弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人松谷栄太郎の上告理由一について。
 原判決引用の第一審判決は、上告人(被告A)所有の原判決別紙目録(一)の宅
地につき、上告人被上告人(原告)間における売買契約所定の代金の支払が済んで
いないのに上告人に対し残代金と引換でなく所有権移転登記手続を命じたものであ
ること所論のとおりであるが、上告人は原審において、残代金と引換でなければ右
登記手続に応ぜられない旨の主張(同時履行の抗弁)をしていないこと記録上明ら
かであるから、原判決に所論の違法があるとはいえない。論旨は採用できない。
 同二(1)について。
 原判決引用の第一審判決は、上告人被上告人間に原判決別紙目録(二)の畑につ
き、上告人は福井県知事に対し農地法第五条による許可申請をなし、この許可がな
されたことを条件として所有権移転登記手続ををなすべき旨を命じたことは所論の
とおりであるが、右判決によれば、上告人は被上告人に対し確定的に右畑を売り渡
す旨契約した(いわゆる停止条件付売買契約ではない)というのであるから、前記
福井県知事の許可がありさえすれば直ちに右畑の所有権移転の効力が生じ、上告人
は判示移転登記手続義務を負担するに至るのであり、判示事情の下においては、被
上告人は上告人に対し右許可がなされた場合を予定し、あらかじめ右登記手続を請
求する必要があるものというべく、被上告人の右請求は、民訴訟二二六条により許
されるものと解すべきである。また、右畑につき所論の仮登記仮処分が存すること
は、被上告人において前記請求につき本案判決を取得する必要がある以上、前記の
結論をなんら左右するに足るものではない。
 原判決に所論の違法がなく、論旨は採用できない。
 同二(2)について。
 農地の売買契約締結後はもはや農地法第五条による都道府県知事の許可を求める
ことが許されないと解すべき根拠がないから、原判決に所論の農地法の解釈を誤つ
た違法があるとはいえない。
 論旨は採用できない。
 同二(3)について。
 所論は、原判決引用の第一審判決の確定した上告人被上告人間の前記畑の売買契
約は、福井県知事の許可を条件とする契約であるてとを前提とするが、右判決は、
右売買契約につき右条件を附する旨の約定がなされたとは判示していないから、所
論はその前提を欠く。
 論旨は採用できない。
 同二(4)について。
 農地法第五条は、農地の所有者が農地の売買契約をなしても都道府県知事の許可
がなければ農地所有権移転の効力を生じない旨規定したものにすぎないから、上告
人被上告人間においてなんら条件を附することなく前記畑の売買契約をなしても、
これにつき福井県知事の農地法第五条による許可があれば所有権移転の効力を生ず
ることは当然であつて、所論指摘の判例は本件に適切でない。
 原判決に所論の違法がなく、論旨は採用できない。
 同二(5)について。
 原判決の引用する第一審判決は、措辞明瞭を欠くが、被上告人は上告人より前記
畑を宅地造成の目的で買い受けたものである旨判示したものと解することができる。
而して、これにつき農地法第五条による福井県知事の許可申請手続を命じたもので
あること判文上明白である。
 原判決に所論の審理不尽の違法がなく、論旨は採用できない。
 同三について。
 上告人は原審において本件売買契約につき所論の手附倍戻しによる解約権行使の
主張をしていないこと記録上明らかであるから、これをもつて原判決を非難するこ
とは許されない。
 論旨は採用できない。
 同四について。
 原判決およびその引用する第一審判決は、要するに、原判決別紙目録(一)の宅
地が上告人より被上告人に売り渡され、被上告人の所有に帰したから、上告人は右
宅地上にある上告人所有の前記目録(四)記載の建物を収去すべき義務ある旨判示
したものであつて、上告人において、右宅地を占有すべき権限につきなんら主張、
立証のない本件においては、右判断は正当としてこれを肯認することができる。
 所論は、原判決正解せず、また、原審の認定に副わない事実を主張して原判決を
非難するものであり、採用のかぎりでない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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