弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役1年6か月に処する。
未決勾留日数中60日をその刑に算入する。
理由
(犯罪事実)
第1被告人は,平成20年5月22日ころ,堺市i区j町k番l号の大阪刑務所
第5居室棟1階調室において,法務事務官副看守長として同刑務所処遇部処遇
部門に勤務していたBに対し,同刑務所処遇部門副看守長Cら同刑務所職員の
住所等を教えるよう求め,もって,Bが職務上知ることのできた秘密を漏らす
行為をそそのかした。
第2被告人は,平成20年7月18日午前10時59分ころ,前記第5居室棟1
階配膳室付近通路において,Cに対し「出たら覚えとけよ。あと半年や。住,
所,知ってるからな。必ず行くからな。腹くくっとけよ」などと語気鋭く申。
し向け,もって,同人及びその親族の生命・身体等に対し害を加える旨告知し
て脅迫した。
第3被告人は,平成20年8月22日午後4時25分ころ,前記第5居室棟1階
第140室において,同室前通路にいた同刑務所処遇部門看守部長Dに対し,
同人の住所を申し向け,さらに「おやっさん,もう腹くくっとけよ。必ず行き
まっさかい」などと語気鋭く申し向け,もって,同人及びその親族の生命・。
身体等に対し害を加える旨告知して脅迫した。
(証拠の標目(かっこ内の甲乙の別,番号は証拠等関係カードにおける検察官請)
求証拠番号を示す)。
(省略)
(法令の適用)
罰条
第1の事実について国家公務員法111条,平成19年法律第108号によ
る改正前の国家公務員法109条12号,国家公務員法
100条1項
第2及び第3の各事実についていずれも包括して刑法222条
刑種の選択いずれも懲役刑
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も
重い第2の罪の刑に加重)
未決勾留日数の算入刑法21条
(量刑の理由)
,,,本件は受刑中であった被告人が自己が収容されていた刑務所の刑務官に対し
他の刑務官らの住所等を教えるよう求め,同刑務官が職務上知ることのできた秘密
を漏らす行為をそそのかし,そのそそのかし行為によって刑務官らの住所を知った
ことをよいことに,刑務官らを脅迫した事案である。
1悪い情状
・自己が収容されている刑務所の刑務官らの処遇に対し不満を感じていたことか
ら同刑務官らを脅し,自己に対する処遇を自分の思い通りにするために,本件各
犯行に及んでいる。動機は非常に自己中心的であり,酌むべき点は全くない。
・刑務官がかつて自己に対して不正な便宜供与をしたことがあることにつけこ
み,同刑務官が自己の言いなりになることを利用して第1の犯行を行っている。
その犯行態様は非常に卑劣である。
・第2及び第3の各犯行は,刑務官である各被害者に対し,同人らの住所を知っ
ていることを示した上で報復することを内容とする脅迫文言を申し向けるもので
あり,非常に悪質である。
・第2及び第3の各犯行により各被害者らが受けた精神的苦痛,恐怖感が大きか
ったことは言うまでもない。各被害者らは厳しい処罰感情を示している。
・第2及び第3の各犯行の結果,各被害者らは被告人やその関係者からの報復の
危険を感じており,各被害者らが刑務所内の秩序を維持するために適正に職務遂
行を行うことができなくなる危険も生じている。
・本件各犯行のような事態が多く起こるようになれば,刑務所内の秩序を維持す
ることが難しくなる。一般予防の見地からも厳しい態度で臨む必要がある。
・被告人は,本件各犯行時には銃砲刀剣類所持等取締法違反などの罪により懲役
6年という長期にわたる懲役刑を受け,反省を求められていた立場であったにも
かかわらず,本件各犯行を重ねて行ったものである。被告人の法律を守ろうとい
う意識は非常に薄い。
2良い情状
・本件犯行を素直に認め,反省の弁を述べ,各被害者らに対し謝罪の意を示して
いる。
これらの事情を総合的に考慮し,被告人を主文のとおりの刑に処するのが相当で
あると判断した。
(検察官真野修史,私選弁護人小林照佳各出席)
(求刑−懲役2年)
平成21年5月21日
大阪地方裁判所第14刑事部
裁判官小松本卓

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