弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A外三名の上告趣意について
 上告趣意一は、単なる法令違反の主張であり、同二は、刑法一〇六条の騒擾罪の
規定自体があいまい、不明確であるとして憲法三一条、二一条違反をいうが、右規
定が所論のようにあいまい、不明確であるとはいえないから、所論違憲の主張は前
提を欠き、同三のうち、現場写真の証拠採用に関して違憲をいう点は、記録によれ
ば、右写真のフイルムの押収手続等に所論の違法はなく、右写真の証拠能力を認め
た原判断は正当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、その余は、違憲をいう
かのごとき点を含め、実質は単なる法令違反の主張であり、同四は、憲法二一条違
反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、いずれも適
法な上告理由にあたらない。
 なお、犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写
真自体又はその他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備するも
のであつて、これを証拠として採用するためには、必ずしも撮影者らに現場写真の
作成過程ないし事件との関連性を証言させることを要するものではない。
 弁護人小泉征一郎、同木内俊夫、同庄司宏の上告趣意について
 上告趣意第一は、憲法前文、九八条一項、九九条違反をいう点を含め、実質は単
なる法令違反の主張であり、同第二は、憲法三一条、二一条違反をいうが、騒擾罪
を規定した刑法一〇六条は、所論のようにその構成要件が無内容、あいまい、不明
確であるとはいえないから、所論違憲の主張は前提を欠き、適法な上告理由にあた
らない。
 同第三のうち、所論ビラ等の証拠採用に関して憲法三七条二項違反をいう点は、
記録によれば、第一審が「右ビラ等の存在」を立証趣旨としてこれを非供述証拠と
して採用したことに刑訴法三二〇条一項違反を容れる余地はないとした原判断は正
当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、その余は、憲法三一条、三七条二項、
二一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適
法な上告理由にあたらない。
 なお、同一地域内において、構成を異にする複数の集団により時間・場所を異に
してそれぞれ暴行・脅迫が行われた場合であつても、先行の集団による暴行・脅迫
に触発、刺激され、右暴行・脅迫の事実を認識認容しつつこれを承継する形態にお
いて、その集団による暴行・脅迫に時間的、場所的に近接して、後の集団による暴
行・脅迫が順次継続的に行われたときには、各集団による暴行・脅迫は全体として
同一の共同意思によるものというべきであつて、これと同旨の見解に立ち、昭和四
三年一〇月二一日午後八時四五分ころから同月二二日午前一時ころまでの間にB駅
の構内及びその周辺で発生した所論各集団暴行等につき、これらの暴行等は全体と
して同一の共同意思によるものと認められるから包括して一個の騒擾罪が成立する
とした原判断は、記録及び証拠物に徴し正当として是認することができる。
 同第四は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 なお、騒擾罪を規定した刑法一〇六条にいう暴行・脅迫は、一地方における公共
の平和、静謐を害するに足りるものでなければならないところ(最高裁昭和三三年
(あ)第二〇八二号同三五年一二月八日第一小法廷判決・刑集一四巻一三号一八一
八頁参照)、右にいう「一地方」に該当するか否かについては、単に暴行・脅迫が
行われた地域の広狭や居住者の多寡などといつた静的、固定的要素のみによつてこ
れを決めるべきものではなく、右地域(同所にある建物・諸施設、事業所などをも
含む。)が社会生活において占める重要性や同所を利用する一般市民の動き、同所
を職域として勤務する者らの活動状況などといつた動的、機能的要素をも総合し、
さらに、当該騒動の様相が右地域にとどまらず、その周辺地域の人心にまで不安、
動揺を与えるに足りる程度のものであつたか否かといつた観点からの考察も併せて
行うべきであつて、これと同旨の見解に立ち、交通の一大要衝であるB駅の構内及
びその周辺で敢行された被告人らを含む学生・群衆らによる本件集団暴力行動が「
一地方」における公共の平和、静謐を害するに足りるものであるとした原判断は、
記録及び証拠物に徴し正当として是認することができる。
 同第五のうち、アマチユアカメラマン撮影の現場写真の証拠採用に関して憲法三
一条、三五条違反をいう点は、記録によれば、右写真のフイルムの押収手続及びそ
の現像・焼付の過程等に所論の違法はなく、右写真の証拠能力を認めた原判断は正
当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、判例違反をいう点は、所論引用の判
例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、憲法三一条、三七条二項違反をい
う点を含め、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第六は、事実誤認
の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり決定する。
  昭和五九年一二月二一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    牧       圭   次
            裁判官    木   下   忠   良
            裁判官    鹽   野   宜   慶
            裁判官    大   橋       進
            裁判官    島   谷   六   郎

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