弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
被告人Aの弁護人遠藤徳雄の上告趣意第一点は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張
であつて、上告適法の理由に当らない。
 同第二点は判例違反をいうけれども、原判決は本件ガソリンはB株式会社が他か
ら運送の委託を受け、同会社所有の特殊自動車(タンクローリー)により運送中の
同会社管理のものである旨の第一審判決認定事実につき、右ガソリンの窃盗被害者
はB株式会社であると判断したのであつて、右認定事実の下においてはその判断は
正当である。所論引用の判例は本件と事案を異にし適切でなく、判例違反の主張は
その前提を欠き、上告適法の理由に当らない。
 被告人Cの弁護人横田真一の上告趣意第一点乃至第三点は単なる法令違反の主張
であり(窃盗幇助をした者がその賍物を故買した場合には、窃盗罪と賍物故買罪の
二罪が成立すると解するを相当とするー昭和二四年(れ)第一五〇六号同年一〇月
一日第二小法廷判決刑集三巻一〇号一六二九頁、昭和二七年(あ)第五四四〇号同
二八年三月六日第二小法廷判決裁集七五号四三五頁参照)、同第四点は量刑不当の
主張であり、同第五点は判例違反をいうけれども、遠藤弁護人の上告趣意第二点に
つき説示したとおり、その主張は前提を欠き、いずれも上告適法の理由に当らない。
 よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり決定する。
  昭和三九年一二月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

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