弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

○ 主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
○ 事実
第一 当事者の申立て
一 控訴人
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が、訴外大蔵産業株式会社(以下「訴外会社」という。)に対し、確
認番号五四南第二九八号により建築確認(以下「第一次確認」という。)をした建
築物について、昭和五五年二月五日付でした検査済証の交付(以下「本件検査済証
交付」という。)を取り消す。
3 被控訴人が、訴外会社に対してした昭和五四年九月一一日付確認番号五四南工
一〇号による建築確認(以下「第二次確認」という。)は無効であることを確認す
る。
4 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
本件控訴を棄却する。
第二 当事者の主張
次のとおり補正するほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、これをここに引
用する。
一 原判決三枚目裏二行目に「(一)」とある次に「(1)」を加え、同四枚目表
一、二行目を「(2)前項の事実は、建築確認申請書に敷地の境界線を明示した配
置図の添付を要求する建築基準法施行規則一条違反にもあたる。」と、同三行目に
「(2)」とあるのを「(3)」とそれぞれ改める。
二 原判決四枚目表六行目に「図面」とある次に「(第一次申請の際添付された図
面と異なる内容虚偽のもの)」を、同七行目に「築造」とある次に「される」をそ
れぞれ加える。
三 原判決四枚目裏六行目に「危険がある。」とあるのを「危険があり、また、本
件建物の屋根、庇が控訴人所有地にはみ出し、控訴人方居宅では日照が妨げられ、
健康な生活を阻害されている。」と改める。
四 原判決五枚目表三行目末尾に続けて「また、本件擁壁の築造により控訴人所有
擁壁は礎石を取り除かれ、極めて危険な状態となつている。」を加える。
五 原判決六枚目表六行目に「冒頭」とあるのを「(1)」と、同末行に
「(1)、(2)」とあるのを「(2)、(3)」とそれぞれ改める。
第三 証拠関係(省略)
○ 理由
一 請求の原因1(処分の存在)(一)ないし(三)の事実は、いずれも当事者間
に争いがない。
二 そこで、まず、控訴人に本件各訴えの利益が認められるか否かを検討する。
建築基準法(以下「法」という。)六条一項及び三項によれば、建築主は、同条一
項各号に掲げる建築物の建築等をしようとする場合においては、当該工事に着手す
る前に、その計画が当該建築物の敷地、構造及び建築設備に関する法律並びにこれ
に基づく命令及び条例(以下「建築関係法令」という。)の規定に適合するもので
あることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければなら
ず、建築主事は、申請に係る建築物の計画が建築関係法令の規定に適合するかどう
かを審査し、審査の結果に基づいてこれらの規定に適合することを確認したとき
は、その旨を文書をもつて当該申請者に通知しなければならない、とされており、
また、法七条一項ないし三項によれば、建築主は、法六条一項の規定による工事を
完了した場合においては、その旨を建築主事に文書をもつて届け出なければなら
ず、建築主事が右届出を受理した場合においては、建築主事又はその委任を受けた
当該市町村若しくは都道府県の吏員(以下「建築主事等」という。)は、右届出を
受理した日から七日以内に、届出に係る建築物及びその敷地が建築関係法令の規定
に適合しているかどうかを検査し、建築主事等が右検査をした場合において、当該
建築物及びその敷地が右法令の規定に適合していることを認めたときは、当該建築
物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない、とされている。そして、
以上の規定は、法八八条一項により擁壁等の工作物に準用されている。
ところで、これらの規定による建築確認及び検査済証交付の制度は、法一条に定め
るとおり、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資
することを目的とするものであり、当該建築物又は工作物の建築主のみならず、近
隣居住者の生命、健康及び財産をもその保護の対象とする趣旨であると解すべきで
あるから、当該建築物等により、生活環境上の悪影響を受け、火災の危険にさらさ
れ、あるいは財産を毀損されるなどの被害を被るおそれのある近隣居住者は、当該
建築物等に係る建築確認や検査済証交付に違法ないし瑕疵があることを主張して、
その取消し又は無効確認を訴求する法律上の利益を有するものと解するのが相当で
ある。
これを本件についてみるに、控訴人が本件土地に隣接する土地を所有していること
は、被控訴人において明らかに争わないところであり、控訴人は、本件建物及び本
件擁壁が建築、築造されることにより、控訴人所有地上の居宅に火災の際延焼の危
険が生じ、同居宅の日照が妨げられ、あるいは控訴人所有擁壁の礎石が取り除か
れ、同擁壁が危険な状態となるなどの被害を被ると主張するものであるところ、成
立に争いのない甲第三号証、弁論の全趣旨により本件擁壁工事現場の写真であるこ
との認められる甲第二号証の一ないし五、同じく本件擁壁工事現場の写真であるこ
とに争いのない甲第一八ないし第二一号証に弁論の全趣旨をあわせれば、このよう
な被害のおそれがないとはいえないことが認められるから、控訴人は、本件検査済
証交付の取消し及び本件第二次確認の無効確認を求める訴えの利益を有するものと
いうべきである。
三 ところで、控訴人は、本件検査済証交付の取消しを求めるにつきその違法事由
として、第一次申請の際添付された地積測量図によれば、隣接する控訴人所有地と
の境界を誤り、本件建物の敷地に控訴人所有地の一部が取り込まれており、したが
つて本件建物は法六五条該当建築物でないにもかかわらず、控訴人所有地との境界
から民法二三四条一項所定の五〇センチメートルの距離を置かないで建築されるこ
とになる旨を主張する。
しかしながら、建築物の敷地、構造、建築設備等に関する建築関係法令の規定は、
行政庁が法一条の目的を実現するため、建築確認や違反建築物に対する是正措置を
なす際の最低の基準を定めたものと解される。したがつて、建築主事等は、検査済
証の交付にあたり、届出に係る建築物及びその敷地が技術的見地からして法一条の
目的の実現のために定められた建築関係法令の規定に適合しているかどうかを検査
する義務を負うのみであつて、当該敷地と隣接地との境界の位置、当該敷地につい
ての所有権その他の使用権原の有無や当該建築物及びその敷地が民法二三四条一項
の規定に適合するか否かといつた私法上の権利義務に関する事項についてまで検査
する権限も義務も有しないと解すべきである。
よつて、法七条二項による検査の対象には、右のような事項は含まれないものとい
うべきであるから、本件検査済証交付の違法事由として控訴人が主張する前記事実
が仮に肯定されたとしても、そのことは本件検査済証交付を何ら違法ならしめるも
のではない。
また、控訴人は、右事実は建築基準法施行規則一条違反にもあたるとして本件検査
済証交付の違法を主張するが、右に説示したところからすれば、仮に確認申請書に
添付された配置図記載の敷地の境界線(成立に争いのない乙第一号証の一、五によ
れば、第一次申請の際の申請書には敷地の境界線を明示した配置図が添付されてい
ることが認められる。)に誤り等があつたとしても、建築確認ないし検査済証交付
が何ら違法となるものではないと解されるから、右主張も失当である。
四 次に、控訴人は、第二次確認の無効確認を求めるにつきその無効事由として、
第二次申請の際添付された図面によれば、控訴人所有地との境界を誤り、本件擁壁
の敷地に、訴外会社が何ら使用権原を有しない控訴人所有地の一部が取り込まれて
いるにもかかわらず、第二次確認はこれを看過してなされた旨を主張するが、先に
検査済証交付について述べたところと同様、建築主事は、建築確認申請の審査にあ
たり、当該敷地と隣接地との境界の位置や建築主が当該敷地について正当な使用権
原を有するか否かといつた私法上の権利義務に関する事項を判断する権限も義務も
有しないのであり、右審査の対象には、このような事項は含まれないものというべ
きであるから、控訴人が主張する前記の点が肯認されたとしても、第二次確認は何
ら瑕疵あるものとはならない。
五 以上の次第であつて、右二に判示したところによれば、控訴人に本件検査済証
交付の取消し及び第二次確認の無効確認を求める訴えの利益がないものとして、本
件各訴えを却下した原判決は、相当でないといわなければならない。しかし、控訴
人は、当審においても原審におけるのと同旨の主張を記載した準備書面を陳述し、
その立証として書証を提出した上、他に主張・立証はないとしており、その他記録
からうかがわれる本件訴訟の経緯にかんがみれば、控訴人において新たな違法ない
し無効事由を主張する余地はないものと認められるから、右三、四に判示したとこ
ろにより控訴人の本訴各請求は、あらためて事実審理をするまでもなく理由のない
ことがその主張自体に徴し明らかであるというべきである。このような場合、当裁
判所としては、民事訴訟法三八八条の規定を適用して本件を原審に差し戻すまでも
なく、原判決を取り消して控訴人の本訴各請求をただちに棄却すべきものと解され
るところ、本件においては、控訴人のみが控訴し、被控訴人からの控訴がないか
ら、いわゆる不利益変更禁止の法理(民事訴訟法三八五条参照)により、原判決の
結論を維持するほかなく、本件控訴を棄却するにとどめざるをえない。
よつて、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を
適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 鈴木 潔 鹿山春男 河本誠之)
(原裁判等の表示)
○ 主文
一 本件訴えをいずれも却下する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
○ 事実
第一 当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告が、大蔵産業株式会社(以下「訴外会社」という。)に対し、確認番号五
四南第二九八号で確認した(以下「第一次確認」という。)建築物について、昭和
五五年二月五日付けでした検査済証の交付(以下「本件検査済証交付」という。)
を取り消す。
2 被告が、訴外会社に対してした昭和五四年九月一一日付け確認番号五四南工一
〇号による建築の確認(以下「第二次確認」という。)は無効であることを確認す
る。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
1 本案前の答弁
主文と同旨
2 本案に対する答弁
(一) 原告の請求をいずれも棄却する。
(二) 訴訟費用は原告の負担とする。
第二 当事者の主張
一 請求の原因
1 処分の存在
(一) 訴外会社が、昭和五四年五月一五日、別紙物件目録(一)記載の土地(以
下「本件土地」という。)上に建築すべき木造二階建専用住宅(以下「本件建物」
という。)の建築計画について、建築基準法(以下「法」という。)六条の確認の
申請(以下「第一次申請」という。)をしたところ、被告は、同月二九日、第一次
確認をした。
(二) 訴外会社が、第一次確認に基づき、右建築工事を完了し、昭和五五年一月
二二日、被告に対し、工事完了届をしたところ、被告は、同年二月五日、訴外会社
に対し、本件検査済証交付をした。
(三) 訴外会社が、昭和五四年八月三一日、本件土地上に築造すべき鉄筋コンク
リート造L型擁壁(以下「本件擁壁」という。)について、法八八条、六条の確認
の申請(以下「第二次申請」という。)をしたところ、被告は、同年九月一一日、
第二次確認をした。
2 処分の違法及び無効
(一) 第一次申請の際添付された地積測量図によれば、本件建物の敷地には、隣
接する原告所有の別紙物件目録(二)記載の土地(以下「原告所有地」という。)
との境界を誤り、その一部が取り込まれている。したがつて、本件建物は、法六五
条にいう「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のもの」
(以下「法六五条該当建築物」という。)でないにもかかわらず、同建物は原告所
有地との境界から民法二三四条一項所定の五〇センチメートルの距離を置かないで
建築されることになる。
(1) 前記事実は建築基準法施行規則一条にも違反する。
(2) 第一次確認には右のとおりの違法があり、したがつて、本件検査済証交付
にも同様の違法がある。
(二) 第二次確認には、次のとおりの無効事由がある。
第二次申請の際添付された図面によれば、原告所有地との境界を誤り、本件擁壁が
築造予定の敷地には原告所有地の一部が取り込まれているにもかかわらず、これを
看過してなされた第二次確認には重大かつ明白な瑕疵がある。
3 原告適格
(一) 本件検査済証交付の取消請求について
(1) 本件建物は、前記のとおり法六五条該当建築物でないにもかかわらず、原
告所有地との境界から五〇センチメートルの距離を置かないで建築されているた
め、同建物の火災の際には原告方居宅にも延焼の危険がある。
(2) 本件建物の建築工事の際、同工事に従事する者が、原告所有擁壁の根入部
分の礎石を取り除き、同擁壁に亀裂を生じさせ、同擁壁を危険ならしめた。
(二) 第二次確認の無効確認請求について
第二次確認によれば、本件擁壁敷地には原告所有地の一部が取り込まれているとこ
ろ、訴外会社には右土地部分を使用すべき何らの権原もない。
(三) 以上のとおりであるから、原告には、本件検査済証交付の取消し及び第二
次確認の無効確認を求める適格がある。
4 原告は、本件検査済証交付につき昭和五六年一月二二日に横浜市建築審査会に
対し審査請求したが、同審査会は、同年三月一〇日にこれを棄却する旨の裁決をし
た。
よつて、原告は、本件検査済証交付の取消し及び第二次確認の無効確認をそれぞれ
求める。
二 被告の本案前の主張
本件訴えは、次の理由によりいずれも不適法である。
1 本件検査済証交付の取消請求について
(一) 本件建物は専用住宅として建築され、完成後引き続き現在まで通常の住宅
として使用されており、火災発生の危険もない。
(二) 原告所有擁壁の損壊の有無は、被告が検査済証を交付するに際して行う検
査の対象とはならない。
2 第二次確認の無効確認請求について
原告は、第二次確認により何らの損害を受ける虞れはなく、同確認の無効確認を求
めるにつき法律上の利益を有しない。
3 よつて、原告には本件各訴えを提起する適格がない。
三 請求の原因に対する認否
1 請求の原因1(一)ないし(三)の事実は認める。
2 同2(一)冒頭の事実のうち、本件建物が原告所有地との境界から五〇センチ
メートルの距離を置かないで建築されることは否認し、第一次申請の際添付された
地積測量図によれば、本件建物の敷地には、原告所有地の一部が取り込まれている
ことは知らない。
3 同2(一)(1)、(2)は争う。
4 同2(二)の事実は否認する。
5 同3(二)の事実は否認する。
四 被告の主張
1 建築主事は、建築主から建築物又は工作物(以下「建築物等」という。)の建
築等の計画の確認申請がなされた場合及び建築物等の建築等の工事を完了した旨の
届出を受理した場合には、当該建築物等及びその敷地が敷地、構造及び建築設備に
関する法律並びにこれに基づく命令及び条例(以下「建築関係法令」という。)の
規定に適合しているかどうかを審査又は検査し、これらに適合していることを認め
たときは、当該建築物等の建築主に対して建築等の計画の確認をし又は検査済証を
交付すべきものであり、敷地の所有権若しくは賃借権等の使用権原の有無又は民法
の相隣関係等の規定は審査及び検査の対象となるものではない。
2 そして、本件検査済証交付及び第二次確認は、本件建物及び本件擁壁の建築等
の計画が建築関係法令の規定に適合すると認めてなされたものであり、いずれも原
告主張の違法はない。
第三 証拠(省略)
○ 理由
一 訴えの利益について
請求の原因1(一)ないし(三)の事実は当事者間に争いがないところ、被告は、
原告には本件検査済証交付の取消し及び第二次確認の無効確認を求める訴えの利益
がない旨主張するので、まずこの点について検討する。
1 本件検査済証交付の取消請求につき、原告は本件建物は法六五条該当建築物で
ないにもかかわらず、原告所有地との境界から民法所定の五〇センチメートルの距
離を置かないで建築されており、同建物の火災の際には原告方居宅にも延焼の危険
がある旨主張する。
法によれば、建築主は法六条一項の規定による工事を完了した場合においては、建
築主事に対し、その旨を文書をもつて届け出なければならず(七条一項)、建築主
事が右届出を受理した場合においては、建築主事又はその委任を受けた当該市町村
若しくは都道府県の吏員(以下「建築主事等」という。)は、右届出を受理した日
から七日以内に、届出に係る建築物及びその敷地が建築関係法令の規定に適合して
いるかどうかを検査し(同条二項)、建築主事等が右検査をした場合において、当
該建築物及びその敷地が右法令の規定に適合していることを認めたときは、当該建
築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない(同条三項)とされてい
る。
しかして、建築関係法令において定められた建築物の敷地、構造、設備及び用途に
関する諸規定は、行政庁が法一条の目的を実現するため、建築確認や違反建築物に
対する是正措置をなす際の最低の基準を定めたものと解される。したがつて、建築
主事等は検査済証の交付に当たり、届出に係る建築物及びその敷地が技術的見地か
らして法一条の目的の実現のために定められた建築関係法令の規定に適合している
かどうかを検査する義務を負うのみであつて、右規定以外の他の法令の適合性まで
検査する義務や権限を有するものではないと解すべきである。
よつて、当該建築物及びその敷地が私人間の権利義務を定めた民法の規定に適合す
るか否かの判断は建築主事等の権限の範囲に含まれるものではなく、本件検査済証
交付もまた、本件建物の敷地と原告所有地との境界線の位置及び本件建物が同境界
から民法二三四条一項所定の五〇センチメートルの距離が置かれているか否かにつ
いての判断をその内容とするものではないから、原告の主張する前記危険の虞れの
有無は本件検査済証交付とは関わりなく、これによつてもたらされるものでもない
というべきである。
2 次に、原告は、本件建物の建築工事の際、同工事に従事する者が原告所有擁壁
を損壊し、同擁壁を危険ならしめた旨主張するが、前記のとおり、建築主事等は検
査済証の交付に際し、建築物及びその敷地が建築関係法令に適合しているか否かを
判断するに止まり、工事関係者による第三者に対する権利侵害の有無等は右判断の
対象とはなりえないから、右損壊の有無等は本件検査済証交付とは関わりのないこ
とであつて、これによつて原告が本件検査済証交付の取消しを求めるについて法律
上の利益を有するということができないことは明らかである。
3 第二次確認の無効確認請求につき、原告は、本件擁壁敷地には原告所有地の一
部が取り込まれているところ、訴外会社には右土地部分を使用すべき何らの権原が
ない旨主張する。
法によれば、建築主事は、建築主から建築物等の工事等の計画の確認申請がなされ
た場合において、右申請に係る建築物等の計画が建築関係法令の規定に適合するか
否かを審査し、右規定に適合することを確認したときは、その旨を文書をもつて当
該申請者に通知しなければならない(六条三項、八八条一項)とされているのであ
つて、建築主事には右建築主が建築物等の敷地について適正な使用権原を有するか
否かを判断する立場にはないことは前記検査済証交付についての説示のとおりであ
り、第二次確認についても、本件擁壁の敷地について訴外会社が適正な使用権原を
有するか否かは確認の内容に含まれていないのである。そうすると、原告は第二次
確認によつて法律上何らの不利益をも被つていないものといわざるをえない。
4 以上のとおり、原告は本件検査済証交付及び第二次確認によつて法律上保護さ
れた利益を侵害されるものではないから、原告は本件検査済証交付の取消し及び第
二次確認の無効確認を求めるにつき、行訴法九条及び三六条の法律上の利益を有す
る者ということはできない。
二 よつて、原告の本訴請求は、いずれも本案について判断するまでもなく、不適
法な訴えであるからこれを却下することとし、訴訟費用の負担について行訴法七
条、民訴法八九条を各適用し、主文のとおり判決する。
別紙物件目録(省略)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛