弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決の本刑に算入す
る。」との部分を破 棄する。
     原審における未決勾留日数中三五日を本刑に算入する。
     その余の部分に対する上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意について
 記録によれば、被告人は、本件公訴事実と同一性のある覚せい剤使用の事実につ
き、起訴前である昭和六〇年九月二日勾留状の執行を受け、その後第一、二審を通
じて引き続き勾留を継続されていたものであるが、その間、第一審は、同年一〇月
一四日、被告人を懲役一〇月に処し、未決勾留日数中一〇日を右刑に算入する旨の
判決を言い渡し、これに対し、被告人が同月二五日控訴を申し立てたところ、原審
は、同六一年二月一八日、右控訴を棄却するとともに、「当番における未決勾留日
数中六〇日を原判決の本刑に算入する。」との判決を言い渡したことが明らかであ
る。他方、記録によると、被告人は、昭和五七年一一月二九日福岡地方裁判所飯塚
支部において、福岡県青少年保護育成条例違反、覚せい剤取締法違反の事実により、
「被告人を懲役八月に処する。この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予
し、その期間中被告人を保護観察に付する。」旨の判決の言渡を受け、同判決は同
年一二月一四日確定し、更に、被告人は、同年一二月一〇日福岡家庭裁判所飯塚支
部において、児童福祉法違反の事実により、「被告人を懲役四月に処する。この裁
判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。」旨の判決の言渡を受け、同判決は
同月二五日確定したものであるところ、その後、被告人に対する右各刑の執行猶予
言渡の取消決定がされ、被告人は、本件未決勾留中の同六〇年一一月二九日から右
懲役八月の刑の執行を受け始め、原判決の言渡があつた同六一年二月一八日現在未
だ受刑中であつたことが認められる。
 このように懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を刑法二一条により本件に算入
することが違法であることは、所論引用の当裁判所の判例(昭和二九年(あ)第三
八九号同三二年一二月二五日大法廷判決・刑集一一巻一四号三三七七頁、昭和五五
年(あ)第四〇九号同年七月一八日第二小法廷判決・裁判集刑事二一八号二六三頁、
昭和五九年(あ)第二七号同年三月二九日第一小法廷判決・裁判集刑事二三六号四
二九頁)の示すところであるから、原審における未決勾留日数のうち本刑に算入す
ることの許される限度は、被告人が控訴を申し立てた日である昭和六〇年一〇月二
五日から右懲役八月の刑の執行開始日の前日である同年一一月二八日までの三五日
間である。したがつて、原審が右の限度を超えて原審における未決勾留日数を本刑
に算入したのは、刑法二一条の適用について右判例と相反する判断をしたものとい
わなければならない。論旨は理由がある。
 よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決
中「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決の本刑に算入する。」との部分を
破棄し、刑法二一条により原審における未決勾留日数中三五日を本刑に算入するこ
ととし、原判決中その余の部分に対する上告は、上告趣意としてなんらの主張がな
く、したがつてその理由がないことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によ
りこれを棄却し、当審における訴訟費用は、同法一八一条一項但書により被告人に
負担させないこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 検察官河上和雄 出席
  昭和六一年一〇月二一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    坂   上   壽   夫
            裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    安   岡   滿   彦
            裁判官    長   島       敦

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