弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人原定夫の上告理由について。
 (一) 論旨は、原審が乙第一号証(切図)により、本件字小杉谷二、三四三番
山林と同字二、三四二番山林とが境を接している旨認定したことは所論のごとき違
法を冒したものであるという。
 しかし、たとえ所論のごとく、右切図上、字小杉谷二、三四三番山林の北東側が
全部同字二、三四〇番山林に接続しているように記載してある部分が不正確である
としても、右切図の他の記載部分、ことに前示二、三四三番山林と二、三四二番山
林との隣接関係の記載までが不正確であると断定できる筋合ではなく、また、所論
のごとく、右二、三四三番山林と二、三四二番山林との隣接関係の記載が、検証の
結果に徴し、事実に反すること明白であるとはとうてい認め難い。されば、論旨は、
証拠に対する独自の評価を前提として、原審がした乙第一号証の判断ならびにこれ
に基づく事実認定の違法を主張するものというべく、採用するに由ない。
 (二) 論旨は、乙第一号証の切図中「二、三三五番の北方を東方に流れる谷川
は二、三四三番の東北端から発しているけれども」(原判決八枚目裏一〇・一一行
目)、同所から上流はその記載を省略されたものであつて、その上流は二、三四四
番と二、三四三番、二、三四〇番と二、三四三番の各境を上り、二、三四〇番と二、
三四二番の境に達するものと推測され、二、三四三番の北方境界は谷川に沿うもの
である旨の原審の判断に所論のごとき違法があるという。
 しかし、右判示中「東方」とあるのは「西方」の、「東北端」とあるのは「西南
端」の各誤記であること原判文を通覧すれば明白であり、このような判決の誤記は
更正決定による是正を求めれば足り、これを上告理由として主張することは許され
ないといわなければならない。また、前記原判示は、記載を省略されている谷川の
流れを切図上に現わすとすればこうなるであろうと推測判断した趣旨にほかならな
いから、この点を正解しないで原判示を非難する所論はあたらない。さらにまた、二
、三四四番山林の東側に二、三九四番山林が隣接している事実は原審が別に確定し
ているところであるから、二、三四四番山林の東側は二、三四三番山林と隣接して
いないこと、したがつて、これに牴触する切図の記載は正確を欠くことは明らかで
あり、また、二、三四三番山林が上告人主張の地域であれ、被上告人主張の地域で
あれ、二、三四〇番山林と隣接していないことは原判決により確定された趣旨と解
されるからこれに牴触する切図の記載もまた不正確を免れず、そうとすれば、原審
が、二、三四四番山村と二、三四三番山林、二、三四三番山林と二、三四〇番山林
の各境界線上に谷川の上流の記載を想定したことは証拠の判断を誤つたものという
べく、このことは延いて、右切図を事実認定の資料に供したことの違法を招来する
ものといわざるをえないが、原審は、右切図上の谷川の所在場所の判断のみならず、
挙示の証拠ならびにこれにより認定した本件係争地の管理占有状態、周辺山林との
位置関係、係争地の地形等判示諸般の事実を総合して、本件係争地は被上告人松井
忠雄所有の二、三四三番山林に該当する旨認定したのであり、右切図上の谷川の所
在場所の判断の点を除く、爾余の資料のみをもつてしても、原審究極の認定は是認
できるから、前示違法はいまだ判決に影響を及ぼすこと明らかなものということは
できない。所論はすべて採用できない。
 (三) 所論Dの証言によれば、所論摘記の原審の認定は是認できる。右認定は
D証言の趣旨を誤解してなされたとする所論は、原審がその裁量の範囲内において
適法にした証拠の判断および事実の認定を攻撃するものであり、上告適法の理由と
し難い。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐

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