弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人我妻源二郎の上告趣意第一点について。
 証拠とすることのできない証拠を他の証拠と綜合して犯罪事実を認定した違法が
あつても、その証拠を除外して他の証拠により犯罪事実を認めることができる場合
には、その違法は判決に影響を及ぼさないものというべきであることは、新刑訴法
につき当裁判所のくりかえし判例として示したところである、(昭和二五年(あ)
二四九二号同二七年九月三〇日第三小法廷判決等)。それ故、所論のように、本件
第一審判決に証拠として提出されない証拠を罪証に供した違法があつたとしても、
右の違法の証拠を除外しても判示事実を認めることができる以上、右の違法は判決
に影響を及ぼさないとした原判決は、上記の判例に添うものである。論旨援用の各
判例はいずれも旧刑訴法に関するものであるから、本件に適切でない。
 その余の論旨は単なる刑訴法違反の主張に帰し、適法な上告理由とならない。(
所論Aの検事に対する第一回供述調書については、第一審裁判所は、共同被告人全
員がこれを証拠とすることに同意したものとして、刑訴三二六条一項によりその供
述されたときの情況を考慮し相当と認めて証拠としたものであるから、その証拠能
力を否定する所論は理由がない。)また所論Bの二つの供述調書についての主張は、
その信憑力を争うに過ぎないから採用できない。
 同第二点について。
 論旨は単なる刑訴法違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 同第三点について。
 論旨は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由とならない。なおこの点
に関する原判決の説示の正当なことについては、昭和二五年(あ)一四八号同年七
月一四日第二小法廷判決参照。
 同第四点及び第六点について。
 論旨はいずれも量刑不当の主張に帰し、適法な上告理由にあたらない。
 同第五点について。
 論旨は、第一審における第二回以降の公判が公開されなかつたことを主張するけ
れども、そのことは控訴趣意として主張されず、原審の判断を経ていないところで
あるのみならず、このような事由があることを理由とする上告の申立には、刑訴四
一四条、三七七条三号により、その事由があることの充分な証明をすることができ
る旨の保証書を添附しなければならないのに、かような保証書の添附もなされてい
ないから、いずれの点からみても上告理由として不適法である。
 弁護人和島岩吉の上告趣意第一点について。
 原判決は、共同被告人の供述調書は被告人の関係においては刑訴三二一条一項の
書面にあたるものであるとの前提に立つた上、所論Aの検察官に対する供述調書に
つき、被告人等の同意があつたものとして(この点についての原判決の説明は首肯
できる)、その証拠能力を認めた趣旨であることが明白であるから、所論高等裁判
所の判例に違反するとの主張は理由がない。その余の判例違反の主張は、判例を具
体的に示していないから、適法な上告理由とならない。
 同第二点について。
 論旨は判例違反を主張するけれども、如何なる判例に違反するかを具体的に示し
ていないから、適法な上告理由とならない。のみならず、原判決が当裁判所の判例
の趣旨に従うものであることは、前記のとおりである。
 同第三点について。
 論旨は名を判例違反に籍りて実は原判決の事実認定を非難するに外ならないから、
適法な上告理由とならない。
 また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認めらない。
 よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二九年三月一六日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三

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