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平成25年12月25日判決言渡
平成25年(ネ)第10076号著作権侵害差止等請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成23年(ワ)第785号)
口頭弁論終結日平成25年11月13日
判決
控訴人兼被控訴人X
(以下「第1審原告」という。)
同訴訟代理人弁護士北村行夫
同杉田禎浩
同大井法子
同杉浦尚子
同吉田朋
同石新智規
同雪丸真吾
同芹澤繁
同亀井弘泰
同井上乾介
同山本夕子
同岩田裕介
同名畑淳
同迎田由紀
同近藤美智子
被控訴人兼控訴人株式会社デアゴス
ティーニ・ジャパン
(以下「第1審被告」という。)
同訴訟代理人弁護士遠山友寛
同金子剛大
同補助参加人株式会社スタジオタック
クリエイティブ
同訴訟代理人弁護士出縄正人
同小野顕
同髙橋祥子
主文
1第1審被告の控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
(1)第1審被告は,第1審原告に対し,11万円及びこれに対する平成22年
9月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2)第1審被告は,別紙写真目録1記載の写真に第1審原告の氏名を表示しな
い限り,同写真を複製し又は公衆送信してはならない。
(3)第1審被告は,別紙写真目録1記載の写真に第1審原告の氏名を表示しな
い限り,別紙書籍目録記載の書籍を出版,販売又は頒布してはならない。
(4)第1審被告は,別紙写真目録1記載の写真に第1審原告の氏名を表示しな
い限り,その運営するウェブサイト内のウェブページ(URLは別紙URL
目録記載のもの)から同写真を削除せよ。
(5)第1審被告は,別紙写真目録1記載の写真に第1審原告の氏名を表示しな
い限り,別紙書籍目録記載の書籍の8頁における同写真を掲載した部分を廃
棄せよ。
(6)第1審原告のその余の請求をいずれも棄却する。
2第1審原告の控訴を棄却する。
3訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを4分し,その3を第1審原告の負担
とし,その余は第1審被告の負担とし,補助参加によって生じた費用は,第1,
2審を通じてこれを4分し,その3を第1審原告の負担とし,その余は第1審
被告補助参加人の負担とする。
4この判決は,1(1)ないし(5)に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1第1審原告
(1)ア原判決中,第1審原告敗訴部分を取り消す。
イ第1審被告は,第1審原告に対し,730万1243円及びこれに対す
る平成22年9月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払
え。
(2)第1審被告の控訴を棄却する。
(3)訴訟費用は,第1審,2審とも,第1審被告の負担とする。
(4)仮執行宣言
2第1審被告
(1)ア原判決中,第1審被告敗訴部分を取り消す。
イ上記取消部分につき第1審原告の請求をいずれも棄却する。
(2)第1審原告の控訴を棄却する。
(3)訴訟費用は,第1審,2審とも,第1審原告の負担とする。
第2事案の概要
1本件は,職業写真家である第1審原告が,出版社である第1審被告に対し,
別紙写真目録1記載の写真(写真番号QP3K4517。以下「本件写真」と
いう。)の著作権が第1審原告に帰属するのに,第1審被告は,第1審原告の
承諾なく,別紙書籍目録記載の書籍(以下「本件書籍」という。)に本件写真
を掲載し,第1審原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権(公
表権,氏名表示権,同一性保持権)を侵害したなどと主張して,(1)不法行為
に基づく損害賠償請求として790万円(附帯請求として本件書籍の発行日で
ある平成22年9月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅
延損害金)の支払,(2)著作権法112条1項に基づく差止請求として,ア
本件写真の複製,公衆送信又は改変の禁止,イ本件写真を複製した本件書籍
の出版,販売又は頒布の禁止,(3)同法2項に基づく廃棄請求として,ア被
告の運営するウェブサイト内のウェブページからの本件写真の削除,イ本件
書籍の廃棄を求めた事案である。
原判決は,本件写真の著作権は第1審原告に帰属し,第1審被告が本件書籍
に本件写真を掲載した行為は,第1審原告の著作権(複製権,公衆送信権)及
び著作者人格権(公表権,氏名表示権,同一性保持権)を侵害するものである
とした上で,上記(1)の請求につき59万8757円及びこれに対する平成22
年9月21日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を命じる
限度で,上記(2)及び(3)の請求につき全部,第1審原告の請求を認容した。
これに対し,第1審原告及び第1審被告の双方がそれぞれの敗訴部分につき
控訴した。
2前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり原判決を補正
するほかは,原判決「事実及び理由」の第2の1ないし3記載のとおりである
から,これを引用する(以下,原判決を引用する場合は,「原告」を「第1審
原告」と,「被告」を「第1審被告」と,それぞれ読み替える。)。
(1)原判決7頁15行目,9頁12行目,13頁22行目,18頁20行目,
19頁1行目,同頁2行目,20頁6行目,同頁16行目,21頁1行目,
22頁11行目,23頁19行目,同頁20行目の各「補助参加人の主張」
をいずれも「第1審被告及び補助参加人の主張」と改める。
(2)原判決7頁23行目の「A」を「A(以下「A」という。)と改める。
(3)原判決7頁24行目の「行った。」の次に「なお,Aは,自動二輪車の書
籍を多数扱ってきた補助参加人の従業員として約5年にわたり自動二輪車の
撮影を多数行ってきた者である。」を加える。
(4)原判決19頁2行目冒頭に「(ア)」を加える。
(5)原判決19頁11行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「(イ)また,補助参加人は,平成18年発行の「機械式時計バイブル」とい
う補助参加人の書籍(丙33)のために第1審原告が撮影を行った写真
を,平成21年に,「機械式時計バイブル」の記事や他のカメラマン(補
助参加人従業員を含む。)の写真とともに,第1審被告同様に模型付き
のパートワーク出版物の販売を行うアシェット・コレクションズ・ジャ
パン株式会社(以下「アシェット社」という。)に対して販売した際に,
原稿制作者,イラストレーター及び第1審原告を含むカメラマンに対し
て,「機械式時計バイブル」製作時の支払額の10%を支払うことにし
た。第1審原告撮影の写真に関する権利は「買取り」であるため,上記
金銭を支払う必要はなかったが,支払額が6600円と少額であったた
め支払うこととしたものである。第1審原告は,上記金額を支払うこと
を伝えられ,異議を述べることなく承諾し,平成21年6月26日に補
助参加人から6600円を受領した(丙38,39,40及び41の1
ないし3)。このように,第1審原告は,アシェット社という第三者(し
かも,第1審被告同様に模型付きのシリーズ書籍の販売を行う第三者で
ある。)が第1審原告の写真を使用することについても認めていた(当
審における第1審被告の主張)。
(ウ)また,上記(イ)記載の事実に照らすと,第1審原告と補助参加人との間
では,第1審原告撮影の写真につき,少なくとも,①補助参加人は補
助参加人以外の第三者にも自由に使用させることができること,②そ
の場合,第1審原告はその対価を請求できるが,当該対価は補助参加人
に対してのみ請求可能であり,かつ,その金額は当初制作時の支払額の
10%程度であること,という内容の包括的使用許諾合意があったとい
える(当審における第1審被告の予備的主張)。」
(6)原判決19頁13行目冒頭に「(ア)」を加える。
(7)原判決19頁13行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「また,第1審被告の「機械式時計バイブル」の写真の販売の際におけ
る金銭受領に係る主張は,第1審被告の主張するように著作権譲渡合意
又は包括的利用許諾合意が存在するのであれば,本来支払う必要はない
ものであるのであるから,上記各合意の存在を否定するものである。
なお,上記金銭の支払は,第1審原告が補助参加人の撮影に関して立
て替えた機材の購入代金の支払であり,第1審被告の主張するような二
次利用料の支払ではない。
(イ)第1審被告の予備的主張は,控訴理由書において初めて主張されたも
のであるから,時機に後れた防御方法として却下されるべきである。ま
た,上記(ア)記載のとおり,第1審原告は,補助参加人から二次利用料の
支払を受けていないので,第1審被告の上記主張はその前提を欠く。」
(8)原判決20頁15行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「また,第1審原告は,元補助参加人従業員B(以下「B」という。)か
ら,「写真の権利は全てタックのものになるので,二次利用しようがどの
ように使おうがタックの自由です」,「二次利用しようが何に使おうが出
版社の自由ですからね」と説明を受け,これに異議を述べずに承諾してい
たのであるから,二次利用に当たってその方法(公表の有無や公表方法を
含む。)が制限されないこともまた承諾していた(当審における第1審被
告の主張)。」
(9)原判決21頁8行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「また,第1審原告は,Bから,前記ア(第1審被告及び補助参加人の主
張)記載のとおりの説明を受け,これに異議を述べずに承諾していたので
あるから,二次利用に当たってその方法(氏名表示の有無や氏名表示方法
を含む。)が制限されないこともまた承諾していた(当審における第1審
被告の主張)。」
(10)原判決23頁17行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「(エ)また,第1審原告は,Bから,前記ア(第1審被告及び補助参加人の
主張)記載のとおりの説明を受け,これに異議を述べずに承諾していた
のであるから,二次利用に当たってその方法(改変の有無やその程度を
含む。)が制限されないこともまた承諾していた(当審における第1審
被告の主張)。」
(11)原判決27頁13行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「出版物に使用される写真の権利処理の実態,すなわち,従来,職業写真
家の撮影した写真を出版物に使用するに際して,著作権等の権利処理につ
いて書面が交わされることはほとんどなく,当事者が口頭で合意するのが
業界慣行であることに照らすと,本件のように,出版社が編集業務をパッ
ケージャーに委託している場合,成果物に使用される全ての写真について
著作者や著作権者との間の権利処理に関する合意書面を提出させて,権利
処理がなされていることを確認することまで要求することはあまりに非現
実的で過大な義務を出版社に課すことになる。したがって,出版社がパッ
ケージャーに写真の入手先を開示させ,かつ上記の表明保証をさせること
で調査・確認義務は果たされているものと評価すべきである。」
(12)原判決31頁19行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「(オ)仮に114条2項の適用に当たり,著作権者に,侵害者による著作権
侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在す
ることが要件となるとしても,その要件を充足するためには,利益を得
られる一応の蓋然性があれば足りると解される。そして,第1審原告が,
補助参加人に対し,本件写真と同一機会に撮影され構図も同一である写
真(丙10)を複製することを許諾し使用料を受領していること,本件
写真が本件書籍に採用されているので本件写真は高い魅力を持った作品
であるといえ,今後繰り返し利用される可能性があったのに,第1審被
告の本件書籍の発行によりその可能性が低下し,第1審原告が新たに利
用料を得る機会を奪われたことに照らすと,上記の蓋然性が存在する。」
(13)原判決36頁14行目末尾に「さらに,本件書籍には,今後の模型の組立
て工程や実車の走行シーンを収録したスタートアップDVDも付属している。
以上に照らすと,本件書籍の価値は,少なくとも販売価格全体の3分の1を
上回るものではない。」を加える。
(14)原判決36頁24行目の「さらに,」から37頁2行目の「認められない。」
までを次のとおり改める。
「さらに,本件書籍は,本文13頁に加え,本件書籍が「週刊ホンダCB
750FOUR」の創刊号であったことから,冒頭に「シリーズガイド」
が16頁にわたって掲載されており,これに表紙の裏表及び裏表紙を併せ
ると,全部で32頁となる。したがって,分量の点からいえば,本件写真
は全体の32分の1にすぎない。しかも,上記の読者の興味からすると,
本件書籍に掲載された複数の写真のうち,完成後の模型を撮影した写真の
方が関心を持たれることが明らかである。また,本件写真が掲載されてい
る頁には,各パーツに関する説明書きがいくつも加えられているため,本
件写真が掲載された頁における本件写真の寄与率は多く見積もって7,8
割程度である。そうすると,本件写真の寄与率は1%にも満たない。」
(15)原判決37頁12行目の「以上を踏まえて,」から同頁17行目の「相当
である。」までを次のとおり改める。
「そして,本件写真と類似したバイクのエンジンを撮影した複数の写真が
インターネットの写真素材提供サイトにおいて最大サイズのものでも31
50円(税込)で販売されていること(乙9)に照らすと,一般的な相場
として,本件写真を使用する場合の著作権使用料は3150円である。ま
た,前記(1)エ(第1審被告及び補助参加人の主張)(ア)記載のとおり,過
去に第1審原告が補助参加人の依頼を受けて撮影した写真を補助参加人以
外の第三者が書籍に使用した際,当初製作時に支払われた金額の10%の
金額が支払われているところ,本件写真の撮影業務に対して,補助参加人
が当初製作時に支払った金額は2万2000円であるから(丙11),二
次利用に際して原告が受領すべき著作権使用料はその10%に当たる22
00円である。
以上によれば,第1審原告が本件写真の二次利用により受けるべき金銭
の額は2200円ないし3150円程度である。なお,仮に著作権侵害(第
1審被告の過失を含む。)が認められるとしても,第1審被告が補助参加
人に対して本件写真の使用の対価を支払っていることや,第1審被告がテ
ックデザインを通じて第三者の著作権等を侵害しないための方策を講じて
いたこと等の事情に鑑みれば,本件において,第1審原告の被った損害の
額を一般の相場から大幅に増額すべき事情は存在しない。」
第3当裁判所の判断
当裁判所は,第1審原告の請求は,本件写真に係る第1審原告の氏名表示権
の侵害に基づく損害金11万円及びこれに対する平成22年9月21日から支
払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払,主文掲記の限度
での本件写真の複製又は公衆送信の差止め,本件書籍の出版,販売又は頒布の
差止め,第1審被告の運営するウェブサイト内のウェブページ(URLは別紙
URL目録記載のもの)から本件写真の削除,及び,本件書籍の廃棄を求める
限度で理由があるが,その余はいずれも理由がないものと判断する。
その理由は以下のとおりである(以下,掲記した証拠に枝番がある場合には
枝番を含む。)。
1本件写真についての著作権の侵害の有無
(1)第1審原告が本件写真の著作者(創作者)であるか(争点1-1)につい

原判決を次のとおり補正するほかは,原判決第3の1(1)記載のとおりであ
るからこれを引用する。
ア原判決38頁13行目の「補助参加人」を「第1審被告及び補助参加人」
と改める。
イ原判決38頁23行目の「Aは,」から同頁26行目末尾までを「Aは,
書籍の編集者としての立場から,読者が好む写真を作成するために必要な
要望を伝えたものであって,それを踏まえ第1審原告が上記ア認定のとお
り写真の撮影をする中で本件写真を撮影したものであり,上記要望の域を
超えて写真の創作的内容についての具体的指示をしたものと認めることは
できない。」と改める。
(2)本件写真の創作が職務著作に当たるか(争点1-2)について
原判決39頁5行目の「補助参加人」を「第1審被告及び補助参加人」と
改め,同40頁3行目の「平成22年7月頃まで」を「平成22年7月中旬
頃まで」と改め,同頁15行目の「自ら準備し,」の次に「前記(1)ア認定の
とおり」を加えるほかは,原判決第3の1(2)記載のとおりであるからこれを
引用する。
(3)本件写真に係る著作権の譲渡の有無(争点1-3)及び包括的利用許諾の
合意の有無(争点1-4)について
ア上記引用に係る原判決第3の1(2)イ認定の事実,証拠(甲14,丙25,
27,証人A,同B,第1審原告本人(一部),補助参加人代表者)及び
後記括弧内記載の各証拠並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認めら
れる。
(ア)第1審原告は,平成16年頃から平成22年7月中旬頃まで,補助参
加人の依頼を受けて,写真撮影を行い,撮影した写真フィルムないし電
子データを納品し,補助参加人から,交通費のほか,報酬(日当名目)
として1日2万2000円(平成19年8月頃からは2万5000円)
を受領していた。本件写真の撮影された平成18年における補助参加人
の依頼による第1審原告の撮影日数は合計108日間であり,それによ
って得た報酬は237万6000円であった。
第1審原告は,平成16年以降,写真フィルムを用いて写真を撮影し
ていた当時は,補助参加人から預かった写真フィルムにつき,撮影後自
ら現像することなく,写真フィルムを補助参加人に渡しており,しかも,
基本的にはその返還を求めておらず,個展で使用する際には,補助参加
人代表者であるC(以下「C」という。)に「使わせてください」と承
諾を求めていたこともあった。
また,補助参加人は,平成16年頃から平成22年7月中旬頃までの
間に,多数回にわたり,第1審原告撮影の写真を二次利用した書籍を発
行しているものの,その際には,第1審原告の承諾を得ることはしてお
らず,事後的に第1審原告に対し,補助参加人発行の書籍を贈呈してい
るだけである(丙13,15,17,19,21,22,26)。これ
に対し,補助参加人のこのような二次利用に対して第1審原告が異議を
述べたことはないし,利用料の請求をしたこともない。
この点,第1審原告は補助参加人による二次利用に気付かなかった旨
供述するものの,上記各書籍にはいずれも写真が第1審原告によるもの
であることを示す表示がされており,中にはタイトルの下に掲載された
写真が第1審原告によるものであることが記載されているもの(丙15)
や,写真撮影者として第1審原告のみが挙げられているもの(丙17)
も存在することに加え,多数の第1審原告撮影の写真が二次利用されて
いる書籍も存在することも併せ考えると,第1審原告の上記供述を直ち
には採用し難く,第1審原告は,上記の写真の二次利用による書籍出版
の事実を知っていたものと推認される。
(イ)補助参加人は,前記期間において,他社において出版される書籍につ
いて,第1審原告撮影の写真を二次利用する際にも,第1審原告からそ
の都度承諾を得ることはしておらず,第1審原告がこれらの二次利用の
際に新たに利用料等を請求した事実もない(ただし,後記イ(ウ)は,その
例外として,他社による出版の際に,第1審原告に対し,金銭の支払が
なされたケースである。)。
(ウ)Cは,尋問において,写真撮影者の採用面談の際に,撮影に関する権
利は全て「買取り」であることを説明しているし,第1審原告の採用面
談でも,撮影した写真が「買取り」であることを説明した旨供述してい
る。Bは,その証人尋問において,補助参加人で勤務していた際には,
カメラマンと初めて仕事をするときに,写真に関する権利は全て補助参
加人のものになり,二次利用をしようがどのように使おうが補助参加人
の自由である旨説明しており,第1審原告と初めて仕事をした時にも同
様の説明をした旨証言している。
上記2名の供述及び証言は,それぞれが説明の際に用いた具体的な文
言は異なるものの,「買取り」という語の一般的な意味(丙31)が「買
って自分の物とすること」というものであることに照らすと,補助参加
人の依頼を受けたカメラマンの撮影した写真の権利処理に関しおおむね
同一の内容について説明したとするものであり,この点で符合している
ほか,説明時の状況や内容について具体的に述べるものである。しかも,
Bは,尋問の時点では既に補助参加人を退職している上に(丙27),二
次利用の際には必ず写真家の名前を入れるようにしていた(証人B13
頁)などと,第1審被告らの本件訴訟における主張と必ずしも整合する
とはいえない内容についても率直に証言している。
他方,第1審原告は,C及びBから上記説明を受けたことを否定する
供述をするものの,その供述内容は単に説明を受けたことを否定するに
すぎないものである上に,Cとの面接の際の記憶もあまりない旨述べる
(第1審原告本人12頁ないし13頁)など,その供述を直ちには採用
し難く,C及びBの供述及び証言の方がより信用できる。
このC及びBの上記供述及び証言によれば,CやBは,第1審原告に
対し,写真に関する権利の「買取り」,あるいは写真に関する権利は全
て補助参加人のものになり,二次利用をしようがどのように使おうが補
助参加人の自由であることを説明したものであると認められ,両者間で
同趣旨の合意があったものと推認される。第1審原告が,この合意を前
提とした補助参加人の依頼を受けて,前記期間を通じて写真撮影を継続
してきたことは,第1審原告が,補助参加人に対し,撮影した写真フィ
ルムを渡し,その返還を求めておらず,また,平成16年頃から平成2
2年7月中旬頃までは,書籍の出版による撮影した写真の二次利用につ
いても何ら異議を唱えておらず,その利用料も請求していなかったとの
前記(ア)及び(イ)認定の事実とも符合する。
イ(ア)第1審原告は,上記ア(ウ)の権利に関する包括的合意は存在しない旨の
供述をし,甲14号証(第1審原告の陳述書)にもこれに沿う記載があ
る。しかし,第1審原告の供述を採用し得ないことは前記ア(ウ)のとおり
である。
(イ)証拠(甲12,14,第1審原告本人,補助参加人代表者)及び弁論
の全趣旨によれば,補助参加人は,平成20年8月頃,第1審原告に対
し,第1審原告撮影の写真の複製物を,その被写体の提供者に対し交付
することについて,承諾を求めているとの事実が認められる。
しかし,補助参加人は,被写体の提供者等である第三者らが写真を欲
しいと言った場合等,出版に利用されない,すなわち商業的利用とはい
えない場合には写真撮影者にとって想像もし得ないような使われ方をさ
れる危険性があることなどから,事前に写真撮影者の了承を得るように
していたものであり(丙27,証人B3頁ないし4頁,9頁ないし11
頁,補助参加人代表者11頁ないし12頁),著作物の著作権が譲渡さ
れた場合であっても著作者人格権はそれに伴い移転するものではないこ
とも併せ考えると,補助参加人が写真撮影者の了解を得ていたことは不
合理なものとはいえない。そうすると,補助参加人が,第1審原告に対
し,第1審原告撮影の写真について,その複製物を被写体の提供者に対
して交付することの承諾を求めたとしても,そのことをもって,補助参
加人と第1審原告との間で前記アの写真の権利に関する包括的合意があ
ったとの事実と何ら矛盾するものではない。なお,甲第12号証の補助
参加人の社員から第1審原告に宛てたメールの「以前の許可」との記載
は,同メールの送付前に,第1審原告が,上記第三者に対し直接写真の
複製物の交付について了承していたことを指すものであるので(第1審
原告本人7頁),上記の「以前の許可」の記載をもって,上記認定が左
右されるものではない。
(ウ)また,証拠(丙33ないし41)によれば,補助参加人は,平成18
年発行の「機械式時計バイブル」という補助参加人出版の書籍(丙33)
のために第1審原告が撮影した写真を,平成21年に上記書籍の記事や
他のカメラマン(補助参加人従業員を含む)の撮影した写真とともにア
シェット社に対して販売した際,原稿制作者,イラストレーター及び第
1審原告を含むカメラマンに対して,上記書籍製作時の支払額の10%
に相当する額(第1審原告については6600円である。)を支払って
いることが認められる。
しかし,第1審原告が,上記支払が上記販売に関連するものであるこ
とを否認し,第1審原告が補助参加人の撮影に関して立て替えた機材の
購入代金の支払である旨主張していること(平成25年10月31日付
け答弁書3頁ないし4頁)などからすると,補助参加人が上記金銭を支
払った趣旨は証拠上明確ではない。もっとも,補助参加人が,第1審原
告に対し,上記販売について,第1審原告が撮影した写真の二次利用の
ために承諾を求めたとの事実はそもそもうかがえないし,上記金銭の支
払を除外すると,補助参加人が平成16年頃から平成22年7月中旬頃
までの間に,自社で出版したり,他社に利用許諾し,第1審原告撮影の
写真を商業利用目的(出版目的)で二次利用した際にその承諾を求めたと
か,その利用料を支払ったとか,第1審原告がこれを請求したとの事実
がないことは前記認定のとおりであり,上記金銭の支払の趣旨は,不明
であるといわざるを得ず,上記金銭支払の事実をもって,前記ア(ウ)の包
括的合意の認定が左右されるものとはいえない。
(エ)証拠(甲13,14,丙25,第1審原告本人,補助参加人代表者)
及び弁論の全趣旨によれば,第1審原告が補助参加人出版の書籍「フラ
ワーソープのアレンジメント」のために撮影した写真について,同書籍
の監修者がそのホームページに使用するに当たり,第1審原告が,平成
22年10月頃,補助参加人に対し「書籍外写真使用許諾料」とし
て2万5000円を請求し,補助参加人がその頃第1審原告に対し同額
を支払ったことが認められる。
この「フラワーソープのアレンジメント」に関する上記2万5000
円の支払は,平成22年6月下旬頃,「フラワーソープのアレンジメン
ト」の監修者が自らのホームページに使うために第1審原告撮影の写真
の大部分の複製物の交付を要望したところ,第1審原告が異議を述べた
ことを発端とするものであって(丙25,補助参加人代表者5頁),利
用形態も,出版とは関係がないものであり,商業目的(出版目的)の二
次利用とは解し難いものである(補助参加人代表者5頁,12頁)。そ
して,上記の請求(甲13)及び金銭の支払の経緯についてみても,補
助参加人が,第1審原告に対し,平成22年9月28日付け「請求書送
付のお願い」と題する文書(丙23)により,「フラワーソープのアレ
ンジメント」の写真撮影に係る日当に関し同年8月25日付けとする請
求書の送付を依頼し,さらに,同月30日付で,実際には撮影が行われ
ていないにもかかわらず,第1審原告に対し,上記文書には「弊社費用
持ちにて,相手様のご希望の撮影をしていただくというお約束の分が含
まれておりませんでした。請求書にその分の日当25,000円も一緒
に記載してお送り下さい。」との記載のあるメール(丙24)を送付し
たのに対し,第1審原告が同額を許諾料として請求したものであること
が認められる(甲13,丙23ないし25,第1審原告本人8頁,15
頁,補助参加人代表者5頁,11頁ないし15頁)。以上の事実及び前
記ア認定の事実の経過に照らすと,補助参加人は,上記認定のとおり異
議を述べた第1審原告との紛争を穏便に解決するために上記金銭を支
払ったものであり,同金銭につき,第1審原告撮影の写真を二次利用す
るための利用料であることを前提として行動していたものとはいえず,
上記金銭の支払の事実をもって,補助参加人が,第1審原告に対し,「フ
ラワーソープのアレンジメント」の監修者が自らのホームページに第1
審原告撮影の写真を使用することの利用料を支払ったものと評価する
ことはできない。
ウ以上によれば,第1審原告は,平成16年頃から平成22年7月中旬頃
までの間は,補助参加人との間で,補助参加人の依頼により撮影した写真
に関する権利は全て補助参加人に譲渡するとの,いわゆる買取りの合意の
下に,補助参加人から依頼されて多数の写真を撮影してその収入を得てい
たものと認められ,このような包括的な合意があったことは,第1審原告
が,撮影した写真フィルムについても,補助参加人に渡したままその利用
を委ねていたことや,その後,多数回にわたり,その写真が二次利用され,
別の書籍等が出版されることになっても,第1審原告が,事前の承諾を求
めることもなく,二次利用の利用料の支払もなく,かつ当該書籍が出版さ
れていることを知っていたものと推認される立場にありながらも,上記期
間内は何らの苦情を述べてきていないとの事実とも符合するものである。
もっとも,この包括的合意の趣旨が,写真の著作権の補助参加人への譲渡
であるか,それとも将来の補助参加人ないし他社による書籍出版その他に
おける二次利用も含めた包括的許諾であり,その対価については,当初の
撮影時の支払によるものとするとの合意であるかについては,これが口頭
による合意であり,書面による明確な合意ではないこと,及び,そのため
か,補助参加人においても過去において前記イ(ウ)及び(エ)のようなやや不
明瞭な対応をしたこともあったことなどの事情を総合的に考慮すれば,上
記包括的合意の趣旨は,著作権の譲渡ではなく,上記のような包括的許諾
の趣旨であったものと認めるのが相当である。そうすると,上記期間内に
撮影された本件写真の著作権についても,上記包括的合意に基づき,第1
審原告から補助参加人に対し,その二次利用も含め,包括的許諾がなされ
たものと認められる。
(4)よって,第1審原告の本件写真の著作権に基づく請求は,その余の点につ
いて判断するまでもなく,いずれも理由がない。
2本件写真についての著作者人格権の侵害の有無
(1)公表権の侵害の有無(争点2-1)について
本件写真は,未公表の著作物であった(前記前提事実(3)イ)。そして,前
記1(3)認定のとおり,補助参加人は,第1審原告から本件写真の利用につい
て包括的許諾を受けているのであるから,第1審原告は,補助参加人(ない
しは補助参加人から本件写真の著作権の利用の許諾を受けた者)において本
件写真が利用ないし二次利用され公衆に提供されることについて包括的に同
意したものと認められる(著作権法18条2項1号参照)。
そうすると,第1審原告の公表権侵害の主張は理由がない。
(2)氏名表示権の侵害の有無(争点2-2)について
次のとおり補正するほかは,原判決第3の2(2)記載のとおりであるからこ
れを引用する。
ア原判決44頁19行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「これに対し,第1審被告は,第1審原告は,Bから,「写真の権利は
全てタックのものになるので,二次利用しようがどのように使おうがタ
ックの自由です」,「二次利用しようが何に使おうが出版社の自由です
からね」と説明を受け,これに異議を述べずに承諾していたのであるか
ら,二次利用に当たってその方法(氏名表示の有無や氏名表示方法を含
む。)が制限されないこともまた承諾していた旨主張する。
しかし,Bは,二次利用する際には,写真家の氏名を必ず入れていた
旨供述している上に(証人B13頁ないし14頁),補助参加人又はア
シェット社が第1審原告の写真を二次利用した書籍においても第1審原
告の氏名が表示されていること(丙7,9,13,15,17,19,
21,35,36)も併せ考えると,Bが第1審原告に対し上記説明を
行っていたとしても,これをもって,第1審原告が,第1審原告撮影の
写真の二次利用に当たってその方法(氏名表示の有無や氏名表示方法を
含む。)が制限されないことを承諾していたと認めるには足りず,他に
これを認めるに足りる証拠はない。
よって,第1審被告の上記主張を採用することはできない。」
イ原判決44頁20行目の「これに対し,補助参加人は,」を「また,第
1審被告及び補助参加人は,」と改める。
(3)同一性保持権の侵害の有無(争点2-3)について
本件写真と本件掲載写真(別紙写真目録2参照)とを比較すると,本件掲
載写真には,前記前提事実(3)イ記載の態様の改変が加えられていることが認
められる。
しかし,前記1(3)認定のとおり,補助参加人は,第1審原告から本件写真
の利用ないし二次利用について包括的許諾を受けているものである上に,第
1審原告は,Cから,写真の権利について「買取り」との説明を受け,Bか
ら,写真に関する権利は全て補助参加人のものになり,二次利用をしようが
どのように使おうが補助参加人の自由である旨の説明を受けている。しかも,
補助参加人の書籍における第1審原告撮影の写真の用いられ方は,文章の内
容を補足して写真で説明したり,文章を理解しやすくするために用いられた
りするものも多く(丙6ないし9,12ないし21),「HONDACB750FourFILE.」
(甲1,丙5)に用いられた写真のように,比較的鑑賞用と考え得るもので
あっても,その被写体についての解説も併せて予定されていると解されるも
のである。しかも,「HONDACB750FourFILE.」(甲1)においては,本件写
真と同時に撮影された写真(丙10)から本件エンジン部分(背景部分の一
部を含む。)だけが切り出されて掲載されているほか,掲載された同写真の
下部には被写体のエンジンについて説明する文章が記載されている。また,
第1審原告撮影の写真を用いて補助参加人が出版した書籍において,第1審
原告撮影の写真上に説明のための矢印が挿入されているものも存在する(丙
16,18)。
以上によれば,少なくとも,第1審原告は,第1審原告の名誉・声望を害
しない限りにおいて,写真を切り出したり,あるいは,写真上に説明のため
の文章等を追加する等,出版される書籍における写真の利用目的に応じて必
要な限度での写真の改変については同意をしていたものと認めるのが相当で
ある。
そして,本件写真の改変の態様は上記認定のとおりであって,いずれも本
件書籍における写真の利用目的に応じた必要な限度のものにすぎず,しかも,
その改変態様に照らしても,改変が第1審原告の名誉・声望を害するものと
も認められない。
そうすると,第1審原告の同一性保持権侵害の主張は理由がない。
(4)著作者人格権不行使の合意の有無(争点2-4)について
補助参加人は,著作権の「買取り」とは,補助参加人従業員の管理下で撮
影された写真を補助参加人がどのように利用しようと異議を申し立てないと
の意であるから,著作者人格権を行使しないとの趣旨も当然に含まれる旨主
張する。
しかし,前記1(3)認定のとおり,Cは,第1審原告に対し,撮影した写真
について「買取り」である旨説明してはいるものの,著作者人格権の説明は
していないとも供述している上に(補助参加人代表者10頁),前記(2)認定
の事実も併せ考えると,Cの上記説明をもって,第1審原告と補助参加人と
の間で,著作者人格権(氏名表示権)不行使の合意があったとまでは認める
には足りず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。
よって,補助参加人の上記主張を採用することはできず,第1審原告は,
第1審被告に対し,著作者人格権(氏名表示権)を行使することができる。
3第1審被告の過失の有無(争点3)について
原判決を次のとおり改めるほかは,原判決第3の3記載のとおりであるから
これを引用する。
(1)原判決46頁13行目の「他人の」から同頁14行目の「(著作権法63
条1項,2項),」までを削り,同頁15行目の「著作権」を「著作権のみ
ならず著作者人格権」と改める。
(2)原判決46頁19行目及び同頁24行目の「著作権」をいずれも「著作者
人格権」と改める。
(3)原判決47頁6行目「果たしている」を「果たしており,出版物に使用さ
れる写真の権利処理の実態に照らすと,上記行為により調査・確認義務は果
たされているものと評価すべきある」と改める。
4損害額(争点4)について
以上のとおり,第1審原告の損害賠償請求は,氏名表示権侵害に基づく請求
についてのみ理由があるところ,その慰謝料としては,本件書籍における本件
写真の掲載態様や本件書籍の発行部数等,第1審被告の氏名表示権侵害の態様
に鑑みると,10万円と認めるのが相当である。
また,第1審被告が負担すべき弁護士費用相当額としては,本件における紛
争の内容,経過等に鑑みると,1万円と認めるのが相当である。
5まとめ
以上のとおり,第1審原告の不法行為に基づく損害賠償請求は,11万円及
びこれに対する本件書籍発行の日の後である平成22年9月21日から支払済
みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由が
ある。
また,第1審被告は,第1審原告の氏名を表示することなく本件写真を本件
書籍や第1審被告のウェブサイトのウェブページに掲載しているから,第1審
原告の氏名を表示しない限り,本件写真の複製又は公衆送信について差止めの
必要があると認められる。そして,第1審原告の氏名を表示しない限り,本件
写真を複製した本件書籍の出版,販売又は頒布についても同様であると認めら
れるから,著作権法112条1項に基づく差止請求は主文記載の限度で理由が
ある。
さらに,第1審被告ウェブサイトのウェブページからの本件写真の削除(た
だし,第1審原告の氏名を表示していないものに限る。)についても,その必
要があると認められる。他方,本件書籍は,本文13頁のほかに,「シリーズ
ガイド」が16頁にわたって掲載されており,これに表紙の裏表及び裏表紙を
併せると,全部で32頁となるものであるところ(乙8),本件写真の複製物
が本件書籍の8頁下欄に掲載されていることは前記前提事実(3)認定のとおり
である。第1審原告は,本件書籍全体の廃棄を求めているものの,第1審原告
の氏名表示権を侵害するのは上記頁だけであり,かつ同頁は可分であるから,
著作者人格権侵害行為の停止又は予防に必要な措置としては,本件書籍の上記
頁中,第1審原告の氏名を表示することなく本件写真を複製して掲載した部分
の廃棄を認めることで十分であり,本件書籍全体の廃棄を認める必要はない。
よって,第1審原告の著作権法112条2項に基づく廃棄請求は以上の限度で
理由がある。
第4結論
以上によれば,第1審原告の請求は,主文掲記の損害賠償請求及び遅延損害
金請求並びに差止請求及び廃棄等請求の限度で理由があり,その余は理由がな
く,これに反する原判決を主文の限度で変更することとし,また,第1審原告
の控訴は理由がないので,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官設樂一
裁判官西理香
裁判官神谷厚毅
(別紙)
書籍目録
書名「週刊ホンダCB750FOUR」第1号
発行第1審被告
発売第1審被告
発行日平成22年9月21日
定価690円
以上
(別紙)
URL目録
http://deagostini.jp/hcb/
http://deagostini.jp/hcb/series_guide.php#id3
以上

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