弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
     原判決中確認請求にかかる訴えに関する部分を破棄し、右部分につき本
件を仙台高等裁判所に差し戻す。
     その余の本件上告を棄却する。
     前項についての上告費用は、上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人石川克二郎の上告理由第一について
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認する
ことができ、その過程に所論の違法はない。そして、右事実関係のもとにおいて、
被上告人らに対し、本件山林につき共有持分権の移転登記手続を求める上告人らの
請求を棄却すべきであるとした原審の判断は、正当として是認することができる。
所論は、原審の専権に属する事実の認定、証拠の取捨判断を非難するか、又は原審
の認定にそわない事実を前提として原判決を論難するものにすぎない。論旨は、採
用することができない。
 同第二について
 思うに、入会権の目的である山林につき、入会権を有し入会団体の構成員である
と主張する者が、その構成員である入会権者との間において、入会権を有すること
の確認を求める訴えは、入会団体の構成員に総有的に帰属する入会権そのものの存
否を確定するものではなく、右主張者が入会団体の構成員たる地位若しくはこれに
基づく入会権の内容である当該山林に対する使用収益権を有するかどうかを確定す
るにとどまるのであつて、入会権を有すると主張する者全員と入会権者との間にお
いて合一に確定する必要のないものであるから、いわゆる固有必要的共同訴訟と解
すべきものではなく、入会権を有すると主張する者が、各自単独で、入会権者に対
して提起することが許されるものと解すべきである。記録によれば、本件において、
上告人らは、本件山林が、D会なる団体に帰属し、かつ、共有の性質を有する入会
山であり、上告人らが個別的に右D会に加入を認められたこと(いわゆる新加入)
によつて入会権を取得した旨主張し、右団体の構成員であつて入会権者である被上
告人らとの間において、上告人らが、本件山林につき、被上告人らの権利と同一内
容の「植林、用材及び雑木の伐採、採草等を目的とする共有の性質を有する入会権」
を有することの確認を求めていることが明らかであるから、上告人らの右確認の訴
えは、上告人らが、各自単独で、提起することが許される通常訴訟というべきであ
る。
 しかるに、原判決は、入会権確認の訴えは、入会権者が全員で提起することを要
する固有必要的共同訴訟と解すべきであるとしたうえ、上告人らが確認を求めてい
る右山林についての入会権は、その主張によれば、上告人らがいわゆる新加入によ
つて取得したものであるが、このような新加入者には上告人らのほかに訴外E、同
F及び同Gの三名がいるところ、この三名が本件確認の訴えの当事者となつていな
いとの理由のみで、右訴えを当事者適格を欠いた者が提起した不適法なものである
として却下しているが、この判断は当事者適格に関する法令の解釈適用を誤つた違
法なものというべきであり、この違法は原判決中入会権の確認を求める訴えに関す
る部分の結論に影響を及ぼすことが明らかである。したがつて、この点の違法をい
う論旨は理由があるから、原判決中右訴えに関する部分を破棄することとし、上告
人らが本件山林はついて入会権を有するかどうか、その内容いかんについて、さら
に審理を尽くす必要があるので、右部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
 よつて、民訴法四〇七条一項、三九六条、三八四条一項、九五条、九三条一項、
八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    横   井   大   三
            裁判官    木 戸 口   久   治
            裁判官    安   岡   滿   彦

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