弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士勅使河原直三郎の上告理由第一点について。
 Dと亡E間に昭和二二年一一月二五日将来判示三筆の土地に対する本換地として
指定されるべき土地を目的として代金三万円で売渡契約が締結されたこと、Fは、
その生前において右三筆の土地を被控訴人(上告人、被告)に売り渡したことはな
いこと、竝びに、判示のごとく交渉を有利に導くためDと被控訴人が通謀の上昭和
二八年一〇月初頃Dが昭和一六年一一月二九日被控訴人に右三筆の土地を代金五千
円で売り渡した旨の売渡証を作成して仮装しこれに基き昭和二八年一〇月三日右三
筆の土地につき被控訴人名義に移転登記を経由したこと等の原判決の事実認定は、
挙示の証拠関係に照しこれを肯認できないことはなく、その過程において所論の違
法を認めることはできない(なお、所論は、上告人が昭和一六年一一月二九日Dの
先代Fから買受けたというが、Fはその以前同年八月三一日死亡したことは、原判
決の確定したところである)。所論は、結局原審が適法になした証拠の取捨、判断
ないし事実の認定を非難し、これを前提として所論の違法あるがごとく主張するに
帰し、採ることができない。
 同第二点について。
 しかし、被上告人(控訴人、原告)が一審以来Dと被告(被控訴人、上告人)と
が通謀の上売買を仮装したとの主張をしたことは、記録上明白であり、仮装による
無効であるとの主張は何人もなしうるこというまでもなく、被控訴人が控訴人らの
登記の欠缺を主張するについて正当の利益を有する第三者に該らないから控訴人は
登記なくして本件土地の取得を被控訴人に対抗しうることは原判決の詳細説示した
ところである。されば、原判決には所論の違法は認められない。
 同第三点について。
 しかし、当事者を異にする別件の事実関係は、本訴における事実認定を拘束する
ものではないから、原審裁判官が本件につき別件と異る事実認定をしたからといつ
て違法であるということはできない。また、換地処分は、所有者の何人であるかを
確定するものではないから、被上告人が本訴で本件土地の所有権の確定を求めうる
こというまでもない。その他弁論を再開するか否かは原審の裁量に属するものであ
るから、本論旨も採るを得ない。
 上告代理人弁護士鍛治利一名義の上告理由第一点、第二点について。
 しかし、原判決の所論第一点摘録の判示は、その証拠関係に照しこれを首肯する
ことができる(ことに、被控訴人提出の乙第一ないし第四号証、乙第一二号証の一、
二もいまだ判示事実を肯認せしむるに充分でない旨の原判決の証拠判断も当裁判所
においてこれを是認することができる)。されば、所論第一点、第二点は、結局原
判決が適法になした事実の認定ないし証拠の取捨、判断を非難するに帰し、採るを
得ない。
 同第三点について。
 しかし、甲二号証中に「換地成立後は一四一を小生分二十坪に該当せしめ」とあ
るからといつて、必ずしも一四一番の二は、上告人の所有であることを示している
と解することはできないし、また、斯く解することができるとしても、判決に所論
のごとき理由をも示さなければならないとすることもできない。されば、これを前
提とする理由不備の本論旨も採るを得ない。
 同第四点、第五点について。
 しかし、原判決挙示の証拠(但し原判決には所論甲二号証は証拠として挙示され
ていない)によれば、所論摘録の原判示事実認定を肯認することができる。されば、
原醤決には所論の違法は認められない。
 同第六点について。
 しかし、所論主張については、原審はこれを却下した趣旨であると解されるから、
所論も採るを得ない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

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