弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中川宗雄の上告理由第一点および第二点について。
 原判決は、挙示の証拠により、「控訴人(被上告人)および被控訴人(上告人)
は、いずれも田川郡a町に居住し、同じくD高等学校に通学しているうちに相思相
愛の仲となり、同校を卒業後昭和二八年三月二二日頃田川市b区所在E旅館におい
て互に将来夫婦となることを約して肉体関係を結んだこと(両名共当時成年に達し
ていた)、その後間もなく被控訴人はF大学商学部夜間部に進学し、控訴人は田川
郡a町の自宅にあつて、互に被控訴人が卒業し就職した暁に夫婦として一家を構え
る日の来るのを待望しながら日々を送り、その間に互に慕情を書綴つた文通を交し
ていたので、控訴人はその後他から申込のあつた縁談も断り、一途に被控訴人に想
を寄せ、被控訴人も亦休暇でa町に帰省するとその大半を控訴人方で過し、控訴人
と情交を重ねていた。そして控訴人及び被控訴人の両親は、本人同志が互に将来婚
姻の約束をしていることを知つており、被控訴人が大学卒業後就職すれば婚姻させ
てもよいとの考で当事者間の右の関係を黙認していたし、近隣の者も亦控訴人と被
控訴人が将来夫婦となるであろうことを噂していたのである。ところが被控訴人が
昭和三二年一月頃から東京において訴外Gと懇意になり、遂に同女と情交を結び、
同女と右の関係を続けながら一方では控訴人に対し縷々Gとの関係を生ずるに至つ
たことを詫びると共に学資の一部送金方を懇請した手紙を出していたので、事の真
相を知らない控訴人としては、被控訴人とGとの関係を清算して貰い度いばかりに
昭和三二年夏頃から被控訴人が右大学を卒業する昭和三三年三月頃まで数回に亘り
合計金六万円を被控訴人宛送金したのである。しかるに被控訴人は、昭和三三年三
月大学を卒業し就職するや同年四月Gと結婚同棲し、控訴人に対し文通を断ち、被
控訴人の住所を秘していた。一方、控訴人は被控訴人を諦めきれず、漸く元年後被
控訴人の住所が判明したので昭和三四年四月上京し、被控訴人に会つて被控訴人の
愛情を取戻すべく申入れたが、被控訴人は遠曲にこれを断り、遂にその頃控訴人と
夫婦となる意思のないことを明示した。」旨の事実を認定し、右認定事案により、
「本件当事者は、当初肉体関係を結ぶに当つて、真面目に婚姻予約を締結していた
ことを認めることができる。」旨判示したものであつて、たとえ当時上告人は高等
学校卒業直後であり、なお学業を継続しなければならない状態にあつたとしても、
原判決の右判示は肯認できなくはないから、原判決に所論の経験法則違反の違法が
あるということができない。そして、以上の事実関係の下においては、たとえ当事
者間において結納の取交し、仮祝言の挙行等の事実がなくても、上告人において被
上告人に対し、上告人の右婚姻予約不履行により被上告人の蒙つた精神上の苦痛に
よる損害を賠償すべき義務があるとする原判決は相当であるから、原判決に所論の
法令解釈適用の誤りはない。論旨はすべて採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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