弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は,控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求める裁判
1控訴人
(一)原判決中,以下の請求に係る部分を取り消す。
(1)被控訴人は,控訴人に対し,控訴人の千葉県教育委員会宛平成21年1
2月11日付け「○○」と題する請願について,千葉県教育委員会が,請
願名(件名),請願者の住所氏名,請願の要旨及び受理の年月日を記載し
た文書を教育委員に配布する義務があることを確認する。
(2)被控訴人は,控訴人に対し,上記請願について,これを上記教育委員会
の会議において議題として上程する義務があることを確認する。
(3)被控訴人に,上記請願について,上記教育委員会の会議において採択又
は不採択の議決をする義務があることを確認する。
(二)訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人の負担とする。
2被控訴人
主文と同旨
第2事案の概要
本件は,平成21年12月11日付けで千葉県教育委員会に対し,「○○」
と題する請願(以下「本件請願」という。)をした控訴人が,行政事件訴訟法
4条後段の当事者訴訟として,被控訴人が,千葉県教育委員会により,本件請
願の要旨等について記載した文書を同教育委員会の教育委員に配布する義務,
本件請願を同教育委員会の会議において議題として上程する義務及び同会議に
おいて採択又は不採択の議決をする義務を負っていることの確認を求める事案
である。
1関係法令の定め及び前提となる事実は,次の2及び3のとおり,当事者双方
の主張を付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第2事案の概要」
の「1」及び「2」に記載のとおりであるから,これを引用する。
2控訴人の主張
(一)本件訴訟は,控訴人が千葉県教育委員会にした本件請願について,同委
員会が憲法及び請願法に違反して正当にこれを扱わなかったことに対し,司
法救済を求めることにその目的がある。
請願は,国民の権利であるにもかかわらず,千葉県教育委員会規則第28
条は,教育委員ではない事務局が教育委員会で審議するか否かを決める権限
を有することを定めており,事務局主導の扱いがされている。
そのため,本件請願は,結局,教育委員会に諮られず闇に葬られた。
このような理不尽な処理は許されない。
日本国憲法第16条は,「何人も,損害の救済,公務員の罷免,法律,命
令又は規則の制定,廃止又は改正その他の事項に関し,平穏に請願する権利
を有し,何人も,かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」
と定めて請願を国民の権利と位置付けている。
また,請願法第5条は,これを受けて,「官公署において,これを誠実に
処理しなければならない。」として,誠実な処理義務を定めている。
このように,請願法は,国民の憲法上の権利である請願権について,官公
署に対し,「誠実な処理」義務を課している。
また,請願権は,現代においては,戦前の「聞き置く」という消極的権利
ではなく,参政権を補完する能動的権利として位置づけられている。
このような請願権に基づき,控訴人は,被控訴人に対し,誠実な処理義務
として,合議体である千葉県教育委員会の構成員に請願内容を周知させ,会
議に議題として上程し,採択又は不採択を議決する義務があることの確認を
求めているのである。
(二)請願法第5条は,「この法律に適合する請願は,官公署において,これ
を受理し誠実に処理しなければならない。」と定め,請願を受け付けた官公
署の請願に対する「誠実な処理義務」を課している。
この「誠実な処理義務」とは,直ちにそれが原判決の説示するところの「応
答義務」と繋がるものではない。
しかし,請願を受理した官公署は,何らかの「対応」を迫られていること
は明らかである。
請願を受理した官公署が,請願書を受理担当者の机の上に1年間眠らせる
ような扱いは,到底「誠実な処理」とはいえず,「誠実な処理義務」に違反
していることは明らかである。
このような場合,請願者は,誠実な処理義務の違反を訴え,司法的救済を
得られなければおかしい。換言すれば,請願を受理した官公署の処理は,司
法審査の対象となることは明らかである。
本件は,請願書が受理担当者の机の上で永遠に眠っている状態に置かれて
いることから,その救済が求められている事案である。
(三)本件は,行政事件訴訟法4条後段所定の当事者訴訟である。
憲法16条及び請願法にいう「請願」とは,国又は地方公共団体の機関に
対して,それぞれの職務に関わる事項について苦情や希望を述べることを意
味するだけでなく,政策提言としての重要な意義を有しており,請願を受け
た機関は,それを誠実に処理する義務が課されている。
(1)請願は,政策決定者に対する要望であり,それは「政策提言」としての
側面がある。政策提言であることから,それ自体,公共性を持つ提言であ
る。請願を単に人の「苦情や希望」であると捉えると,その公共的側面を
見失うことになる。
したがって,請願を受理する官公署は,誠実な処理として,請願者に対
し,「当該政策提言を受け容れるか否か」の判断が求められているといわ
なければならない。
(2)請願法第5条は,官公署に請願の「誠実な処理」を求めている。前述の
とおり,請願は「政策提言」であるから,「誠実な請願処理」とは,「誠
実な政策提言の処理」という視点から議論されるべきことになる。
議論すべきことは,次の二つがある。
①誰が政策提言を受け対応するか
②どのような処理をするか
①は,請願を受ける側が組織である場合は,その組織の中でどのような
立場の者が請願を受け,対応するかという論点である。「窓口で握りつぶ
す」ことはしばしば生じる現象であるが,そうならないための手続の確立
が必要となる。
②は,どのような処理をして,その処理結果をどのように請願者に報告
するかという論点である。特に,後者の②において重要なことは,請願は
政策提言であるから,前述のとおり,請願を受けた官公署は,その政策提
言に対し「政策提言を受け容れるか否か」を判断しなければならないこと
になる。
(3)合議体の場合の請願の処理主体と処理方法の原則
本件請願を受理した官公署は,千葉県教育委員会という合議体である。
官公署が合議体の場合は,少なくとも合議体の構成員が請願書の内容を知
る機会が手続上与えられるように処理されるべきことは当然のことであ
る。
次に,合議体である官公署が請願書を受領したとき,当該合議体がこれ
を誠実に処理するとすれば,次のとおり5段階の処理をすべきである。
①合議体の長がその構成員に対し請願内容を周知させる。
その合議体の構成員が請願について審査できるように,合議体の最高
責任者である合議体の代表者が,請願書名(件名),請願書の受理年月
日,請願者の住所氏名及び請願の要旨を文書に記載してこれを当該合議
体の構成員に配布し周知させる。通常,この文書は請願文書表といわれ
ている。
②請願を合議体の審査の議題として上程する。
③その合議体において,その構成員が請願を審査し,採択又は不採択の
いずれの議決をするか議論する。
④合議体において,請願の採択又は不採択の議決をする。
⑤請願の審査結果を請願者に報告する。
(4)請願文書表の作成
国会の規則,各地方自治体の議会の規則では,国会の長ないし地方自治
体議会の長が請願文書表を作成し,請願の内容を構成員に周知することが
明記されている。
例えば,衆議院規則第174条は,「議長は,請願文書表を作成しこれ
を印刷して各議員に配付する。」,同第175条は,「請願文書表には,
請願者の住所氏名,請願の要旨,紹介議員の氏名及び受理の年月日を記載
しなければならない。」と定めている。
国会に対する請願は,まずはその構成員である議員がその請願の内容を
知らなければ何ら対応することは不可能であるから,議長が議員に請願が
出された事実及びその内容を知らしめることは当然である。
また,千葉県県議会会議規則第93条第1項は,「議長は,請願文書表
を作成し,議員に配布する。」と,同条第2項は,「請願文書表には,請
願書の受理番号,請願者の住所及び氏名(法人にあっては,その主たる事
務所の所在地,名称及び代表者の氏名),請願の要旨,紹介議員の氏名並
びに受理年月日を記載する。」と定めており,議員への周知を徹底してい
る。
さらに,実務的には,当然のことながら,請願文書表には,「請願名(件
名)」欄があり,そこに請願書の表題が記録されている。
国会あるいは地方自治体の議会のように,多数の構成員(議員)がおり,
委員会制度が採用されている合議体では,請願は,議長権限で合議体の下
部機関である各種委員会に付され,各委員会において,請願が議題として
上程され,そこで審査,議論が行われる方法もあり得る。
衆議院規則第176条は,「請願は,文書表の配付と同時に議長がこれ
を適当の委員会に付託する。」と定め,また同第178条は「委員会は,
請願についてその審査の結果に従い左の区別をなし,議院に報告する。一
議院の会議に付するを要するもの二議院の会議に付するを要しない
もの」と定め,すべての請願が本会議に上程されることにはなっていない。
これは,上記のとおり多数の構成員(議員)がおり,合議体全員の構成
体(本会議)において審査することが不可能であるための例外措置である。
しかし,そうであるとしても,請願は,委員会という合議体での審査が
行われていることを銘記すべきである。
いずれにせよ,本件教育委員会会議のように僅か6名の委員会において
は,少数の委員によって,定例ないし臨時の教育委員会会議で審査し,議
決することが可能である。
また,千葉県県議会規則第94条2項は,「委員会の付託は,議長にお
いて必要がないと認めるときは省略することができる。」と定め,議長が
その職権で請願を委員会に付託しないことができるような規定がある。し
かし,この規則は,委員会への付託を省略して直接本会議で審査すること
を定めたものである。よって,千葉県議会においては闇に葬られる請願は
ない。
(5)請願の採択・不採択の議決
千葉市教育委員会会議規則第28条は,「請願は会議において採択又は
不採択を決める。」と定めている。
千葉県内市町村等においては,千葉市,銚子市,市川市等教育委員会規
則で定めている39団体,館山市,柏市,君津市等行政組織規則で定めて
いる11団体及び請願処理規則で定めているいすみ市の合計51団体が,
請願を会議において議決するものとしている。
(四)千葉県教育委員会規則の憲法及び請願法違反
(1)本件規則(千葉県教育委員会規則第28条2項)は,「教育長は,提出
された請願について,必要と認めるときは,委員長に報告しなければなら
ない。」と定め,これによれば,委員会のメンバーである教育委員がどの
ような請願があるのかを公式に知ることのないまま,教育委員会会議の単
なる一員に過ぎない教育長が,「必要がない」と判断しただけで,請願に
ついてそれ以上の検討をせずに闇に葬るという処理をすることが可能とな
る。
このような処理を認めている本件規則は,請願する権利を認めている憲
法第16条に違反している。
憲法が請願する権利を認めている趣旨は,請願相手に対し,請願の趣旨
が周知されることをまずもって保障しているところにその意味があるとい
わなければならない。
ところが,本件規則によれば,請願の趣旨が必ずしも教育委員に届かな
いことがあり得る規定となっている。
このような意味で,本件規則は憲法に違反しているといわなければなら
ない。
次に,本件規則によれば,教育委員会の議題とならず,教育委員会におい
て検討されない請願が生じることになる。
このような請願については,教育委員会として責任をもって教育行政を
執り行うことができず,官公署が請願を誠実に処理したことにはならない。
教育委員会が検討しない請願の存在を認める本件規則は,この点において
明らかに請願法に違反している。
さらに,本件規則によれば,上記のとおり教育委員会の議題とならず,
請願の趣旨において当該官公署が認めることができる請願であるのか,そ
れとも認められない請願であるのかについて,当該官公署が決めることを
しないでよい請願が生じることになる。
このような請願については,官公署が請願を誠実に処理したことにはなら
ず,官公署において当該請願が認められるものであるか否かを決定しない
でよいような請願の存在を認める本件規則は,この点においても明らかに
請願法に違反している。
(2)県教委による請願法違反の処理
県教育委員会による「誠実な処理」の内容は,前記のとおり,教育委員
長がその構成員である教育委員に対し,請願名(件名),請願者の住所氏
名,請願の要旨及び受理の年月日を文書に記載してこれを各教育委員に配
布し,請願を周知させ,教育委員会会議において,請願を審査し,教育委
員会会議において,請願の採択又は不採択の議決をし,請願の審査結果を
請願者に報告する,という処理をすべきことになる。
本件では,教育長が委員会に報告せず,そのままとなっており,受理自
体がされていないほか,被控訴人は,控訴人の本件請願の処理をしていな
い。
(3)なお,被控訴人は,本件請願については,平成21年12月16日の第
12回千葉県教育委員会会議(定例会)議案等事前説明会において,教育
長はじめ各部次長等に諮られたと主張するが,この事前説明会は,条例及
び規則に何ら設置根拠の定めがなく,極めて恣意的で法的根拠のない会合
である。
同説明会において,財務施設課長から本件請願についての処理方針の説
明があり,協議の結果,本件請願については,千葉県教育委員会会議規則
28条2項所定の委員長への報告は要しないことと決定されたとしても,
教育長の一存で教育委員会に報告するか否かが決められるとすれば,憲法
及び請願法に基づき,請願権が認められた趣旨を没却することになる。
3被控訴人の主張
(一)確認の訴えについて
確認の訴えとは,原告の権利又は法的地位に係る不安,危険が現に存する
場合,その不安を除去する方法として,当事者間の権利義務又は法律関係の
確認を求める訴えであって,これが許容されるためには,その大前提として,
原告の権利又は法的地位に係る不安,危険が現に存していなければならない。
また,確認訴訟の判決には既判力しか生じないところ,国家が設営する訴
訟制度を利用して権利義務又は法律関係についての裁判所の公権的判断を求
める訴えであることから,そのような判断を求めるに値するだけの相応性,
すなわち確認の利益が必要である。そして,この確認の利益は,判決をもっ
て権利義務又は法律関係の存否を確定することが,具体的紛争を解決し,当
事者の法律上の地位の不安,危険を除去するために有効かつ適切である場合
に認められるものであり,①確認対象選択の有効・適切性(確認の対象とし
て選択した訴訟物が,具体的紛争の解決にとって有効かつ適切であること),
②即時確定の利益の存在(原告の法的地位の不安,危険を即時に解決する必
要性の存在),③方法選択の適切性(当事者の具体的紛争の解決にとって種々
の訴訟類型のうちから確認訴訟を選択することが適切であること)を要する
ものである。
控訴人が当事者訴訟として提起した義務確認訴訟は,以下に述べるとおり,
確認訴訟が許容されるための上記要件を欠き,不適法である。
(二)上記のとおり,確認の訴えが許容されるには,原告の権利又は法的地位
に係る不安,危険が現に存する場合であることが大前提である。
請願に対する官公署の措置は,請願者の権利義務その他法律関係には何ら
の影響を及ばすものではないし,そもそも請願権は,請願の内容について審
理し,何らかの判定・回答を求める権利を含むものではない。
(三)千葉県教育委員会が本件請願についての文書を教育委員に配布する義
務,同委員会が本件請願を千葉県教育委員会会議に議題として上程する義務
及び同委員会が本件請願を千葉県教育委員会会議において議決する義務の確
認を求めているが,本件訴え中,これらの請求に係る部分は,不適法である。
すなわち,上記のとおり,請願に対する官公署の措置は,請願者の権利義
務その他法律関係には何らの影響を及ぼすものではないし,そもそも請願権
は,請願の内容について審理し,何らかの判定・回答を求める権利を含むも
のではなく,官公署に対し,応答義務を生じさせるものではない。
したがって,千葉県教育委員会が本件請願の文書を教育委員に配布し,教
育委員会会議の議題として上程し,議決の措置を取らなくとも,それによっ
て控訴人の権利又は法的地位に係る不安,危険が現に存するとはいえないの
であって,すでにこの点において,本件訴え中,控訴人の上記各義務の確認
を求める請求に係る部分は,不適法である。
しかも,本件請願は,千葉県教育委員会会議規則に則って処理を終えてい
るのである。控訴人が求める上記各義務の確認は,請願についての一つの処
理手続の過程について,義務があることの確認を求めるものであるところ,
本件請願がすでに千葉県教育委員会会議規則に則って適法に処理を終えてい
る以上,控訴人の上記各義務の確認を求める請求は,即時確定の利益を欠く
ことは明らかである。
(四)本件請願の処理の合憲・適法性について
(1)控訴人は,千葉県教育委員会会議規則に基づく本件請願の処理が憲法,
請願法に違反すると主張している。しかしながら,控訴人の上記主張は,
以下のとおり理由がない。
(2)請願は,官公署に対する希望の陳述にすぎないから,前述のとおり,請
願権は,請願の内容について審理し,何らかの判定・回答を求める権利を
含むものではなく,官公署に対して法律上の拘束力を有するものではない。
そして,請願を受領(受理)した官公署が,どのようにこれを処理する
かについては,当該官公署の裁量に任されているものである。
当該官公署が,合議体の行政機関であった場合,当該合議体が自ら請願
を処理しなければならないことはなく,補助職員に処理させることも許さ
れるものである。このことは,例えば教育委員会においても,その権限に
属する事務を教育長等に委任することができるとされていることからも明
らかである(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条)。
(3)千葉県教育委員会は,請願の処理について,千葉県教育委員会会議規則
(甲3)で定めており,提出された請願について,教育長は,必要と認め
るときは,委員長に報告しなければならないとし(同規則第28条第2項),
この報告のあった請願については,教育委員会会議において,採択又は不
採択を決めることになっている(同規則第29条)。
これは,当該請願を,千葉県教育委員会の事務処理の参考ないし方針と
するのかの態度を決定するには,合議体としての千葉県教育委員会が,自
ら判断する必要がある場合を除いては,請願の処理を教育委員会の権限に
属するすべての事務をつかさどる(地方教育行政の組織及び運営に関する
法律第17条第1項)教育長に委ねるものである。
上記権限を教育長に委ねたからといって,請願を誠実に処理しなかった
といえないことは明らかであるし,千葉県教育委員会では教育長がその権
限に基づく請願の処理を教育委員会会議で報告し,教育委員からの了承を
求める取扱いをしているのであり(甲2・14頁~15頁),これによっ
て請願の内容が教育委員に周知され,また教育長の措置に問題があれば教
育委員会として了承せずに必要な措置をとることができるようにしている
のであって,本件請願を含め請願が誠実に処理されていることは明らかで
ある。
なお,控訴人は,他の教育委員会における請願の処理例をるる主張して
いるが,前述したとおり請願を受理した官公署が,どのようにこれを処理
するかについては,当該官公署の裁量に任されているものであって,他の
教育委員会の処理例をもって,千葉県教育委員会の請願の処理の違憲・違
法をいうことはできない。
第3当裁判所の判断
当裁判所は,本件訴え中,本件控訴の対象となっている控訴人の各請求に係る
部分は,確認の利益がなく,不適法であると判断する。
その理由は,以下のとおりである。
1当審において審理の対象となっている控訴人の請求は,千葉県教育委員会が
本件請願の要旨等について記載した文書を教育委員に配布する義務,本件請願
を千葉県教育委員会の会議において議題として上程する義務及び同会議におい
て採択又は不採択の議決をする義務を負うことの確認請求であり,本件訴え中
のこれらの確認請求に係る部分は,行政事件訴訟法4条後段の当事者訴訟とし
て提起されたものである。
2ところで,請願とは,国又は地方公共団体の機関に対し,それぞれの職務に
関わる事項について,苦情や希望を述べることから,政策決定や政策実施をす
る機関に対し,望ましい政策や施策の採用,実施を求める公的な提言をするこ
とに至るまでの幅広い概念であるが,請願をしたことにより,請願者と請願を
受けた官公署との間に,特別な公法上の法律関係を生じさせるものではなく(請
願者による官公署に対する希望,意見,提言等の陳述に過ぎない。),また,
請願者に対し,当該官公署に請願の内容について審理を求め,あるいは,その
採否や結果の通知等を求める権利を生じさせるものではない。
請願法5条は,「請願は,官公署において,誠実に処理しなければならない」
と規定しているが,これは,官公署に対し,受理した請願について誠実に処理
すべき旨の国法上の義務を課したものであり,官公署の事務処理上の行為規範
を定めたものである。
本件控訴に係る控訴人の各請求は,控訴人がその主張に係る義務の根拠規定
の一つとして,請願法5条を挙げていることからして,本件請願により,上記
の意味での行為規範である同条に基づいて,具体的に発生している請願処理手
続上の行為義務の確認を求めるものと解するのが相当であるが,上記のとおり,
請願者は,自己が行った請願について官公署に対し審理を求め,あるいはその
処理結果の通知等を求める権利を有しておらず,また,請願をしたことにより,
当該官公署と請願者との間に特別な公法上の法律関係が生じるものでもないか
ら,そのような請願処理手続上の行為が行われなかったとしても,請願者の権
利や法的に保護された利益が害され,あるいは法的地位が不安定になることは
ないというべきである。したがって,請願者である控訴人には,そのような処
理手続上の行為義務について,その確認を求める利益はないというべきである。
また,本件控訴に係る控訴人の各請求が,本件請願を受理したことにより,
被控訴人が,請願者である控訴人に対して各請求に係る義務を負担するに至っ
たことを前提として,その義務の確認を求めるものであると解するときは,上
記のとおり,請願者は,自己が行った請願について官公署に対し審理を求め,
あるいはその処理結果の通知等を求める権利を有しておらず,また,請願法5
条に規定する誠実処理義務は,官公署の事務処理上の行為規範に過ぎないから,
官公署は,請願を受理した場合でも,請願者に対して請願処理手続上の義務を
負うものではない。したがって,この場合には,本件控訴に係る控訴人の各請
求は,これを根拠付ける主張自体失当であり,いずれも,その余の点について
判断するまでもなく,理由がないことになる。
第4結語
以上判示したところによると,本件控訴に係る各請求に関する訴えを却下した
原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし(本
件控訴に係る各請求が被控訴人の控訴人に対する義務の確認を求めるものである
と解すべき場合には,本来,訴え却下の判決ではなく,請求棄却の判決をすべき
であるが,原判決は訴え却下の判決をしているので,不利益変更禁止の原則によ
り,この場合も,本件控訴を棄却すべきことになる。),訴訟費用の負担につき
民訴法67条1項,61条を適用して,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部
裁判長裁判官岡久幸治
裁判官三代川俊一郎
裁判官梶智紀
(原裁判等の表示)
主文
1本件訴えをいずれも却下する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
1(1)主位的請求の趣旨
ア千葉県教育委員会が平成21年12月24日にした原告の同委員会宛同
月11日付け「○○」と題する請願を受理しない旨の処分を取り消す。
イ千葉県教育委員会は,原告の同委員会宛同月11日付け「○○」と題す
る請願を受理せよ。
(2)予備的請求の趣旨
ア千葉県教育委員会が,原告が同委員会宛に提出した平成21年12月1
1日付け「○○」と題する請願を受理しないことは違法であることを確認
する。
イ千葉県教育委員会は,原告の同委員会宛同月11日付け「○○」と題す
る請願を受理せよ。
2(1)被告は,原告に対し,原告の千葉県教育委員会宛平成21年12月11日
付け「○○」と題する請願を受理する義務があることを確認する。
(2)被告は,原告に対し,原告の同委員会宛同月11日付け「○○」と題する
請願について,同委員会が,請願名(件名),請願者の住所氏名,請願の要
旨及び受理の年月日を記載した文書を教育委員に配布する義務があることを
確認する。
(3)被告は,原告に対し,原告の同委員会宛同月11日付け「○○」と題する
請願について,これを千葉県教育委員会会議において議題として上程する義
務があることを確認する。
(4)被告は,原告に対し,原告の同委員会宛同月11日付け「○○」と題する
請願について,千葉県教育委員会会議において採択又は不採択の議決をする
義務があることを確認する。
第2事案の概要
本件は,原告が,平成21年12月11日付けで千葉県教育委員会に対し請
願を提出したところ,これが受理されなかったと主張して,被告に対し,①行
政事件訴訟法3条の抗告訴訟として,主位的に同委員会がした同請願の受理拒
否処分の取消し及び同請願の受理の義務付けを,予備的に同委員会が同請願の
受理をしないことの違法確認及び同請願の受理の義務付けを求めるとともに,
②行政事件訴訟法4条の当事者訴訟として,同委員会が同請願を受理する義務,
同請願の要旨等について記載した文書を教育委員に配布する義務,千葉県教育
委員会会議において議題として上程する義務及び同会議において採択又は不採
択の議決をする義務を負うことの確認をそれぞれ求める事案である。
1千葉県教育委員会会議規則(昭和35年千葉県教育委員会規則第7号)
上記規則には以下のような規定がある(以下甲3)。
(1)28条
1項教育委員会に請願しようとする者は,請願の趣旨,請願者の住所及び
氏名(法人の場合は,名称及び代表者の氏名)を記載した文書を提出し
なければならない。
2項教育長は,提出された請願について,必要と認めるときは,委員長に
報告しなければならない。
(2)29条
前条2項の規定により報告のあった請願は,会議において採択又は不採択
を決める。
2前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない。)
(1)原告
原告は,平成16年7月1日に,千葉県内の公立高等学校教員を中心に設
立された労働組合である。
(2)請願の提出
原告は,平成21年12月11日,千葉県教育委員会に対し,同日付け「○
○」と題する書面(以下「本件請願」という。)を提出した。
なお,本件請願は,千葉県内において学校荒らしが多発しているにもかか
わらず,千葉県教育委員会は各学校に対し同委員会教職員課発のファクシミ
リ文書を乱発するだけで何ら効果が上がっていないとして,現金及び個人情
報が保管されている公立学校のセキュリティー強化について予算措置を求め
る旨のものであった。
(3)本件請願の処理
千葉県教育委員会は,本件請願について以下のように処理をした。
ア本件請願の受領
千葉県教育委員会(教育総務課)は,平成21年12月11日,本件請
願を受領した。
イ第12回千葉県教育委員会会議(定例会)議案等事前説明会
本件請願は,同月16日の第12回教育委員会会議(定例会)議案等事
前説明会において,教育長はじめ各部次長等に諮られた。
同説明会において,財務施設課長から本件請願についての処理方針の説
明があり,協議の結果,本件請願については,千葉県教育委員会会議規則
28条2項所定の委員長への報告は要しないことと決定された。
(乙1,2,弁論の全趣旨)
ウ定例教育委員会会議
同月24日,千葉県教育委員会の定例教育委員会会議が開かれた。
同会議においては,教育長から,本件請願に係る対応について説明がな
され,教育長が「公立高校のセキュリティ強化については,これまでも警
備等様々な対応を講じるとともに,特に現金等を安易に保管しないように
様々な機会を捉えて指導しているところである。今後もこの点については,
引き続き適切に対応させていただきたいと考えている。これらのことから,
本請願については,あえてこの場でお諮りすることはせず,事務局で引き
続き努力をさせていただきたい。」との説明がなされた。
(甲2,弁論の全趣旨)
(4)本件訴訟提起
原告は,平成22年5月24日,本件訴訟を提起した(当裁判所に顕著)。
3主要な争点及びこれに関する当事者の主張
(1)争点1(請求の趣旨第1項に係る各訴えの適法性)
(原告の主張)
ア国民は,関係機関に対し請願受理請求権を有しており,この請求権が侵
害されている場合はこれを争うことができるため,請願の受理については
当然に処分性がある。
イ請願書の受領行為と受理は異なる。憲法及び請願法5条によれば,千葉
県教育委員会は本件請願を「受理」する義務があるところ,この受理をす
るには,本件請願に関する請願書の題名,請願者の住所,氏名,請願の要
旨及び受理の年月日を各委員に周知させる必要があり,千葉県教育委員会
はこれらをしていないのであるから本件請願は「受理」されていない。
(被告の主張)
ア請願は,官公署に対する希望の陳述に過ぎず,請願の内容について審理
をし,判定・回答を求める権利を含むものではなく,請願に対する官公署
の措置は,請願者の権利義務その他の法律関係には何らの影響を及ぼすも
のではない。
イ仮に請願の受理拒否が行政処分であったとしても,千葉県教育委員会は,
本件請願を不受理としたことはなく,かえって受理しているのであって,
不受理処分の存在を前提とする請求の趣旨第1項に係る各訴えはいずれも
不適法である。
ウ申請等の受理の拒否行為は,申請人が法令上の申請権を有している場合
においては抗告訴訟の対象となるが,申請人が法令上の申請権を有してい
ない場合においては,その法律上の地位に何ら影響を与えるものではない
から抗告訴訟の対象とはならない。請願は上記ア記載のとおり,官公署に
対する希望の陳述に過ぎず,官公署の対応によって請願者の権利ないし法
的利益を侵害することになると認めることができる実質は備えていないた
め,請願者においても法令上の申請権はない。
(2)争点2(請求の趣旨第2項に係る各訴えの適法性)
(原告の主張)
確認訴訟において確認の利益は訴訟要件であるが,本件では「義務はある」
「義務はない」という紛争が生じている以上,当然に確認の利益がある。千
葉県教育委員会が本件請願を受理せず,また受理したといえる場合にあって
も教育委員に周知されず,したがって採決,不採決の議論すらなされずに本
件請願が放置されていることから,原告にはその請願が請願法の趣旨に基づ
く正当な扱いを受けていないという法的地位の不安が生じている。
(被告の主張)
ア確認訴訟は,現に,原告の有する権利又は法律的地位に危険又は不安が
存在し,これを除去するため被告に対し,確認判決を得ること,すなわち
確認の利益が必要である。しかし,上記(1),(被告の主張),ア及びウ記
載のとおり,請願に対する官公署の措置は,請願者たる原告の法律関係に
何らの影響を及ぼすものではなく,そもそも原告の有する権利又は法律的
地位に危険又は不安が存在することはないため,原告が確認判決を求める
必要はない。
イ公法上の当事者訴訟としての確認訴訟は,公法上の法律関係に係るもの
を対象にしなければならないが(行政事件訴訟法4条),請求の趣旨第2
項に係る各訴えは公法上の法律関係に関する訴訟ということはできない。
(3)争点3(本案につき,本件請願の受理及び処理がされたのか)
(原告の主張)
ア上記(1),(原告の主張),イ記載のとおりである。
イ請求の趣旨2,(3)及び(4)の処理方法は,合議体の処理方法として慣習
化しており,また,請願法所定の「誠実な処理」からも当然に導かれる義
務である。しかるに,被告はいずれも行っていない。
(被告の主張)
ア官公署は,法律に適合する請願が到達すれば当然にこれを処理すること
になるのであって,官公署において,行政処分としての「受理」が予定さ
れているわけではない。そもそも,行政手続法は,申請に基づく行政庁の
処分についても「受理」概念を否定しており,実定法上,なお,申請の「受
理」という語が使用されていても,申請の到達の意味に解するべきである。
イ前記(1),(被告の主張),アのとおりであるから,請願を受理した官公
署がどのようにこれを処理するかは官公署の裁量に任されており,それが
合議体の機関であった場合,合議体自ら処理する必要はなく,前記第2,
1の規定に従って処理することは違法ではない。
第3当裁判所の判断
1請求の趣旨第1項主位的請求に係る各訴えについて
(1)千葉県教育委員会がした請願を受理しない旨の処分の取消しの訴えにつ
いて
憲法16条及び請願法にいう「請願」とは,国又は地方公共団体の機関に
対して,それぞれの職務に関わる事項について苦情や希望を述べることを意
味しており,請願を受けた機関はそれを誠実に処理する義務が課されている
(請願法5条参照)。
本件においては,前記第2,2,(3)記載のとおり,原告が提出した本件請
願書は千葉県教育委員会に受領され,事前説明会においてこの内容が協議さ
れて同委員会会議規則に従い一定の処理を行うことが決定され,同委員会会
議において本件請願があったこと等の説明があり,対応方針が報告されてお
り,少なくとも請願が「受理」されたといえるため,原告の訴えは処分の存
在の要件を欠き不適法といわざるを得ない。
この点,原告は請願書の題名,請願者の住所,氏名,請願の要旨及び受理
の年月日を委員に周知させるなどしていない以上,本件請願が受理されたこ
とにはならないと主張する。しかし,憲法及び請願法においては国等が請願
を受け付けたときの具体的な受理手続を定めておらず,また,受理とは,他
人の行為を有効な行為として受領する行為であるところ,上記のとおり,こ
のような行為が存することは明らかであるから,原告の主張は採用できない。
(2)千葉県教育委員会がした請願受理の義務付けの訴えについて
同訴えは,行政事件訴訟法3条6項2号に規定する義務付けの訴えである
と解され,これについては,当該処分についての適法な取消訴訟との併合提
起を必要とされるところ(同法37条の3第3項2号),前記(1)記載のとお
り請願を受理しない旨の処分の取消しを求める訴えは不適法であるから適法
な取消訴訟の併合提起がないこととなり,千葉県教育委員会に対する請願受
理の義務付けの訴えも不適法として却下を免れない。
2請求の趣旨第1項予備的請求に係る訴えについて
(1)千葉県教育委員会がした請願を受理しないことの違法の確認の訴えにつ
いて
同訴えは,行政事件訴訟法3条5号に規定する不作為の違法確認の訴えと
して法令に基づく申請がなされたことを要するところ,前記1,(1)記載のと
おり,請願は国又は地方公共団体の機関に対して,それぞれの職務に関わる
事項について苦情や希望を述べることに過ぎず,請願を受けた者がそれに対
し応答義務を課されるものではないから,法令に基づく申請がなされたとは
いえないため,上記訴えは不適法である。
(2)千葉県教育委員会に対する請願受理の義務付け
同訴えは,行政事件訴訟法3条6項1号に規定する義務付けの訴えである
と解され,これについては,適法な不作為の違法確認の訴えとの併合提起を
必要とされるところ(同法37条の3第3項1号),前記(1)記載のとおり上
記不作為の違法確認の訴えは不適法であるから適法な不作為の違法確認の訴
えの併合提起がないこととなり,千葉県教育委員会に対する請願受理の義務
付けの訴えも不適法として却下を免れない。
3請求の趣旨第2項に係る各訴えについて
(1)千葉県教育委員会に請願を受理する義務があることの確認を求める訴え
について
同訴えは行政事件訴訟法4条所定の当事者訴訟であるところ,前記1,(1)
で検討したとおり,千葉県教育委員会は,本件請願を受理しているので,同
訴えは確認の利益を欠き,不適法である。
これに対し,原告は,義務の存否の紛争がある以上,確認の利益はあると
主張し,受理の有無は本案の主張にしかならないと指摘するが,当該事案に
おいて受理がなされている以上,裁判上その義務の確認を求める具体的利益
がないことは明らかであって,原告の主張は採用できない。
(2)その余の請求に係る訴えについて
原告は,千葉県教育委員会が請願についての文書を教育委員に配付する義
務,同委員会が請願を千葉県教育委員会会議において議題として上程する義
務及び同委員会が請願を千葉県教育委員会会議において議決する義務の確認
を求めるが,これらも前記当事者訴訟であるところ,いずれも請願について
の一つの処理手続の過程について義務があることの確認を求めるにすぎず,
前記のとおりの請願の性質や応答義務の欠如からして,原告の権利や法的地
位にかかる何らかの法律関係が形成されると期待することはできず,これら
の義務の有無を確認することによって紛争が有効かつ適切に処理されるとは
認められないから,これらの確認を求める訴えについては確認の利益がなく
不適法といわざるを得ない。また,請願の処理方法については,常設ではな
い合議体の場合には,迅速,適正な処理のため,一部の構成員に第1次的な
処理をさせ,それを後日了承するなどの方法によることが合理的な場合があ
り,その意味で,原告主張の方法によることが義務付けられているとの原告
の主張は採用できない。そして,前記第2,1のとおりの規則を予め制定し
て,これに沿って行われた,本件の請願の処理に違法な点があるとは認めら
れない。したがって,既に所定の処理がなされている以上,裁判上,その義
務の確認を求める具体的利益がないという点でも確認の利益を欠く。なお,
そうであるから本案の判断をするにしても,請求を棄却することになる。
4以上の次第で,原告の本件各訴えは,その余の点について判断するまでもな
くいずれも不適法であることが明らかである。
よって,主文のとおり判決する。
千葉地方裁判所民事第3部
裁判長裁判官多見谷寿郎
裁判官小川暁
裁判官松下絵美

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