弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は弁護人崎山嗣朝提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、こ
れを引用する。
 同控訴趣意について。
 <要旨>よつて関税法に所謂貨物の意義、範囲につき考察するに、同法の目的と貨
物なる用語に鑑みれば、同法において特に除外する趣旨が窺れない限りすべ
ての有体物を包含するものと解するのが相当であるところ、銀行券を貨物から除外
する趣旨の規定はどこにも存しないから、銀行券は関税法に所謂貨物に該当するも
のと謂わねばならない。のみならず、関税法第三条が、輸入貨物にはこの法律及び
関税定率法により関税を課すると規定している所より窺いうる関税法と不可分の関
係に立つ関税定率法の第三条は、関税は輸入貨物の価格又は数量を課税標準として
課するものとし、その税率は別表によると定め、別表輸入税表一一四〇は紙幣、銀
行券等を挙げてこれを無税としている。(しかし、無税であるからといつて所論の
如く貨物でないと謂われないことは、右別表に牛、馬、豚、各種の種子、油類等を
無税としていることに徴し明らかである)又、関税法第七四条、第一〇九条、関税
定率法第二一条は銀行券、紙幣と外観上類似する偽造、変造又は模造の銀行券、紙
幣を貨物として取扱つている。従つてこれ等の点に徴すれば、銀行券、紙幣は即関
税法上の所謂貨物に該当することが明白である。尤も、外国為替及び外国貿易管理
法第六条第一項第七号、第一五号によれば、銀行券、紙幣を貨物から除外している
ことは所論のとおりであるが、これは同法が銀行券等の支払手段については輸出入
禁止の原則(第四五条)を掲げているのに反し、貨物については承認による輸出入
の原則(第四七条、第四八条、第五二条)を採つている関係上、立法技術の便宜に
出でたものなることが窺われ、しかも同法第六条第一項第一五号において貨物から
除外している貴金属が関税法の貨物に該当することは、その物の性質上極めて明ら
かであるから、これ等の点に鑑みれば、外国為替及び外国貿易管理法における貨物
と関税法に所謂貨物とは所論の如くその種類、範囲が必ずしも一致するものとは謂
われない。論旨引用の判例は毫も右判断と牴触するものではない。従つて、原審が
本件日本銀行券を関税法所定の貨物と認めて被告人が之を密輸入せんとした所為に
対し関税法第一一一条第二項、第一項を適用処断したのはまことに相当にして、原
判決に所論の如き違法はない。
 論旨は理由がない。
 そこで刑事訴訟法第三九六条に則り本件控訴を棄却すべきものとし、主文のとお
り判決する。
 (裁判長裁判官 西岡稔 裁判官 後藤師郎 裁判官 中村荘十郎)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛