弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を大阪高等裁判所に差戻す。
         理    由
 上告代理人村野美雄の上告理由第二点、同村本一男の上告理由第二、三点につい
て。
 原審は、訴外Dは昭和二八年四月二四日振出人をE商事株式会社代表者Bとして
本件三通の約束手形を振り出したこと、E商事株式会社は、登記簿上の商号をE株
式会社と呼ぶ実在する法人の通称であること、被上告人は同会社の代表取締役であ
つたが、会社の運営の実際面は、これをDにまかせ、手形の振出等もDが被上告人
の承諾のもとに記名押印をなして訴外会社代表者B名義でおこなつてきたこと、本
件手形も上記の日にDが従来の仕方で振り出したものであること、被上告人は右手
形の振出前である同年四月二〇日代表取締役を辞任し、Dが代つてその地位につい
ていたが、その旨の変更登記は振出日の後である同年五月一日になされたこと、上
告人は被上告人が代表取締役を辞任した事実を知らず善意であつたことを各認定し
た上、手形法七七条二項によつて約束手形に準用せられる同法八条一項により自称
代理人(自称代表者)の責任を問うためには、その者が代理権(代表権限)を有し
ないのに、手形に代理人(代表者)として自署または記名捺印したものでなければ
ならないことはもちろんであるが、これのみでは足らないのであつて、手形行為の
相手方または手形取得者が善意で代理人(代表者)であると信じたこと、手形に表
示された本人に手形上の責を帰することができない場合であることを要し、表見代
理の成立、無権代理行為の追認その他の事由によつて本人が手形上の責任を負う場
合には、自称代理人は右法条に規定する責を負わないものと解するのが相当である
とし、前記事実関係のもとにおいては、本件各手形は訴外会社の代表権を有しない
被上告人が訴外会社の代表者として記名押印したものと認めるべきであるけれども、
訴外会社は被上告人が代表取締役を辞任したことを善意の上告人に対抗できず、従
つて上告人は被上告人を訴外会社の代表者と主張できるのであり、その他表見代理
ないし訴外会社の追認を主張することにより、上告人は訴外会社に対し本件各手形
の振出人としての責任を問いうるものと判断し、訴外会社が本件各手形の振出人と
しての責に任ずる以上、被上告人は手形法八条の自称代理人の責を有しないものと
結論し、上告人の予備的請求を排斥したものである。
 しかしながら、表見代理は、善意の相手方を保護する制度であるから、表見代理
が成立すると認められる場合であつても、この主張をすると否とは、相手方たる手
形所持人の自由であり、所持人としては、表見代理を主張して本人の責任を問うこ
とができるが、これを主張しないで、無権代理人に対し手形法八条の責任を問うこ
ともできるものと解するのが相当である。本件において、原審の認定した前記事実
によれば、被上告人が訴外会社の代表取締役を辞任したことは、本件手形振出の当
時いまだ登記されていなかつたのであるから、善意の上告人は、被上告人の取締役
辞任の登記がないことを理由として、辞任の事実を否認し、訴外会社の手形振出人
としての責任を問うことができるとともに、上告人としては、被上告人の代表取締
役辞任の事実を主張し、手形法八条による被上告人の無権代理人としての責任を問
うことを妨げるものではないといわなければならない。されば、原判決は、法令の
解釈を誤つたものというべく、論旨はその理由がある。
 よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
 裁判官小林俊三は退官につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    島           保

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