弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人鍛治利一、同和田孟、同美村貞夫の上告趣意第一点について、
 原審第二乃至第六回各公判調書を調べてみるのに、原審公判においてA提出の被
害届につき適法に証拠調がなされていないことは所論のとおりである。しかるに原
判決は右被害届を建造物損壊の事実認定の一証拠に供したのであるから、論旨引用
の昭和二四年(れ)二一〇〇号、二五年一月一九日第一小法廷判決に徴するも違法
の譏を免れないのである。しかしこの判決は、適法の証拠調を経ない証拠にもとず
いて事実認定をすることは違法であるということのほかに、かかる違法が判決に影
響を及ぼす場合には、前審の判決を破棄する旨をも説示しているのであるから、本
件における前記の違法が原判決に影響を及ぼすかどうかについて検討を加えるべき
であらう。
 原審は建造物損壊の事実についてA提出の被害届のほか適法の証拠調を経た原審
共同被告人Bに対する司法警察官の聴取書の記載をも合せてこれを認定したもので
あること、かつ右の聴取書のみによつて建造物損壊の事実の認定を肯認しうること
に徴すれば、原判決の右違法は判決に影響を及ぼさないといいうるのである。よつ
て判例違反の所論は採用し難い。
 なお、原審はいわゆる博徒の殴りこみともいうべき本件事案を殺人、放火未遂、
建造物損壊及び爆発物取締罰則違反の相密着せる一連の所為として総合認定したも
のであつて、建造物損壊はいわば右の他の行為に随伴してなされたと解せられるの
であるから、前掲の違法があつても刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべき案
件とも考えられない。論旨は要するに理由がないといわねばならない。
 同第二乃至第四点について、
 論旨は原判決の認定した放火未遂、被告人Cに対する犯罪事実、また建造物損壊
について、原審が採用した証拠の各証明力を争うものであるから、刑訴四〇五条に
定める上告理由にあたらない。
 同第五点について、
 論旨は原判決の事実認定を非難するに帰する。しかし原判決の判示事実はその挙
示の証拠で充分に認めることができるばかりでなくその採証には経験則に反する点
はないから、所論は採用できない。
 弁護人中野義定の上告趣意について、
 論旨は原判決の事実誤認、量刑不当を主張するもので、適法の上告理由たりえな
い。
 よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により、裁判官全員一致の意見で主
文のとおり判決する。
  昭和二七年四月一八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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