弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人泉国三郎の上告理由第一点について。
 論旨は、Dは上告人の親権者であるにかかわらず、上告人所有の本件土地に関す
る農地法二六条以下所定の利用権設定について協議を受けたこともなく、裁定の通
知を受けたこともない、かかる手続による本件裁定は違法であるというのである。
 原判決は、この点について、Dが上告人の親権者でない旨を判示し、なお、仮に
親権者であつて、所論のように手続上無視されても、同人は上告人の父Eと同居し
ており、所論の手続が右Eに対して行なわれた以上、Dにおいてこれを知り得たも
のと認めるべく、一切の措置をEに委ねてきたものと認めることができるとし、そ
うでなくても、右Eが裁定に対し異議、訴願をしている以上、上告人の権利保護に
欠くる点はなかつたとし、手続上の瑕疵は治癒されたものと解すべき旨を判示して
いる。
 思うに、農地法二六条以下で、土地の利用権設定について、利用を必要とする者
と土地所有者を協議をさせ、裁定に際し所有者の意見を聞くべきことにしているの
は、所有者の権利の保護のためであり、また民法の親権に関する規定も、未成年者
の保護のためと解するのが相当である。そして、原判決の確定した事実関係の下に
おいては、農地法所定の手続中、所論のような瑕疵があつても、その一事をもつて、
本件裁定を取り消さなければならないほどの違法があるものとは認められない。こ
れと同趣旨に出た原判決は正当であつて、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 論旨は、本件土地は利用不適地である旨を主張し、原判決が適地と判断したのを
非難するのである。しかし、原判決挙示の証拠によればこの点に関する原判示は首
肯できないわけではなく、論旨は、要するに原審の専権に属する証拠の取捨判断お
よび事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。
 同第三点について。
 論旨は、本件裁定を申請したF協同組合は、裁定申請の適格がない旨を主張する
のであるが、右組合が所論のように単なる利権あさりの集りであるとの事実は、原
判決の認定していないところである。かえつて、原判決の認定した事実によれば、
同組合員は相当数の家畜を飼育しており、採草の上からも本件土地の利用が必要で
あるというのであつて、論旨は、結局、原判示に副わない事実を主張し、原判決の
事実認定を非難するに帰し、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   朔   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛