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名古屋高等裁判所平成30年2月7日判決言渡
平成29年(行ケ)第1号選挙無効請求事件
主文
1原告らの請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第1請求の趣旨
1平成29年10月22日に行われた衆議院(小選挙区選出)議員選挙
の愛知県第1区ないし第15区,岐阜県第1区ないし第5区及び三重県
第1区ないし第4区における選挙を無効とする。
2訴訟費用は被告らの負担とする。
第2事案の概要
1本件は,平成29年10月22日に施行された衆議院議員総選挙(以
下「本件選挙」という。)について,愛知県第1区ないし第15区,岐
阜県第1区ないし第5区及び三重県第1区ないし第4区(以下,一括し
て「本件各選挙区」という。)の選挙人である原告らが,衆議院小選挙
区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割りに関
する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施
行された本件選挙の本件各選挙区における選挙も無効であると主張して,
本件各選挙区における選挙を無効とするよう求める事案である。
2前提事実(争いがない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により明らか
な事実)
(1)原告らは,本件選挙における本件各選挙区の選挙人である。なお,
各原告が選挙人となっている選挙区は,別紙当事者目録の当該原告の
氏名の下に括弧書きで記載された選挙区である。
(2)平成24年法律第95号による改正前の衆議院議員選挙区画定審
議会設置法(以下,同改正を含む数次の改正の前後を通じて「区画審
設置法」という。)3条2項は,各都道府県の区域内の衆議院小選挙
区選出議員の選挙区の数は,各都道府県にあらかじめ1を配当した上
で(以下,この配当方式を「1人別枠方式」という。),これに,衆
議院小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除し
た数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とすること
を定めていた。
平成21年8月30日に施行された衆議院議員総選挙(以下「平成
21年選挙」という。)に関する最高裁判所平成23年3月23日大
法廷判決(民集65巻2号755頁。以下「平成23年大法廷判決」
という。)は,1人別枠方式は憲法の投票価値の平等の要求に反する
状態に至っており,当時の公職選挙法13条1項,別表第一の規定の
定める選挙区割りも,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至
っていたと判示した。
平成24年12月16日に施行された衆議院議員総選挙(以下「平
成24年選挙」という。)に関する最高裁判所平成25年11月20
日大法廷判決(民集67巻8号1503頁。以下「平成25年大法廷
判決」という。)も,平成24年選挙時において,区割規定の定める
選挙区割りは,平成21年選挙当時と同様に憲法の投票価値の平等の
要求に反する状態にあったと判示した。
さらに,平成26年12月14日に施行された衆議院議員総選挙
(以下「平成26年選挙」という。)に関する最高裁判所平成27年
11月25日大法廷判決(民集69巻7号2035頁。以下「平成2
7年大法廷判決」といい,平成23年大法廷判決及び平成25年大法
廷判決と併せて「本件各大法廷判決」という。)は,平成26年選挙
時において,区割規定の定める選挙区割りは,平成24年選挙時と同
様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったと判示した。
もっとも,本件各大法廷判決は,平成21年選挙,平成24年選挙
及び平成26年選挙のいずれについても,憲法上要求される合理的な
期間内に是正がされなかったとはいえないと判示して,選挙を無効と
するよう求める選挙人の請求は認めなかった。
(3)平成28年5月20日,衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び
公職選挙法の一部を改正する法律(平成28年法律第49号)が成立
した(以下「平成28年改正法」といい,同法による改正を「平成2
8年改正」という。)。平成28年改正法は,衆議院議員の定数を4
75人から465人に削減し,うち小選挙区選出議員の定数を295
人から289人に削減すること,小選挙区の定数6減の対象県につい
ては,平成27年の簡易国勢調査に基づき,いわゆるアダムズ方式
(各都道府県への議席配分は,各都道府県の人口を一定の数値で除し,
それぞれの商の整数に小数点以下を切り上げて得られた数の合計数が
小選挙区選挙の定数と一致する方式)により都道府県別定数を計算し
た場合に減員対象となる都道府県のうち,議員1人当たり人口の最も
少ない都道府県から順に6県とすること等を内容とするものである。
平成29年6月9日,衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職
選挙法の一部を改正する法律(平成29年法律第58号)が成立した
(以下「平成29年改正法」といい,同法による改正を「平成29年
改正」という。)。平成29年改正法は,衆議院小選挙区選出議員の
選挙区の改定を19都道府県97選挙区において行うこと等を内容と
するものである。
(4)平成29年9月28日,衆議院が解散され,同年10月22日,
公職選挙法13条1項,別表第一の規定(以下「本件区割規定」とい
う。)の定める選挙区割り(以下「本件選挙区割り」という。)の下
で,本件選挙が施行された。
(5)平成29年4月19日付けの「衆議院小選挙区選出議員の選挙区
の改定案についての勧告参考資料」と題する報道資料(甲7,乙1
4の1)によれば,平成27年の簡易国勢調査による日本国民の人口
における本件選挙区割りに係る各選挙区の議員一人当たりの人口と最
小選挙区との較差は,別表1のとおりであり,議員一人当たりの人口
が最少の鳥取県第2区と最多の神奈川県第16区の人口較差は,1対
1.956であった。
また,本件選挙当日における選挙区別の有権者数及び最小選挙区と
の較差は別表2のとおりであり,選挙区間の選挙人の最大較差は,鳥
取県第1区と東京都第13区との間の1対1.979であった(乙
1)。
3争点
本件の争点は,本件選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反す
る状態に至っていたか否かであり,これが肯定される場合には,憲法上
要求される合理的な期間内における是正がされたか否か,さらに,本件
選挙のうち本件各選挙区における選挙が無効となるかなども争点となる。
4当事者の主張
(1)原告らの主張
ア憲法56条2項の「両議院の議事は,この憲法に特別の定のある
場合を除いては,出席議員の過半数でこれを決し」の定め,憲法1
条の「主権の存する日本国民」の定め,並びに,憲法前文第1文の
「日本国民は,正当に選挙された国会における代表者を通じて行動
し」及び「ここに主権が国民に存することを宣言し」の各定めは,
人口比例選挙によって保障される一人一票の投票価値の平等を要求
しているところ,本件選挙区割りは,憲法の上記各定めに違反する
から,憲法98条1項により無効である。仮に直ちにはそのように
いえないとしても,本件選挙時点では,是正のための合理的期間が
経過していたことが明らかである。
したがって,本件選挙のうち本件各選挙区における選挙は無効で
ある。
イ全出席議員の過半数が,必ず,全出席議員を選出する国民(主権
者)の過半数から選出されるようにするためには,人口比例選挙を
する以外にはない。
被告らは,選挙区間の最大較差が2倍未満となる区割規定の定め
る選挙区割りは,憲法に違反しない旨の「2倍未満説」を主張する。
しかし,「2倍未満説」は,人口以外の要素が合理性を有している
か否かに関係なく,人口以外の要素を国会において考慮することを
許容する説であり,平成23年大法廷判決に反する。同大法廷判決
は,最大較差2倍という数値を,衆院議員選挙の合憲・違憲の結論
を決める画一的に量的な基準とする趣旨ではない,と判断している。
選挙が合憲であるためには,少なくとも,①投票価値の最大較差が
2倍未満であること,②地域性に係る問題のために,殊更にある地
域の選挙人と他の地域の選挙人との間に投票価値の不平等を生じさ
せるだけの合理性があるとはいい難いので,選挙人の住所を根拠と
して生じる投票価値較差は憲法の要求に反すること,の2つの基準
を満たす必要がある。「2倍未満説」は,上記②の基準に反するも
のである。
ウ本件選挙では,平成28年改正及び平成29年改正による0増6
減の対象である青森,岩手,三重,奈良,熊本及び鹿児島以外の各
都道府県については,1人別枠方式によって配分された議員定数が
変更されることなく,そのまま維持されている。ただし,アダムズ
方式を採用した場合に再配分が必要となる都県は7増13減であり,
この13減のうち6減は上記各改正による6減と共通しているとい
うのであるから,これを除いた7増7減の12都県において,1人
別枠方式の議員定数がそのまま温存され,1人別枠方式を理由とす
る不合理な投票価値の不平等が依然として継続されていることにな
る。
すなわち,本件選挙では,上記の7増7減の対象たる12都県に
住所を有する有権者は,1人別枠方式による合理的理由のない投票
価値の不平等の選挙権を有していたことになる。
そして,本件区割規定は,その性質上不可分一体をなすものと解
すべきであり,憲法に違反する不平等を生じせしめている部分のみ
ならず,全体として違憲の瑕疵を帯びる。
エ本件各大法廷判決は,憲法上要求される合理的期間内における是
正がされなかったといえるかを判断基準としているが,この「合理
的期間の法理」は,憲法98条1項の明文に反するものである。
仮に「合理的期間の法理」によるとしても,本件選挙の日には,
平成23年大法廷判決から6年6月30日間が経過しているから,
是正のための合理的期間が経過したことも明らかである。
オ本件選挙のうち小選挙区選挙を違憲無効とし,小選挙区選挙で選
出された衆議院議員289名が失格した場合でも,比例代表選挙議
員176名のみから成る衆議院は,憲法に定める衆議院の活動を1
00%行うことができるから,小選挙区選挙を無効としても社会的
混乱は全く生じない。
したがって,選挙無効の判決がなされるべきであり,少なくとも
選挙の違憲違法判決を求める。
(2)被告らの主張
ア本件選挙時において,本件区割規定の定める本件選挙区割りは憲
法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったとはいえない。ま
た,本件区割規定の定める本件選挙区割りについて憲法上要求され
る合理的期間内における是正がされなかったともいえない。
したがって,本件選挙は有効である。
イ選挙区間の最大較差が2倍未満となる区割規定の定める選挙区割
りは,憲法の投票価値の平等の要求に反するものとはいえない。
選挙制度の合憲性は,国会に与えられた裁量権の行使として合理
性を有するといえるか否かによって判断されることになり,国会が
かかる選挙制度の仕組みについて具体的に定めたところが,上記の
ような憲法上の要請に反するため,上記の裁量権を考慮してもなお
その限界を超えており,これを是認することができない場合に,初
めてこれが憲法に違反することになるものと解すべきである。
本件各大法廷判決は,平成28年改正前の区画審設置法3条(諸
般の事情を総合的に考慮して,選挙区間の人口の最大較差が2倍未
満になるように区割りをすることを基本とする規定)について,一
貫して,投票価値の平等に配慮した合理的な基準を定めたものと評
価してきた。したがって,選挙区間の最大較差が2倍未満となる区
割規定の定める選挙区割りは,国会において通常考慮し得る諸般の
要素を斟酌した,一般に合理性を有するものであって,憲法の投票
価値の平等の要求に反するものとはいえない。
ウ本件選挙当時,本件区割規定の定める本件選挙区割りは,憲法の
投票価値の平等の要求に反する状態に至っていなかった。
国会は,平成23年3月以降,本件各大法廷判決に沿って,でき
る限りの検討及び協議を尽くし,様々な意見が寄せられる中でも,
投票価値の平等の要求に反する状態の是正が最も優先すべき課題で
あるとの認識の下,投票価値の較差の是正措置に取り組み,法改正
を達成したものである。
そして,平成29年改正後においては,平成27年の簡易国勢調
査の結果に基づく選挙区間の最大較差(人口)は,1.956倍
(本件選挙当時の議員一人当たりの選挙人数の最大較差は1.97
9倍)と2倍未満にまで縮小されるに至ったものであり,このよう
な選挙区間の最大較差のみをもってしても,本件選挙当時,本件区
割規定の定める本件選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反
する状態に至っていなかったことは明らかである。
なお,平成29年改正に至るまでにおいては,選挙区間の較差を
2倍未満とするため,1人別枠方式の廃止,区画審設置法3条の厳
格化,人口比例に基づく配分方式(アダムズ方式)や人口の将来推
計の導入に加えて過去最大の分割市区町等,都道府県別の議席配分
段階及び都道府県内の選挙区割りの決定段階の両段階において,こ
れまでにない踏み込んだ立法的措置が採られているのみならず,将
来的には,平成32年の大規模国勢調査を踏まえた更なる較差の縮
小に向けた立法的措置も予定されている。これらの改正により,1
人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されている。
エ本件選挙区割りについて憲法上要求される合理的期間内における
是正がされなかったとはいえない。
本件選挙における選挙区間の最大較差は,衆議院議員の小選挙区
選挙上,過去最少の数値であるのみならず,小選挙区選挙に関する
累次の最高裁判所の判決において合憲とされた最大較差をも相当程
度に下回るものであった。しかも,そのような選挙区間の最大較差
は,平成23年大法廷判決が投票価値の平等に配慮した合理的な基
準であると評価した平成28年改正前の区画審設置法3条の求める
2倍未満の較差を正に実現したものであった。
そうすると,平成23年大法廷判決後になされた法改正は,投票
価値の較差のために採るべき措置の内容,そのために検討を要する
事項,実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情に照らして,本
件各大法廷判決の趣旨を踏まえた立法裁量権の行使として十分に相
当なものであって,国会においても,本件選挙までに,本件区割規
定の定める本件選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する
状態にあるなどということは全く認識できない状況にあった。
したがって,本件区割規定の定める本件選挙区割りについて憲法
上要求される合理的期間内における是正がされなかったなどといえ
ないことは明らかである。
第3当裁判所の判断
1前記前提事実に,証拠(甲1,乙3の1・2,乙4,10,11の1
・2,乙14の1・2,乙16,18の1~6)及び弁論の全趣旨によ
れば,以下の事実を認めることができる。
(1)衆議院議員の選挙制度については,従来中選挙区単記投票制が採
用されていたが,平成6年の公職選挙法の一部を改正する法律(平成
6年法律第2号)により,小選挙区比例代表並立制に改められた。上
記法改正と同時に成立した区画審設置法によれば,衆議院議員選挙区
画定審議会(以下「区画審」という。)は,衆議院小選挙区選出議員
の選挙区の改定に関し,調査審議し,必要があると認めるときは,そ
の改定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとされている(同法
2条)。そして,平成24年法律第95号による改正前の区画審設置
法3条は,①1項において,上記の改定案を作成するに当たっては,
各選挙区の人口の均衡を図り,各選挙区の人口のうち,その最も多い
ものを最も少ないもので除して得た数が2以上にならないようにする
ことを基本とし,行政区画,地勢,交通等の事情を総合的に考慮して
合理的に行わなければならないものとし,②2項において,1人別枠
方式を採用した上で,この1に衆議院小選挙区選出議員の定数に相当
する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に
配当した数を加えた数とすると定めていた。
(2)平成21年選挙に関する平成23年大法廷判決は,平成24年改
正前の区画審設置法3条2項の1人別枠方式は,既に立法当時の合理
性が失われていたものであり,当時の区割基準のうち1人別枠方式に
係る部分及び当時の公職選挙法13条1項,別表第一の規定の定める
選挙区割りも,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至ってい
たと判示するとともに,事柄の性質上必要とされる是正のための合理
的期間内に上記の状態を解消するために,できるだけ速やかに1人別
枠方式を廃止し,平成24年改正前の区画審設置法3条1項の趣旨に
沿って区割規定を改正するなど,投票価値の平等の要請にかなう立法
的措置を講ずる必要があると判示した。
なお,平成21年選挙当日における選挙区間の最大較差(選挙人)
は,高知県第3区と千葉県第4区との間の1対2.304であり,高
知県第3区と比べて較差が2倍以上となっている選挙区は,45選挙
区であった。
(3)平成24年11月16日,平成24年法律第95号(以下「平成
24年改正法」といい,同法による改正を「平成24年改正」とい
う。)が成立した。平成24年改正法は,小選挙区選出議員の定数に
ついて0増5減を行うこと及び当時の区割りの基準を定める規定のう
ち1人別枠方式に係る部分を削除することを内容とするものであった。
平成24年改正後は,平成24年改正前の区画審設置法3条1項が区
画審設置法3条となった。
平成24年改正法の成立と同日に衆議院が解散され,平成24年1
2月16日,平成21年選挙と同様に当時の区割規定及びこれに基づ
く選挙区割りの下で,平成24年選挙が施行された。平成24年選挙
当日における選挙区間の最大較差(選挙人)は,高知県第3区と千葉
県第4区との間の1対2.425であり,高知県第3区と比べて較差
が2倍以上となっている選挙区は,72選挙区であった。
(4)区画審は,平成25年3月28日,内閣総理大臣に対し,選挙区
割りの改定案の勧告を行った。この改定案は,平成24年改正法の附
則に規定された基準及び当時の区画審設置法3条に基づき,各都道府
県の選挙区数の0増5減を前提に,選挙区間の人口較差が2倍未満と
なるように17都県の42選挙区において区割りを改めることを内容
とするものであった。上記改定案に基づく選挙区割りの改定を盛り込
んだ改正法案が,平成25年6月24日,平成25年法律第68号
(以下「平成25年改正法」といい,同法による改正を「平成25年
改正」という。)として成立した。
(5)平成24年選挙に関する平成25年大法廷判決は,平成24年選
挙時において,区割規定の定める選挙区割りは,平成21年選挙当時
と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったが,平成
24年選挙までの間の国会における是正の実現に向けた取組が平成2
3年大法廷判決の趣旨を踏まえた立法裁量権の行使として相当なもの
ではなかったとはいえず,当時の区割規定が憲法14条1項等の憲法
の規定に違反するものということはできないとした上で,国会におい
ては今後も当時の区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に
向けた取組が着実に続けられていく必要がある旨判示した。
(6)平成26年11月21日,衆議院が解散され,同年12月14日,
前記(4)の0増5減の措置を含む平成25年改正後の選挙区割りの下
で平成26年選挙が施行された。平成26年選挙当日における選挙区
間の最大較差(選挙人)は,宮城県第5区と東京都第1区との間の1
対2.129であり,宮城県第5区と比べて較差が2倍以上となって
いる選挙区は,13選挙区であった。
平成26年選挙に関する平成27年大法廷判決は,平成26年選挙
当時の選挙区割りにおいては,上記0増5減の措置における定数削減
の対象とされた県以外の都道府県について1人別枠方式を前提とする
区割基準に基づいて配分された定数の見直しを経ておらず,1人別枠
方式を定めた平成24年改正前の区画審設置法3条2項が削除された
後の区割基準に基づいた定数の再配分が行われていないことから,い
まだ多くの都道府県において,そのような再配分が行われた場合に配
分されるべき定数とは異なる定数が配分されているということができ
るところ,前記のような投票価値の較差が生じた主な要因は,いまだ
多くの都道府県において,上記改正後の区割基準に基づいて定数の再
配分が行われた場合とは異なる定数が配分されていることにあるとい
うべきであるとし,平成26年選挙時における投票価値の較差の状況
やその要因となっていた事情などを総合考慮すると,平成25年改正
後の平成24年改正法による選挙区割りの改定の後も,平成26年選
挙時に至るまで,選挙区割りはなお憲法の投票価値の平等の要求に反
する状態にあったものといわざるを得ないと判示した。しかし,平成
26年選挙までの間に是正に向けた一定の前進と評価し得る法改正及
びこれに基づく選挙区割りの改定が行われたものということができ,
憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえ
ず,当時の区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するもの
ということはできないと判示した。その上で,国会においては,今後
も,衆議院に設置された検討機関において行われている投票価値の較
差の更なる縮小を可能にする制度の見直しを内容とする具体的な改正
案の検討と集約が早急に進められ,区画審設置法3条の趣旨に沿った
選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとい
うべきであると付言した。
(7)衆議院選挙制度に関する調査・検討等を行うための有識者による
議長の諮問機関として平成26年6月19日に設置された衆議院選挙
制度に関する調査会(以下「選挙制度調査会」という。)は,平成2
8年1月14日,衆議院議長に対する答申(以下「本件答申」とい
う。)をした。本件答申は,①衆議院議員の定数を10人削減するこ
と,②都道府県への議席配分をアダムズ方式により行うこと,③都道
府県への議席配分の見直しは,制度の安定性を勘案し,10年ごとに
行われる大規模国勢調査の結果による人口に基づき行うことなどを内
容とするものであった。
(8)本件答申を踏まえ,平成28年5月20日,平成28年改正法が
成立した。平成28年改正法は,①衆議院小選挙区選出議員の選挙区
間における人口較差について,各都道府県の区域内の選挙区の数を平
成32年以降10年ごとに行われる大規模国勢調査の結果に基づき,
アダムズ方式により配分した上で,各選挙区間の最大較差(日本国民
の人口)が2倍以上にならないようにすること,②平成37年以降の
簡易国勢調査の結果に基づく各選挙区間の最大較差(日本国民の人
口)が2倍以上になったときは,選挙区の安定性を図るとともに較差
2倍未満を達成するため,各都道府県の選挙区数を変更することなく,
区画審が較差是正のために選挙区割りの改定案の作成及び勧告を行う
ものとすること,③衆議院議員の定数を10人削減することを規定す
るとともに,その附則において,④平成32年国勢調査までの措置と
して,平成27年の簡易国勢調査の結果に基づき,各選挙区の人口に
関し,将来の見込人口を踏まえ,平成32年までの5年間を通じて較
差2倍未満となるよう区割りを行うなどの措置を行うこと,⑤小選挙
区選挙の定数6減の対象県について,平成27年の簡易国勢調査に基
づき,アダムズ方式により都道府県別定数を計算した場合に減員対象
となる都道府県のうち,議員1人当たり人口の最も少ない都道府県か
ら順に6県とすること,⑥平成28年改正法の施行後においても,全
国民を代表する国会議員を選出するための望ましい選挙制度の在り方
については,不断の見直しが行われるものとすることを内容とするも
のである。
(9)前記0増6減の措置により減員となる県は,青森,岩手,三重,
奈良,熊本及び鹿児島の6県である。
仮に平成22年の大規模国勢調査に基づいてアダムズ方式により都
道府県への定数の再配分をした場合の試算は,別表3の「平成22年
国勢調査人口」欄に記載のとおりであって,平成28年改正及び平成
29年改正前から7増13減(18都県の変動)となる。なお,上記
13減のうち6減は,平成28年改正及び平成29年改正による6減
の対象県と共通する。
また,平成27年の簡易国勢調査の結果による日本国民の人口を基
に,アダムズ方式により都道府県への定数を再配分した場合も,平成
28年改正及び平成29年改正前から7増13減(17都県の変動)
となる。
(10)区画審は,平成29年4月19日,内閣総理大臣に対し,選挙区
割りの改定案の勧告(以下「本件勧告」という。)をした。本件勧告
は,平成28年改正法附則に基づき,各都道府県の選挙区数の0増6
減を前提に,平成27年の簡易国勢調査に基づく選挙区間の最大較差
(人口)を1.956倍とし,平成32年見込人口に基づく選挙区間
の最大較差が1.999倍となるように19都道府県の97選挙区に
おいて区割りを改めることを内容とするものである。
平成29年6月9日,平成29年改正法が成立した。平成29年改
正法は,本件勧告どおり,衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定を
19都道府県97選挙区において行うこと等を内容とするものである。
(11)平成29年9月28日,衆議院が解散され,同年10月22日,
本件選挙が施行された。
本件選挙当日における選挙区別の有権者数及び最小選挙区との較差
は別表2のとおりであり,選挙区間の選挙人の最大較差は,鳥取県第
1区と東京都第13区との間の1対1.979であった。
2本件選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至って
いたか否かについて
(1)憲法は,選挙権の内容の平等,換言すれば投票価値の平等を要求
しているものと解される。他方,投票価値の平等は,選挙制度の仕組
みを決定する絶対の基準ではなく,国会が正当に考慮することのでき
る他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべ
きものであるところ,国会の両議院の議員の選挙については,憲法上,
議員の定数,選挙区,投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定
めるべきものとされ(43条2項,47条),選挙制度の仕組みの決
定について国会に広範な裁量が認められている。
衆議院議員の選挙につき全国を多数の選挙区に分けて実施する制度
が採用される場合には,選挙制度の仕組みのうち定数配分及び選挙区
割りを決定するに際して,憲法上,議員1人当たりの選挙人数ないし
人口ができる限り平等に保たれることを最も重要かつ基本的な基準と
することが求められているというべきであるが,それ以外の要素も合
理性を有する限り国会において考慮することが許容されているものと
解されるのであって,具体的な選挙区を定めるに当たっては,都道府
県を細分化した市町村その他の行政区画などを基本的な単位として,
地域の面積,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況などの諸要
素を考慮しつつ,国政遂行のための民意の的確な反映を実現するとと
もに,投票価値の平等を確保するという要請との調和を図ることが求
められているところである。したがって,このような選挙制度の合憲
性は,これらの諸事情を総合的に考慮した上でなお,国会に与えられ
た裁量権の行使として合理性を有するといえるか否かによって判断さ
れることになり,国会がかかる選挙制度の仕組みについて具体的に定
めたところが,上記のような憲法上の要請に反するため,上記の裁量
権を考慮してもなおその限界を超えており,これを是認することがで
きない場合に,初めてこれが憲法に違反することになるものと解され
る。
以上は,本件各大法廷判決を含む累次の最高裁判所大法廷判決の趣
旨とするところであって,原告らの主張のうち,上記解釈に反する部
分は採用しない。
(2)上記の見地に立って,本件選挙当時の本件区割規定及びこれに基
づく本件選挙区割りの合憲性について検討する。
ア被告らは,選挙区間の最大較差が2倍未満となる区割規定の定め
る選挙区割りは,憲法の投票価値の平等の要求に反するものとはい
えない旨主張する。
なるほど,本件各大法廷判決は,各選挙区の人口の均衡を図り,
各選挙区の人口のうち,その最も多いものを最も少ないもので除し
て得た数が2以上にならないようにするとした区画審設置法の趣旨
を評価し,この趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組を促して
いたものである。しかしながら,本件各大法廷判決が,最大較差の
数値を画一的な基準として選挙区割りの合憲性を判断したものでな
いことは,その判文上明らかであり,2倍未満の人口較差であれば,
どのような選挙区割りを定めることも国会の広範な裁量に属するも
のであるとして,これを容認する趣旨のものとは解されない。むし
ろ,前記(1)のとおり,本件各大法廷判決は,定数配分及び選挙区
割りを決定するに際して,憲法上,議員1人当たりの選挙人数ない
し人口ができる限り平等に保たれることを最も重要かつ基本的な基
.....
準とすることが求められているとしているのであるから,人口較差
が2倍未満であっても,その程度及び当該較差が生じた要因などを
総合考慮して,選挙区割りの合憲性を判断すべきものである。
そして,平成27年の簡易国勢調査による議員一人当たりの人口
が最少の鳥取県第2区と最多の神奈川県第16区の人口較差は,1
対1.956であり,本件選挙当日における選挙区間の選挙人の最
大較差は,鳥取県第1区と東京都第13区との間の1対1.979
であって,その較差は,いずれも2倍を切ってはいるものの,極め
て2倍に近く,容易に看過し得ないものというべきであって,上記
人口較差が直ちに憲法の投票価値の平等の要求に反するものでない
とはいえないから,かかる較差が生じた要因等も総合考慮しなけれ
ばならないというべきである。
イ平成23年大法廷判決及び平成25年大法廷判決は,平成21年
選挙及び平成24年選挙に関し,上記各選挙時点における1人別枠
方式の合理性を否定し,1人別枠方式は投票価値の平等と相容れな
い作用を及ぼすものとして,憲法の投票価値の平等に反する状態に
至っているとして,できるだけ速やかに1人別枠方式を廃止する必
要がある旨を判示していた。そして,1人別枠方式を定めていた平
成24年改正前の区画審設置法3条2項を削除し,各都道府県の選
挙区数の0増5減を前提にして選挙区割りを改定する平成24年改
正及び平成25年改正がされた後に施行された平成26年選挙に関
する平成27年大法廷判決は,上記0増5減の措置における定数削
減の対象とされた県以外の都道府県について定数の見直しを経てい
ないことを指摘し,平成26年選挙当時における投票価値の較差の
状況やその要因となっていた事情などを総合考慮すると,選挙区割
りはなお憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものと
いわざるを得ないと判示し,国会に対し,投票価値の較差のさらな
る縮小を可能にする制度の見直しを促していた。
ウしかるところ,平成28年改正及び平成29年改正は,各都道府
県の区域内の選挙区の数を,平成32年以降10年ごとに行われる
大規模国勢調査の結果に基づきアダムズ方式により配分することと
した。これは,1人別枠方式を含む都道府県への定数の配分の一部
のみを修正することにより最大較差を縮小するという従前の弥縫策
ともいうべき措置ではなく,1人別枠方式から完全に脱却した配分
方法を定めたものであって,正に本件各大法廷判決が促していた投
票価値の較差を縮小する制度の見直しを実現しようとしたものとい
うことができる。一方で,上記各改正は,アダムズ方式による配分
は,平成32年国勢調査の結果に基づき行うものとし,それまでの
措置としては,平成27年の簡易国勢調査に基づき,アダムズ方式
により都道府県別定数を計算した場合に減員対象となる都道府県の
うち,議員1人当たり人口の最も少ない都道府県から順に6県の定
数を減じるにとどめており,定数減の対象となる県の選定作業に際
してアダムズ方式の手法が用いられているとはいえ,1人別枠方式
による構造上の問題点が残されていた従前の都道府県への定数配分
については,一部のみの修正を施したにとどまる。そして,アダム
ズ方式により都道府県への定数の再配分をした場合には,平成22
年の大規模国勢調査の結果に基づけば7増13減(18都県の変
動)となり,平成27年の簡易国勢調査の結果に基づけば7増13
減(17都県の変動)になるというのであり,これらの措置を行う
ことが法技術的に不可能又は困難であったというような事情のあっ
たこともうかがわれないから,上記0増6減の措置のみでは,未だ
本来配分されるべき定数とは異なる定数が配分されていたという問
題の是正がされたとはいえない。
なお,アダムズ方式の導入が平成32年の大規模国勢調査からと
された理由については,平成28年改正法の提出者において,①成
立した法律をあえて遡及適用することは例外的であり,アダムズ方
式を導入するのは平成32年の大規模国勢調査以降とするのが自然
であること,②仮に平成22年の大規模国勢調査に基づいてアダム
ズ方式を導入した場合,平成27年の簡易国勢調査の結果に基づい
てアダムズ方式を導入した場合とで議席配分結果に違いが生ずるな
ど,古い国勢調査の結果である平成22年の大規模国勢調査の数値
を用いる合理性があるとはいえないこと,③平成22年の大規模国
勢調査の結果が出てから既に2回の衆議院議員総選挙を経ているに
もかかわらず,同国勢調査の結果を用いて新たに議席を配分し直す
とするならば,それにより従前と異なる議席を配分された都道府県
の選挙人を中心に,これら2回の総選挙の正当性や選挙された議員
の地位に対し疑念を抱かせることになるという問題があること,④
4年後には次の大規模国勢調査が控えており,立て続けに都道府県
への議席配分の見直しを行うこととなり,選挙制度の安定性に欠け
るという問題がある旨の答弁がされたことが認められる(乙11の
1,乙12の2)。しかし,これらの理由は,アダムズ方式の導入
を直ちに実現するのでなく,導入時期が先になってしまうことの説
明としては一理あるものの,国会が具体的な選挙区を定めるに当た
って考慮することの合理性が肯定されるところの,都道府県を細分
化した市町村その他の行政区画などを基本的な単位とした,地域の
面積,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況などの諸要素に
関するものではないのであって,1人別枠方式が解消されているか
否かや,選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に
至っていたか否かを判断する上では,さしたる意味を持たない。
以上によれば,平成28年改正及び平成29年改正の後において
も,平成32年国勢調査の結果に基づくアダムズ方式による都道府
県への再配分が行われるまではなお,1人別枠方式の構造上の問題
点は解消されていなかったといわざるを得ない。
エ以上を踏まえて,本件選挙当時の本件区割規定及びこれに基づく
本件選挙区割りの合憲性について判断すると,平成27年の簡易国
勢調査による議員一人当たりの人口較差及び本件選挙当日における
選挙区間の選挙人の最大較差は,いずれも2倍を切ってはいるもの
の,極めて2倍に近いものであったこと,このような較差が生じて
いるのは,1人別枠方式を含む都道府県への定数配分につき一部の
修正を重ねるという方法での較差是正がされたにとどまり,1人別
枠方式を完全に廃止し,その構造的問題点を抜本的に解消する措置
が本件選挙時点では未だ実現に至っていなかったことが要因になっ
ていることを指摘することができる。これらの事情を総合考慮する
と,本件区割規定及び本件選挙区割りは,なお憲法の投票価値の平
等の要求に反する状態にあったというべきである。
3憲法上要求される合理的な期間内における是正がされたか否かについ

(1)衆議院議員の選挙における定数配分又は選挙区割りが投票価値の
較差において憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っている
場合であっても,憲法上要求される合理的期間内における是正がされ
なかったといえる場合に初めて,当該定数配分規定又は区割規定が憲
法の規定に違反することになる。そして,その判断に当たっては,単
に期間の長短のみならず,是正のために採るべき措置の内容,そのた
めに検討を要する事項,実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情
を総合考慮して,国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断
の趣旨を踏まえた立法裁量権の行使として相当なものであったといえ
るか否かという観点に立って評価すべきものと解される。
以上は,本件各大法廷判決を含む累次の最高裁判所大法廷判決の趣
旨とするところであって,原告らの主張のうち,上記解釈に反する部
分は採用しない。
(2)そこで,本件において,憲法上要求される合理的期間内における
是正がされなかったといえるか否かについて検討する。
まず,1人別枠方式を含む区割基準に基づいて定められた選挙区割
りについて,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っている
ことを,国会において認識し得たのは,平成23年大法廷判決の言渡
しがされた平成23年3月23日の時点からであったというべきであ
る。
そして,上記時点から本件選挙の日までには6年7か月近い年月が
経過している。この間に4回にわたって選挙制度が改正されているが,
本件各大法廷判決がその不合理性を明確に指摘している1人別枠方式
については,完全には廃止されるに至っていない。これらのことから
すると,国会には本件各大法廷判決を尊重する意思があったか否かに
も疑問が生じざるを得ず,この点を重視すると,既に合理的期間は経
過していると考える余地が生じないでもない。しかし,国会において
は,選挙制度について様々な意見がある中,平成24年改正及び平成
25年改正により選挙区間の人口較差の縮小を実現し,さらに平成2
8年改正及び平成29年改正においては,本件選挙時における選挙区
間の人口較差を2倍未満に縮小したのみならず,本件選挙時には実現
に至らなかったとはいえ,各都道府県の区域内の選挙区の数を,平成
32年以降10年ごとに行われる大規模国勢調査の結果に基づきアダ
ムズ方式により配分するという1人別枠方式の構造上の問題点を完全
に解消する措置を採るなど,憲法の要求する投票価値の平等の実現に
向けた取組が行われてきたということができるから,本件においては
辛うじて憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかった
とはいえず,したがって,本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の
規定に違反するものということはできない。
4結論
よって,原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとして,
主文のとおり判決する。
名古屋高等裁判所民事第4部
裁判長裁判官藤山雅行
裁判官朝日貴浩
裁判官金久保茂

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