弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を高松高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人中田祐児の上告理由について
 本件訴えは、宗教法人である被上告人から壇徒の地位を剥奪する旨の処分を受け
た上告人が右の地位を有するとしてその確認を求めるものである。問題は、右の地
位が具体的な権利義務ないし法律関係を含む法律上の地位ということができるかど
うかにあるので、以下検討する。
 宗教法人法は、壇徒等の信者については、宗教法人の自主性を尊重しつつその最
終的な意思決定に信者の意見が反映されるよう、宗教法人の一定の重要な行為につ
き、信者に対して公告をするものとしている(同法一二条三項、二三条、二六条二
項、三四条一項、三五条三項、四四条二項)が、信者と宗教法人との間の権利義務
ないし法律関係について直接に明らかにする規定を置いていないから、壇徒等の信
者の地位が具体的な権利義務ないし法律関係を含む法律上の地位ということができ
るかどうかは、当該宗教法人が同法一二条一項に基づく規則等において壇徒等の信
者をどのようなものとして位置付けているかを検討して決すべきこととなる。
 記録によると、所論の壇徒の地位に関しては、宗教法人法一二条一項に基づく被
上告人の規則(宗教法人「B寺」規則)等において次のような規定が置かれている
ことが明らかである。
 (1) 被上告人の規則一六条は、被上告人の壇信徒につき、被上告人の包括宗教
法人である「D宗の教義を信奉し、この寺院の維持経営に協力する者を壇信徒とい
う。」と定める。
 (2) D宗の宗規中の被上告人に関係する条項が同規則三四条により被上告人に
も適用されるところ、右宗規の一四一条一項は「寺院及び教会は、壇信徒名簿を備
え付けなければならない。」と定め、また、その一四二条は壇信徒の除名について
「壇信徒であって、左に掲げる各号の一に該当するときは、住職は管長の承認を得
て壇信徒名簿から除名することができる。一 教義信条に反し、異議を唱うる者、
二 宗団若しくは寺院、又は教会の維持経営を妨害する者」と定めており、これら
の条項は被上告人において適用されている。
 (3) 被上告人においては、宗教法人法一八条に基づく代表役員及び責任役員の
外に、代表役員を補佐し、被上告人の維持経営に協力することを基本的職務とする
総代六人を法人組織上の機関として設置している(同規則一七条一項、四項)とこ
ろ、壇信徒の地位にあることが総代に選任されるための要件とされ(同条二項)、
総代であることが代表役員以外の責任役員に選任されるための要件とされている(
同規則七条三項)。
 (4) 被上告人においては、代表役員には宗教的活動の主宰者の地位にある住職
の職にある者をもって充てることとされている(同規則七条一項)ところ、住職の
選任に際しては総代の意見を聴かなければならず(同条二項)、また、被上告人の
基本財産等の設定・変更や不動産、宝物の処分等(同規則二〇条、二二条一項)、
予算の編成等(同規則二五条、二八条、三一条)、規則の変更及び合併(同規則三
三条)に際しても総代の意見を聴かなければならないものとされており、さらに、
総代は決算の報告を受けるものとされている(同規則三〇条)。
 以上によれば、被上告人においては、壇信徒名簿が備え付けられていて、壇徒で
あることが被上告人の代表役員を補佐する機関である総代に選任されるための要件
とされており、予算編成、不動産の処分等の被上告人の維持経営に係る諸般の事項
の決定につき、総代による意見の表明を通じて壇徒の意見が反映される体制となっ
ており、檀徒による被上告人の維持経営の妨害行為が除名処分事由とされているの
であるから、被上告人における檀徒の地位は、具体的な権利義務ないし法律関係を
含む法律上の地位ということができる。
 そうすると、被上告人における壇徒の地位は宗教上の地位にすぎず、本件訴訟は
具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争に当たらないとして、本件訴えを却
下した原判決には法令の解釈適用を誤った違法があり、この違法は原判決の結論に
影響を及ぼすことが明らかである。
 論旨は以上の趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れない。そし
て、本案につき更に審理させるため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判
決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    尾   崎   行   信

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