弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
       本件各抗告を棄却する。
         理    由
 本件各抗告の趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であっ
て,いずれも刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
 なお,本件各差押処分は,本件被告事件の第1審第12回公判期日後に検察官の
請求により名古屋地方裁判所裁判官が発付した各捜索差押許可状に基づき行われた
ものではあるが,本件では,検察官において受訴裁判所に対し証拠調べの一環とし
て捜索差押えの請求をしたとすれば,差押対象物について被告人らによる証拠隠滅
のおそれがあったというのであるから,検察官による本件各差押処分を是認した原
決定の判断は正当である。
 よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文の
とおり決定する。なお,裁判官滝井繁男,同梶谷玄の各補足意見がある。
 裁判官滝井繁男の補足意見は,次のとおりである。
 私は,被告事件について証拠調手続が開始された後においては,原則として捜査
機関による捜索差押えは許されず,必要があれば,受訴裁判所に対し,証拠調べの
一環として捜索差押えの請求をし,受訴裁判所を通してこれを実施すべきであると
解するものであり,それが公判中心主義,当事者対等の原則という法の理念に適う
ものと考える。ただ,証拠調手続が開始された後においても,受訴裁判所による捜
索差押えを待っていては,その間に証拠が隠滅されるなど,捜索差押えの目的を達
し得ないときもあり,このような場合には,例外的に捜査機関による捜索差押えが
許されることもあると考える。本件では,検察官において受訴裁判所に対し捜索差
押えの請求をしたとすれば,関係者による証拠隠滅のおそれがあったというのであ
るから,検察官による本件各差押処分を是認した原決定の判断を正当とした法廷意
見に賛成するものである。
 しかしながら,受訴裁判所を通して捜索差押えを実施する場合であれば,被告人
及び弁護人は,当然にその内容を知り,これに対して意見を述べ,不服申立てを行
うこともできるのであるから,例外的に捜査機関による捜索差押えが行われた場合
には,事後的にせよ,受訴裁判所を通して捜索差押えが実施された場合と同様の手
当てをし,被告人が不当な不利益を被らないようにすることが,上記法の理念の要
請するところと考える。私は,このような観点から,当該被告事件に関し,証拠調
手続開始後に捜査機関において捜索差押えを行った場合には,どのような捜索差押
えが行われたかについて被告人及び弁護人に了知させるための措置を速やかに講じ
,証拠開示の申立てや,差押処分に対する不服申立てなどを行う機会を付与するこ
とが必要であると解するものである。
 裁判官梶谷玄は,裁判官滝井繁男の補足意見に同調する。
(裁判長裁判官 福田 博 裁判官 北川弘治 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷
 玄 裁判官 滝井繁男)

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