弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、第一審判決主文第一項を次のとおり変更する。
     被上告人(被告)は、芦屋市に対し金二四〇、〇〇〇円を支払え。
     上告人(原告)らのその余の請求を棄却する。
     被上告人(控訴人)のその余の控訴を棄却する。
     訴訟の総費用は、被上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人井藤誉志雄の上告理由第一点および第二点について。
 地方公共団体がその議会の議員に対し地方自治法二〇三条所定の報酬、費用弁償、
期末手当のほかは、法律または条例に基づかずして、いかなる給与その他の給付を
も支給することができないことは、同法二〇四条の二の明定するところである。も
っとも、同法条といえども、地方公共団体が、記念行事等に際し、関係議員に記念
品等を贈呈することは、それが社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、禁止するも
のでない、と解するのが相当である。
 原判決の確定した事実によれば、本件記念品料は、芦屋市が昭和三三年七月競輪
事業開始一〇周年を記念し、市議会議員三〇名全員に対し一人当り現金一〇、〇〇
〇円宛を贈呈するため、同年度特別会計競輪事業費追加予算に「報償費、一〇周年
記念、三〇万円」として計上し、市議会の議決を経て、現に内二四〇、〇〇〇円が
支給済みである、というのである。しかしながら、本件記念品料が地方自治法二〇
三条およびこれに基づく芦屋市議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例(同市
昭和三一年条例一二号)所定の報酬、費用弁償、期末手当のいづれにも該当しない
ことはもとより、その他の法律ないし条例に基づく給付でないことも明らかであり、
また、その支給の趣旨、態容、金額、人員等の点からみて、前記意義における儀礼
の範囲をも超えるものと認めるのが相当である。従って、本件記念品料の支給は、
地方自治法二〇四条の二に違反するものといわなければならない。
 されば、叙上と相反する判断に出た原判決は、右法条の解釈適用を誤ったものと
いうべく、論旨は、この点において理由がある。なお、第一審判決が本件記念品料
の支給金額を二五〇、〇〇〇円と認定したことが誤りであることは、前示原判決確
定の事実に徴して明らかである。
 よって、その余の論点について判断を加えるまでもなく、民訴四〇八条、三九六
条、三八六条、三八四条に則り、原判決を破棄し、第一審判決主文第一項の金二五
〇、〇〇〇円を金二四〇、〇〇〇円と変更し、上告人らのその余の請求を棄却し、
被上告人のその余の控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担につき、同法九六条、
九二条を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六

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