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平成22年(レ)第275号管理費等請求控訴事件
(原審・春日井簡易裁判所平成22年(ハ)第11号)
判決
主文
1原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して,更に27万5764円を
支払え。
3第1審における訴訟費用は,被控訴人らの負担とし,当審における
訴訟費用は,控訴人の負担とする。
4この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して,更に27万5764円を
支払え。
3訴訟費用は,第1,2審を通じて被控訴人らの負担とする。
4仮執行宣言
第2事案の概要
1本件は,Aの管理等を目的とし,区分所有者全員を構成員として
成立した管理組合である控訴人が,A○号を所有する区分所有者で
ある被控訴人らに対し,A管理規約(以下「本件規約」という。)
に基づく,管理費,修繕積立金の支払,駐車場使用契約に基づく,
駐車場使用料金の支払,本件規約に基づく,これらの費用に対する
管理規約所定の年14パーセントの割合による遅延損害金の支払
(以下,これらの費用を「未払管理費等」という。)及び控訴人が
被控訴人らの未払管理費等の回収のために要する弁護士費用の支
払を求めた事案である。
2原審は,控訴人の請求のうち,弁護士費用の支払を求める部分を
棄却し,その余の請求を認容したため,控訴人が敗訴部分を不服と
して控訴した。したがって当審における審理の対象は,弁護士費用
の請求の当否である。
3当審における控訴人の主張
(1)本件規約57条2項には,組合員が管理費等及び使用料を期限
までに納付しない場合には,組合員は,未払金額に加えて,弁護
士費用等を支払う旨の記載がある。したがって,被控訴人らは,
未払管理費等の回収のための弁護士費用を控訴人に支払う義務
がある。
(2)控訴人は,被控訴人らの未払管理費等(平成21年12月28
日時点において,未払管理費及び未払修繕積立金等合計101万
6450円)の回収のために,控訴人訴訟代理人と委任契約を締
結した。本件における弁護士費用は以下のとおりである。
着手金10万5000円
報酬金17万0764円
合計27万5764円
4被控訴人らは,当審の口頭弁論期日に出席せず,答弁書その他の
準備書面も提出しないから,当審における控訴人の主張した各事実
を争うことを明らかにしないものと認め,これを自白したものとみ
なす。
そうすると,控訴人の主張には理由がある。
5結論
よって,本件控訴は理由があるからこれを認容することとするが,
訴訟費用については,そもそも,第一審における,控訴人の弁護士費
用に関する主張が不十分であったことが,原判決の一部棄却の理由と
なったことが明らかであり,これにより控訴人が,控訴に至ったと考
えられること,しかも,控訴人は,第一審においても,当審における
弁護士費用に関するのと同様の主張をすることが十分に可能であった
と考えられることからすると,本件は,弁護士費用の請求について,
控訴人の責に帰すべき事由により,控訴審での審理が必要となり,訴
訟が遅滞したということができるから,当審における訴訟費用は控訴
人に負担させるのが相当であり,民事訴訟法63条を適用して,主文
のとおり判決する。
名古屋地方裁判所民事第8部
裁判長裁判官長谷川恭弘
裁判官鈴木陽一郎
裁判官中畑章生

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