弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役参月に処する。
     この裁判の確定した日から四年間右の刑の執行を猶予する。
     原審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人上村進の控訴趣意は別紙記載のとおりで、これに対し次のように判断す
る。
 論旨第二点について。
 論旨は、本件住民登録届書は刑法第二百五十八条の客体となるものでないと主張
するである。しかしな<要旨第一>がら、同条にいわゆる「公務所ノ用ニ供スル文
書」とは、現に公務所が使用し又は保管している文書をいうのであつ
て、その作成者が公務員であるか私人であるかは問うところでない。しかるに、原
判決の挙示する証拠によれば、本件届書は原判示村役場が住民登録法によつて受理
し住民票作成の資料として保管中のものであつたというのであるから、同条にいわ
ゆる「公務所ノ用ニ供スル文書」であることは疑のないところである。次に、論旨
は、被告人は本件届書そのものは破棄していないと主張する。なるほど押収にかか
る住民登録届綴について見れば被告人は右届書をその綴り目の部分からこれを破り
取つたものでその記載部分を破棄したものでないことは認められる。しかし、たと
えその記載部分ではないにもせよ、ともかくその文書の一部を物質的に毀<要旨第
二>損したことは明らかであるのみならず、前記法条にいわゆる文書の毀棄とは、必
ずしも文書を有形的に毀損する場合だけでなく、無形的に一時その文書
を利用することのできない状態に置いた場合をもいうのであるから(大審院昭和九
年(れ)第一〇七〇号同年一二月二二日判決、刑事判例集一三巻一七八九頁参
照)、いやしくも不正領得の意思なく公務所の用に供する文書をその管理者の意に
反して持ち去つた以上は、当該公務所をしてその文書を利用することのできぬ状態
に置いたものであつて、同条にいわゆる「毀棄」に該当するものとい<要旨第三>わ
なければならない。そして、かくのごとく公務所の利用を妨げた事実があれば、そ
の期間の一時的であると永続的であると、また後日返還の意思あると否
とはなんら同罪の成否に影響しないと解すべきであるから、右文書が現在村役場に
返還されているからといつて文書毀棄罪の成立を阻却する筋合ではない。これを要
するに原判決が被告人の所為に刑法第二百五十八条を適用したのは正当であつて、
論旨は理由がない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 大塚今比古 判事 山田要治 判事 中野次雄)

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