者甲との間においても共通である。ただ、甲乙
間においては、通常、乙の施工の程度が甲の代金支払に見合ったものとなるので(
したがって、乙が材料を提供した場合でも、実質的には甲が材料費を負担している
のが実態ということができ、この点を度外視して材料の提供者が乙であるか否かを
論ずるのは、むしろ空疎な議論というべきであろう)、出来形部分に対する所有権
の乙への帰属の有無がその死命を制することにはならず、もともと甲のための建物
としての完成を予定されている出来形部分の所有権の甲への帰属を認めた上で、甲
乙間での代金の精算を図ることが社会経済上も理に適い、また、乙にとっても不利
益とならないのが通常であるといえよう。
  他方、下請の関係についていえば、下請負人丙の請負代金債権は、元請負人乙
に対するものであって、甲とは関りがない。一般に、出来形部分に対する所有権の
請負人への帰属は、請負代金債権確保のための技巧的手段であるが、最終的には敷
地に対する支配権を有する注文者甲に対抗できないことは、さきに見たとおりであ
って、元請負人乙の資力を見誤った丙の保護を、下請契約に関りのない、しかも乙
に対しては支払済みの注文者甲の負担において図るのは、理に合わないことである
(注)。
   注 これを先例になぞらえていえば、本来丙において乙に対して自ら負担す
べき代金回収不能の危険を甲に転嫁しようとするもの、ということができよう(最
高裁昭和四九年(オ)第一〇一〇号同五〇年二月二八日第二小法廷判決・民集二九
巻二号一九三頁参照)。
 七 もし、甲が乙に対して全く代金の支払をせず、又はそれが過少であるのに、
倒産した乙からの下請負人丙が一定の出来形を築造していた場合には、現実の出捐
をした丙に対する甲の不当利得の成立を考える余地があろう。しかし、問題の多い
不当利得による構成よりも、出来形部分の所有権の帰属に関する甲乙間の特約の効
力が丙に及ぶことを端的に肯定した上で、甲に対する乙の代金債権の丙による代位
行使を認める構成こそ、遥かによく実情に合致する。
  これに対し、丙の施工による出来形部分に見合う代金が既に甲から乙に支払済
みであるときは、乙の履行補助者的地位にある丙の下請代金債権の担保となるもの
は、乙の資力のみである(丙の保護、丙のための権利確保の方策は、甲ではなく乙
との関係においてこそ考慮されなければならない)。一見酷であるかに見えるこの
結論は、元請と下請という契約上の二重構造(子亀は親亀の背の上でしか生きられ
ないという仕細み)から来る、いわば不可避の帰結にほかならず、これと異なる見
地に立って、下請契約に関与せずしかも乙に対しては支払済みの注文者甲に請負代
金の二重払いを強いることとなる原判決の見解を、丙の本訴請求に対する結論とし
て選択する余地はないものといわなければならない。
 八 従前、請負関係の紛争に関する実務の取扱いは、請負人が材料を提供した場
合の出来形部分の所有権は原則として請負人に帰属するとの見地に立ち、むしろこ
れを最上位の指導原理として紛争の処理に当たって来たといえるが、その結果、元
請負人の倒産事例において、出来形部分に見合う代金を元請負人乙に支払済みの注
文者甲と、乙から下請代金の支払を受けていない下請負人丙との利害の調整に苦し
み、あるいは出来形部分の所有者である丙の注文者甲に対する明渡請求を権利の濫
用として排斥し(東京高裁昭和五八・七・二八判決・判例時報一〇八七号六七頁)、
あるいは出来高に見合う代金を支払った上で甲のした保存登記の抹消を求める丙の
請求を権利の濫用として排斥している(東京地裁昭和六一・五・二七判決・同一二
三九号七一頁)。私は、請負人が材料を提供した場合の出来形部分の所有権は原則
として請負人に帰属するとの従前の実務の取扱いとの整合性に配慮しつつ、それぞ
れの事案において妥当な結論を導き出そうとしたこれら裁判例に見られる努力に敬
意を表するにやぶさかではないが、丙の請負代金債権確保の手段として出来形部分
に対する所有権の丙への帰属を肯定しようとする解釈上の努力が、それにも拘らず
当の出来形部分の存在それ自体が甲の収去敷地明渡しの請求に抗する術がないとい
う、より一層基本的な構造の認識に欠けていた点につき改めて注意を喚起し、元請
倒産事例についての実務の取扱いが、一種の袋小路を思わせるような状態から脱却
して行くことを期待したいと思う。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    佐   藤   庄 市 郎
            裁判官    大   野   正   男

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