弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの上告趣意について。
 論旨は縷々として述べているけれども、結局は寛大な処分を願うというのであつ
て、原判決の量刑不当を主張することに帰着するから、適法な上告理由とはなり得
ない。
 弁護人江口重国の上告趣意第一点について。
 原判決が本件被告人に執行猶予の言渡をしなかつたことを非難する論旨は、結局、
原判決の量刑不当を主張することに帰着し、その法令違背を攻撃するのではないか
ら、適法な上告理由とすることができない。
 同上第二点について。
 論旨は原判決が執行猶予の言渡をしなかつたことを以て、憲法の諸条項に違反す
るものと主張している。しかし既に当裁判所の判例に示されている通り、刑の執行
猶予の言渡しをしなかつたからと言つて、憲法第一三条にいう基本的人権を侵害す
るものでもなく(昭和二二年(れ)第二〇一号、同二三年三月二四日大法廷判決及
び昭和二三年(れ)第九五〇号同年一〇月二一日第一小法廷判決)、又犯情の類似
した犯人間の処罰に差違があるからとて、憲法第一四条の平等の原則に違反すると
いうこともできない(昭和二三年(れ)第四三五号同年一〇月六日大法廷判決)。
論旨はなお原判決が憲法第一一条及び第九七条にも違反することを主張しているけ
れども、その実は執行猶予を言渡さなかつたことに対する非難に過ぎない。それは
原審裁判所の自由裁量の範囲内に属することであつて、憲法違反の問題を生ずるも
のではない。従つて右の点について憲法違反を主張する論旨は何れも採用すること
ができない。
 論旨は更らに、原判決が刑法第二五条を適用しなかつたことの判示を欠いている
のは、旧刑訴法第三六〇条第二項に違反するものであると主張している。しかし旧
刑訴法第三六〇条第二項に「刑ノ減免ノ原由タル事実」というのは、刑罰法規が特
定の事由ある場合に必ず刑の減免を為すべきものとして規定した事由を指すのであ
つて、刑の裁量の標準となるべき諸般の情状のように、裁判所の裁量に委ねられた
ものはこれに該当せず、従つて刑の執行を猶予すべき情状あることの主張の如きも、
右の法条にいわゆる「刑ノ減免ノ原由タル事実上ノ主張」ではないこと、既に当裁
判所の判例(昭和二二年(れ)第一六七号、同二三年一月二七日第三小法廷判決)
の示す通りであつて、今なおこれを改める必要を認めない。それ故に原審に於て、
執行猶予の主張がなされたとしても、原判決がこれに対して判断を示さなかつたこ
とは、少しも違法ではない。論旨は理由がない。
 弁護人八広悟一は上告趣意書を提出しないから、これに対して判断を示すことが
できない。
 以上の理由により最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項、旧刑訴法第四四六
条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二四年一〇月四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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