弁護士法人ITJ法律事務所

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主      文
            原告の請求を棄却する。
            訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告が平成15年6月17日付けで原告に対してした「平成9年度から平成13年度までの明治乳業株式会社
に対する貸付に係る貸付決定票,貸付決定通知書,担保明細,実行未了案件現在利率一覧表及び実行前
貸付条件変更入力済確認票」を不開示とする旨の決定を取り消す。
第2 事案の概要
本件は,原告が,被告に対し,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律に基づき,前記「請
求」記載の法人文書の開示を求めたところ,不開示とする旨の決定を受けたため,同決定の取消しを求めて
いる事案である。
1 法令の定め
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法律第51号による改正前のもの。以下
「本法」という。)は,以下のとおり定めている。
(1) 本法において,「独立行政法人等」とは,独立行政法人通則法2条1項に規定する独立行政法人のほ
か,本法別表第1に掲げる法人をいうものとされている(2条1項)。
また,本法において「法人文書」とは,独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成し,又は取得した
文書,図画及び電磁的記録であって,当該独立行政法人等の役員又は職員が組織的に用いるものとして,
当該独立行政法人等が保有しているものをいうものとされている(同条2項)。
(2) 何人も,本法の定めるところにより,独立行政法人等に対し,当該独立行政法人等の保有する法人文
書の開示を請求することができるものとされている(3条)。
(3) 独立行政法人等は,開示請求があったときは,開示請求に係る法人文書に本法5条各号に掲げる情
報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該法人文書
を開示しなければならないものとされている(5条本文)。
ア 同条2号は,法人その他の団体(国,独立行政法人等及び地方公共団体を除く。以下「法人等」とい
う。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるものは,不開示情報
に当たるが(本文),人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる
情報を除く旨規定している(ただし書)。
「イ 公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害する
おそれがあるもの」
イ 同条4号は,国の機関,独立行政法人等又は地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であっ
て,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な
遂行に支障を及ぼすおそれがあるものは,不開示情報に当たる旨規定している。
「ト 国若しくは地方公共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係る事業に関し,その企業経営
上の正当な利益を害するおそれ」
(4) 独立行政法人等は,開示請求に係る法人文書の一部に不開示情報が記録されている場合におい
て,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部
分を除いた部分につき開示しなければならないが(6条1項本文),当該部分を除いた部分に有意の情報が記
録されていないと認められるときは,この限りではないとされている(同項ただし書)。
(5) 独立行政法人等は,開示請求に係る法人文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益
上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し,当該法人文書を開示することができるものとされてい
る(7条)。
2 前提となる事実(これらの事実は,いずれも当事者間に争いがない。)
(1) 被告は,本法別表第1に掲げられている法人である。
(2) 原告は,平成14年10月15日,被告に対し,本法3条の規定に基づき,「貸付先明治乳業株式会社に対
する平成9年度から平成13年度までの間の貸付に係る総額,その利率,担保に関する文書」の開示を求めた
(以下「本件開示請求」という。)。
(3) これを受けて,被告は,平成15年6月17日付けで,原告に対し,本件開示請求の対象である法人文書
に当たるのは,明治乳業株式会社(以下「訴外会社」という。)に対する平成9年度から平成13年度までの間の
貸付けに係る「貸付決定票」(平成12年度及び平成13年度分),「貸付決定通知書」(平成8年度から平成
11年度分),「担保明細」,「実行前貸付条件変更入力済確認票」及び「実行未了案件現在利率一覧表」(以
下,これらの文書を併せて「本件各文書」という。)であるとしたうえ,これらの文書を不開示とする旨の決定をし
た(以下「本件不開示決定」という。)。
(4) 原告は,平成15年7月16日付けで,被告に対し,本件不開示決定に対する異議の申立てをした。
被告は,同月28日付けで,情報公開審査会に対し,本件を諮問したところ,同審査会は,同年11月
18日付けで,原告に対し,本件不開示決定は妥当である旨の答申を行った。
被告は,同月21日付けで,原告に対し,上記異議の申立てを棄却する旨の決定をした。
3 当事者の主張
(被告の主張)
(1) 本件各文書に不開示情報が記録されていること
本件各文書には,次のような不開示情報が記録されている。
ア 本法5条2号イ該当性について
a(a) 本件各文書には,訴外会社に対する貸付に関し,借入申込書受理日,貸付実行予定日,資金使
途,貸付金額,利率,償還期限,償還回数,担保明細等が記載されている。
なお,訴外会社に係る有価証券報告書には,被告から設備資金の借入れがあること及び年度末現
在の長期借入金の残高が記載されているが,本件各文書の内容と一致するものはみられない。
(b) (a)の前段に掲げた情報は,訴外会社の投資性向,資金繰り,資金調達コスト,担保対象資産の
評価等企業の経営状況に係る情報である。
これらの情報を公にした場合,訴外会社は,その企業戦略,設備投資能力等を競争関係にある企
業によって推定される蓋然性は極めて高い。
すなわち,本件各文書に記載された項目から推定できる企業情報の内容についてみると,①借入
申込書受理日と②貸付実行予定日からは,訴外会社が投資計画を確定した時期及び実際に投資を行う時期
を具体的に推定することが可能である。また,③資金使途,④貸付金額及び⑤利率からは,どのような投資内
容に,どれくらい借入金に依存して,どれくらいの調達コストをかけたのかを具体的に推定することが可能であ
る。次に,⑥償還期限及び⑦償還回数からは,貸付金額と相まって,訴外会社の償還能力を推定することが
可能である。さらに,⑧担保明細からは,訴外会社の資金調達能力や訴外会社に対する金融機関の評価の
程度を推定することが可能である。そして,これらの情報を総合し,さらには,既獲得の有価証券報告書など
からの情報と組み合わせれば,訴外会社の企業戦略,投資性向,資金繰り,資金調達能力等に関し,具体的
かつ確度の高い推定が可能となることは余りに明白である。
(c) また,訴外会社が被告以外の金融機関から借入れを行う際は,当該金融機関は,被告の貸付条
件(担保を含む。)を基準として交渉を進めることが容易に想定される。
(d) したがって,本件各文書の記載内容は,これを公にすることにより,訴外会社の権利,競争上の地
位その他正当な利益を害するおそれがあると認められるものであるから,本件各文書には,本法5条2号イに
掲げる不開示情報が記録されている。
b 本法5条2号ただし書に該当しないこと
本法5条2号ただし書の「人」は,情報公開を求められている者以外の者を意味していることは条理上
明らかである。一方,被告の貸付原資としている資金は,その一部につき税金に由来する部分があるとして
も,税金として収納され国庫金となったものの中から,正当な手続を経て被告に交付されたものであって,被
告の所有に帰したものである。また,貸付金の債権者も被告であって,抽象的な「国民」の所有物でも債権で
もない。したがって,原告は,本法5条2号ただし書の要件に該当しないことを主張していることになり,主張自
体失当である。
また,原告の主張は,本件各文書を開示をすることが,どのような因果関係をもって「国民」の財産保
護のために必要ということになるのかについての言及を欠いており,この点においても,主張自体失当である。
イ 本法5条4号柱書及びト該当性について
一般に,金融機関からの借入れを求める企業は,金融機関がいわゆる企業秘密を他に漏らすことは
ないという暗黙の信頼関係の下に,必要な情報提供をし,取引に至っている。
仮に,被告が,本件各文書を公にすることとなれば,被告の金融業務の基盤である,取引先及び潜在
的取引先との信頼関係を破壊することになり,債権管理や貸付審査に必要な情報の入手が困難になったり,
取引先又は潜在的取引先が被告からの借入れを回避したりする事態が生じることは明らかである。
したがって,本件各文書の記載内容は,これを公にすることにより,被告の事業に関し,企業経営上の
正当な利益を害するおそれ及び被告の事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるもので
あるから,本件各文書には,本法5条4号柱書及びトに掲げる不開示情報が記録されている。
(2) 部分開示及び裁量的開示について
ア 本件各文書に記載された個別の事項に関する被告の主張は,上記(1)アa(b)のとおりである。なお,
「資金使途」と「担保明細」は,開示を求められている情報の中でも,これを開示すると,訴外会社の権利,競
争上の地位その他正当な利益を害するおそれがより大きい情報である。
そもそも,上記(1)アa(a)の借入申込書受理日,貸付実行予定日,資金使途,貸付金額,利率,償還
期限,償還回数,担保明細等の各項目は,相互に深く関連しているのであり,一つ一つの事項を分離してそ
れぞれの開示の当否を論じることは,適切な方法でもないし,意味もない。
イ 被告としては,訴外会社に対する融資は違法でも不当でもないうえ,本件開示請求に公益性は認め
られないので,本法7条の規定による開示をする考えはない。
(3) 以上のとおりであるから,本件各文書を不開示とした本件不開示決定は,適法である。
(原告の主張)
(1) 本件各文書には不開示情報が記録されていないこと
ア 本法5条2号イ該当性の主張について
a 本件各文書に記載されている訴外会社に対する貸付に関する借入申込書受理日,貸付実行予定
日,資金使途,貸付金額,利率,償還期限,償還回数,担保明細等の情報が,訴外会社の投資性向,資金
繰り,資金調達コスト,担保対象資産の評価等企業の経営状況に係る情報であることは,特に争わない。
しかし,これらの情報を公にした場合,訴外会社がその企業戦略,設備投資能力等を競争関係にあ
る企業によって推定される蓋然性は極めて高いとの主張は争う。
また,訴外会社が被告以外の金融機関から借入れを行う際は,当該金融機関は,被告の貸付条件
(担保を含む。)を基準として交渉を進めることが容易に想定されるとの主張は争う。なぜならば,おそらく,訴外
会社に対する貸付は,金利も低く,その他の貸付条件も緩やかで,十分な担保も取らない異常なものである
から,他の金融機関がこれを基準に交渉を進めることなど,考えられないからである。
さらに,本件各文書の記載内容を公表することにより,訴外会社の権利,競争上の地位その他正当
な利益を害するおそれがあるとの主張も争う。
b 本件各文書に記載されている情報は,国民の財産を保護するため,これを公にすることが必要であ
ると認められるから,本法5条2号ただし書の規定により,これらの情報は不開示情報に当たらない。
すなわち,食品会社がその不祥事等に対する国民からの批判によって業績が悪化したり倒産に至る
ことは,幾多の事例で明らかとなっているが,仮に訴外会社についても同様の批判が集中すれば,国民の財
産である税金を原資とする訴外会社に対する貸金のうち,担保不足と思われる約100億円について,被告は
訴外会社からの返済を受けられず,国民の財産が失われる危険もある。
イ 本法5条4号柱書及びト該当性の主張について
金融機関からの借入れを求める企業は,金融機関が企業秘密を他に漏らすことはないという信頼関係
の下に,必要な情報提供をし,取引に至っていることは,一般論としては特に争わない。
しかし,本件各文書を公にすると,被告と取引先等との信頼関係を破壊することになり,債権管理や貸
付審査に必要な情報の入手が困難になったり,取引先等が被告からの借入れを回避したりする事態が生じる
ことは明らかであるとの主張は争う。
そもそも,訴外会社に対する貸付は,農林漁業金融公庫法1条2項の規定する目的を逸脱し,大企業
に対して緩やかな貸付条件で多額の融資をしたという異常なものであるから,保護に値する信頼関係など存
在しないし,ましてや,潜在的取引先との信頼関係の破壊など考えられない。
したがって,本件各文書を公にすることにより,被告の事業に関し,企業経営上の正当な利益を害す
るおそれ及び被告の事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれなど,あるはずがない。
(2) 部分開示及び裁量的開示について
ア 部分開示について
被告は,本件各文書のすべてについて開示を拒んでいるが,本法6条1項の規定する部分開示がされ
るべきである。特に,「資金使途」と「担保明細」は,開示されるべきである。
イ 裁量的開示について
仮に本件各文書に不開示情報が記録されているとしても,被告は,農林漁業金融公庫法の趣旨を逸
脱して,訴外会社に対する違法,不当な巨額融資をしているのであるから,本法7条の規定する裁量的開示を
すべきである。
(3) 以上のとおりであるから,本件各文書を不開示とした本件不開示決定は,違法である。
4 争点
以上によれば,本件の争点は,以下のとおりである。
(1) 本件各文書に本法5条2号イに掲げる不開示情報が記録されているか否か。(争点1)
(2)本件各文書に本法5条4号柱書及びトに掲げる不開示情報が記録されているか否か。(争点2)
(3) 本件不開示決定に,本件各文書について部分開示をしなかった違法又は裁量的開示をしなかった違
法があるか否か。(争点3)
第3 争点に対する判断
1 争点1について
(1) 証拠(甲27の1ないし5)及び弁論の全趣旨によれば,本件各文書のうち,①「貸付決定票」には,借入
申込者の住所名称,借入申込受理日,貸付実行予定日,貸付実行期限,資金使途のほか,「貸付条件」欄
に,貸付件数,貸付金額,利率,据置期限,償還期限,償還回数,連帯保証人,担保等が記載されているこ
と,②「貸付決定通知」には,借入申込者の住所名称,貸付実行予定日,貸付実行期限,資金使途等のほ
か,「貸付条件」欄に,「貸付決定票」の同名欄と同じ事項が記載されていること,③担保明細(「連帯保証人・
担保の別紙」)には,借入申込者の住所名称,資金使途等のほか,連帯保証人,担保等が記載されているこ
と,④「実行前貸付条件変更入力済確認票」には,借入申込者の住所氏名,資金使途等のほか,「貸付条件
等」欄に,「貸付決定票」の「貸付条件」欄と同じ事項等が記載されていること,⑤「実行未了案件現在利率一
覧表」には,貸付先名ごとに,実行予定額,資金使途,利率等が記載されていることが,それぞれ認められる。
また,証拠(甲10,17ないし22,28,乙2)によれば,訴外会社の有価証券報告書には,被告から設備資
金の借入れがあること,各年度末現在の長期借入金の残高及び有形固定資産の種類ごとの被告に対する担
保提供額が記載されていることが認められるところ,これと対比すると,本件各文書はいずれも個別の貸付に
係る文書であって,その記載内容も,有価証券報告書のそれと一致するものは見当たらない。
(2)アa 上記(1)の事実を踏まえて検討するに,訴外会社と競争関係にある企業においては,本件各文書
の記載内容が分かれば,訴外会社が投資計画を立てた時期,実際に投資を行う時期,投資内容,借入金へ
の依存度,調達コスト,訴外会社の償還能力,資金調達能力及び訴外会社に対する金融機関の評価の程度
等を推定することが可能となり,ひいては,これらの情報を総合し,あるいはこれらに公表されている有価証券
報告書等の情報を併せ考慮することにより,訴外会社の企業戦略,投資性向,資金繰り,資金調達能力等,
訴外会社の経営状況について,相当程度推定することが可能になるものと認められる。
そうすると,訴外会社は,これにより,その競争上の地位を害されるおそれが生じるものと認められる。
b また,被告以外の金融機関においては,本件各文書の記載内容によって,担保を含めた被告の貸
付条件が分かれば,これを一つの基準として訴外会社と融資に関する交渉等を進めることとなる可能性がある
ものと認められ,訴外会社は,これにより,その正当な利益を害されるおそれが生じるものと認められる。
c したがって,本件各文書の記載内容は,これを公にすることにより,訴外会社の権利,競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあると認められるというべきである。
イ なお,原告は,国民の財産を保護するため,本件各文書に記載されている情報を公にすることが必要
であると認められる旨主張するが,独自の前提に立つ主張であって,採用し難い。
また,他に本件各文書に記載されている情報が,本法5条2号ただし書の規定する情報に当たることを
認めるに足りる事情は見出し難い。
(3) 以上のとおり,本件各文書には,本法5条2号イに掲げる不開示情報が記録されているものと認められ
る。
2 争点2について
(1)ア 一般に,金融機関から融資を受ける企業は,外部に知られていない当該企業の経営状況に関する
情報を金融機関が他に漏らすことはないという信頼関係の下に,金融機関に必要な情報提供をしているもの
である。
他方,本件各文書の記載内容が公にされると,上記1のとおり,訴外会社の競争上の地位や正当な利
益を害するおそれが生じることとなる。
イ そうであるとすれば,仮に被告が本件各文書を開示した場合には,訴外会社との信頼関係は破壊さ
れ(現に,訴外会社は,本件各文書が開示されると不利益を受けるとして,本件各文書の開示に反対する旨
の意見を述べている(乙2)。),被告にとって今後の債権管理や貸付審査に必要な情報の入手が困難になっ
たり,あるいは訴外会社が被告からの借入れを回避したりする事態が生じるおそれがあるものと認められる。
また,被告が本件各文書を開示したこと,あるいはこれにより被告と訴外会社との信頼関係が破壊され
たことが,他に伝われば,被告の潜在的な顧客との取引にも悪影響を及ぼすものと認められる。
ウ したがって,本件各文書の記載内容は,これを公にすることにより,被告の事業に関し,企業経営上
の正当な利益を害するおそれ及び被告の事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるというべきである。
(2) 以上のとおり,本件各文書には,本法5条4号柱書及びトに掲げる不開示情報が記録されているものと
認められる。
3 争点3について
(1) 部分開示について
本件各文書には,上記1のとおり,本法5条2号イに掲げる不開示情報が記録されているものである。そ
して,上記1(1)のとおりの本件各文書の体裁やこれらに含まれる情報の内容からすると,本件各文書のうち,
上記不開示情報が記録されている部分を除いた部分には,有意の情報が記録されていないと認められるか
ら,被告において,上記不開示情報が記録されている部分を除いた部分を開示する義務はないものと解する
のが相当である(本法6条1項ただし書)。
したがって,被告が本件各文書について部分開示をしなかったことが違法であると認めることはできな
い。
(2) 裁量的開示について
本法7条の規定は,本来開示することが禁止されている不開示情報について,公益上特に必要があると
認めるときに,行政機関の長の高度な行政的判断により,その裁量として開示を行うことができるとするもので
あって,かかる本法7条の趣旨に照らすと,仮に原告の主張するような事情があったとしても,被告が同条の規
定を適用して本件各文書を開示しなかったことが違法であると認めることはできない。
第4 結論
以上によれば,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
      東京地方裁判所民事第2部
          裁判長裁判官    市 村 陽 典
              裁判官    石 井   浩
              裁判官    矢 口 俊 哉

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