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主文
1本件各控訴をいずれも棄却する。
2控訴人らの当審における予備的請求をいずれも棄却する。
3当審の訴訟費用は控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1控訴人の控訴の趣旨及び当審において追加した予備的請求
1控訴の趣旨
()原判決を取り消す。1
()右京税務署長が控訴人Aに対して平成16年6月21日付けでした相続2
税の更正のうち課税価格1億3967万8000円,納付すべき税額203
4万1089円を超える部分及び無申告加算税賦課決定を取り消す。
()右京税務署長が控訴人Bに対して平成16年6月21日付けでした相続3
税の更正のうち課税価格5842万円,納付すべき税額850万7460円
を超える部分及び無申告加算税賦課決定を取り消す。
()右京税務署長が控訴人Cに対して平成16年6月21日付けでした相続4
税の更正のうち課税価格5842万円,納付すべき税額850万7460円
を超える部分及び無申告加算税賦課決定を取り消す。
()右京税務署長が控訴人Aに対して平成17年6月29日付けでした前記5
()記載の相続税について更正すべき理由がない旨の通知処分を取り消す。2
()右京税務署長が控訴人Bに対して平成17年6月29日付けでした前記6
()記載の相続税について更正すべき理由がない旨の通知処分を取り消す。3
()右京税務署長が控訴人Cに対して平成17年6月29日付けでした前記7
()記載の相続税について更正すべき理由がない旨の通知処分を取り消す。4
()国税不服審判所長が控訴人らに対して平成18年6月6日付けでした上8
記()から()までに記載の各通知処分に対する審査請求を棄却する旨の裁決57
を取り消す。
()訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。9
2当審において追加した予備的請求(控訴の趣旨()から()までに関する予備27
的請求)
被控訴人は,控訴人Aに対し1931万2316円,控訴人Bに対し115
7万4731円,控訴人Cに対し1171万0160円及びこれらの各金員に
対する平成19年1月27日から支払済みまで年5分の割合による金員をそれ
ぞれ支払え。
第2事案の概要(略記は原判決のそれによる)。
1事案の要旨及び訴訟の経過
()本件は,被相続人亡D(D)の相続人である控訴人らが,Dの遺産に係1
る相続税につき期限後申告(本件各期限後申告)を行ったところ,右京税務
署長から増額更正(本件各更正処分)及び無申告加算税賦課決定(本件各賦
課決定。両者併せて「本件各更正処分等)を受け,さらに,Dより先に死」
()()亡したその夫亡EEの相続人との間に訴訟上の和解別件大阪訴訟和解
が成立したことに基づく後発的更正の請求(本件各更正の請求)についても
更正すべき理由がない旨の通知(国税通則法〔通則法〕23条4項。本件各
通知処分)を受けたことから,本件各更正処分等には相続財産の範囲等に誤
りがあり,また別件大阪訴訟和解が相続税に係る課税標準等及び税額等の計
算の基礎となった事実の変更に当たる(通則法23条2項1号)などと主張
して,被控訴人に対し,本件各更正処分の一部及び本件各賦課決定の全部の
各取消し(第1の1の()から()までと同旨,本件各通知処分の全部の取24)
消し(第1の1の()から()までと同旨)並びに本件各通知処分の取消しを57
求める審査請求を棄却した国税不服審判所長の裁決本件裁決の取消し第()(
1の1の()と同旨)をそれぞれ求めた事案である。なお,控訴人ら補助参8
加人は,別件大阪訴訟和解において,控訴人らに対する本件各更正処分等が
維持された場合に一定の限度でその税額の負担をする旨を約したという利害
関係を有する者である。
これに対し被控訴人は,控訴人の請求を全面的に争った。
()原審裁判所は,控訴人らの請求のうち,本件各更正処分等の取消しを求2
める各訴えは審査請求前置の要件を欠くから不適法であるとしてこれを却下
し,その余の各請求を失当として棄却したので,控訴人らはこれを不服とし
て各控訴を提起し,原判決を取り消して控訴人らの請求を認容するよう求め
た。
()控訴人らは,原審では,上記のように控訴人らの本件各更正の請求の事3
由が通則法23条2項1号に当たると主張したが,当審において,同請求に
関する主位的な主張として,本件各更正の請求の事由が相続税法55条,3
2条1号に当たる旨の主張を追加し,原審での主張を予備的主張とした。ま
た,控訴人らは,当審において控訴の趣旨()から()までの関係で,不当利27
得返還請求権に基づく予備的請求を追加した。
2「前提事実「争点」及び「当事者の主張」は,後記3,4のとおり当審」,
における当事者双方の主張を付加するほかは原判決事実及び理由中の第,「」「
2事案の概要」の「1前提となる事実等「2争点」及び「3当事」,
者の主張」に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決7頁
15行目の「各更正処分」の次に「以下「本件各更正処分」という」を,(。)
同行の「各賦課決定処分(」の次に「以下「本件各賦課決定処分」という」。
をそれぞれ加える。
3当審における控訴人らの主張
()別件大阪訴訟和解はEの相続財産の遺産分割協議に当たる。1
ア別件大阪訴訟和解の目的
控訴人らと別件被告らとの間で,長期間にわたって多数の紛争が継続し
たが,これらはすべて別件被告らが,Eの遺産につきEの妻Dの法定相続
分(4分の3)に相当する分割を求めた控訴人らの要求を拒んだことから
生じたものであり,その全部が遺産分割に関する紛争であった。控訴人ら
,,と別件被告らはEの遺産をめぐる紛争に決着を付けることを目的として
別件大阪訴訟和解を成立させた。同和解はEの遺産分割にほかならない。
イEの相続人各人についての分割がされてないことについて
別件大阪訴訟和解では,Eの相続人各人について各財産の帰属を定めて
いないが,控訴人らDの相続人と別件被告らEの相続人との間で,Eの相
,,続財産を分割することに困難があったのであってこの点が解決されれば
双方の親族間でのそれぞれの分割は円滑に実行されることが予定されてい
た。
ウD固有の財産の侵奪分を回復したことについて
別件被告らによるDの遺産侵奪があり,控訴人らとしてはその損害の填
補を受けることが必須であった。しかし,既に別件被告らがEの遺産中7
103万6000円を除く全部を取得していながら,Dの侵奪分を返還す
るに足りる資力を有していなかったため,やむなくDが相続分にしたがっ
て取得したE由来の財産の一部をさらに別件被告に取得させることし,こ
れをもってDの侵奪分の損害賠償の支払いに充て,ようやくその回復を受
けた。別件大阪訴訟和解では,順序として別件被告らがD固有の財産を処
分したことの損害回復がまず解決すべき問題として処理されたのであっ
て,控訴人らにおいて別件被告らのしたDの財産処分を追認し,損害賠償
請求権を放棄することを前提とした処理をしたことはない。そしてEの遺
産分割外の処理が同時にされたからといって同和解中遺産分割に当たる部
分がその性質を失うものではない。
エ法定相続分と異なる分割内容であることについて
別件大阪訴訟和解では,紛争を終息させる目的で,控訴人らが別件被告
らに対し譲歩し,Eの相続財産につきDの受ける分割分が法定相続分を下
回るものとなったが,遺産分割で法定相続分によらないで分割することも
一般に承認されているところであって,この点も同和解が遺産分割に当た
らないという理由にはならない。
オ清算条項等が存することについて
控訴人らは,紛争を終息させる目的で別件大阪訴訟和解を成立させたか
,,,らその目的が和解条項に記載され紛争に関わる事件の取り下げを約し
。。清算条項などを合意したこれらは遺産分割の性質に反するものではない
同和解は,Eの遺産をめぐる紛争を最終的に解決することを目的として,
Eの遺産に関する権利関係の一切を不可分に整理確定させた遺産分割であ
った。
()相続税法55条の適用があることについて2
相続税法32条1号は,同法55条による未分割遺産について法定相続分
等により相続税の申告等が行われた後に遺産分割の協議が成立し,法定相続
分と異なることになったときは,当該相続に係る申告等について更正の請求
ができる旨を定めている。本件では,Eの未分割遺産について遺産分割が成
立した結果,被相続人Dの相続財産中Eから相続した遺産が減少したことを
理由とするDの相続に係る更正の請求であるが,前記各相続税法には,本件
のように数次の相続が重なった場合に各更正請求を排斥する旨の規定はない
から,前記各規定は適用されるべきである。なぜなら,第1次相続(共同相
続)について遺産分割未了のまま第2次相続(単独相続)が開始した場合に
は,第2次相続の相続財産については第1次相続の法定相続分等による相続
分価格をもとに計算して申告するほかはなく,後に第1次相続について法定
相続分と異なる遺産分割協議が成立した場合は,第2次相続についても前記
各規定の適用するものとしなければ,第2次相続の相続人が実際に取得した
財産に係る税額と既に納付した税額との差額を是正する方法がないことにな
るからである。
()遺産分割は相続開始の時にさかのぼってその効力を生じる民法909条
から,先にした暫定的な申告・納付が訂正を余儀なくされるのは,民法上も
当然のことである。相続税法55条ただし書,31条1項,32条は,分割
未了の相続財産につきいったん暫定的にされた申告・納付を正しい額に訂正
するための方法を規定したものであるから,その趣旨に従って解釈,適用し
なければならない。第1次相続で分割未了の相続財産につき法定相続分に従
って相続税を申告・納付した者がその遺産分割前に死亡し,第2次相続でそ
の地位を承継した第1次相続につき遺産分割協議を成立させたときは相続税
法32条により更正の請求ができるのは当然である。
もっとも被控訴人は,この場合,第2次相続の相続人は法定相続分に従っ
て申告納付した第1次相続人の承継人として,第1次相続につき,遺産分割
の結果に基づき相続税法32条による更正請求ができるから,第2次相続人
に不利益はないと主張するのであるが,それでも,第2次相続人が,第2次
相続に関して納付した相続税(第1次相続の法定相続分を含む財産を対象と
する)の更正を受けることはできない。したがって,このような場合に第2
次相続についても更正の請求を認める必要がある。
()通則法23条2項1号に当たること(予備的主張)3
前記のとおり,別件大阪訴訟和解は,遺産分割協議の実質を有し,同和解
の結果,控訴人らがEの相続財産に対する法定相続分を含むDの相続財産と
して申告した内容と,実際に同和解によって取得できることとなったEの相
続財産とが異なる内容となることが確定したものである。この事実は「そ,
の申告,更正又は決定に係る課税標準等又は税額の計算の基礎となった事実
に関する訴えの判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む)
により,その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したと
き」に当たる。
()当審における予備的請求の原因4
ア控訴人らが,Dの相続人であること,D死亡後,控訴人らと別件被告ら
の間で紛争があったこと,控訴人らが平成16年6月8日Dの相続に係る
相続財産を1億7510万8583円として相続税の申告をしたこと,こ
れに対し,右京税務署長が原判決別紙「課税の経緯」の「更正処分欄」に
記載のとおり本件各更正処分等をしたこと,控訴人らは別件被告らとの和
,,解を理由に平成17年3月29日に本件各更正の請求をしたことしかし
右京税務署長は,平成17年6月29日に本件各更正の請求を認めず,控
訴人らに対し本件各通知処分をし,さらに控訴人らの審査請求に対し国税
不服審判所長は平成18年6月6日に本件裁決をしたことは,前記引用に
「」「」,係る原判決の第2事案の概要の1前提となる事実等の()ア2
イ,エ,オ,ク,コ,サ,シに記載のとおりである。
,,イ右京税務署長は平成17年5月24日から平成19年2月9日までに
控訴人らから次のとおり相続税を徴収した。
(ア)控訴人A5126万8600円
(イ)控訴人B2467万4900円
(ウ)控訴人C2496万3600円
ウD死亡時の相続財産は,原判決別紙物件目録1及び2のとおりであった
(このうちEの相続財産の4分の3がDの相続財産である。前記のと。)
おり,控訴人らと別件被告らはEの相続財産につき遺産分割をし,その結
果,控訴人らがDの相続により取得した財産の価格は,本件各更正の請求
のとおりとなった。これに基づき,控訴人らが納付すべき税額は,本税と
附帯税を合わせて以下のとおりである。
(ア)控訴人A3195万6284円
(イ)控訴人B1310万0169円
(ウ)控訴人C1325万3440円
したがって,徴収税額と控訴人らが納付すべき税額の差額は以下のよう
になる。
(ア)控訴人A1931万2316円
(イ)控訴人B1157万4731円
(ウ)控訴人C1171万0160円
エ第1次相続(共同相続)の遺産分割が未了の間に,第2次相続(単独相
続)が開始し,第2次相続の相続人と第1次相続の相続人との間で,第1
次相続についての遺産分割が成立した場合に,第2次相続の申告を更正す
る手段がないとすると,第2次相続の相続人は,第1次相続の遺産分割で
取得しなかった財産を第2次相続の相続財産に含まれるものとして課税さ
れることになる。相続税は,相続財産を課税物件とし,これを取得した者
に対し,その取得額に応じて課せられる税である。上記の第2次相続の相
続人は課税物件が存在しないところに課税されることになるのであって,
租税法律主義に反する。これは立法の欠缺であり,このような場合には,
不当利得の法理で納税者を救済するほかない(最高裁判所昭和49年3月
8日第二小法廷判決・民集28巻2号186頁。よって,控訴人らは不)
当利得返還請求権に基づき,誤った課税処分によって生じた利得の返還と
して,被控訴人に対し予備的請求記載の金員の支払を求める。
4当審における被控訴人の主張
()別件大阪訴訟和解はEの相続財産に係る遺産分割には当たらないことに1
ついて
ア控訴人らが,同和解がEの相続財産に係る遺産分割であるとの認識を有
していなかったことについて
控訴人らは,別件大阪訴訟和解により,Eの相続財産についてのDの相
続分を7103万6000円に変更した旨主張するが,同金額の算定根拠
についての控訴人の主張は,原審以来変遷を繰り返した。同主張が曖昧で
あるのは,同和解につき,控訴人らがEの相続財産に係る遺産分割である
との認識を有していなかったからである。
イ別件大阪訴訟和解の条項
同和解では,Eの相続財産につき,具体的にどの財産がどの相続人に帰
属するとするのか定められていないこと,別件被告らによるDの固有財産
侵奪分が控訴人らの取得すべき財産から控除されていることなど,遺産分
割の条項としては不備があるだけでなく,無関係な事項が含まれているこ
となどからすると,同和解は,控訴人らと別件被告らの間における一連の
紛争を一挙に解決する目的で,将来に向かって新たな権利関係を創設する
趣旨で合意されたものであり,Eの相続財産に係る遺産分割の実質を有す
るものとは到底いえない。
()本件各更正の請求につき,相続税法32条1号所定の更正の事由に該当し2
ないことについて
仮に,別件大阪訴訟和解がEの相続財産に係る遺産分割に当たり,Eの相続
財産の分割がされてDの相続分が減少したとしても,そのことから直ちにDの
相続について控訴人らがした申告を相続税法32条1号に基づいて更正するこ
とはできない。
ア相続税法55条及び32条1号の規定及び趣旨
相続税法55条は,相続財産の全部又は一部が未分割の場合には,各共同
相続人が民法の規定による相続分に従って未分割財産を取得したものとして
相続税の課税価格を計算する旨を定めている。同条は,相続固有の問題とし
て,相続税法の法定申告期限内に相続財産の全部又は一部が分割できないこ
とがあり得ることにかんがみ,法定申告期限内に申告書を提出する場合にお
いて,相続人間で相続財産が分割されていないときは,各共同相続人が法定
相続分の割合に従って,当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算
することとしたものである。その趣旨は,長期にわたって遺産分割を行わな
いことにより,いまだ現実に相続により取得する財産が確定していないこと
を理由に相続税の納付義務を免れるといった不都合を防止することのみなら
ず,国家の財源を迅速,確実に確保するという国家的要請を実現することに
ある。
そして,相続税法32条1号は,同法55条によって課税価格が計算され
て申告された後,法定申告期限経過後に当該未分割財産の分割がされ,当該
分割により共同相続人が取得した財産に係る課税価格が当該相続分の割合に
従って計算された課税価格と異なることになった場合に,通則法23条1項
による更正の請求を認め,共同相続人間の相続税負担の公平を図ったもので
ある。共同相続人間の公平を図るのが目的であるから,相続税法32条1号
は,課税価格の総額及び相続税額の総額に変動がないことを前提とするので
あって,これが減少するような更正請求を認める趣旨ではない。
イ相続税法55条本文の文理上も「当該相続により取得した財産」につい,
て未分割の場合に法定相続分に従って「当該財産」を取得したものとして課
税価格を計算するものであり,同条分割後の更正請求について定めるただし
書は「当該財産の分割があり,当該共同相続人が(中略)当該分割により,
取得した財産に係る課税価格が当該相続分(中略)の割合に従って計算され
た課税価格と異なることとなった場合」と規定しており,ただし書の「当該
財産」が本文の当該相続に係る「まだ分割されていない」財産を指すもので
あることが明らかである。本件に当てはめるとEの相続財産の共有持分を含
んだDの相続財産が当該財産であって,Eの相続人によって分割されていな
いEの相続財産を指すものではない。
相続税法の適用に当たっては,それぞれの相続について適用要件を具備し
ているか否かが問題となる。本件について,Dの相続に関する事実を相続税
法32条1号所定の適用要件に当てはめるときに,当該相続の被相続人では
ないEの相続財産に係る事柄を織り込むことはできない。
同法32条1号は,あくまで申告に係る相続の遺産分割を前提とするので
あって,Dの相続に関する申告について,Eの相続に関する遺産分割があっ
たからといって同法の更正請求をすることはできない。
()本件各更正請求は,通則法23条2項1号所定の更正の請求に当たらな3
い。
本件各更正処分等に際しては,別件京都訴訟判決によって示された事実関
係を基礎として課税標準等及び税額の計算をした。同判決は,本件各更正処
分等のころまでに確定したから,課税標準等及び税額の基礎となった事実は
確定していた。別件大阪訴訟和解は,明確になっていた権利関係を前提に,
控訴人らにおいて,その権利取得を断念し,別件被告らとの紛争を一挙に解
決する目的で将来に向かって新たな権利関係を創設する趣旨で合意されたも
のであるから,本件更正処分等に係る課税標準等及び税額の基礎となった事
実関係にさかのぼって異同が生じたものではなく,通則法23条2項1号に
いう「判決と同一の効力を有する和解」に該当しない。
()控訴人らが当審で追加した予備的請求について4
ア請求原因事実中,被控訴人において争う部分
Dの相続財産が,原判決別紙物件目録1及び2のとおりであったとの事
実は否認する。
本件各更正処分により,控訴人らの納付すべき税額は,控訴人Aにつき
3263万3600円,控訴人B及び控訴人Cにつき各1602万410
0円である。
控訴人らの本件各更正請求の内容は,別件大阪訴訟和解の内容と同一で
はない。
控訴人らがDの相続に係る相続税として納付した本税並びに無申告加算
税の金額は控訴人ら主張のとおりであるが,右京税務署長は,平成19年
3月7日控訴人Cに対し2万8400円を,同月9日控訴人Bに対し1万
6300円をいずれも延滞税の免除として還付した。
イ被控訴人の反論
行政処分である課税処分には公定力があるから,当該処分が無効である
か又は権限のある機関によって取り消されない限り当該課税処分によって
徴収された税額は法律上の原因に基づくものであり,不当利得返還請求権
は発生しない。
昭和49年の最高裁判決は,いったん課税の対象とされた金銭債権が課
税年度経過後に貸倒れにより回収不能となったという事案に関するもので
あり,その当時そのような後発的事由が生じた後に更正請求を認める規定
がなかったことから不当利得の法理による救済が問題となったもので,本
件と事案を異にするだけでなく,同判決は一般論として課税処分の公定力
を否定したものでも不当利得法理による救済を一般的に認めたものでもな
い。
第1次相続開始(共同相続)後,遺産分割未了の間に第2次相続(単独
相続)が開始し,その後,第1次相続の相続人と第2次相続の相続人間で
遺産分割がされた場合について,第2次相続の相続人は,第1次相続につ
き申告がされておれば,第1次相続の相続人の承継人として,相続税法5
5条ただし書,32条1号による更正請求ができる。第1次相続の遺産分
割の結果第2次相続の相続人が取得する財産がなくなった場合(第2次相
続の相続財産が第1次相続による相続財産しかなかった場合,当然には)
第2次相続について納付した税金の更正を求めることができないが,その
不利益は,第2次相続人が第1次相続の遺産分割において,法定相続分を
下回る分割に応じたことが原因であって,そのような分割を回避すること
は可能であったから,この場合の不利益を救済する必要があるとはいえな
い。しかもその場合も,第1次相続の遺産分割が家庭裁判所の審判もしく
は調停でされた場合は,第2次相続人は通則法23条2項1号の更正請求
をすることができるのである。本件は不当利得の法理を適用しなければ納
税者を救済できないという事例ではない。
第3当裁判所の判断
(以下においては,原審以来の争点については「争点()」などと表示し,当1
審で新たに争点になったもの(第2の2())は「当審における争点」と表2,
示する)。
1争点()(本件各更正処分等の取消しを求める訴えの適法性)について1
当裁判所も,控訴人らの訴えのうち,本件各更正処分等の取消しを求める部
分は不適法であると判断する。その理由は,原判決について次の(),()のよ12
うに付加訂正をするほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第3当裁判所
の判断」の1の説示のとおりであるから,これを引用する。
()原判決29頁1行目の次に改行して次のように加える。1
「別件大阪訴訟和解は,Eの遺産について控訴人らのグループと別件被告ら
のグループへの各帰属の仕方と,別件京都訴訟判決で確定していた別件被告
らによるD固有の財産に係る損害賠償請求権の未払分(控訴人らのいう侵奪
分の未払分)の処理の仕方とを併せて決定し,両グループ間の紛争の最終的
な解決を図ろうとしたものと考えられる。そして,同和解の和解条項第1項
記載のEの遺産の控訴人ら取得分の金額である7103万6000円の算出
方法については,別件大阪訴訟和解において控訴人らが提案した解決金45
00万円の計算過程の推測(前記キ)の中で述べたが,これを再度述べると
次のようなものではないかと思われる。
すなわち,控訴人らの計算によれば,Eの遺産で控訴人らが確保できた分
の金額は①9581万3349円であり,また別件被告らがD固有の遺産に
対する侵害分として返還を要する金額は②6477万7345円であった
(控訴人らの原審における平成19年8月31日付け準備書面3頁参照)か
ら,今回別件被告らから支払を受ける③解決金4000万円を①に加え(合
計1億3581万3349円,この1億3581万3349円から②の6)
477万7345円を差し引いた7103万6004円の端数を切り捨てた
7103万6000円を,和解条項第1項のEの遺産のうち控訴人ら取得分
としたものであったように認めることができる。なお,この③の解決金40
00万円を②に先に充当しても,①のうちから②に先に充当しその後解決金
4000万円をEの遺産に加算しても,結論の数字は同じになる。そうする
と,当該和解の本体部分は,文字どおりの「解決金」4000万円の支払を
控訴人らが受けることによって,Eの遺産についての控訴人ら取得分の大枠
の決定とD固有の遺産に対する侵害分の回復とを不可分一体として処理した
ものと考えるのが妥当と解される」。
()原判決30頁2行目の「同目録2記載()イ」を「同目録記載2()イ」222
に改める。
2当審における争点(別件大阪訴訟和解の相続税法55条,32条1号所定の
更正の事由への該当の有無〔本件各更正の請求の事由に関する控訴人らの主位
的主張)について〕
控訴人らは,別件大阪訴訟和解によってEの未分割の遺産について遺産分割
が成立し,その結果Dの遺産が減少したのであるから,控訴人らは,相続税法
55条,32条1号により更正の請求ができると主張する。しかるところ,相
続税法55条,32条1号にいう「当該財産の分割」とは,民法906条の遺
産分割を指すものと解するのが相当である。
()別件大阪訴訟和解の内容についてみるに,前提事実に記載のとおり(原1
),,判決5頁10行目から9頁1行目まで控訴人らと別件被告らとの間では
D死亡後E及びDの財産の帰属を巡って熾烈な争いが続いたが前記1(),,2
の認定事実に証拠(甲3,原審における控訴人A)及び弁論の全趣旨を併せ
ると,争いの理由の一つは,ほぼ同時期に死亡したEとDの相続につきそれ
らを合わせた総財産を考えると,死亡の順序によって双方が取得できる財産
の割合が大きく異なるため,先に死亡したEの相続人ら(別件被告ら)が強
い不満を抱いたことにあったところ,別件大阪訴訟和解は,控訴人らが大き
く譲歩し,別件被告らがEの財産につき法定相続分(4分の1)を超える割
合でこれを取得することを前提として成立したものであったことが認められ
る。そして,上記証拠等によれば,同和解では,Eの遺産を別件被告らのグ
ループと控訴人らのグループとの間でどのように分けるかが主な問題になっ
たが,控訴人らとしてはD固有の遺産に対する別件被告らの行為による損害
の回復も同時に重要であり,交渉の結果,控訴人らは,解決金4000万円
(和解条項第2項)を受領することで,Eの遺産について法定相続分(4分
の3)から大幅に譲歩し,控訴人らのグループが取得する遺産を大枠の数字
(7103万6000円)で示すとともに,D固有の遺産の損害も回復され
たものとみなしてこの紛争も終了させ,これによってE及びDの各遺産に関
するすべての紛争を終了させるために同和解を成立させたものであったと認
められる。そこで,Eの遺産の帰属を決定するという点では,同和解の内容
は広い意味でEの相続財産に係る遺産分割の要素を有していたものというこ
とができる。
ところが,他方では,証拠(甲3,原審における控訴人A)と弁論の全趣
旨によれば,別件大阪訴訟和解の内容は次のようなものであったと認められ
。,,()るすなわち①Eの遺産については大枠の数字7103万6000円
だけで控訴人らが取得する遺産が示され,同和解においては,各相続人が具
体的にEの遺産中のどの財産を取得するのかが明らかにされていないのはも
とより,本件土地を除き,双方のグループがEの遺産中のどの遺産を取得す
るのかも具体的に明らかにされていない。②解決金4000万円の出所は,
E及びDの各遺産の処分等によるもののうち別件被告らの手元に残存してい
たものと推測されるが,同解決金の性格付けはされていない。Eの遺産に関
する第1項に続けて規定されていることからすると,第1項に関する解決金
と理解するのが自然のようにも思えるが,経過からみると,E,Dの各遺産
に関する紛争を不可分一体として解決するための金員と理解するのが穏当な
ところと思われる。次に,③付随的な事項として,控訴人らと別件被告らと
の間に当時存在していた競売申立事件,保全事件及び訴訟事件の取下げによ
る終了が合意され,さらに,④控訴人らに対する相続税課税が将来の紛争の
原因になることを防ぐため,本件更正処分等が変更されなかった場合に本件
訴訟における控訴人ら補助参加人(別件大阪訴訟和解における別件被告らの
訴訟代理人)が一定の限度で差額をてん補することを定める条項(原判決の
前提となる事実等()ク⑤)が設けられている。そして最後に,⑤和解条項2
第1項から第9項までに定める以外には,別件京都訴訟判決によるものも含
め,控訴人らと別件被告らとの間に相互に債権債務がないことを確認する清
算条項である第10項が置かれている。同項においては,別件京都訴訟判決
による債権債務関係もその清算が終了したことを確認する趣旨を含むものと
認められるが,清算のために同判決に係るものも含め具体的にどのように各
遺産ないしそれに係る債権債務を処理したのかを和解条項上具体的に認識す
ることはできない。
この点について控訴人らは,D固有の財産に係る損害賠償請求権等は放棄
せず,これらの損害は回復されたものであり,Dの遺産のうちEに由来する
財産の控訴人ら取得割合を法定相続分より減じることで妥協した旨を主張す
る。
確かに,当該和解条項と前後の経過等を総合してつぶさに検討すれば,別
件大阪訴訟和解によって,D固有の遺産に関する紛争も終了したこと,そし
て,Eの遺産のうち控訴人らが取得する分を7103万6000円という大
枠の数字で表すことによって,控訴人らにおいては計算上D固有の遺産の侵
奪分を控訴人らが回復したものと扱うつもりであったことを推測することが
できる。しかし,なお,E及びDの各遺産ないしそれに係る債権債務関係に
ついて具体的にどのような処理がされたかは不分明な状態のままに置かれた
ものといわざるを得ない。
()そこで,このような別件大阪訴訟和解が民法906条の遺産分割といえ2
るかどうか,ひいては同和解が相続税法55条,32条1号の「当該財産の
分割」に当たるかどうかを検討する。
ア控訴人らは,別件大阪訴訟和解の内容のうち,相続人各人についての分
割がされていないことについては,同和解に基づき控訴人らのグループ内
で個別の分割が円滑にされることが予定されているから,同和解は遺産分
割といい得るし,D固有の遺産に関する処理がされた部分は遺産分割の条
項ではないが,このようなことが併せて合意されたからといって遺産分割
に当たる部分がその性質を失うものではなく,清算条項も遺産分割の性質
に反するものではないなどとした上で,同和解はEの遺産に関する権利関
係の一切を不可分的に整理確定させた遺産分割であったと主張する。
しかし,遺産分割は,共同相続人間で,相続財産を現実に各共同相続人
に分属させる手続であり,相続財産以外の財産関係の清算をこれに取り込
んで処理することは本来遺産分割の性質になじまないし,もとよりその場
合に相続財産以外の財産に関する部分は遺産分割とはいえない。
(,),,,イ証拠甲1甲16の1・2によれば別件京都訴訟で控訴人らは
,,,別件被告らに対し(ア)同人らがDの生前にDの預金の払戻を受けたり
Dの株券を領得し株式配当を受けて,D固有の財産を侵害したこと,また
Eの預金の払戻を受けたり,Eの土地の賃料を収受するなどして,Eの相
続財産に対するDの相続分を侵害したことによる損害賠償などをDの相続
人として請求したほか,(イ)別件被告らがD死亡後Dの株式配当を受けた
ことなど,控訴人らが直接被った損害の賠償をも請求し,これらが判決で
認容され確定したことが認められる。そうすると,別件大阪訴訟和解の内
容は,上記(ア),(イ)の権利を変容させるものといえる(変更,履行,放
棄などが考えられる。しかし,既に説示したように変容の具体的な全。)
貌は,当該和解条項及び本件各証拠によっても確定できないといわなけれ
ばならない。
ウまた,相続開始時において債権であった遺産(原判決別紙物件目録1の
とおり,E及びDの遺産中に債権の占める割合は相当高かったと認められ
る)については,遺産分割の合意を待たず法定相続分の割合で当然に分。
割されるものであり,本件においてはそのうちの相当部分が別件京都訴訟
判決で既判力をもって確定していたものと認められるから,この部分につ
いてその後その結果と異なる合意を相続人間でした場合には,その部分の
合意は,既に確定していた遺産の分割内容を将来に向かって変更したもの
と評価するのが相当である。別件大阪訴訟和解における合意は,上記のよ
うに確定していた相続財産たる債権に関する合意が中心になっているもの
といえるから,結局,同和解は全体として,その当時のE及びDの各遺産
についての権利義務関係を将来に向かって変更する趣旨のものであったと
解するのが相当である。
エ結局,以上の諸点を総合して考えると,別件大阪訴訟和解は,E及びD
の各遺産をめぐる一連の法的紛争を最終的に解決することを目的として,
解決金4000万円を別件被告らが控訴人らに支払うことにより,E及び
Dの各遺産に関する控訴人らと別件被告らとの間の権利義務関係(別件京
都訴訟判決によって確定済みのものも含む)を個別化しないでその一切。
を,将来に向かって不可分的かつ全体的に変更し確定させたものであった
と認めるのが相当である。
そのような合意の私法上の有効性に疑問はないものの,前記のとおり,
同和解においては,相続人である控訴人ら各自が取得するE由来の遺産が
具体的に確定されていないことはさておくとしても,控訴人らのグループ
にEの遺産のどれが具体的に帰属したのか自体も明確に区分し確定するこ
とができない。ちなみに,Eの遺産のうち控訴人らが取得する部分が個別
化されていないことから,本件各更正請求において趣旨不明の「調整」と
いう項目を設定せざるを得なくなったものと推認される(甲7参照。そ)
うすると,別件大阪訴訟和解は,控訴人ら各自において取得するE由来の
Dの遺産を具体的に確定するための基礎にもなり得ないものといわざるを
得ない。相続税法32条1号は,当該財産の分割によって相続人各自が取
得した財産に係る課税価格が法定相続分の割合に従って計算された課税価
格と異なることになったことが要件とされているのであるから,上記の別
件大阪訴訟和解の内容は同号の要件に該当するものとは到底いえないとい
うことになる。また,そもそも,別件大阪訴訟和解のうちEの遺産に関す
る部分は,分割確定済みの遺産を中核とする権利義務関係を全体として将
,,来に向かって変更し確定させる趣旨のものと認められるからこの点でも
同和解の合意が遺産分割に当たるということはできない。
以上のとおり,同和解は民法906条に定める遺産分割に当たらず,し
たがってまた,相続税法55条,32条1号の「当該財産の分割」にも当
たらない。
()以上のとおりであって,控訴人らは別件大阪訴訟和解を理由として相続3
税法55条,32条1号に基づく更正請求をすることはできないから,本件
各更正の請求の事由に関する控訴人らの主位的主張は理由がない。
3争点()(別件大阪訴訟和解の通則法23条2項1号への該当の有無〔本件3
各更正の請求の事由に関する控訴人らの予備的主張)について〕
控訴人らは,別件大阪訴訟和解が通則法23条2項1号の更正事由に当たる
旨を主張する。
しかし,既に判示したとおり,同和解は,E及びDの各遺産をめぐる一連の
法的紛争を最終的に解決することを目的として,E及びDの各遺産に関する控
訴人らと別件被告らとの間の権利義務関係(別件京都訴訟判決によって確定済
みの遺産である債権に関するものも含む)の一切を将来に向かって不可分的。
かつ全体的に変更し確定させたものであったと認めるのが相当である。したが
って,同和解中のEの遺産に関する部分だけを抽出してその法的性質を遺産分
割合意又はこれと同視すべきものと評価することは,そもそも不可能である。
そうすると,同和解が通則法23条2項1号にいう「更正又は決定に係る課税
標準等又は税額の基礎となった事実に関する訴えについての判決と同一の効力
を有する和解」に該当するということはできない。
控訴人らの主張は理由がない。
4争点(),()(本件通知処分及び本件裁決の適法性)について45
当裁判所も,本件通知処分は適法であり(争点(),本件裁決の取消しを4)
求める控訴人らの請求は主張自体失当である(争点())と判断する。その理5
由は,原判決の「事実及び理由」中の「第3当裁判所の判断」の4,5の説
示のとおりであるからこれを引用するただし原判決40頁11行目の3,。,「
において」を削る。
5控訴人らの当審における予備的請求について
()課税処分は行政処分であって公定力を有するから,当該処分が無効であ1
るか又は権限のある機関によって取り消されない限り,当該課税処分によっ
て徴収された税額は法律上の原因に基づくものであって,不当利得返還請求
権は発生しない。本件全証拠によっても,本件各更正処分等に重大かつ明白
な瑕疵があるものとは認められない。
よって,控訴人らの当審における予備的請求は理由がない。
()控訴人らは,本件で第1次相続(Eを被相続人とする相続)開始後,そ2
の遺産分割が未了の間に第2次相続(Dを被相続人とする相続)が開始した
場合において,第1次相続に関して遺産分割が成立したにもかかわらず,第
2次相続の相続人が,第2次相続に関して更正の請求をすることができない
のは立法の欠缺であり,不当利得の法理によって納税者である控訴人らを救
済すべきである旨を主張する。
このような場合に第2次相続に関して更正の請求をすることができないと
いえるかどうかはさておき,本件の場合には,前示のとおり,別件大阪訴訟
和解はEの遺産に係る分割の合意とはいえないから,控訴人らの主張はその
前提を欠くものというべきである。控訴人らの主張は,採用することができ
ない。
第4結論
以上の次第で,本件の訴えのうち,本件各更正処分等の取消しを求める部分
は不適法であるからこれを却下すべきであり,その余の各請求はいずれも理由
がないから,これらを棄却すべきである。そうすると,原判決は相当であって
本件控訴は理由がない。そして,控訴人らが当審で追加した予備的請求もいず
れも理由がないから,これらを棄却すべきである。
よって,本件各控訴及び控訴人らの当審における予備的請求をいずれも棄却
することとし,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第3民事部
裁判長裁判官岩田好二
裁判官三木昌之
裁判官菊地浩明は転勤のため署名押印することができない。
裁判長裁判官岩田好二

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