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主文
1原判決を取り消す。
2本件を大阪地方裁判所に差し戻す。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
主文同旨
第2控訴人らの請求の趣旨
経済産業大臣(以下「大臣」という)が,平成17年9月26日付けで,

A株式会社に対してした場外車券発売施設「α(大阪市β所在の土地(以下

「」。
))(「」
本件敷地というを敷地とする施設の設置許可処分以下本件許可
という)を取り消す。

第3事案の概要
1本件は,本件敷地の近隣において,居住し,事業を営み,又は病院等を開設
する控訴人らが,本件許可は場外車券発売施設の設置許可要件を満たさない違
法なものであると主張して,その取消しを求めた抗告訴訟である。
2原判決は,本件許可当時の自転車競技法(以下「法」という)4条2項等

関連法規が,一般的公益に加えて,場外車券発売施設の周辺地域において居住
等する住民等ないし場外車券発売施設の周辺地域に存在する学校その他の文教
施設又は病院その他の医療施設の設置者ないしこれらの文教施設に通学する学
生,生徒等ないしその保護者等及びこれらの医療施設に入院ないし通院する者
等の善良な風俗環境ないし生活環境に係る利益を個々人の個別具体的利益とし
ても保護する趣旨を含むものと解することはできず,控訴人らは,いずれも,
本件許可の取消しを求める原告適格を有しないとして,控訴人らの訴えを却下
したため,これを不服とする控訴人らが控訴したものである。
なお,原判決を受けた原告49名のうち,24名が控訴し,うち2名が当審
で訴えを取り下げた。
,,,「」
3法令等の定め前提事実争点及び当事者の主張は原判決事実及び理由
「」()
欄第2事案の概要の1及び2原判決6頁13行目から10頁9行目まで
並びに第3「争点及び当事者の主張」1及び2(10頁16行目から26頁6
行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
,,
控訴人らが本件敷地から1000メートル以内の地域に居住し事業を営み
又は病院等を開設する住民であることは,当事者間に争いがない。
第4当裁判所の判断
1当裁判所は,控訴人らの本件訴えは,原告適格を有するものと認められ,こ
れを否定した原判決は取消しを免れないと判断するものであり,その理由は,
以下のとおりである。
()行政事件訴訟法9条1項は,取消訴訟の原告適格について,処分の取消
しの訴えは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限
り,提起することができる旨規定するところ,同項にいう当該処分の取消し
を求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権
利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそ
れのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の
具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属
する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと
解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当
たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある
,。
者は当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである
そして,同条2項は,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護さ
れた利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定
の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分におい
て考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法
令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関
係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質
を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた
場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及
び程度をも勘案すべきことを規定するところ,当該処分による事業が実施さ
れる予定の事業地の周辺に居住する住民のうち,当該事業が実施されること
により,騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に
受けるおそれのある者は,当該処分の相手方以外の者であっても,当該処分
の取消しを求める法律上の利益を有する者として原告適格を有するものと解
される(最高裁判所平成17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2
645頁。

()そこで,上記の見地に立って,控訴人らが本件許可の取消しを求める原
告適格を有するか否かについて検討する。
ア法は,都道府県及び指定市町村(競輪施行者)は,自転車その他の機械
の改良及び輸出の振興,機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の
増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに,地方財政の健全化を図
るため,自転車競走(競輪)を行うことができる旨規定し(1条1項,

競輪施行者は,勝者投票券(車券)を発売して競輪を行い,的中者に対し
て車券の売上金の額の一定の割合に相当する金額を払戻金として交付し,
競輪の収益をもって,自転車その他の機械の改良及び機械工業の合理化並
びに社会福祉の増進,医療の普及,教育文化の発展,体育の振興その他住
民の福祉の増進を図るための施策を行うのに必要な経費の財源に充てるよ
う努めるものとされ(9条,11条,競輪施行者以外の者は,車券を発

売することも,競輪を行うこともできず(1条5項,学生生徒及び未成

年者は,車券を購入し,又は譲り受けることができない(7条の2)旨規
定する。
そして,場外車券発売施設を設置しようとする者は,大臣の許可を受け
ることを要し,大臣は,同許可の申請があったときは,申請に係る施設の
位置,構造及び設備が経済産業省令で定める基準に適合する場合に限り,
その許可をすることができるものとされている(4条1,2項。

これを受けて制定された本件許可当時の自転車競技法施行規則(平成1
4年経済産業省令第97号,以下「規則」という)によると,場外車券

発売施設の設置の許可を受けようとする者は,許可申請書に,場外車券発
売施設付近の見取図(敷地の周辺から1000メートル以内の地域にある
学校その他の文教施設及び病院その他の医療施設の位置並びに名称を記載
した1万分の1以上の縮尺による図面,場外車券発売施設を中心とする

交通の状況図及び場外車券発売施設の配置図(1000分の1以上の縮尺
による図面)を添付することを要するとされ(14条2項,場外車券発

売施設は,学校その他の文教施設及び病院その他の医療施設から相当の距
離を有し,文教上又は保健衛生上著しい支障を来すおそれがないこと,入
場者数及び必要な設備に応じた適当な広さであること,車券の発売等の公
,,,
正かつ円滑な実施に必要な構造施設及び設備を有すること施設の規模
構造及び設備並びにこれらの配置は,入場者の利便及び車券の発売等の公
正な運営のため適切なものであり,かつ,周辺環境と調和したものであっ
て,大臣が告示で定める基準に適合するものであることとされている(1
5条1項1号ないし4号。

大臣が定める上記告示(平成15年経済産業省告示第69号,以下「本
件告示」という)は,入場者の用に供する施設等として,入場者の用に

供するため,適当な数及び広さを有するインフォメーションコーナー,お
客様相談所,駐車場等(駐車場は立地条件に応じ場外車券売場周辺の道路
交通等に支障を及ぼすことのないよう入場者の自動車等を収容するのに十
分な広さであること。自ら設置することが困難である場合には,車券発売
中については他の駐車場所有者等との契約により十分な広さの駐車場を確
保すること)を利用しやすい場所に設けてあることとしている。

本件通達(平成15年経済産業省製造産業局長通達)は,規則14条1
項及び15条1項の運用等に関し,法4条2項に基づく場外車券発売施設
設置許可の基準については,規則15条1項及び本件告示に規定された基
準は最低基準を示したものであるから必ず当該基準に適合するよう指導
し,許可基準に規定されていない事項についても改善を要すべき箇所があ
れば,併せて指導して整備改善させること,当該場外車券発売施設の設置
場所の属する地域社会との調和を図るため,当該施設が可能な限り地域住
民の利便に役立つものとなるよう指導すること,当該場外車券発売施設の
設置場所を管轄する警察署,消防署等とあらかじめ密接な連絡を行うとと
もに,地域社会との調整を十分行うよう指導することとしている。
イ以上のような法・規則の規定,本件告示・本件通達に照らすと,競輪事
,,,
業は本来賭博及び富くじに関する罪として罰せられるべき行為であり
何人も自由に行うことができない事業であるが,立法政策上,自転車等の
改良及び輸出の振興等と地方財政の健全化を図ることを目的として,同法
の定めによって,その違法性を特に阻却して,都道府県及び指定市町村が
公営ギャンブルとして実施することができるものとしたものであると解す
ることができる。
この立法政策からすれば,競輪事業そのものは社会生活に必須の事業と
いうことはできず,法は,自転車等の改良及び輸出の振興等の寄与や地方
財政の健全化のほか,賭博及び富くじに関する罪の違法性阻却を目的とし
て,そのための条件を整備したものであるということができ,場外車券発
売施設設置に係る大臣の許可は,一般国民が有している本来の自由を回復
させる行為ではなく,上記条件を確認した上,広範な裁量をもって,同施
設を設置することのできる地位を新たに付与する行為であるといわなけれ
ばならない。
このような観点から,大臣は,申請に係る場外車券発売施設の位置,構
造及び設備並びにこれらの配置が規則15条1項1号ないし4号及び本件
告示に定める基準に適合する場合に限り,公安上及び競輪事業の運営上適
切なものであるとしてその設置を許可することができるとされたものであ
るとともに,本件通達により,上記許可基準に規定されていない事項につ
いても,併せて指導して整備改善させ,当該場外車券発売施設の設置場所
の属する地域社会との調和を図るため,当該施設が可能な限り地域住民の
利便に役立つものとなるよう指導し,管轄する警察署,消防署等とあらか
じめ密接な連絡を行い,地域社会との調整を十分行うよう指導することと
して,場外車券発売施設の設置許可がされた場合に,当該施設に賭博及び
富くじに相当する車券を購入する目的で広範な地域から不特定多数の者が
参集し,このように来集する者らを通じて射幸的な雰囲気が当該施設の周
辺地域に伝播し,その善良な風俗に悪影響を及ぼすおそれがあることを防
止し,また,当該施設に多数の者が来集することにより周辺地域の通行に
支障が生じるなどその生活環境に悪影響を及ぼすことを防止し,もって良
,。
好な生活環境を保全することもその趣旨及び目的とするものと解される
ウ上記の趣旨及び目的に反した場外車券発売施設の設置許可がされた場
合,そのような施設に起因する上記の被害,すなわち,善良な風俗及び生
活環境に対する悪影響を直接的に受けるのは,当該施設の周辺の一定範囲
の地域に居住し,事業を営む住民に限られ,その被害の程度は,居住地や
事業地が当該施設に接近するにつれて増大するものと考えられる。また,
当該施設の周辺地域に居住し,事業を営む住民が,当該地域で居住,事業
を営み続けることにより上記の被害を反復,継続して受けた場合,その被
害は,これらの住民のストレス等の健康被害や生活環境に係る変化・不安
感等著しい被害にも至りかねないものである。そして,法・規則の規定,
本件告示・本件通達は,その趣旨及び目的にかんがみれば,場外車券発売
施設の周辺地域に居住し,事業を営む住民に対し,違法な当該施設に起因
する上記の健康や生活環境に係る著しい被害を受けないという具体的利益
を保護しようとするものと解されるところ,上記のような被害の内容,性
質,程度等に照らせば,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消さ
せることが困難なものといわざるを得ない。
エ上記のとおり,規則が,場外車券発売施設の設置許可申請者に対し,同
施設敷地の周辺から1000メートル以内の地域にある学校その他の文教
施設及び病院その他の医療施設の位置並びに名称を記載した1万分の1以
上の縮尺による付近の見取図を添付することを要求し,場外車券発売施設
は,学校その他の文教施設及び病院その他の医療施設から相当の距離を有
,,
し周辺環境と調和したものであることとされていることにかんがみると
場外車券発売施設の設置許可に関する上記の規定は,当該施設の敷地の周
辺から1000メートル以内の地域に居住し,事業を営む住民に対し,違
法な場外車券発売施設の設置許可に起因する善良な風俗及び生活環境に対
する悪影響に係る著しい被害を受けないという具体的利益を保護したもの
と解するのが相当である。
オ以上の見解に立って,本件許可の取消しを求める原告適格についてみる
と,控訴人らが本件敷地から1000メートル以内の地域に居住し,事業
を営み,又は病院等を開設する住民であることは当事者間に争いがないか
ら,控訴人らは,本件許可の取消しを求める法律上の利益を有する者とし
,。
てその取消訴訟における原告適格を有するものと解するのが相当である
()上記の点について,被控訴人は次のとおり主張するがいずれも理由がな
い。
ア被控訴人は,場外車券売場設置許可の根拠法規である法は,競輪事業の
公正・円滑な運用,安全・秩序を確保し,もって収益を公共的な目的に用
いることを規定した法律であり,周辺住民等の個別的利益の保護を直接目
的とした規定は置いておらず,また,法自体は,同許可の具体的な基準は
定めておらず,その基準を下位法令にゆだねているところ,下位法令にお
ける許可基準をみても,場外車券売場周辺に対する配慮を求めてはいるも
のの,これらは,文教施設や医療施設に悪影響が及ぶことをできるだけ回
避し,場外車券売場が社会的にも受容されて,競輪事業の円滑な運営に資
することを目的とするにとどまり,周辺住民等の個別的利益を保護する趣
旨を見いだすことはできない旨主張する。
しかし,前記のとおり,法及び下位法令の規定等に照らすと,競輪事業
は,本来,賭博及び富くじに関する罪として罰せられるべき行為であり,
何人も自由に行うことができない事業であるが,立法政策上,収益を公共
的な目的に用いることを規定するとともに,周辺住民の健康や生活環境に
著しい被害を与えないなどの条件を整備することにより,違法性が阻却さ
れるものとして定められたものであるところ,場外車券発売施設設置に係
る大臣の許可は,同施設の設置許可申請者に対し,一般国民が有している
本来の自由を回復させる行為ではなく,上記条件を確認した上,広範な裁
量をもって,同売場を設置することのできる地位を新たに付与する行為で
あることからすれば,法は,周辺住民等の前記のような個別的利益を保護
する趣旨をも含むものであるということができ,周辺住民等は,違法な場
外車券発売施設設置許可により,同施設が将来において利用されることに
起因する前記のような危険から保護される利益が侵害されることになるか
ら,周辺住民等は,この利益侵害の排除を求めるための原告適格を有する
ものと解するのが相当である。
イまた,被控訴人は,仮に,場外車券売場設置によって文教施設や医療施
設に対する影響が及び,周辺住民等が文教上又は保健衛生上の何らかの不
利益を被るとしても,それは,前記大法廷判決が「関係地域」内に居住

している者について認めた「騒音,振動等による健康又は生活環境に係る
著しい被害」とは異なる旨主張する。
しかしながら,前記のとおり,違法な場外車券発売施設が設置されるこ
とによって,周辺住民等の健康や生活環境に著しい被害を与えるおそれが
あることが予測されるものであり,上記大法廷判決のいう「著しい被害」
とその性質を異にするものとはいえないから,上記主張は理由がない。
ウ被控訴人は,控訴人らが害される利益として主張するものは,周辺住民
として享受する一般公共上の諸利益に対する漠然とした不安等や悪影響を
いうにすぎない旨主張する。
しかしながら,前記のとおり,競輪事業は,本来,賭博及び富くじに関
する罪として罰せられるべき行為であり,だれもが受忍すべき社会生活に
必須の事業ということはできず,場外車券発売施設の設置許可は,申請者
に対し,同施設を設置することのできる地位を新たに付与する行為である
ことからすれば,場外車券発売施設が設置されることによって,周辺住民
の健康や生活環境に及ぼす影響は,一般公共上の受忍すべき限度を超えた
特別の被害を与える可能性があるというべきであり,周辺住民として享受
する一般公共上の諸利益に対する漠然とした不安等や悪影響にすぎないと
いうことはできないから,同主張も理由がない。
エ被控訴人は法と風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律以
,(
下「風営法」という)とは,その趣旨・目的を異にし,行政事件訴訟法

9条2項にいう目的を共通にする関係法令とはいえない上,風営法4条2
項2号及び同法施行令6条1号イも,当該制限地域の居住者個々人の個別
具体的な利益を保護することを目的としているものとは解し難く,専ら公
益保護の基準を定めていると解するのが相当であることと同様に,場外車
券発売施設の設置許可基準は,学校その他の文教施設及び病院その他の医
療施設から相当の距離を有し,文教上又は保健衛生上著しい支障を来すお
それがないことを定め,同施設周辺1000メートル以内の見取図の添付
を義務付けるのみで,具体的な距離制限の規定を置いていないことに照ら
せば,周辺住民に良好な風俗環境の下で円滑に業務をする利益を個別的利
益として特に保護しようとする趣旨を含むとはいい難い旨主張する。
,,,,
しかし前記のとおり場外車券発売施設の設置許可は申請者に対し
同施設を設置することのできる地位を新たに付与する行為であるのに対
し,風営法による許可は,一般国民が有している本来の自由を回復させる
行為であって,両者の性格は異なり,後者の許可申請に対しては,要件の
定め方が厳格であり,要件を満たす限り,必ず許可をしなければならない
,,,
ものであるが前者の許可申請に対しては本件通達から明らかなように
許可基準に規定されていない事項についても改善を要すべき箇所があれ
ば,併せて指導して整備改善させることが可能であり,必ず許可をしなけ
ればならないものではなく,当該施設の設置場所の属する地域社会との調
和を図ることを要請できるものであるから,かえって,周辺住民に良好な
風俗環境の下で円滑に業務をする利益を個別的利益として特に保護しよう
とする趣旨を含むということができるのである。
また,このことは,実質的に比較しても,風営法で規制されている「ぱ
ちんこ屋」に来集する顧客は主に近隣の住民であり,出玉に対しては景品
の交換しか認められておらず(同法23条1項,一定の貸し玉・出玉を

得るためには時間も労力も要することに比し,場外車券発売施設の利用者
は,広範な地域から参集する不特定多数の者であり,的中車券は直接換金
することができ,高額の車券の購入に際して時間も労力もさほど要せず,
一瞬のうちに大金を得,又は失うことに照らせば,場外車券発売施設の方
が「ぱちんこ屋」よりも賭博性が高く,射幸的な雰囲気が周辺地域に伝播
し,その善良な風俗に悪影響を及ぼすおそれが高いというべきであり,ま
た,広範な地域から多数の者が来集することにより周辺地域の通行に支障
が生じたり,不法駐車が増加するなどその生活環境に悪影響を及ぼすおそ
れが高いことも認められることからすれば,周辺住民の良好な生活環境を
特に保護する必要性があるといわなければならない。
オそのほか,被控訴人は,場外車券発売施設の運営によって直接的に健康
や生活環境に著しい被害が生じるものでない旨主張するが,同主張に理由
がないことは,これまでみてきたところから明らかであり,被控訴人のそ
の余の主張もいずれも上記の判断を左右しない。
3以上によれば,控訴人らは原告適格を有するというべきであるから,これを
否定して本件訴えを却下した原判決は不当であって取消しを免れない。
よって,原判決を取り消し,民事訴訟法307条本文により本件を大阪地方
裁判所に差し戻すこととして,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第5民事部
裁判長裁判官大和陽一郎
裁判官市村弘
裁判官一谷好文

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