弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を却下する。
         理    由
 本件抗告の要旨は、「債権者Aは、被告人を債務者として漁船第三野坂丸積載中
のサバ網一張につき、福岡地方裁判所に係争物に関する仮処分命令の申請をなし、
昭和二十七年八月二十二日仮処分決定(同庁同年(ヨ)第三〇三号)を得て、翌二
十三日右サバ網に対し仮処分の執行をなしたが、次いで右物件につき換価命令の申
立をなし、同裁判所は、同月二十九日執行吏に対し、前記サバ網一張を競売し、そ
の売得金を供託すべき旨の換価命令をなした。しかし本件サバ網は、さきに昭和二
十五年十二月中債権者Aの南網漁業生産組合に対する債権のため、同組合所有の物
として強制執行を受けたが、当時右物件は抗告人の所有であつたので、抗告人は直
ちに第三者異議の訴を起すと共に強制執行取消の申立をなし、その取消決定を得た
上、昭和二十六年一月十二日保証金十万円を供託して執行取消を受けたのであつて
その後抗告人は、同年二月二比広福漁業生産組合に対し、他の物件と共に本件サバ
網を売渡し、その引渡を了したのである。
 従つて本件サバ網は、既に抗告人の所有ではなく、右広福漁業生産組合の所有物
件であり、本件命令によつて換価されることになれば、同組合は回復し難い損害を
蒙むるわけであるから、右物件に対し、本件換価命令をなしたのは失当である。よ
つて原命令を取り消し、債権者の換価命令申立を却下する旨の決定を求める、」と
いうのである。
 <要旨>しかし、執行裁判所が、債務者に陳述の機会を与えないで発した民事訴訟
法第七百五十条第四項後段のいわゆる換価命令に対し、不服ある債務者は、
まず同法第五百四十四条第一項により執行裁判所に異議の申立をなし、同裁判所に
不服の点を更正する機会を得せしめた後その裁判に対し不服ある場合同法第五百五
十八条により即時抗告をなすべきものであつて、右換価命令に対し、直ちに即時抗
告をなすことは許されないと解すべきである。記録によれば、本件において、債権
者Aは、抗告人を債務者とする仮処分命令申請事件につき福岡地方裁判所において
本件サバ網一張に対する仮処分決定を得てその執行をなしたが、次いで右物件は、
その保管に不相応の費用を要し、且つ極めて腐敗し易いため価額の減少を来すおそ
れがある、として、民事訴訟法第七百五十六条、第七百五十条第四項後段により換
価命令を申立てたところ、前記裁判所は、債務者たる抗告人に別段陳述の機会を与
えることなく、本件換価命令を発したもので、これに対し、抗告人は異議の申立を
しないで、直ちに本件即時抗告に及んだものであること明白であり、従つて前段説
示の理由により本件抗告は不適法たるを免れないものというべきである。
 よつて本件抗告を却下すべきものとし、主文のとおり決定する。
 (裁判長判事 野田三夫 判事 柳原幸雄 判事 川井立夫)

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