弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成13年(ワ)第6号詐害行為取消等請求事件
(平成13年10月25日口頭弁論終結)
判決
主文
1 被告Dと被告Eの間で,別紙物件目録1記載の土地建物につき,平成11年3月9
日付けで行った財産分与をその各物件の持ち分2分の1について取り消す。
2 被告Eは,別紙物件目録1記載の土地建物につき,a地方法務局敦賀支局平成c
年d月f日受付第g号所有権移転登記を被告Eの持ち分各2分の1とする更正登記
手続をせよ。
3 被告Dは,原告に対し,1億1335万7813円及びこれに対する平成11年3月10
日から支払済みに至るまで年1割4分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用はこれを4分し,その1を原告の,その2を被告Dの,その1を被告Eの各
負担とする。
6 この判決の主文第3項は仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告Dと被告Eの間で,別紙物件目録1記載の土地建物につき,平成11年3月9
日付けで行った財産分与を取り消す。
2 被告Eは,別紙物件目録1記載の土地建物につき,a地方法務局b支局平成c年d
月f日受付第g号所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。
3 主文第3項と同じ。
4 訴訟費用被告ら負担
5 3項につき仮執行宣言
第2 事案の概要及び当事者の主張
1 事案の概要
本件は,詐害行為取消及び保証債務金請求事件であり,原告は,平成4年7月
29日訴外H株式会社(以下「訴外会社」という)に1億6000万円を遅延損害金年
14パーセントの約定で貸し付け,被告Dはこれを平成9年5月30日連帯保証した
のであるが,訴外会社は,平成11年3月9日に,2回目の手形不渡りにより銀行
取引停止処分を受けて期限の利益を喪失し,被告Dはこの保証債務履行追求を
免れるために,妻であった被告Eに対し,被告Dの主要な資産であった別紙物件目
録1記載の土地建物(以下「本件不動産」という)につき,平成11年3月9日財産分
与を原因として,a地方法務局b支局平成c年d月f日受付第g号所有権移転登記手
続を行ったのであり,これは詐害行為に当たると主張して,その取消及び所有権移
転登記の抹消並びに被告Dに対する保証債務履行請求をしている事案である。
2 前提となる事実
争いのない事実及び証拠上明らかな事実は以下の通りである。
(1) 当事者等
被告両名は,昭和46年10月に婚姻届出をし,2子をもうけ,夫婦として生活
していたが,平成11年3月5日協議離婚の届出をした。被告Dは,もとはシャッ
ター設置請負業を営んでいたが,後に主としてサッシの設置業を営むようにな
り,これをHの屋号で行っている自営業者である。被告Dの父親Iは不動産を所
有していたが,昭和57年に亡くなり,長男である被告Dがその資産のほとんどを
相続した。
原告は,本件で問題となっている被告Dの連帯保証以前に,被告D自身がテ
ナントビルを建設する資金を調達するために,平成5年に2億円を被告Dに貸し
付け,被告Eほか1名が連帯保証人となった取引をしていた 
(2) 本件貸付及び被告Dの連帯保証
原告は訴外会社に対し,平成4年7月29日,金銭消費貸借契約証書により,
1億6000万円をテナントビル建設資金として,遅延損害金年14パーセントの
約定で貸し付けた。この貸付けの当初の連帯保証人は,訴外会社の代表者K
のほか2名であったが,平成5年3月4日,1名が連帯保証人から外れると同時
に2名が連帯保証人に加わった。そして,平成9年5月30日,平成5年に連帯保
証人に加わった2名のうち1名が連帯保証人から外れると同時に,被告Dが連
帯保証人に加わった。その後,平成10年4月28日,平成5年に連帯保証人に
加わった残りの1名が連帯保証人から外れると同時に別の者が新たに連帯保
証人に加わったが,この際の保証人加入脱退契約証書に被告Dは署名押印し
ている。
(3) 訴外会社の銀行取引停止処分と期限の利益喪失等
訴外会社は,平成11年3月に2回の手形不渡りを出して,同月9日銀行取引
停止処分を受けて,約定により期限の利益を喪失した。期限の利益喪失時の貸
付金の残金は1億1335万7813円である。
(4) 本件所有権移転登記
被告両名は,平成11年3月9日に,a地方法務局b支局に本件不動産につい
て同日財産分与を原因とする被告Dから被告Eに対する所有権移転登記申請を
行い,同日受理され,所有権移転登記が行われた。
(5) 被告Dの資産
被告Dの前記(4)記載の登記申請時の主たる資産は別紙物件目録2記載の
不動産であり,このほかにも所有する不動産が相当あり,これらの評価額の合
計は別紙物件目録2記載の評価額の合計にほぼ匹敵するが,いずれも担保権
が設定されており,被担保債権額を超える資産価値は見込まれない。これらの
不動産はいずれも被告Dが父親から相続したものか,父親から相続した財産に
より取得されたものである。
3 争点
本件の争点は以下のとおりである。
(1) 連帯保証契約についての心理留保(争点1)
(2) 受益者の善意(争点2)
(3) 離婚の有効性(争点3)
(4) 財産分与の相当性(争点4)
4 争点についての当事者の主張
(1) 争点1について
(被告ら)
本件連帯保証は,訴外会社の代表者Jから被告Dが取締役になることを頼ま
れた際,「取締役になる以上,保証人として名前を貸してくれないか。サインして
くれるだけでいい。迷惑はかけない。」と言われて,保証契約書に署名押印した
ものに過ぎず,現実の保証債務を負うという効果意思を全く欠いていた。単に取
締役に就任した被告Dに多額の債務を保証しなければならない理由はないか
ら,原告銀行は被告Dの真意を知ることができた。
(原告)
被告Dは,本件連帯保証以前に,自分自身で原告から借り入れをしており,
また,訴外会社代表者個人の物上保証人になったこともあり,保証意思を欠い
ていたということはありえない。原告が被告Dに保証意思がないと知ることがで
きるということも考えられない。
(2) 争点2について
(被告ら)
 被告Eは,財産分与を受ける正当な権利があるとの考えの下に,単に自己が
受けるべき財産について登記を移転したという意識しか持っていなかったのであ
り,債権者を害することについて善意であった。
(原告)
本件所有権移転登記は,訴外会社が事実上倒産した日に行われており,被
告両名が共謀の上,保証債務の追及を免れるために行ったものであることは明
らかで,被告Eは詐害性について悪意である。
(3) 争点3について
(原告)
被告両名は,協議離婚届出以降もそれ以前と変わらない状態で同居生活を
つづけており,その離婚届出は,訴外会社の事実上の倒産を承けて,専ら,財
産分与の名目で被告Dが保証債務の責任を追求されることを免れる目的で行
われた偽装離婚であり,有効な離婚意思に基づくものではない。したがって,被
告Eに財産分与請求権が生じていない。
(被告ら)
本件離婚は,被告Dの行為により夫婦もろとも経済的破綻に直面させられた
ことから,被告Eが被告Dに対し不信感を持ち,離婚を決意し,被告Dもこれに同
意した結果行われたものであり,同居状態は続いているものの,法律上の夫婦
関係を解消する意思に欠けるところななく,離婚意思に基づく有効なものであ
り,被告Eに財産分与請求権が生じた。
(4) 争点4について
(原告)
本件財産分与が行われた当時,被告Dの主要な積極財産は別紙物件目録2
記載のとおりであり,その時価評価額は9614万9000円であり,被告Eに所有
権移転登記を行ったのは,そのうち同目録1,6,7記載の土地建物で,その時
価評価額合計は8753万3000円である。これら資産は被告Dが父親からの相
続により取得した固有資産であり,被告Eのこれらの資産に対する関与はその
維持に関する貢献にとどまり,これは相当性のある財産分与として考慮するほ
どのものではない。被告Dの責めに帰すべき離婚原因が存在しない本件におい
て,慰謝料請求権は認められず,慰謝料的要素も考慮する必要がない。したが
って,被告Eには相当な財産分与として受けるべき根拠はない。よって,全てを
過大なものとして,取消の対象とすべきである。
(被告ら)
被告Eは,被告Dと結婚して以来30年にわたり妻,主婦として家事労働をこな
し,精神的にも被告Dを支えてきた。そして,被告Eは自分自身慎ましい生活を
し,夫を支え,夫の両親の世話や2人の子の養育教育に献身しながら,自分自
身の財産は得ていない。ところが,被告Dが善良な性格をつけ込まれ,Kの懇願
に応じて保証人になってしまったばかりに,被告Eの描いた人生計画は水泡に
帰すこととなった。これらの貢献と慰謝料的要素を評価すると,被告Eには被告
Dの全財産の2分の1に相当する財産の分与を受ける権利がある。本件不動産
は,被告Dの全財産のほぼ2分の1である。ほかの財産の大半に抵当権が設定
されていて残余価値は見込まれないが,本件不動産を財産分与の対象として選
択したことは,これらが娘らとも同居している自宅であることなどの事情によるも
のであり,本件財産分与は相当な範囲内で行われたものである。
第3 当裁判所の判断
1 争点1について
争いのない事実によれば,被告Dは本件連帯保証に先立ち,自分自身が原告
から保証人を立てて融資を受けたこともあり,さらに,被告D本人尋問の結果によ
ると,その経済的危険性も考慮して,あえて妻であった被告Eに知らせずに,通常
被告Eが保管していた実印を無断で持ち出して本件連帯保証契約の書面に署名
押印したというのであるから,本件連帯保証契約に際し,保証の意思が十分あった
ことは明らかである。被告らの主張は理由がない。
2 争点2について
争いのない事実によると本件所有権移転登記手続申請は,訴外会社の事実上
の倒産と同日に行われていること,さらに,被告両名の本人尋問の結果によると,
本件所有権移転登記手続は,被告Dが訴外会社が倒産したようで代表者の行方
が分からなくなったとの情報に接して呆然とし,被告Eにその事実及び実は訴外会
社の連帯保証人に被告Eに無断でなっていたことを告白し,被告Eが憤慨したこと
に端を発して,離婚届出を行い,さらに財産分与を行うことになったものであると認
められる。以上の事実によると,被告Eに詐害性についての認識があったことは明
らかである。被告らの主張は理由がない。
3 争点3について
離婚意思については,法律上の夫婦としての権利義務関係を解消する意思で
足りると解する。これを本件について検討する。
本件連帯保証契約は,前記1,2で判示したとおり,被告Eにあえて隠し,被告E
が保管していた実印を無断で持ち出して行われたもので,被告Dがこのような行為
をしたのは,同被告本人尋問の結果によると,一方で,友人であったKからの頼み
を断り切れず,また,Kが羽振りがよいという印象を持っていたため大丈夫だと思っ
て連帯保証人になることに同意したものの,他方で,連帯保証のもしもの場合の危
険を考えると堅実な性格の被告Eが賛成するはずがなく,また,被告EはKを信用
できない好ましくない人物と思っていることも感じていたという,幾分矛盾した感情
及び考えの板挟みにあった上でのことであったと認められる。そして,これらの事
情について被告Dは被告Eに問いただされて,ほぼ正直に告白していることも被告
両名の本人尋問からうかがわれる。そして,被告両名本人尋問の結果によると,
被告Eはこの被告Dの告白により,はじめて事態を知り,それまで長年の献身苦労
の甲斐があって,成人しているものの独立はしていない娘二人の独立を援助し見
届けた後,安定・安心した老後を送ることができるものと思っていたのが,突然,生
活不安と老後の不安に直面させられ,しかも,それが,自分を信頼せずにあえて自
分に無断で行った被告Dの軽率な行為によることを知り,驚き,憤慨,不安などの
感情が一気にわき起こり,被告Dを許せないという気持ちが大変強まり,それまで
考えたこともなかった離婚ということを本気で考え,被告Dも自責の念からこれに応
じることとした結果,被告両名の合意により離婚届提出と本件財産分与を行うこと
となったと認められる。
以上の事情によると,被告Eに被告Dの背信性にいわば愛想を尽かして,正式
離婚を希望する意思が十分あり,被告Dもこれを認め応じたと考えられる。同居生
活の途絶が離婚意思の存否と関係ないことは言うまでもなく,また,実質的な婚姻
関係解消の動機は前記認定のとおり十分認められる以上,同居生活の継続をもっ
て,偽装結婚と評する根拠はない。したがって,原告らの主張は理由がない。
4 争点4について
民法768条3項が規定する財産分与は,離婚に際して婚姻中の実質上の共同
財産を清算分配するとともに,離婚後の相手方の生活の維持及び有責配偶者に
よる相手方に生じた精神的損害に対する賠償の意味も含めて決定されるべきもの
であり,そのような趣旨に反して不相当に過大であり,財産分与に仮託してされた
財産処分であると認められるような特段の事情がない限り,詐害行為取消の対象
とならないが(最高裁判所昭和58年12月19日第2小法廷判決・民集37巻10号
1532頁),このような事情がある場合には不相当に過大な部分について,その限
度で詐害行為として取り消されるべきもの(最高裁判所平成12年3月9日第1小法
廷判決・民集54巻3号1013頁)と解される。そして,不相当に過大で,財産分与
に仮託してされたと言うべきか否かの判断基準については,当事者の合意が整わ
ず家庭裁判所の審判により決せられる場合と全く同じ基準で考えて,それを上回る
部分は直ちに取消の対象になるとすべきか,当事者間の協議により決定される性
質上,自ずとそれよりある程度の幅があるという前提で取消の対象になるかならな
いかを検討すべきかという問題があり,この点については上記2つの最高裁判所
判例は直接判示していない。私は,この点について,協議で定まる場合について
は当事者の合理的意思が尊重されるべきことを考慮して,後者の考え方に立ち,
財産分与の額を決定するにあたり考慮すべき要素それぞれについて,どの程度の
額まで合理性を認めることができるかという観点から検討すべきであると考える。
そして,このように考えることが,前記昭和58年最高裁判所判決の「そのような趣
旨に反して不相当に過大であり,財産分与に仮託してされた財産処分であると認
められるような特段の事情がない限り」という判示の趣旨に合致すると解する。
これを本件について検討する。
争いのない事実及び被告両名本人尋問により認められる事実を総合すると被
告両名の離婚届提出に至るまでの婚姻生活は以下のとおりである。
被告Dと被告Eは昭和46年に婚姻届出して以来平成11年3月まで,約28年間
夫婦として生活していたが,被告Eは平成4年から平成9年まで約5年間パートに
出て月収12万円ほどを得ていたことを除き,定職に就いていたことはなく,被告D
の仕事をたまに手伝うことがあるくらいで,基本的には主婦として被告Dが安心し
て仕事に向かえるよう家事全般をこなし,2人の子どもの養育や被告Dの老母の世
話を行うなどしてきた。被告Eは堅実で慎ましい生活をしており,被告Dには親から
の遺産が相当あり,また,個人事業で収入も概ね平均以上にあったが,自分の好
みにより贅沢な出費をするようなことはなかった。
そして,被告Dの軽率かつ被告Eに対して背信的な本件連帯保証により,老後
の不安に直面させられているが,これがなければ,被告Dの営む事業は順調であ
り,被告D自身が原告から借り入れた返済も収入から滞りなく行っていることを考え
ると,被告Eは老後を安定した生活基盤の上で送ることができることはほぼ約束さ
れていた状態であり,被告Eの失ったものはまことに大きく,その原因は,ひとえ
に,あえて妻に無断で軽率な連帯保証をした被告Dにあるのであって,この事情は
財産分与の相当性を考慮する際に十分斟酌されるべきである。
ところで,被告Dの資産の主要部分が父親からの相続財産またはそれを原資と
して取得されたものであることは,当事者間に争いがなく,一般の家事審判におい
て財産分与について判断される場合には,婚姻生活中に夫婦共同の生活に関連
して取得された資産の額を明らかにし,それに対する貢献度を割合的数字で判定
し,これを乗じた額を基本として,その他の要素はこれを補充修正するものとされ,
その際,相続によるものは固有資産として除外されるという扱いが,多く行われ,
ほぼ通例といっても良いと思われるが,このような考え方は,あらゆるケースで合
理性を持つとは限らず,破綻に関する責任が分与者に全面的にあり,かつ,破綻
により相手方が老後の生活不安にさらされるような場合は,扶養的な要素や慰謝
料的な要素を中心として,分与額が決められる方がより合理性を持つと考えられ,
また,清算的な要素についても,現有資産の増殖維持にどの程度の貢献があった
かという観点のみならず,配偶者としての努力労力を別の形で使いその収入から
自己名義のなどをしていたらどの程度になったかといった労力自体を経済的に評
価  する観点も加えて検討すべきであり,本件の事例はまさにそのような場合に
当たる。
清算的な要素としては,財産増殖維持についての貢献度としては,被告Dの資
産が相続によるものであり,この相続が昭和57年であるから,その後の約12年
間についての維持に関する貢献にとどまり,これは,最大限見ても資産の1割5分
程度であろう。これに,28年間主婦として尽くしてきた労力を考慮にいれても,離
婚時の積極財産の総額が約9614万9000円であるから,清算的要素から合理
性が見いだせる金額は最大2000万円程度であると考える。
次に,慰謝料的要素について検討すると,被告Eが慎ましく主婦としての役割を
28年間にもわたり果たしてきたにもかかわらず,被告Dの軽率かつ背信的でさえ
ある行為によって,安定した老後を過ごす期待を奪われたことによる損失は大き
く,2500万円程度まで合理性が見いだせると考える。
さらに,扶養的要素を検討するが,扶養的要素については,ほかの要素を基に
算出した金額では離婚後の生活の不安が残る場合に補充的に考慮されるべき性
質を持つと考えるので,ほかの要素から4500万円程度の額を合理性のある金額
として導き出しており,これは老後の生活資金として十分な額であるから,これに加
えて扶養的な要素に基づく金額をさらに加算すべき必要性は見いだせない。
以上の検討により,合理性が見いだせる財産分与の額は金銭に換算すると45
00万円弱が上限であり,これを超える部分は不当に過大であって, 財産分与に
仮託した資産隠しと評価される。したがって,本件財産分与の評価額が約87533
万3000円であるから,その半分については明らかに過大な部分と認められ,詐
害行為として取り消されるべきものと考える。
そして,本件不動産は住宅の土地建物であり,そのうち敷地の評価額が評価額
合計の大半を占めているため,物件を適宜分けることによって適切に取消対象物
件を取り消すべき範囲と一致させることはできないので,全物件について,その持
ち分2分の1を取消の対象とするほかない。
ところで,この場合は登記手続においては,一部を抹消する更正登記手続によ
るべきで抹消登記手続はできないと解され,また,全部についての抹消登記手続
を求める訴えに対して,実質的に一部抹消の更正登記手続を判決で命ずること
は,一部認容として処分権主義に違反するものではない(最高裁判所昭和38年2
月22日第2小法廷判決民集17巻1号235頁)。したがって,本件不動産それぞれ
についての所有権移転登記について持ち分各2分の1について実質的に抹消する
更正登記手続を命じることとした。
5 まとめ
以上の次第で,原告の被告Dに対する保証債務履行請求には全て理由があ
り,詐害行為取消請求には一部理由があるので,主文のとおり判決する。
福井地方裁判所敦賀支部
裁判官柳本つとむ
別紙
物件目録1
1  所在   敦賀市a町
地番    b番
地目    宅地
地積    896.14平方メートル
2  (主たる建物の表示)
所在    敦賀市a町b番地
家屋番号  b番のc
種類    居宅
構造    木造瓦葺2階建
床面積   1階  139.80平方メートル
      2階   56.55平方メートル
(附属建物の表示)
符号    1
種類    車庫
構造    コンクリートブロック造陸屋根平家建
床面積   35.89平方メートル
                                  以上
別紙
物件目録2
種類    所在             評価額
1  宅地    敦賀市a町b番    8154万8000円
2  宅地    同市a町d番     418万1000円
3 宅地    同市a町e番     88万9000円
4  宅地    同市a町f番    264万4000円
5  居宅店舗  同市a町g番地ほか  90万2000円
6  居宅    同市a町h番地ほか  540万5000円
7  車庫    同市a町i番地    58万円
評価額合計 9614万9000円
(評価額は土地については平成10年度路線価,建物については平成10年度 固
定資産税評価額による)
(本件不動産は1,6,7)
(4については被告Dの持ち分は3分の1)
                                  以上

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛