弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件申立を棄却する。
         理    由
 記録によると、被告人に対する前記被告事件について、昭和三〇年三月二九日当
裁判所のなした上告棄却の決定(送達四月二日)に対し、申立人から同年四月五日
電報により、また同年四月二六日即時抗告書と題する書面により即時抗告の申立を
なしたことが明らかである。しかし刑訴四一四条、三八六条一項三号により上告を
棄却した最高裁判所の決定に対しては、同四一四条、三八六条二項により異議の申
立をなすことができるが(昭和三〇年(す)第四七号、同年二月二三日当裁判所大
法廷決定参照)、右決定に対し即時抗告の申立をなすことは許されない。よつて、
本件申立は不適法であつて、棄却すべきものである。(なお、本件申立を異議の申
立と見るとしても、同四一四条、三八六条二項、三八五条二項、四二二条、四二三
条一項によれば、上告棄却の決定に対する異議の申立は、右決定のあつた日から三
日以内に書面でこれをしなければならないとされているのであつて、訴訟手続の明
確を期する趣旨から見れば、電報はこゝにいう書面に該当しないものと解するのを
相当とする。従つて電報による本件申立は法令上の方式に違反したものであるし、
またその后に提出された即時抗告申立補充書と題する書面は三日の申立期間経過后
に提出されたものであることが明らかであるから、不適法である。)
 よつて、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  昭和三〇年五月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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