弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人株式会社Aを罰金2800万円に,被告人Bを懲役1年8か月に
処する。
被告人Bに対し,この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予
する。
理由
【犯罪事実】
被告人株式会社A(以下「被告会社」という。)は,名古屋市a区bc丁目d番
e号に本店を置き,不動産の売買,賃貸借等を目的とする株式会社であり,被告人
Bは,被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括管理しているものであるが,
被告人Bは,被告会社の業務に関し,その法人税を免れようと考え,固定資産売却
益を除外するとともに架空の外注費を計上する方法により所得を秘匿した上,平成
26年6月1日から平成27年5月31日までの事業年度における被告会社の実際
所得金額が4億2765万7828円(別紙1「修正損益計算書」参照)であった
にもかかわらず,平成27年7月30日,名古屋市a区fg丁目h番地所轄C税務
署において,同税務署長に対し,欠損金額が474万3706円で,所得税額34
44円の還付を受けることになる旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま
法定納期限を徒過させ,もって不正の行為により,同事業年度における正規の法人
税額1億0820万9000円と前記還付所得税額との合計1億0821万240
0円(100円未満の端数切捨て。別紙2「ほ脱税額計算書」参照)を免れた。
【法令の適用】
1被告会社について
罰条法人税法159条1項(平成26年法律第10号に
よる改正前のもの),2項(情状による),163
条1項
2被告人Bについて
(1)罰条法人税法159条1項(平成26年法律第10号に
よる改正前のもの)
(2)刑種の選択懲役刑を選択
(3)刑の執行猶予刑法25条1項
【量刑の理由】
本件は,被告人Bが,被告会社の業務に関し,固定資産売却益を除外するととも
に架空の外注費を計上する方法で所得を秘匿し,法人税をほ脱したという事案であ
り,そのほ脱所得金額は約4億2765万円,ほ脱税額は約1億0821万円に上
り,ほ脱率も100パーセントと高率である。
この種事犯は,国家の課税権,国民の健全な納税意識を著しく阻害するもので,
もとより厳しい非難に値するところ,被告人Bは,自身も独善的であったと振り返
るとおり,会計士ら周囲の助言に真摯に耳を傾けることなく,犯行を敢行しており,
その一連の経緯は誠に身勝手で浅はかなものであったというほかない。
しかし,これまで既に修正申告に係る法人税約1億2167万円及び消費税約1
300万円が納付され,更にその余の地方税,重加算税,延滞税の納付についても,
然るべき準備が進められている。また,被告人Bは,公判においては自身の刑責を
素直に認めて反省の態度を示し,今後は二度と過ちを繰り返さない旨を述べ,妻も
今後の監督を誓約している。加えて,被告人Bには平成6年に条例違反による略式
罰金前科1犯があるものの,その余の前科はない。
以上の事情を考慮すれば,被告会社に対しては主文の罰金刑を科すこととし,ま
た,被告人Bに対しては主文の懲役刑を科した上,今回に限り特にその刑の執行を
猶予するのが相当である。
(求刑-被告会社に対して罰金3200万円・被告人Bに対して懲役1年8か月)
平成29年6月23日
名古屋地方裁判所刑事第4部
裁判官神田大助
※別紙1及び別紙2は添付省略

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