弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
裁決行政庁が平成22年1月15日付けで原告に対してした家屋課税台帳に
登録された別紙物件目録記載の専有部分の建物の平成21年度の価格について
の審査の申出を却下する旨の決定を取り消す。
第2事案の概要
本件は,別紙物件目録記載の専有部分の建物(以下「本件専有部分」とい
う。)を所有する原告が,家屋課税台帳に登録された本件専有部分の平成21
年度の価格(あん分価格)について不服があるとして,地方税法432条1項
に基づき,裁決行政庁に審査の申出をしたところ,区分所有に係る家屋の専有
部分のあん分価格は同項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当
せず,裁決行政庁に対する審査申出事項に当たらないことを理由として平成2
2年1月15日付けで審査の申出を却下する旨の決定(以下「本件決定」とい
う。)を受けたことから,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格も「固
定資産課税台帳に登録された価格」に該当し,裁決行政庁に対する審査申出事
項に当たると主張して,裁決行政庁の所属する公共団体である被告に対し,本
件決定の取消しを求める事案である。
1地方税法の定め
本件に関係する地方税法の定めは,次のとおりである。
(1)固定資産税に関する用語の意義
「固定資産」とは,土地,家屋及び償却資産を総称するものであり(34
1条1号),「家屋」とは,住家,店舗,工場(発電所及び変電所を含
む。),倉庫その他の建物をいう(同条3号)。
「固定資産課税台帳」とは,土地課税台帳,土地補充課税台帳,家屋課税
台帳,家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである(同条
9号)。
「家屋課税台帳」とは,登記簿に登記されている家屋(建物の区分所有等
に関する法律(以下「区分所有法」という。)2条3項の専有部分の属する
家屋(以下「区分所有に係る家屋」という。)の専有部分が登記簿に登記さ
れている場合においては,当該区分所有に係る家屋とする。以下,固定資産
税について同様とする。)について381条3項に規定する事項を登録した
帳簿をいう(341条12号)。
(2)区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税
区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税については,当該家屋の専
有部分に係る区分所有法2条2項の区分所有者(以下,固定資産税について
「区分所有者」という。)は,10条の2第1項の規定にかかわらず,当該
家屋に係る固定資産税額を当該区分所有者全員の共有に属する共用部分に係
る同法14条1項から3項までの規定による割合(専有部分の天井の高さ,
附帯設備の程度等について著しい差違がある場合においては,その差違に応
じて総務省令で定めるところにより当該割合を補正した割合)によってあん
分した額を,当該各区分所有者の当該家屋に係る固定資産税として納付する
義務を負う(352条1項)。
(3)固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出
固定資産税の納税者は,その納付すべき当該年度の固定資産税に係る固定
資産について固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある場合に
おいては,411条2項の規定による公示の日から納税通知書の交付を受け
た日後60日まで若しくは419条3項の規定による公示の日から同日後6
0日までの間において,又は417条1項の通知を受けた日から60日以内
に,文書をもって,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができ
る(432条1項)。
固定資産税の賦課についての不服申立てにおいては,1項の規定により審
査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課につ
いての不服の理由とすることができない(同条3項)。
2前提事実(顕著な事実,争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨
により容易に認められる事実)
(1)本件専有部分は,別紙物件目録記載の1棟の建物(以下「本件区分所有家
屋」という。)の専有部分である駐車場であり,登記簿に登記されているも
のである。
(2)原告は,平成19年8月29日付けで,株式会社Aから本件専有部分及び
その敷地の賃借権を売買代金550万円で買い受け,同月31日,本件専有
部分について所有権移転登記を経由した。(甲1,2)
(3)東京都知事は,本件区分所有家屋の平成21年度の価格を決定し,文京都
税事務所長は,平成21年3月31日付けで,本件区分所有家屋の平成21
年度家屋課税台帳の付表に本件専有部分の平成21年度のあん分価格437
3万2400円を登録した。(甲3)
(4)文京都税事務所長は,平成21年6月1日付けで,原告に対し,本件専有
部分の平成21年度の固定資産税及び都市計画税の納税通知書及び課税明細
書を交付した。(甲4)
(5)原告は,家屋課税台帳に登録された本件専有部分の平成21年度のあん分
価格について不服があるとして,平成21年8月3日,地方税法432条1
項に基づき,裁決行政庁に審査の申出(以下「本件申出」という。)をし
た。(甲5の1ないし6)
(6)裁決行政庁は,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格は地方税法4
32条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当せず,裁決
行政庁に対する審査申出事項に当たらないことを理由として,平成22年1
月15日付けで,本件申出を却下する旨の本件決定をした。(甲9)
3争点
本件の争点は,①本件申出の適否,具体的には,区分所有に係る家屋の専
有部分のあん分価格は地方税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登録
された価格」に該当するか否か(争点1),②裁決行政庁による釈明義務違
反の有無,具体的には,原告に対し本件申出の対象を本件専有部分のあん分価
格から本件区分所有家屋の価格に変更することを検討させなかったことは裁決
行政庁の釈明義務に違反するか否か(争点2)である。
4当事者の主張の要旨
(1)本件申出の適否(争点1)について
(原告)
区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格も地方税法432条1項にい
う「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当し,裁決行政庁に対する審
査申出事項に当たるのであって,本件申出は裁決行政庁に対する審査申出事
項についてされた適法なものであるから,これを不適法なものとして却下し
た本件決定は違法なものである。
ア本件申出は,本件専有部分の平成21年度のあん分価格が取得価格に比
べて著しく高額であることに対する不服を理由とするものであり,原告は,
本件区分所有家屋の価格ではなく,本件専有部分のあん分価格に不服があ
るものである。
イ地方税法432条1項は,固定資産評価審査委員会に対する審査申出事
項として「固定資産課税台帳に登録された価格」と定めるにすぎないので
あって,区分所有に係る家屋の価格のみがこれに該当すると解する根拠は
なく,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格も,固定資産課税台帳
に登録されているのであるから,「固定資産課税台帳に登録された価格」
に該当するというべきである。
原告が文京都税事務所長から交付された平成21年度家屋課税台帳には,
本件専有部分のあん分価格のみが記載され,本件区分所有家屋の価格は記
載されていないことや,固定資産税の納税者が審査の申出に際してその判
断の対象や根拠とするのは自らの専有部分のあん分価格であり,区分所有
に係る家屋の価格には興味も関心も有していないことを踏まえて,固定資
産の価格に関する固定資産税の納税者の不服についての審査の公平を期す
るという固定資産評価審査委員会の設置目的を考えれば,地方税法432
条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」を区分所有に係る家
屋の価格に限定し,専有部分のあん分価格を除外することは現実から遊離
した不合理かつ不相当な解釈である。
仮に区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格は地方税法432条1
項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当しないとすると,
区分所有に係る家屋の専有部分の固定資産税の納税者は,自らの専有部分
のあん分価格について不服申立てをすることができなくなるという不合理
な結果が生ずる。
ウ被告の主張に対する反論
被告は,区分所有に係る家屋の各部分を個別に評価することは著しく困
難であると主張するが,中古の分譲マンションでは,各専有部分の所有者,
賃借人等が数多く存在し,区分所有に係る家屋全体について一回的売買が
行われることはないため,区分所有に係る家屋の適正な時価は判断し難い
のであって,取引の可能性があり,適正な時価について判断し得るのは,
専有部分のみである。
(被告)
区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格は地方税法432条1項にい
う「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当せず,裁決行政庁に対する
審査申出事項に当たらないのであって,本件申出は裁決行政庁に対する審査
申出事項についてされていない不適法なものであるから,これを不適法なも
のとして却下した本件決定は適法なものである。
ア地方税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」と
は,区分所有に係る家屋の専有部分が登記簿に登記されている場合には,
当該区分所有に係る家屋の価格であり,専有部分のあん分価格は「固定資
産課税台帳に登録された価格」に該当しない。
すなわち,地方税法341条12号が,家屋課税台帳にいう「家屋」の
意義について,区分所有に係る家屋の専有部分が登記簿に登記されている
場合においては当該区分所有に係る家屋とすると定めていることからする
と,同法432条1項にいう「固定資産課税台帳」とは,区分所有に係る
家屋の専有部分が登記簿に登記されている場合には,当該区分所有に係る
家屋についてのものであり,専有部分ごとの家屋課税台帳というものはそ
もそも観念されていないというべきである。したがって,同項にいう「固
定資産課税台帳に登録された価格」とは,区分所有に係る家屋の専有部分
が登記簿に登記されている場合には,専有部分のあん分価格ではなく,当
該区分所有に係る家屋の価格をいうと解すべきである。
このように解すべきことは,地方税法352条に関し,昭和29年5月
13日自乙市発第22号各都道府県知事宛自治庁次長通達「地方税法の施
行に関する取扱について(市町村税関係)」30項が,区分所有に係る家
屋に対して課する固定資産税については,区分所有に係る家屋の各部分を
個別に評価することが著しく困難であることから,当該家屋を1棟の建物
として評価し,これに基づき算出される固定資産税額を共用部分の持分の
割合によってあん分した額を,当該各区分所有者の当該家屋に係る固定資
産税として納付する義務を負うことにしたものであるとしていることから
も裏付けられるところである。
イ原告の主張に対する反論
原告は,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格が地方税法432
条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当しないとする
と,区分所有に係る家屋の専有部分の固定資産税の納税者は自らの専有部
分のあん分価格について不服申立てをすることができなくなると主張する
が,専有部分のあん分価格は区分所有に係る家屋の価格にあん分割合を乗
じて算出するものであり,固定資産税の納税者の不服には,区分所有に係
る家屋の価格を問題にする場合と,あん分割合又はあん分価格そのものを
問題にする場合とがあるところ,後者の不服は都道府県知事に対する審査
請求で主張することができるのであるから,上記主張は失当である。なお,
前者の不服は,固定資産評価審査委員会に対する審査申出事項となり,裁
決行政庁は,審査申出人が専有部分のあん分価格を審査の申出の対象とし
ていても,実質的には区分所有に係る家屋の価格を対象とするものである
ときには,そのように善解し,審査申出書の記載を訂正させた上,審査を
行っている。
また,原告は,中古の分譲マンションでは区分所有に係る家屋全体につ
いて一回的売買が行われることはないため,区分所有に係る家屋の適正な
時価は判断し難いのであって,適正な時価について判断し得るのは専有部
分のみであると主張するが,総務大臣が地方税法388条1項に基づいて
定めた固定資産評価基準は,取引価格には取引当事者間の個別の事情によ
る偏差など不正常な要素が含まれるため,これをそのまま適正な価格とみ
ることは困難であることから,再建築価格を基準として家屋の価格を評価
することとしているのであって,取引価格を根拠にしなければ適正な時価
を判断することができないとする上記主張は失当である。
(2)裁決行政庁による釈明義務違反の有無(争点2)について
(原告)
仮に区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格が地方税法432条1項
にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当しないとしても,裁決
行政庁が原告に対し本件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から本件区
分所有家屋の価格に変更することを検討させなかったことは,裁決行政庁の
釈明義務に違反し,本件決定は違法なものである。
ア仮に区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格が「固定資産課税台帳
に登録された価格」に該当しないのであれば,裁決行政庁としては,原告
に対し,本件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から本件区分所有家
屋の価格に変更することを検討させるべきであった。ところが,裁決行政
庁は,わずかな手間を惜しんで,原告に対し,そのように検討させること
をしないまま本件決定をし,本件申出を不適法なものとして却下したので
あり,裁決行政庁が釈明義務に違反したことは明らかである。
イ被告の主張に対する反論
被告は,本件専有部分の平成20年度のあん分価格についての審査の申
出に対する決定において,原告に対し,本件専有部分のあん分価格は地方
税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当し
ないことを説明したと主張するが,原告は,素人であり,決定書の記載か
らそのような趣旨を読み取ることはできなかった。
(被告)
裁決行政庁が原告に対し本件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から
本件区分所有家屋の価格に変更することを検討させなかったことは,裁決行
政庁の釈明義務に違反せず,本件決定は適法なものである。
ア不適法な審査請求について審査庁が釈明義務を負うのは,形式的な不備
があることを理由に実質的な審理をしないことが国民の権利利益の救済等
を目的とする行政不服審査制度の趣旨に合致しないと認められる場合,換
言すれば,審査請求が不適法である理由が形式的なものであって,その点
の是正がされれば当該審査手続の趣旨に沿って不服に対する審理を行うこ
とが可能な場合に限られると解すべきである。
イ原告の不服は,駐車場部分である本件専有部分のあん分価格が購入価格
と比較して高いことや,住宅部分と内装仕上げや設備の程度に著しい差異
があることがあん分に当たって考慮されていないことにあり,これが本件
区分所有家屋の価格に対する不服でないことは明らかである。しかも,原
告は,本件専有部分の平成20年度のあん分価格についても,裁決行政庁
に審査の申出をしたところ,裁決行政庁は,その決定書の中で,本件専有
部分のあん分価格は地方税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登
録された価格」に該当しないことを説明していたのであるから,原告に誤
解があったとは考えられない。そして,このような場合に,本件申出の対
象を本件専有部分のあん分価格から本件区分所有家屋の価格に変更させる
ことは裁決行政庁が新たな不服を作り上げるに等しいことをも考慮すると,
裁決行政庁が本件申出の対象の変更を検討させなかったことは,裁決行政
庁の釈明義務に違反しない。
第3当裁判所の判断
1本件申出の適否(争点1)について
まず,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格は地方税法432条1項
にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当するか否かについて検討
する。
(1)地方税法は,固定資産税は,固定資産に対し(固定資産を課税客体とし
て)課するものであるとし(342条1項),固定資産である「家屋」とは,
住家,店舗,工場,倉庫その他の建物をいうとした上(341条3号),家
屋に対して課する固定資産税の課税標準は,当該家屋の価格で家屋課税台帳
等に登録されたものとするとしている(349条)。そして,市町村長は,
固定資産評価員が固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)の
定める評価方法に従って当該家屋の評価をし作成した評価調書に基づいて当
該家屋の価格等を決定しなければならず,当該家屋の価格等を決定した場合
においては,直ちに当該家屋の価格等を家屋課税台帳等に登録しなければな
らないものとし(410条1項,411条1項),さらに,家屋課税台帳等
に登録された家屋の当該年度の固定資産税に係る価格等を記載した家屋価格
等縦覧帳簿を作成し,同帳簿又はその写しを固定資産税の納税者の縦覧に供
しなければならないとした上(415条1項,416条1項),固定資産税
の納税者は,その納付すべき当該年度の固定資産税に係る家屋について固定
資産課税台帳(家屋については,家屋課税台帳,家屋補充課税台帳)に登録
された価格について不服がある場合においては,固定資産評価審査委員会に
審査の申出をすることができるとしている(432条1項)。家屋課税台帳
とは,登記簿に登記されている家屋について所定の事項を登録した帳簿をい
うが(341条12号),登記簿に登記されている家屋というのは,区分所
有に係る家屋の専有部分が登記簿に登記されている場合においては,当該区
分所有に係る家屋をいうものとされている(同号括弧書)。
一方,区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税については,区分所
有に係る家屋の各部分を個別に評価することが著しく困難であるために,当
該家屋に係る固定資産税額(すなわち,当該家屋を1棟の建物として評価し,
これに基づいて算出される固定資産税額)を,原則として,当該区分所有者
全員の共有に属する共用部分に係る区分所有法14条1項から3項までの規
定による割合(すなわち,その有する専有部分の床面積の割合)によってあ
ん分した額を,当該家屋の専有部分に係る区分所有者が,当該各区分所有者
の当該家屋に係る固定資産税として納付する義務を負うとされている(地方
税法352条1項)。
上記のとおり,地方税法は,区分所有に係る家屋について,固定資産税の
課税客体は,区分所有権の対象である専有部分ではなく,当該1棟の家屋で
あるという立場を変えないまま,各区分所有者は,当該家屋(区分所有に係
る家屋)の登録価格を課税標準として算出された固定資産税額を所定の割合
によってあん分した額を,当該区分所有者の当該家屋に係る固定資産税(専
有部分に係る固定資産税ではない。)として納付する義務を負うとしている
のである(このような制度が採用されているのは,上記のとおり,区分所有
に係る家屋の各部分を個別に評価することは著しく困難である一方,区分所
有に係る家屋を全体としてみれば地方税法10条の2第1項の共有物に当た
るが,同項の規定により当該家屋に係る固定資産税額全額を各区分所有者が
連帯して納付する義務を負うことになるのは区分所有に係る家屋の実体にそ
ぐわないためであると解される。)。区分所有に係る家屋の専有部分が登記
簿に登記されている場合においては,当該区分所有に係る家屋について所定
の事項を登録した帳簿が家屋課税台帳となるとされているのも,このように,
区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税(各区分所有者は,これを所
定の割合であん分した額を分担して納付すべきことになる。)の課税標準が
当該区分所有に係る家屋の価格で家屋課税台帳等に登録されたものであるた
めであると解される。そうすると,区分所有に係る家屋の専有部分が登記簿
に登記されている場合においては,当該区分所有に係る家屋の価格で家屋課
税台帳に登録されたものが同法432条1項にいう「固定資産税に係る固定
資産について固定資産課税台帳に登録された価格」に該当し,区分所有に係
る家屋に対して課される固定資産税の納税者である各区分所有者は,上記の
価格に不服があるときは,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすること
ができるが,あん分価格を含め上記の価格以外の事項に不服があるときは,
固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることはできず,固定資産税の賦
課についての不服申立てにおいて不服の理由とすることができるにとどまる
こととなる(同条3項参照)。
乙第3号証,第4号証の2によれば,被告における固定資産税及び都市計
画税の課税事務では,電子計算組織により税額等の算出を行っているため,
区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税の税額の計算に当たり,まず
当該家屋の価格から固定資産税の額を算出し,その額を各区分所有者の有す
る専有部分の床面積の割合によってあん分するのではなく,まず当該家屋の
価格を各区分所有者の有する専有部分の床面積の割合によってあん分するこ
とにより各専有部分ごとの価格相当額(あん分価格)を算出し,このあん分
価格から各区分所有者が納付すべき固定資産税の額を計算するという取扱い
が行われていること,そのため,被告は,通常の家屋用の課税台帳様式に加
えて区分所有に係る家屋用の課税台帳様式を定め,その家屋課税台帳には区
分所有に係る家屋の価格を,家屋課税台帳の付表には各区分所有者の専有部
分のあん分価格をそれぞれ記載していることが認められるが,このような取
扱いに基づき,家屋課税台帳の付表にあん分価格が記載された(加えて,原
告がこの付表のみを交付された)からといって,区分所有に係る家屋の専有
部分のあん分価格が地方税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登録
された価格」に該当することとなるものではないというべきである。
(2)本件専有部分が区分所有に係る家屋である本件区分所有家屋の専有部分で
あり,登記簿に登記されていることは,前記前提事実のとおりであるところ,
弁論の全趣旨(前記第2の4(1)(原告)アの原告の主張)によれば,本件
申出は,本件専有部分のあん分価格が取得価格に比べて著しく高額であるこ
とに対する不服を理由とするものであり,原告は,本件区分所有家屋の価格
ではなく,本件専有部分のあん分価格に不服があるものであると認めること
ができるのであって,原告は,本件区分所有家屋の価格で家屋課税台帳に登
録されたものに不服があるものではなく,本件専有部分のあん分価格に不服
があるものであるから,この不服については,裁決行政庁に審査の申出をす
ることはできず(固定資産税額のあん分割合についての不服としてであれば,
東京都知事に対する固定資産税の賦課決定についての審査請求において不服
の理由とすることができるにとどまる。),本件申出は裁決行政庁に対する
審査申出事項についてされていない不適法なものである。
(3)この点について,原告は,文京都税事務所長から交付された平成21年度
家屋課税台帳には,本件専有部分のあん分価格のみが記載され,本件区分所
有家屋の価格は記載されていないことなどを踏まえて考えれば,地方税法4
32条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」を区分所有に係る
家屋の価格に限定し,専有部分のあん分価格を除外することは現実から遊離
した不合理かつ不相当な解釈であると主張し,原告が平成21年度家屋課税
台帳として提出する甲第3号証には,本件専有部分のあん分価格の記載はあ
るものの本件区分所有家屋の価格の記載はない。しかし,乙第3号証,第4
号証の2によれば,甲第3号証は本件区分所有家屋の家屋課税台帳の付表に
すぎないと認めることができるし,甲第4号証によれば,文京都税事務所長
が原告に対して交付した平成21年度の固定資産税及び都市計画税の課税明
細書には,「価格」欄に本件区分所有家屋の価格が記載されるとともに,同
欄に記載された区分所有に係る家屋の価格並びに「固定課税標準額」欄及び
「都計課税標準額」欄に記載された専有部分のあん分価格についての説明が
記載されていると認めることができるのであって,上記主張は失当なもので
ある。
次に,原告は,区分所有に係る家屋の専有部分のあん分価格が地方税法4
32条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当しないとす
ると,区分所有に係る家屋の専有部分の固定資産税の納税者は自らの専有部
分のあん分価格について不服申立てをすることができなくなるという不合理
な結果が生ずると主張するが,前記のとおり,区分所有に係る家屋の区分所
有者は,その専有部分ではなく当該家屋を固定資産とする固定資産税の(分
担)納税義務を負うのであり,地方税法が専有部分の価格を課税標準として
いない以上,これについて直接不服申立てができないとしてもやむを得ない
といわざるを得ないし,区分所有者は,自らの専有部分に応じたあん分税額
の算出の基礎となった区分所有に係る家屋の価格で家屋課税台帳に登録され
たものに不服があるときは,固定資産評価審査委員会に審査の申出をするこ
とができるのに加えて,自らの専有部分に応じたあん分税額などそれ以外の
事項に不服があるときは,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすること
はできないものの,固定資産税の賦課についての不服申立てにおいては不服
の理由とすることができるのであるから,上記主張は失当というべきである。
また,原告は,中古の分譲マンションでは区分所有に係る家屋全体につい
て一回的売買が行われることはないため区分所有に係る家屋の適正な時価は
判断し難いのであって,適正な時価について判断し得るのは専有部分のみで
あると主張するが,上記のとおり,そもそも地方税法上専有部分の価格は課
税標準とはされていないのであるから,上記主張は失当といわざるを得な
い(なお,固定資産評価基準の定める評価方法は,適正な時価への接近方法
として一般的合理性を有し,固定資産の評価が固定資産評価基準の定める評
価方法に従って適正に行われている場合には,その結果算定される価格は,
特別の事情がない限り,適正な時価を上回るものでないと推認することがで
きるところ,固定資産評価基準は,家屋の評価について,再建築費を基準と
して評価する再建築価格方式を採用し,個別的な事情による偏差が生ずるこ
とが少なくない取引価格は採用していないのであって,取引の有無ないし頻
度が適正な時価の判断可能性に影響を及ぼすものではなく,その点でも,上
記主張は採用することができない。)。
2裁決行政庁による釈明義務違反の有無(争点2)について
次に,原告に対し本件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から本件区分
所有家屋の価格に変更することを検討させなかったことは裁決行政庁の釈明義
務に違反するか否かについて検討する。
(1)証拠(甲第5号証の2,第6,第7,第10,第13号証,乙第6,第7
号証)によれば,次の事実を認めることができる。
ア東京都知事は,本件区分所有家屋の平成20年度の価格を決定し,文京
都税事務所長は,平成20年3月31日付けで,本件区分所有家屋の平成
20年度家屋課税台帳の付表に本件専有部分の平成20年度のあん分価格
4400万2200円を登録した。(甲13)
イ文京都税事務所長は,平成20年6月2日付けで,原告に対し,本件専
有部分の平成20年度の固定資産税及び都市計画税の納税通知書及び課税
明細書を交付した。
ウ原告は,家屋課税台帳に登録された本件専有部分の平成20年度のあん
分価格について不服があるとして,平成20年7月28日,地方税法43
2条1項に基づき,裁決行政庁に審査の申出をした。(乙6)
この審査の申出は,①550万円で買い受けた本件専有部分のあん分
価格が4400万2200円とされていることに対する不服,②本件専
有部分は地下の駐車場であり,他の住宅用の専有部分と附帯設備の面で著
しい差異があるのに,本件専有部分のあん分価格を算出するに当たっては,
本件区分所有家屋の価格を本件区分所有家屋の総面積で除して1㎡当たり
の単価を求めた上,それに本件専有部分の面積を乗ずるだけで,上記差異
を考慮した補正が行われておらず,駐車場と住宅用の専有部分との単位面
積当たりの賃料収入の違いも考慮されていないことに対する不服をいうも
のである。
エ裁決行政庁は,前記ウの審査の申出が,地方税法432条1項ただし書
により当該家屋について同法349条2項1号に掲げる事情があるため同
条3項ただし書の適用を受けるべきものであることを申し立てる場合を除
いては審査の申出をすることができない第3年度の登録価格についてのも
のであること及び本件専有部分と他の専有部分との差異を考慮した補正が
行われていないことについては裁決行政庁に対する審査申出事項に当たら
ないことを理由として,平成20年9月16日付けで,審査の申出を却下
する旨の決定をした。(乙7)
その決定書には,「審査の申出は,固定資産税の納税者が,その納付す
べき当該年度の固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登
録された価格に対して不服がある場合に行うものです。したがって,申出
ができる事項とは,この固定資産課税台帳に登録された価格についてであ
り,価格以外の事項又は申出ができない事項に対する申出については,不
適法な申出として却下します。」,「申出人が主張する駐車場部分と住宅
部分との差異にかかる考慮については,法第352条第1項は,区分所有
家屋に対する固定資産税の税額のあん分にかかる規定であり,固定資産課
税台帳に登録された価格以外の事項に該当するものと考えます。」,「な
お,区分所有家屋の評価は,各専有部分を個別に評価することなく,一般
の家屋と同様に1棟を単位として評価するものとされており,当委員会に
おいて審査する価格についても,1棟の建物に対するものとなります。申
出人が主張する本件家屋の固定資産税の価格4400万2200円は,専
有部分の床面積と共有部分の床面積を合算した面積に単位当たりの評点数
を乗じた額を算出して求められた評価額相当額,いわゆるあん分価格とな
っており,1棟の建物の価格2億5122万7900円ではありませ
ん。」という記載がある。
オ原告は,前記ウの審査の申出と同一の事由を不服の理由として,平成2
0年8月4日,東京都知事に対し,本件専有部分の平成20年度分の固定
資産税及び都市計画税の賦課決定についての審査請求をもしていたところ,
東京都知事は,前記ウ①の不服は本件区分所有家屋の価格に対する不服で
あり,固定資産課税台帳に登録された価格についてのものであるから,上
記賦課決定についての不服の理由とすることはできないとした上で,前記
ウ②の不服について,上記賦課決定は本件専有部分と他の専有部分との間
で天井の高さに著しい差異があるか否かについて必要な調査をすることな
くしたものであるとして,平成21年3月27日付けで,上記賦課決定を
取り消す旨の裁決をした。(甲10)
カ平成21年度分に関する本件申出は,①550万円で買い受けた本件
専有部分のあん分価格が4373万2400円とされていることに対する
不服,②本件専有部分は地下の駐車場であり,他の住宅用の専有部分と
附帯設備の面で著しい差異があるのに,本件専有部分のあん分価格を算出
するに当たっては,本件区分所有家屋の価格を本件区分所有家屋の総面積
で除して1㎡当たりの単価を求めた上,それに本件専有部分の面積を乗ず
るだけで,上記差異を考慮した補正が行われていないことに対する不服,
③4373万2400円というあん分価格は本件専有部分を駐車場とし
て賃貸することによって得られる収益からみても高すぎるものであること
に対する不服をいうものである。(甲5の2)
キ文京都税事務所長は,裁決行政庁に対し,平成21年10月27日付け
弁明書を提出し,原告の不服は本件専有部分のあん分価格やその算出のた
めに用いられたあん分割合に関するものであり,本件区分所有家屋の価格
に関するものではないから,裁決行政庁に対する審査申出事項に当たらな
いと弁明したところ,原告は,裁決行政庁に対し,同年11月19日付け
反論書を提出し,あん分価格こそが区分所有に係る家屋の登録価格であり,
文京都税事務所長の弁明は詭弁にすぎないという意見を述べた。(甲6,
7)
(2)前記(1)で認定した事実及び弁論の全趣旨(前記第2の4(1)(原告)ア
の原告の主張)によれば,本件申出は,本件専有部分のあん分価格が取得価
格に比べて著しく高額であることに対する不服を理由とするものであり,原
告は,本件区分所有家屋の価格ではなく,本件専有部分のあん分価格(すな
わち本件区分所有家屋の価格から本件専有部分のあん分価格を算出するため
に用いられたあん分割合又は本件専有部分のあん分価格そのもの)に不服が
あるものであり,原告は,裁決行政庁から本件専有部分のあん分価格につい
ての不服は裁決行政庁に対する審査申出事項に当たらないとする決定(区分
所有家屋の評価は1棟を単位として評価するものとされており,裁決行政庁
において審査する価格についても,1棟の建物に対するものになる旨の記載
をしたもの。前記(1)エ参照)を受けながら,あえてそのような不服を理由
として本件申出をし,文京都税事務所長が裁決行政庁と同趣旨の弁明をして
も,これを詭弁にすぎないとする反論をしていたものであると認めることが
できる。
このような状況の下で,裁決行政庁が,原告に対し,本件申出の対象を本
件専有部分のあん分価格から本件区分所有家屋の価格に変更することを検討
させることは,固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服を審査決定
するために設置された裁決行政庁が不服の内容を本質的に変更することを促
すこととなり,相当でないし,また,仮に,裁決行政庁が,原告に対し,本
件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から本件区分所有家屋の価格に変
更することを検討させたとしても,それまでの経過からすると,原告が真摯
にこれに従い本件申出の対象を変更することを検討することは期待すること
ができなかったということができるのであって(本件第1回口頭弁論におい
て,原告は,当裁判所の釈明に対し,本件申出による不服申立ての対象はあ
ん分価格のみであり,1棟全体の価格に対するものは含まれないと応答して
いることからも,このように推認することができる。),裁決行政庁が,原
告に対し,本件申出の対象を本件専有部分のあん分価格から本件区分所有家
屋の価格に変更することを検討させることをしなかったことは,裁決行政庁
の釈明義務に違反するものではないというべきである。
(3)この点について,原告は,本件専有部分の平成20年度のあん分価格につ
いての審査の申出に対する決定書の記載から,本件専有部分のあん分価格は
地方税法432条1項にいう「固定資産課税台帳に登録された価格」に該当
しないという趣旨を読み取ることはできなかったと主張するが,上記決定書
の記載が前記(1)エで認定したとおりであることによれば,地方税法等に関
する格別の知識がない者であっても,この決定書を真摯に読めば,本件専有
部分のあん分価格は裁決行政庁に対する審査申出事項に当たらないという趣
旨を読み取ることはできたというべきであって,上記主張は失当なものであ
る。
3本件決定の適法性について
以上のとおり,本件申出は裁決行政庁に対する審査申出事項についてされて
いない不適法なものであり,裁決行政庁による釈明義務違反も認めることがで
きないことによれば,本件申出を却下した本件決定は適法なものというべきで
ある。
もっとも,前記のとおり,区分所有に係る家屋に対して課される固定資産税
についての区分所有者の納付義務は,当該家屋に係る固定資産税額をあん分し
た額を納付する義務として定められているのであり,厳密に言えば専有部分の
あん分価格を課税標準とするものではないのであるから,家屋課税台帳の付表
に専有部分のあん分価格を登録し,課税明細書の課税標準額欄にあん分額を表
示するという被告の取扱いには,納税者の誤解を招くおそれもあるという意味
で必ずしも適切とはいい難い点があり,正確な説明を付するなど,より適切な
取扱いとするための検討の余地があるというべきである。また,納税者の中に
は,そのような誤解に基づいて,区分所有に係る家屋の価格に不服があるのに
専有部分のあん分価格について審査の申出をするものも存在すると推察される
ところであるから,裁決行政庁としては,専有部分のあん分価格について審査
の申出があった場合には,適切にその釈明権を行使し,前記第2の4(1)(被
告)イで,被告が主張しているとおりの運用を今後とも行うことが望まれると
いうべきである。
第4結論
よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の
負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとお
り判決する。
東京地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官川神裕
裁判官内野俊夫
裁判官須賀康太郎

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