弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人小町愈一、同金田哲之、同高橋一成の上告理由第一点および第二点に
ついて。
 本件賃貸借契約に基づく昭和二四年度分以後の賃料につき、上告人は、当初の契
約で定めた賃料の支払時期を変更して、六か月分を一括してその支払分の最後の月
末までに支払うことを承諾したものであり、また、賃料の支払を二回以上怠つたと
きは催告を要せず契約を解除することができる旨の特約は、当事者間の多年の慣行
を通じて暗黙の合意によりその効力を失つたか、少なくとも右特約により催告なし
に契約解除することは信義則上許されないものと解すべきであり、したがつて、延
滞賃料の履行を催告することなしになした契約解除は効力を生じないものというべ
きである旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することが
できる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。
 同第三点について。
 土地の賃貸借契約において、賃借人が賃貸人の承諾なしに賃借権の一部を譲渡し
たとしても、それがただちに背信行為となるものではない(最高裁判所昭和二五年
(オ)第一四〇号、同二八年九月二五日第二小法廷判決、民集七巻九号九七九頁参
照)が、右が背信行為にあたらず契約解除のできない特段の事情については、賃借
人においてこれを主張立証しなければならない(最高裁判所昭和四〇年(オ)第一
六三号、同四一年一月二七日第一小法廷判決、民集二〇巻一号一三六頁)。したが
つて、この主張立証が尽くされないかぎり、賃貸借の目的たる土地四一九・八三平
方メートル(実測面積)のうち六九・六八平方メートル部分の賃借権が無断譲渡さ
れたにすぎない本件の場合においても、賃貸人は賃借人に対して本件賃貸借契約の
全部の解除をすることができるものと解すべきである。
 ところで、被上告会社は、昭和一九年四月一日本件土地を上告人から賃借し、同
地上に原判決記載の別紙物件目録(一)の第二の(一)、(二)の各建物、同目録第三、
第四の建物を建築し、右第二の(一)の建物を被上告人B1に、第三の建物を被上告
人B2に、第四の建物を被上告人B3に、それぞれ賃貸し、右各被上告人は、各賃
借建物を占有してそこでいずれも飲食店を営み、被上告会社もまた、右第二の(二)
の建物を使用してガソリンスタンドを営み、被上告人B4は右建物に居住し、被上
告人らは、本件土地上で生計を維持していること、被上告会社が上告人主張の本件
土地のうちの六九・六八平方メートル部分の賃借権を訴外Dに譲渡するについては、
従来の事情から、上告人の承諾を得られるものと思い、その際の名義書換料として
相当の金員を上告人に支払うことを予定していたものであつて、当初から上告人の
意思を全く無視していたものではないことは、原審の適法に確定した事実であり、
しかも、右六九・六八平方メートル部分は本件土地のうち公道とは反対の西隅の全
体に対する一割七分の最も価値の低い部分であることは、原判文を通覧すれば明ら
かである。
 そうとすれば、これらの事情は前記にいわゆる特段の事情にあたるものというべ
く、上告人は、被上告会社の右賃借権の無断譲渡を理由に契約を解除することはで
きず、無断譲渡を理由とする上告人の被上告会社に対する本件賃貸借契約の解除は
効力を生じないものといわなければならない。したがつて、上告人の被上告人らに
対する請求はすべて理由がないから、これを棄却すべきである(被上告会社は上告
をしていないから、当裁判所は、上告人から不服申立のあつた限度で原判決を変更
することしかできない。また、本判決が、上告人とDとの間の昭和三三年一二月八
日武蔵野簡易裁判所で成立した調停の効力に影響を与えるものでないことも明らか
である。)。本件土地のうち右六九・六八平方メートルを除くその余の部分につき
上告人の明渡請求等を排斥した原判決は、その理由において異なるが、結論におい
て正当である。所論は採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    関   根   小   郷

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