弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人岡田久恵の上告趣意について。
 記録を精査するに(1)所論の原審第三回公判期日には、第二回公判廷において
次回(即ち第三回)公判期日に関する適法な告知を受けながら(記録七八九丁、八
〇三丁)、しかも被告人及び石川弁護人からも期日変更申請等その他記録上何等首
肯し得る事由なくして、第三回公判期日に出頭せず(記録八四八丁裏)。裁判長は
合議の上被告人に対する審理分離の決定を為し(記録八四八丁裏)、且つこの公判
期日においては前回(第二回公判)決定済の、原審相被告人Cのため同弁護人高垣
憲臣の申請に係る所論証人Dの訊問が為されたもの(記録八〇二丁裏、八〇三丁、
八五六丁以下)であつて、この間原審の手続には何等の違法はないのである。(2)
次に所論の第四回公判期日においては、被告人及び石川弁護人とも出廷したが、当
日は何等の審理弁論も行われず、単に延期となり、次回公判期日の指定告知が為さ
れて閉廷となつたことは記録上明かである。しかるに、この期日における被告人に
対する召喚手続は之を履践した証跡が記録上認められないことは、所論のとおりで
ある。(石川弁護人には召喚状の送達あり)。しかし、公判期日における召喚手続
の履践については、之を記録上明確にしなければならないと言う法令の根拠はない
のであつて、したがつて、このことが記録上は明確でないと言うことの一事をもつ
ては、その召喚手続が適法に行われなかつたと言う結論には到達し得ないのである
(昭和二三年(れ)第八二六号同年一二月四日第二小法廷判決参照)。(3)次に、
昭和二三年一二月二日の第五回公判期日についても召喚状が発せられていないとの
所論については、右第四回公判廷において、被告人及び弁護人とも所論第五回公判
期日の指定告知を受けていることは記録上明かであるから(記録八七二丁裏)、論
旨は理由がなく、尚当日は、被告人に対し適式に併合審理の決定が為され(記録八
七四丁裏)、次で前示被告人不出頭のまゝ審理分離となつた第三回公判廷において
取調べられた、所論Dの証言調書等その他すべての証拠につき適法な証拠調が履践
されていることは記録上明確である(記録八七五丁)から、この点に関する各所論
もすべて理由のないものであることは明かである。(4)次に所論第七回公判期日
の被告人に対する召喚手続に関し、その郵便送達報告書中の氏名の記載が「A」と
記載されてあることは、所論指摘のとおりであるが未だ右送達報告書の記載だけで
は、被告人に対し現実に送達された召喚状の氏名の記載までが、右と同様の記載で
あつたとは之を断定できないのみでなく、被告人(及び石川弁護人)は該召喚期日
である、昭和二四年一月一三日の所論第七回公判期日に出頭し、被告人及び石川弁
護人とも何等の異議を述べず、審理が行われたものであることは同公判調書上明確
である。しからば、寧ろ被告人に現実に送達された召喚状には「B」と記載されて
あつたものと認むることを相当とする。されば所論指摘の送達報告書の前示記載は
「B」と書ぐべきを、誤記したものであることは明かであるから、この点に関する
所論も亦理由がない。
 以上の如く論旨はすべて理由がないから、刑訴施行法第二条及び旧刑訴法第四四
六条にしたがい、主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 岡本梅次郎関与
  昭和二四年一〇月二九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛