弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人藤原繁夫の上告趣意は、末尾に添えた書面記載の通りである。
 上告趣意第一点について。
 原判決は、被告人の判示第一の犯行につき、その犯意の説明として「若し日本刀
や匕首で相手を斬り付けるときは、斬り所によつては当然相手を死に至らしめるこ
とを予想しながら」本件犯行に出たことを記載している。自己の行為が他人を死亡
させるかも知れないと意識しながら敢えてその行為に出た場合が殺人罪のいわゆる
未必の故意ある場合に当ることは言うまでもないところであつて、前記の原判示説
明は、このことを言い現わしているのである。それゆえ、原判決はその判文中に被
告人に殺意のあつたことを説明しているのであるから、原判決には所論のように理
由不備若しくは判断遺脱の違法はない。
 同第二点について。
 原判決の挙げている証拠、殊に被告人に対する第一審第四回及び第五回公判調書
中の供述記載、原審証人A、同B、同Cの各供述を綜合すれば、被告人がCに対す
る殺害未遂行為の直接の下手人の一人であつたことが認め得られる。所論は、原審
が採用していない証拠を論拠として原審の認定を非難するものに外ならない。され
ば、原判決には所論のように虚無の証拠によつて事実を認定した違法はない。
 同第三点について。
 原判決は、その挙示する証拠によつて、被告人等が日本刀及び匕首をもつて原判
示のようにCその他の被害者に原判示のような切創や刺創等を与えた事実を認定し
ているのである。そして、原判示のような状況の下において、日本刀や匕首で被害
者に斬りつけ原判示のような傷害の結果を生ぜしめた事実が証拠によつて認められ
る以上、これら証拠によつて認められた事実から被告人に殺害の未必的犯意のあつ
たことを推断することは間接証拠によつて事実を認定するものであつて少しも差し
支えないことである。されば、原判決には、所論のように虚無の証拠によつて事実
を認定した違法はない。論旨は、露店商人仲間の縄張り争に起因するいわゆる殴り
込みには殺意がないのが経験則であるように主張するが、かゝる所論は弁護人独自
の見解にすぎず、殺意の有無は各事件ごとに判断すべきものであること言うまでも
ない。それゆえ、論旨は採用することができない。
 よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴法第四四六条に従い主文の通り
判決する。
 以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二四年一一月八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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