弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人原田義照の上告理由について。
 原判決並びにその引用する一審判決は証拠によつて、上告人が判示軽自動二輪車
を操縦し、本件事故現場にさしかかつた際、判示のように、幼児である被上告人B
を認めながら警笛をならすことも停止することもなく、時速二〇粁で進行し、更に
被上告人が車の進路上に走り出るのを発見してもなお無事通過できるものと速断し
て進行したため、判示のような経過により被上告人に接触し、同人を引摺り道路上
に転倒させ、田圃に突込んだあげくようやく停止し、同人に対し判示傷害を与えた
ことを認定し、かような事実関係の下においては、上告人は、被上告人が駈出して
来るのを認めながら急停車、避譲の措置をとることなく、無事通過できるものと軽
信して進行した過失あるものと判断したのである。このように上告人に過失ありと
した原審の判断は優に首肯できる。他方被上告人の監護者に過失があつたかどうか
の点については、原審は、本件事故発生現場附近は直線道路で見通しもよく、交通
量も少いほか原判示のような状況であつたこと、本件事故発生当日は、原判示のよ
うに被上告人の父は農協へ用達に出かけ、母は歯痛のため家で臥していたので祖母
が家事の手伝をしながら被上告人を監護していたこと、本件事故が発生した県道は
交通上特段注意を要すべき場所とはいえず、また当日も特に交通量が多いことが予
想されるような事情もなかつたこと、被上告人の右祖母は被上告人が他一名の子供
と共に母屋の表庭で遊んでいるのを見きわめて、農地に用たしに出た直後に本件事
故が発生したものであることを証拠上認定し、このような事実関係のもとにおいて
は、親権者は、被上告人を一人で放置していたものと云い難く、親権者に未だ所論
のような過失は認められないと判断したのである。民法七二二条二項の定める、い
わゆる過失相殺の制度は、加害者と被害者の損失の分担における当事者間の公平を
目的としているものとみるべきであるから、上告人の判示加害行為と対比してみる
ときはこの点に関する原審の右の判断は肯認できる。従つて上告人主張の所論過失
を原審が否定したからといつて、原審の右判断に所論のような違法ありとなし難く、
論旨は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    河   村   又   介
            裁判官    島           保
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛