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甲府地方裁判所民事部合議係平成18年11月28日判決言渡
平成15年(ワ)第91号損害賠償等請求事件
(口頭弁論終結日・平成18年6月13日)
【事案の概要】
被告会社及びその代表者が,原告の製造・販売する商品を欠陥品であると断定し
て,原告の取引関係者あてに虚偽の事実を告知し,内容虚偽の文書を配付するなど
して原告の名誉権,信用を侵害し,原告の営業を妨害したとして,原告が,被告ら
に対し,民法719条1項に基づく損害賠償と,不正競争防止法3条に基づく虚偽
告知等の差止めを求めた事案につき,原告の差止請求と損害賠償請求の一部が認め
られた事例。
主文
1被告らは,原告に対し,連帯して金150万円及びこれに対する平成15年
3月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2被告らは,原告取引先その他の第三者に対し,特殊セラミック入りの原告商
品について,セラミックが混入されていないなどの虚偽の事実を告知及び流布
してはならない。
3原告のその余の請求を棄却する。
4訴訟費用はこれを5分し,その2を被告らの負担とし,その余を原告の負担
とする。
5この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請求
1被告らは,原告に対し,連帯して500万円及びこれに対する平成15年3
月8日(本訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を
支払え。
2主文第2項と同旨
第2事案の概要等
1本件は,被告会社及びその代表者である被告Yが,原告の製造・販売する商
品を欠陥品であると断定して,原告の取引関係者あてに虚偽の事実を告知した
り,内容虚偽の文書を配付するなどして原告の名誉権,信用を侵害し,原告の
営業を妨害したと主張して,原告が,被告らに対し,民法719条1項に基づ
き損害賠償を求めるとともに,被告らの上記行為が虚偽の事実を告知した不正
競争行為(不正競争防止法2条1項14号)に当たるとして同法3条に基づき
上記告知等の差止めを求めるという事案である。
2前提となる事実(証拠を掲記した項目以外は,当事者間に争いがない。)
(1)原告は,貴金属装身具の企画・立案・加工・製造及び卸販売等を業とす
る株式会社である。
被告会社は,貴金属・宝石の製造卸を業とする株式会社であり,被告Yは,
その代表取締役である。
(2)原告は,平成14年よりも前から,セラミック成分を配合したことによ
り健康維持効果が得られるという貴金属(以下「原告商品」という。)を
製造し,A社等複数の販売店に卸販売するなどしていた。
(3)被告Yは,平成14年10月2日ころ,原告商品を販売していたA社に
電話をし,応対した同社社員に対し,原告商品にはその表示と異なり「S
iO2(シリカ)の配合は認められないのだがどういうことか。公的機関
に話をする。」旨を伝えた。また,そのころ,被告Yは,山梨県の消費生
活センターや福祉保健部に対し,原告商品の含有成分や販売方法について
クレームを出していた。
上記被告Yからクレームのあった事実は,同月9日ころ,山梨県の消費
生活センターから原告に告げられた。
同月10日,被告Yは,A社を訪問し,応対した同社社員に対して原告
商品に欠陥がある旨伝えた(以上の項目につき,甲24)。
また,同年11月12日,被告らは,原告商品の販売店である群馬県前
橋市所在の量販店Bに対し,別紙「注意」と表題のある文書(以下「本件
文書」という。甲1)をファクシミリ送信するとともに,原告あてには,
被告会社名の記名印を記した本件文書と同内容の書面を送信した。
(4)原告は,文書配付禁止の仮処分を申し立て(甲府地方裁判所平成14年
(ヨ)第141号),平成14年12月10日,同裁判所は,上記仮処分を認
める旨決定した。
3争点
(1)被告らの言動は,原告に対する権利侵害行為(不法行為)及び不正競争
防止法上の営業誹謗行為に当たるか。
(2)被告らの言動が上記(1)に当たる場合,違法性がないといえるか(真実性
の抗弁)。
(3)損害
(4)差止めの必要性
4当事者の主張
(1)原告の主張
ア被告らの不法行為及び営業誹謗行為
(ア)文書配付
被告らは,平成14年11月12日に量販店Bに対し,同月15日
にC時計店に対し,同月16日にD社に対し,原告商品を欠陥品だと
断定した本件文書(甲1)をファクシミリ送信して原告の名誉権,信
用を侵害した。
(イ)度重なる営業誹謗行為
平成13年5月下旬ころ,被告Yは,突然原告本社を訪れ,「自分
の商品の認可が得られなかったのは原告が圧力をかけたからだ。汚い
やり方だ,許せない。」「徹底的に戦う。」と述べた。
その後,平成14年10月2日,被告Yは,原告の取引先であるA
社に電話をして,原告商品について「その表示と異なり,ブラックシ
リカの配合は認められないのだがどういうことか。公的機関に話をす
る。」と伝えて虚偽の事実を告げて原告の信用を毀損した。
同月9日,山梨県消費生活センターから原告に連絡があり,被告ら
が原告商品について「成分に偽りがある。」とのクレームを出してい
るとの連絡を受けた。
同月10日,被告Yは,上記A社を訪問し,原告商品が欠陥品であ
るから取引を中止するよう求めるなどし,さらに,「マスコミ等にこ
の話をすれば,A社の屋台骨を揺るがすような騒ぎになり,(略),
私だったら夜も眠れない。裁判沙汰になれば,商品回収等で何十億も
かかりますよ。」などの脅迫を繰り返して,原告との取引を中止させ
ようとするなど,悪質な営業妨害行為をした。
さらに,被告らは,同年11月12日に,原告にあてて本件文書と
同一内容の文書(ただし,被告会社の記名印が入ったもの。)をファ
クシミリ送信した上,上記(ア)のとおり,原告の取引先数社に文書配
付をした。
(ウ)被告らの不法行為
上記のとおり,被告らは,自ら入手したという原告商品で行った僅
かな検査結果のみを根拠として,原告商品にはセラミック成分が混合
されていないとの虚偽の事実を触れ回った。被告らの言動は,原告の
営業や商品に対する誹謗中傷を内容とする営業妨害目的の行為であり,
不法行為に当たる。そして,被告Yは,被告会社の代表者として上記
行為に及んだのであるから,被告らによる共同不法行為といえ,被告
会社と被告Yは連帯して責任を負うべきである。
(エ)営業誹謗行為
被告会社は原告と競争関係にある貴金属製造・販売業を営むもので
あるところ,自らの商品の販路拡大に際して,原告商品やその販売ル
ートが障害になっているとして,原告商品に欠陥があるなどと誹謗中
傷し,虚偽の事実を告知して原告の営業妨害を行ったものであるから,
不正競争防止法2条1項14号にも該当する。
(オ)被告らの行為の違法性
被告らの主張は,シリカが地金と混合するはずはないという認識に
基づいたものであるが,原告側では,数回にわたり,各種の検査を行
った結果,セラミック成分は十分に検出されているし,被告らが主張
するSi(シリカ)についても検出されている。
被告らは,十分な根拠なく,原告商品が欠陥品であるとして上記行
為を行ったのであり,営業妨害の目的が明らかであるといえ,消費者
としての行動であるとか,社会的相当な行為であるとは到底いえない。
イ原告商品へのセラミック成分の混合について
当審で実施された鑑定嘱託の結果,被告らが提出した原告商品「E」
の指輪(鑑定試料番号④及び⑤)からのSi(シリカ)の検出は0.0
1パーセント未満であり,これと同様の結果の被告提出の検査結果も存
在している(乙1)。しかし,原告商品に配合されたセラミック成分は,
Si(シリカ)に限られるものでなく,複数の元素を混合させたもので
ある上,原告の実施してきたこれまでの検査結果や,鑑定嘱託における
原告提出の指輪(鑑定試料番号①及び②)からは,Si(シリカ)をは
じめ,セラミック成分が検出されていることが明らかである。存在しな
いものが検出されることはないのであるから,上記検出されなかったと
いう結果のみをもって不存在の証拠とすることはできないというべきで
ある。
ウ損害
被告らの言動によって,原告は,名誉,信用を毀損され,取引先等か
らのクレームや問い合わせに対応し,説明することを余儀なくされるな
ど多大な損害を被った。上記原告の名誉・信用毀損に対する無形損害は
500万円を下らない。
エ差止め
被告らは,上記アのとおり,虚偽の事実を告知して原告の営業を妨害
し,その営業上の利益を侵害した上,仮処分決定がなされた後も,原告
の取引先に対し,文書によらない誹謗行為を繰り返しており,今後も原
告の営業を妨害するおそれがあるから,不正競争防止法3条に基づき,
その侵害行為の差止めを求める。
(2)被告らの主張
ア不法行為及び営業誹謗行為について
(ア)被告らが,平成14年11月12日,量販店Bにファクシミリ送信
したことは認めるが,その内容は虚偽ではないし,原告の権利を侵害
する目的ではない。その他,原告が主張するように,原告の取引先各
社へファクシミリを送信した事実はない。
被告YがA社に電話をしたり,訪問をした事実は認めるが,内容と
して虚偽の事実を告げたことはないし,営業妨害の目的も有していな
い。被告Yの発言は,後記のとおり,正当な検査結果に基づき,苦情
を申し出たものにすぎず,社会的に相当な範囲内の行為である。
(イ)被告らは,原告商品のプラチナ指輪に天然セラミック(シリカ成
分)が混合しているとの宣伝文句に疑問を持ち,自ら購入した原告商
品について内容物分析の検査を行った結果,Si(シリカ)成分が検
出されなかった(乙1)ため,検査結果に基づき行動したのである。
すなわち,被告らは,原告商品が天然セラミック配合を根拠として
健康維持効果や遠赤外線効果を強調した宣伝内容に疑問を持っていた。
被告Yは,A社が取り扱う原告商品(商品名「E」)を市場で購入し,
当該原告商品について,専門機関に依頼して赤外線放射の測定検査
(乙5)や,溶融による成分分析を実施するなどした(乙1)。また,
消費者としての疑問に基づき,山梨県の消費生活センター等公的機関
にも原告商品の成分や販売方法について相談した後,紹介された専門
機関で成分分析検査を実施したところ,Si(シリカ)が0.01未
満という結果を得た。
(ウ)被告らの行った本件文書の配付や原告取引先への訪問などの行動は,
上記の検査結果をふまえ,検査対象とした原告商品からSi(シリ
カ),すなわち,天然セラミックが検出されなかったことを根拠とし
たもので,その目的も,原告やその取引先に対するいわば忠告,是正
として行ったものである。
そもそも内容的に虚偽ではないし,主観的にも虚偽であるとの認識
はなく,故意も過失もないから,原告に対する不法行為には当たらな
い。
(エ)また,被告らは,消費者としての疑問に基づいて行動しており,客
観的に虚偽の事実の告知や流布はしていないし,主観的にも虚偽であ
るとの認識はない。
被告らの言動は,虚偽ではないし,社会的に相当な方法で苦情を申
し出たにすぎないものであり,不正競争の意図も,故意も過失もない
のであるから,原告に対する営業誹謗行為にも当たらない。
イ仮定抗弁(真実性)
仮に,被告らの上記言動が不法行為や営業誹謗行為に当たるとして
も,被告らは,信頼できる検査機関における検査を実施し,検査方法
として相当な化学分析を行って得られた検査結果(乙1)を信じ,そ
の結果をふまえて,本件告知や本件文書の送付をしたのであるから,
真実であると信じるにつき相当な理由があり,違法性がない。
当審で実施された鑑定嘱託の結果によっても,被告らが市場から入
手した原告商品(鑑定試料番号④及び⑤)からは,Si(シリカ)が
検出されないという結果になっており,被告らの主張が裏付けられて
いる。被告らがこれまで行った検査結果と合わせてみれば,到底原告
が主張するような分散によるものとは認め難い。
ウ損害について
原告主張の損害は争う。原告に何らかの損害が生じたとは認められない
エ差止め
既に原告申立ての仮処分により,文書の配付や事実の告知が禁止されて
おり,現に被告らは上記行為を行っていないのであるから,差止めの必要
性はないというべきである。
第3当裁判所の判断
1上記前提となる事実に,証拠(甲1ないし24,乙1ないし11(いずれも
枝番を含む。),鑑定嘱託の結果,原告代表者及び被告代表者兼被告Y。ただ
し,乙11と被告代表者兼被告Yについては下記認定に反する部分を除く。)
及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。
(1)ア原告は,貴金属等の企画・加工・製造・販売等を業としていたところ,
平成9年ころから,地金にセラミック成分を配合した貴金属製造のため
の技術開発に取り組み,平成10年から平成11年ころにかけて,指輪
など,原告商品の製造・販売を広く行うようになった。
イ原告商品の特徴は,プラチナや金などの地金にSi(シリカ)をはじ
めとする複数の元素を混合したセラミックス(以下「特殊セラミック」
という。)を混入することにより,装飾品である貴金属に,健康維持効
果や効能を付加価値的に追加するというものであり,その販売に当たっ
ては,医学団体Fの推奨認定を受け,生体環境調整や電磁波害除去素材
であるとするセラミック・イオン(名称略)を配合した商品(F推奨認
定○○号)であることを明示するなどの方法で行っていた。
原告商品は,貴金属店等で小売販売されることが多く,A社や量販店
Bは,原告商品を取り扱う取引先であった。原告商品は,販売段階で様
々な商品名を付され,販売店毎に作成したパンフレットを用いるなどし
て販売されていたが,そのうち,A社が取り扱う原告商品は,「E」と
の名称を付されていた(乙2,3)。
ウ原告は,原告商品の製造を自社工場で行っていたところ,その製造工
程は,セラミック素材を混合させて高熱で溶かした状態の地金を貴金属
の型に流し込むというものであった。原告においては,上記アのとおり,
かねてより地金への特殊セラミックの混入を可能とするための技術開発
や人体への影響に関する研究を行っていたが,地金へのセラミック成分
の均質な分散や,個々の貴金属への均質な分散には一層難しい技術を要
するとされていた。原告は,平成13年10月からは,山梨県等の実施
していた起業化支援政策に基づき,山梨県工業技術センター内に研究室
を構え,研究や検査を実施していた(甲11)ほか,当時,セラミック
素材の仕入先であった有限会社Gの役員が中心となって進めていた中国
の大学との共同研究に費用を投じたり(甲20),国内研究機関との研
究(甲21)を通じて,セラミック・イオンの生体や人体に及ぼす影響
や効能などについての研究を重ねていた。
また,原告は,原告商品について,その地金に特殊セラミックが混入
されていることを確認するため,地金(プラチナ,金及び銀)の分析検
査を実施してきていたところ,平成13年11月に,山梨県工業技術セ
ンターでの湿式化学検査(電子顕微鏡試験・EPMAによる面線定性分
析。甲2)を行ったほか,平成14年2月には滋賀県工業技術総合セン
ターでの定量分析(甲3),同年3月には長野県工業試験場での定性分
析(甲4)を行った。また,同年5月には,山梨県工業技術センター内
に構えていた原告代表者の研究室やセンター内の設備等を利用して,蛍
光X線分析,電子顕微鏡による現物確認を実施した(甲11)。
上記のいずれの検査においても,検査対象とした地金のすべてから,
Si(シリカ)ほか,複数のセラミック成分が検出,あるいは分散存在
していることが確認されていた。
エなお,平成13年から平成14年ころ,原告商品の販売に当たって,
原告における研究結果の一部のデータを利用したり,BCチェッカー
(血液循環の機能を調べる機器)を表示して,遠赤外線効果による血液
循環の改善など人体の健康維持効果や効能を強調したパンフレットが利
用されたことがあった。研究結果の一部データを利用するパンフレット
については,山梨県の保健所の指導を受け,パンフレットを印刷し直し
た(乙2,3)経緯があったほか,その後も薬事法の改正に応じ,効果
・効能への記載が薬事法に抵触するおそれがある場合には,販売店にお
いて,クレームに応じてパンフレットを印刷し直すという取り扱いが行
われていた。
オ被告Yは,貴金属の製造・販売等を業とする被告会社の代表取締役で
あるが,被告会社では,平成13年ころ,トルマリン鉱石を混入させた
貴金属の開発,商品化を進めており,同年7月には,上記の商品開発と
全国販売への取り組みが新聞に取り上げられるなどした。被告会社は,
商品名を「H」とし,トルマリンの配合により,マイナスイオンと遠赤
外線効果が得られる健康ジュエリーであることを強調し,「医学団体I
認定商品」との表示を付すなどしたパンフレットを作成するなどして,
その販売を行うこととしていた(甲12,13)。
(2)アそのころ,被告Yは,原告が展示会で原告商品を販売するに当たって,
白衣を着た販売員が販売を行っており,成人病,がん予防や血流改善,
遠赤外線などの効能をうたっていたことについて,薬事法等に違反する
違法があるのではないかとの疑念を持っていた。
そこで,被告Yは,市場で流通している原告商品の指輪3本(被告Y
によれば,A社が取り扱っていた原告商品「E」のプラチナ指輪2本及
び18金指輪1本。以下「本件3本の指輪」という。)を入手し,その
検査を行おうとして山梨県工業技術センターを訪れた。同センターでは,
溶融による化学分析が正確であるとの説明を受け,検査機関としてJ社
を紹介されたため,被告Yは,入手した本件3本の指輪の検査を,J社
に依頼した。
上記検査の結果,本件3本の指輪について,SiO2(王水分解後の
残さをアルカリ溶融剤で溶解した溶液中のSi(シリカ)を分析し,S
iO2としたもの。)の含有は,0.01パーセント未満というもので
あった(報告日2002年(平成14年)9月24日。乙1)。
イ被告Yは,平成14年10月2日,原告商品の取扱店であるA社に電
話をし,応対した社員に対し,原告商品である「Eのリングを持ち込み
破壊検査を行ったところ,ブラックシリカの配合は認められないのだが
どういうことか。公的機関に話をする。」旨を伝えた。
また,そのころ,被告らは,山梨県の消費生活センターや福祉保健部
に対し,原告商品の成分内容や販売方法についてクレームを出すなどし
た。
同月9日ころ,山梨県の消費生活センターから原告に対し,被告らか
ら原告商品についてクレームが出されている旨の連絡があった。
ウ(ア)同月10日,被告Yは,「E」とみられる指輪の一部分やパンフレ
ットを持参してA社を訪問した。被告Yは,応対した同社の社員K,
Lに対し,「EにSiO2(シリカあるいはブラックシリカ)が混合
されていない。J社の分析センターで溶かして分析した結果,SiO
2の存在は認められなかった。詐欺になる。裁判などになって負けた
り,出るところに出たらA社の信用は失墜してA社の屋台骨はぐらぐ
らするよ。ブラックシリカは,昔は混ぜようとしてもできなかった。
それがデスク(原告のこと)にできる訳がない。金はともかくプラチ
ナは絶対に混ざらない。それなのにブラックシリカが混ざったと言っ
て売っている。」などと話し,さらに,「デスク(原告のこと)は汚
い。自分が申請したら医学団体Fの認定も却下された。医学団体Fが
許せない。医学団体Fの推薦があれば同じ土俵で戦える。」「マスコ
ミ沙汰になれば屋台骨はぐらぐらする。」などと伝えた(以下「本件
告知」という。)。
(イ)なお,被告らは,A社における本件告知内容の一部を争い,同社の
取扱商品に問題があったことに対し,パンフレットの記載や販売方法
の見直しなど企業としての対応を確認し是正を求めたのであり,同社
への脅迫や原告への営業誹謗とみられるような言動をしたことはない
旨主張する。
しかし,A社の担当者作成の報告書(甲10)の内容は具体的であ
るほか,A社は,後記(4)アのとおり,被告Yの訪問の後,すぐさま
原告に対し事実確認や説明を求め,独自に原告商品の内容成分につき
分析検査を実施するなどの対応(甲22,23)をしていること,原
告とA社との間に原告商品の取引関係以外の特別な関係があるともみ
られないこと,本件告知から本件文書の送付に至るまでの経緯やその
後の経過,本件文書の記載内容との類似性などに照らせば,本件告知
の内容は,上記認定のとおり認められるというべきである。
エその後,同年11月12日,被告らは,原告商品の販売店である群馬
県前橋市所在の量販店Bに対し,本件文書(甲1)をファクシミリ送信
した。
本件文書は,「注意」との表題が太字で記載されたもので,発信者の
表示はなく,その主な内容は次のとおりである。

「医学団体F」の「推奨品(推奨認定番号○○)として販売されている
天然セラミック配合ジュエリーのプラチナリング3本を分析検査した所,
天然セラミックは検出されませんでした。」
「この製品を販売すると詐欺・景品表示法違反となります。業者の皆様
には十分な注意をお願いします。」
「この製品は甲府市の(原告)が製造しているもので当社で警告しまし
たが山梨県工業試験所の証明が」「あるとの事で聞き入れず販売を続け
ております。」
「なぜ当社が山梨県工業試験所に分析に出すと検出されないのでしょう
か?」
「この書面は」原告に「当社の実名入りで送ってあります。」
「事実と異なれば当社を告訴してください。その方が裁判になり,こち
らも好都合です。なぜなら,私が正しいからです。」
オ原告は,本件文書が同年11月15日から16日ころにかけて,上記
量販店B以外にも,原告商品の販売店等数社に当てて送信されたとの報
告を受け,それら取引先等からの問い合わせに対応し,説明を要する事
態となった。
また,同月12日,本件文書が上記量販店Bに送信される前に,ほぼ
同一内容の書面(上記の「事実と異なれば」以下の部分が省略され,文
末に被告会社名の記名印が押されたもの。)が,原告あてにファクシミ
リ送信されていた。
カ原告と被告会社との間や,被告会社とA社との間には,何らの取引関
係もなかったところ,原告代表者は,被告YとA社のやり取りや,山梨
県の消費生活センターからの連絡を受け,警察に相談をすることとした。
その折り,さらに上記書面が原告あてに送信されたことから,原告代表
者は,再度,警察に相談に行くとともに告訴状を提出することとし,民
事的対応としても,仮処分手続をとることを決め,被告らの文書配付禁
止の仮処分を申し立て(甲府地方裁判所平成14年(ヨ)第141号),平
成14年12月10日,同裁判所により上記仮処分を認める決定が出さ
れた。
(4)ア被告Yの来訪等を受けたA社は,その後,原告商品に関する独自調査
を実施することとし,平成14年11月25日ころには,千葉県機械金
属試験場に,同月26日には埼玉県工業技術センターに,それぞれ原告
商品の試料分析を依頼した。前者では,指輪とブレスレットに蛍光X線
分析を実施した結果,Si(シリカ)ほか複数のセラミック成分が検出
され(甲23),後者では,プラチナ,金及び銀の地金に対するX線マ
イクロアナライザー試験の結果,プラチナ及び金の地金から相当量のS
i(シリカ)等のセラミック成分が検出された(甲22)。
イまた,原告においても,本訴係属中の平成15年10月14日,M社
に対し,原告商品であるプラチナの指輪についてICP発光分析法によ
るSi(シリカ)の定量分析を依頼し,その結果,相当量のSi(シリ
カ)が検出された(0.89パーセント(単位:m/m)。甲14)。
ウなお,当審において実施したM社に対する鑑定嘱託の結果(蛍光X線
分析による測定とICP発光分析法による分析),原告提出による原告
商品(プラチナ指輪)2本(鑑定試料番号①及び②)からは,相当量の
Si(シリカ)が検出されたが,被告らにおいて市場で入手した原告商
品(プラチナ指輪)2本(鑑定試料番号④及び⑤)からは,Si(シリ
カ)の検出は0.01パーセント未満であった。
2そこで上記認定事実をもとに順次検討する。
(1)争点(1)(被告らの言動が,原告に対する不法行為及び営業誹謗行為に当
たるか)について
ア(ア)原告商品について,被告代表者兼被告Yが行った言動は,上記のと
おりと認められるところ,本件告知の主たる内容は,原告商品である
「E」の検査の結果,シリカやブラックシリカの混合がなく,存在が
認められなかったというものであり,本件文書についても,原告商品
である「天然セラミック配合ジュエリーのプラチナリング3本」の分
析検査の結果,「天然セラミックは検出され」なかったとの記載が主
な内容とされているほか,いずれについても,天然セラミックが検出
されないことを理由として,原告商品を取り扱うことが「詐欺」等に
当たるおそれがある旨の内容も含んだものである。
これによれば,本件告知や本件文書の内容は,原告商品の品質や信
頼性,更には原告の社会的信用に関わる事実を摘示したものであるこ
とが明らかである。
(イ)事実摘示の相手方は,原告商品を取り扱う原告の取引先であったと
ころ,被告らにおいても,A社を訪問した事実と,量販店Bへ本件文
書をファクシミリ送信した事実については争わない。
なお,被告らは,原告が主張する量販店B以外へのファクシミリ送
信の事実を否認するが,本件文書の内容が広く原告の取引先とみられ
る業者全般を相手にしたものとなっていることや,原告が複数の取引
先から本件文書に関わる連絡や問い合わせを受けていることに照らせ
ば,被告会社は,上記以外の原告の取引先複数に本件文書をファクシ
ミリ送信した事実が認められるというべきである。
(ウ)原告商品の特質が,装飾品である貴金属に特殊セラミックを配合し
たことにより人体への健康維持効果・効能を付加したという点にあっ
たことからすれば,原告商品の取引先である会社や販売店に対し,
「天然セラミックは検出され」なかった旨を摘示すれば,原告商品の
品質に対する信頼・信用を損ねることとなり,原告の社会的信用が毀
損されることは明らかである。
イ(ア)そこで,次に,摘示された「天然セラミックが検出されない」との
告知や記載内容が虚偽であり,本件告知や本件文書の送付が原告に対
する不法行為や営業誹謗行為に当たるといえるかについて検討する。
(イ)被告らは,市場に流通していた原告商品「E」を入手し,本件3本
の指輪について,J社において成分分析検査を行った結果,セラミッ
ク成分であるSiO2(シリカ)の配合が,0.01パーセント未満
であったことに基づき,天然セラミックが検出されなかったとして,
本件告知や本件文書の送付に至ったことが明らかである。
被告らの実施した検査は,セラミック成分の一つであるSiO2
(シリカ)の含有を調べるため,専門機関であるJ社に依頼をして,
溶解検査を行ったというものであり,検査方法として妥当なものであ
ったといえる。
そうすると,本件告知のうち,「EからSiO2(シリカ)が検出
されない」という部分や,本件文書のうち,原告商品の指輪「3本を
分析検査した所,天然セラミックは検出されませんでした。」との部
分は,直ちに虚偽であるとは認められず,相応の根拠に基づいた事実
とみることができる。
また,当審で実施されたM社に対する鑑定嘱託の結果,市場で流通
している原告商品であるプラチナリング2本(鑑定試料番号④及び
⑤)に関するSiO2(シリカ)の配合は,蛍光X線分析でも,化学
分析でも0.01パーセント未満とされており,被告らの主張する上
記検査結果(乙1)と矛盾しない結果となっている。
この点,原告は,上記鑑定嘱託や被告ら提出の検査にある0.01
パーセント未満との結果は,ゼロを意味するものではなく,上記検査
結果から,Si(シリカ)が存在しないとはいえないと主張している
ところ,確かに,まったく存在しないことを意味するものとはいえな
い。しかし,きわめて僅少な値であることは明らかであって,上記検
査結果をふまえて,セラミック成分であるSi(シリカ)の含有につ
き「検出されなかった」との事実を摘示することは,社会通念に照ら
しても虚偽であるとはいい難い。
(ウ)しかしながら,本件告知や本件文書の摘示するところは,単に「シ
リカが検出されない」というものにとどまらず,A社に対する告知で
は,「E」を取り扱えば「詐欺になる」,「裁判などになって負けた
り,出るところに出たらA社の信用は失墜してA社の屋台骨はぐらぐ
らするよ。」とか,シリカがプラチナに混合することは絶対にないな
どと,断定的な表現を用いて,原告商品の品質の信頼性を否定し,原
告商品を取り扱うことが問題であるとの印象を与える内容である。ま
た,本件文書も,原告商品である天然セラミック配合ジュエリーを
「販売すると詐欺・景品表示法違反」になると断定的に述べて,やは
り原告の取引先に対し,原告商品の品質の信頼性を否定し,原告商品
を取り扱うことが問題であるとの印象を与えるものである。
そして,本件告知や本件文書の送付時点において,被告らが根拠と
した原告商品は,被告らの主張によっても本件3本の指輪のみである。
一方,原告が取り組んだという原告商品開発の過程において,原告
自らが様々な成分分析検査を繰り返した経緯は明らかであり,いずれ
の検査においても,Si(シリカ)をはじめ,複数のセラミック成分
が明確に検出されている(甲2ないし5)。これに加え,当審におけ
る鑑定嘱託において,原告が提出した原告商品(鑑定試料番号①及び
②。商品名「E」)からは,相当量のSiO2(シリカ)が検出され
ていることも認められるのである。
(エ)上記のとおり,被告らが本件告知や本件文書の送付により摘示した
事実は,本件3本の指輪からセラミック成分であるSi(シリカ)が
検出されなかったことを根拠として,特殊セラミックの配合を宣伝文
句とした原告商品の販売を行えば「詐欺」になるなどと告知,摘示し,
特殊セラミック配合とされた原告商品全般につき,セラミック成分が
含まれていない旨断定的に示してその品質に疑問を抱かせるものであ
る。
結局,被告らは,被告ら実施の検査結果(乙1)のみから,きわめ
て断定的な事実として,原告商品に「天然セラミックが検出され」な
いことをいうのであって,本件告知や本件文書の全体的な内容及び相
手方に与える印象等を総合的に考慮すれば,被告らの摘示した事実が
真実であるとは認められず,その主たる部分に虚偽が含まれていると
いわざるを得ない。
(オ)なお,原告代表者は,原告商品のSiO2(シリカ)の配合につい
ては,大学などとの共同研究を重ね,商品化を進めてきたとし,一方
では,均一分散することの難しさや,商品取扱中にも技術の向上に努
めてきた旨述べているところ,市場に流通している商品の中に,Si
O2(シリカ)の配合がきわめて僅少なものがあったとの疑いを払拭
することはできない。
しかし,被告ら実施の検査結果のみをもって,原告商品全般につき,
SiO2(シリカ)の配合がないとか,天然セラミック,特殊セラミ
ックの配合がないとまで断定することはやはりできないというほかな
い。
(カ)以上により,被告らの行った本件告知や本件文書は,虚偽の事実を
述べたものと認められる。
ウ(ア)次に,被告らは,原告の営業を妨害する意図はなく,不法行為上の
故意,過失や不正競争の意図もなかった,消費者としての疑問に基づ
いて公的機関に相談し,正当な検査を実施したことはあるが,本件は,
その結果を根拠として苦情を申し出たものにすぎず,社会的に相当な
範囲内の行為であったと主張する。
(イ)市場に流通する商品の信用性に疑問を持った場合,公的機関に問い
合わせをしたり,当該商品を取り扱う業者等に問題点を示すなどして
何らかの対応を求めるといった行動に出ることは,消費生活や商品流
通の安全性・健全化を図るための消費者活動等として当然に予定され
得るものといえる。
本件では,上記のとおり,被告Yは,セラミック成分の配合を根拠
として,健康維持効果や遠赤外線効果を強調する原告商品の内容成分
に疑問を持ち,山梨県の消費生活センターに相談をしたり,山梨県工
業技術センターに検査依頼をしたことが認められる。被告会社が貴金
属の製造・販売を業とする株式会社であり,被告Yがその代表者であ
ることに照らせば,通常の消費者活動とは性質を異にするものではあ
るものの,同業種に携わることで得た専門知識をもとに,上記のよう
な行動に出ること自体に問題があるとはみられないし,実施した検査
の結果,商品の品質に疑問が生じたような場合であれば,同業他者に
対してであっても,問い合わせや注意喚起を行い,必要な対応を求め
ることも,手段方法が相当といえる限りは,社会的に相当な行為とし
て是認されるものと解される。
(ウ)そこで,検討するに,本件告知や本件文書の内容は,既にみたとお
り,Si(シリカ)や天然セラミックの検出がなかったというにとど
まらず,原告商品を販売すれば「詐欺」や裁判になるなどと断定的か
つ誇張的に述べたものであり,その告知や送付の相手方は,原告や原
告の取引先であったところ,被告会社と,告知や送付の相手方とされ
た原告やその取引先との間に,何らかの取引関係があったともみられ
ない。
そして,上記のとおり,被告会社は,貴金属の製造・販売を行って
おり,本件文書の送付以前である平成13年7月ころからは,被告会
社において,トルマリン成分を配合した健康ジュエリーと題して自社
製品の販売に乗り出すなどしていたという経緯に照らせば,原告と被
告会社とは,山梨県内における同業者であるというのみでなく,明ら
かな競争関係にあったことが認められる。
被告会社では,平成14年11月12日に量販店Bに本件文書を送
付する前に,原告にあてて被告会社名の付されたほぼ同内容の文書を
ファクシミリ送信したことが認められるものの,それ以前に,被告ら
が原告に対し,原告商品に関する問い合わせや苦情の申入れをしたと
いう経過はまったくみられない。これに加え,被告YがA社を訪問し
て本件告知をしたのは,原告に本件文書と同内容の文書を送付した時
点から更に遡った同年10月初旬のことである。
上記諸事情に照らせば,本件告知や本件文書の送付が,消費者とし
ての疑問に基づくものであるとか,原告に対する単なる注意や警告に
とどまるものであるとは認め難く,社会的に相当な範囲内の行為であ
るとは到底認められない。
(エ)そうすると,原告の取引先を相手として行われた本件告知や本件文
書の送付は,原告と競争関係にあった被告会社の代表者である被告Y
が,単に原告商品の品質への注意や警告を意図したにとどまらず,原
告商品の品質への疑問を摘示して原告の営業を妨害し,その社会的信
用を損ねる意図のもとに行った,原告に対する違法な権利侵害行為で
あるとともに,原告に対する営業誹謗行為に当たるといわざるを得な
い。
エ以上の次第で,被告らは,虚偽の事実を告知し(本件告知),また,
虚偽事実を記載した本件文書の送付を行ったと認められ,上記虚偽の事
実は原告の社会的信用を毀損するとともに,その営業上の信用を害する
ものといえるから,民法上の共同不法行為を構成するとともに,不正競
争防止法上の営業誹謗行為にも当たるというべきである。
(2)争点(2)(真実性の抗弁)について
ア次に,被告らは,事実を摘示する行為が,仮に法人に対する信用毀損
や営業妨害に当たり得る場合であっても,摘示した事実が真実である場
合や,相応の根拠に基づき真実と信じて行った本件告知や本件文書の送
付等が,社会的に相当な範囲内の行為であって,違法性を欠く旨主張す
るので,この点につき検討する。
イこの点,被告らは,市場に流通していた原告商品「E」を入手し,こ
れに対してJ社による分析検査を行った結果,SiO2(シリカ)の配
合が,0.01パーセント未満という僅少なものであったことに基づき,
本件文書の送信や事実の告知に至ったことが明らかである。
被告の行った検査が専門機関によるもので,検査方法として妥当なも
のであることは既に述べたとおりであり,当審における鑑定嘱託の鑑定
試料番号④及び⑤の原告商品と同じく,SiO2(シリカ)の配合が,
0.01パーセント未満であったことが認められる。
ウしかし,被告らは,本件告知や本件文書の送付に当たって,上記被告
ら実施の検査結果(乙1)のみを根拠としたことは既に検討したとおり
であり,上記検査結果のみから,きわめて断定的な事実として,原告商
品に「天然セラミックが検出され」ないことを述べた被告らの言動には,
違法性を阻却するような相当な理由があるとは到底認められない。
(3)争点(3)(損害)について
上記のとおり,被告らによる本件告知や本件文書の送付という不法行為
により,原告は,特殊セラミック配合を特質とする原告商品に対する信頼
を損ね,大手の取引先であるA社への対応や説明を含め,複数の取引先や
販売店からの問い合わせに対応を余儀なくされ,多くの時間や人手を要し
た。また,原告商品の取り扱いをめぐる契約交渉段階であったものの,本
件によって契約の締結に至らなかったケースもあるなど,原告は,その社
会的信用を毀損されたことにより,営業上の損害が生じたことが認められ
る。
上記原告の被った無形損害は,150万円をもって相当と認める。
(4)争点(4)(差止めの必要性)について
ア被告らは,既に被告らが仮処分に基づき,事実の告知や本件文書の配
付をやめているのであるから,もはや差止めの必要性はない旨主張する。
しかしながら,被告らが本件告知や本件文書の送付に至った経緯,本
件訴訟の経過及び弁論の全趣旨に照らせば,被告らが真実を記載した正
当なものであるとの見解を有していることは明らかであるから,被告ら
は,将来において,特殊セラミックの配合を特質とする原告商品に関し,
虚偽の事実の告知及び流布を反復継続し,これにより原告の営業上の利
益が害されるおそれがあるというべきである。
イしたがって,原告の差止請求には理由があり,被告らによる虚偽の事
実の告知及び流布を差し止める必要が認められるというべきである。
3よって,原告の請求は,被告らに対し,連帯して金150万円及びこれに対
する本訴状送達の翌日である平成15年3月8日から支払済みまで年5分の割
合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからその限度で認容し,
被告らによる虚偽の事実の告知及び流布の差止めの請求は理由があるから認容
し,その余の請求は理由がないから棄却することとする。なお,主文第2項に
ついての仮執行宣言は相当でないからこれを付さない。
甲府地方裁判所民事部
裁判長裁判官新堀亮一
裁判官岩井一真
裁判官青木美佳

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