弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A弁護人山下直次、上告趣意並びに同弁護人岡崎源一、同千坂虎五郎上告
趣意第一点について。
 しかし、記録によれば、被告人は、昭和二一年八月一五日神戸米軍事裁判所にお
いて、日本刀所持罪により懲役二月及び罰金千円の刑に処せられ、その執行を受け
たことは認められるが、本来性質上、同裁判所の権限に属しない本件窃盗罪につき、
同裁判所で処罰されたことは認められない。されば、右事実を前提とする一事不再
理又は外国の確定判決を受けたとする主張は既にこの点において採ることができな
い。
 同岡崎源一、同千坂虎五郎上告趣意第二点について。
 所論原判決の判示は不正確であり粗笨たるを免れないことは、所論のとおりであ
る。しかし、原判決は、共謀による連続一罪の窃盗の事実を判示したものであつて、
かゝる判示は、要するに、単独ではなく、他の者と共謀したこと並びに行為の始期、
終期、回数、被害者の数、被害品の品目、総数等行為が連続犯に該当する複数のも
のであることを知り得る程度に判示すれば足りるものである。蓋し、かゝる程度の
判示あれば、公訴事実の同一性を特定し、相当法条を適用するのに妨げがないから、
判決の理由に不備又は齟齬があるといえない。それ故、所論は、結局採ることがで
きない。
 同第三点について。
 しかし、未決勾留日数の算入又は刑の執行猶予をするか否かは、原裁判所が諸般
の情状を斟酌して決定すべき裁量事項であるから、所論のような事情があるからと
いつて、原審の処置を目して違法であるということはできない。また、上告審にお
いては、原判決に違法の点があつて原判決を破棄して自ら刑の言渡をする場合でな
ければ、刑の執行猶予の言渡をすることができないものである。そして原判決には
これを破棄すべき事由が認められないから、所論力説も採ることができない。
 被告人B同C弁護人小林銀八上告趣意について。
 しかし、原判決は、所論犯罪報告書を証拠としたものではなく、その報告書を読
み聞かせられてこれを自認した被告人等の供述(原審公判調書中被告人Cに対する
訊問中所論第一審判決摘示第二とあるは第四の誤記であるのみならず同被告人の自
認した犯罪報告書一〇項乃至一二項、三七項、三八項は窃盗の事実であるから、こ
の点について所論の違法はない。)を証拠としたものである。そして証拠調の限度
は、原審の自由裁量に属するところであるから、証拠調につき所論犯罪報告書その
他物的証拠がないからといつて、証拠調につき審理不尽の違法があるとはいえない。
また判決裁判所の公判廷における自白は、刑訴応急措置法一〇条三項の自白に含ま
れないことは既に当裁判所の判例とするところであるから、原判決には同条項に反
する違法はない。従つて、所論一、二並びにこれを前提とする所論三は採ることが
できない。
 被告人C上告趣意について。
 しかし、刑の量定並びに刑の執行猶予を為すか否かは、原審の自由裁量に属する
ところであるから、原審の措置を目して違法ということはできない。所論は、法律
審である当裁判所に対する適法な上告理由とならない。
 被告人B弁護人山脇正夫上告趣意について。
 しかし、刑の量定は、原審の自由裁量に属するから、その裁量を目して所論憲法
の違反とすることは上告適法の理由とならないことは既に当裁判所大法廷の判例と
するところである。されば所論は採ることができない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は自白に関し沢田裁判官の反対意見を除くの外裁判官全員一致の意見に
よるものである。
 検察官 十蔵寺宗雄関与
  昭和二四年一一月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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