弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人佐藤義彌、同為成養之助の上告趣意第一点について
 憲法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは、偏頗や不公平のおそれのな
い組織と構成をもつ裁判所による裁判を意味するものであつて、原判決の事実認定
や証拠説明などが被告人から見て不当であるとしても、右憲法の条項に違反しない
ことは、当裁判所屡次の判例とするところであり(昭和二二年(れ)四八号同二三
年五月二六日大法廷判決、集二巻五号五一一頁、昭和二二年(れ)一七一号同二三
年五月五日大法廷判決、集二巻五号四四七頁)、刑訴四〇二条に「原判決の刑より
重い刑を言い渡すことはできない。」と規定した趣旨は、判決主文の刑、すなわち
実質的に考察して判決の結果を原判決の結果に比し被告人の不利益に変更すること
を禁ずるにある(昭和二五年(あ)二五六七号同二六年八月一日大法廷判決、集五
巻九号一七一五頁、昭和二三年(れ)一〇〇八号同年一一月一八日第一小法廷判決、
集二巻一二号一六二六頁)。それゆえ判決主文において実質的に被告人に不利益な
結果を生ずるような言渡をしないかぎり、単に一審判決と異り判決に証拠により判
示事実を認定した経過を示さなかつたからといつて、同条に違反するということは
できない。そして、刑訴三三五条一項は、本件のごとく一個の窃盗の事実を認定す
る場合に、所論のように証拠の標目を一括挙示することを禁じた趣旨であると解す
ることはできない。されば、原判決には所論のような違法はなく、論旨は、違憲を
いう点もあるが、その実質はすべて訴訟法違反の主張に帰し、上告適法の理由にな
らない。
 同第二点について
 憲法七六条三項にいう裁判官が良心に従うとは、裁判官が有形、無形の外部の圧
迫ないし誘惑に屈しないで自己の内心の良識と道徳感に従う意味であることは、当
裁判所の判例とするところであり(昭和二八年(あ)一七一三号同三二年三月一三
日大法廷判決、昭和二二年(れ)三三七号同二三年一一月一七日大法廷判決、集二
巻一二号一五六五頁)、原判決が、朝鮮人たる被告人及びこれに有利な朝鮮人たる
証人の証言を、朝鮮人なるがゆえに差別的な取扱をして、これを排斥した旨の事実
は、これを認めるに足る事蹟がないから、所論違憲の主張はその前提を欠き、論旨
は到底採用することができない。
 同第三点について
 所論は事実誤認、訴訟法違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上
告理由に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三二年六月七日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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