弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中有罪部分を破棄する。
     被告人を懲役一年四月に処する。
     原審の訴訟費用中証人A同Bに支給した分は被告人の負担とする。
     本件公訴事実中有価証券虚偽記入の点については被告人は無罪。
         理    由
 本件控訴の理由は末尾添付の弁護人古野周蔵提出の控訴趣意書の通りである。
 第一点について、
 原判決の認定した事実によると被告人が最初a村農業協同糾合理事Cから約束手
形を受取る際に施した欺罔手段は「自己の金融を計る目的を秘し右Cに対しa村の
ために箪笥預金をしている人から資金を借りるか或は同組合に預金をさすから約束
手形を発行されたいと申欺きその旨右Cを誤信せしめた」と言うのであつて、右事
実は証人C同Aの各証言によつて十分認められ、被告人の真意がa村又は組合の金
融を計る目的でなかつたことは被告人が本件手形を使用しながら右の村又は糾合に
全然金を廻わしていないことや紛失していない手形を紛失したと称していることか
ら推して極めて明白であり、要は自己の金融を計る真の目的を秘し、a村又は組合
のために金融を得せしむるようん詐言を用いたのであるから明らかに人を錯誤に陥
らしむべき欺罔手段となるのである。そしてその金融を得る方法として組合の信用
を利用するのであるから被告人としてはとに角組合理事Cの記名捺印ある手形を取
得すればその目的を達するのであつて右Cが被告人に約束手形を交付した趣旨が手
形の振出たると手形の保証たるとにより詐欺罪の成立を左右するものではない。論
旨は理由がない。
 第二点について、
 <要旨>論旨は被告人がCから受取つた白地手形に同人の記名捺印がある以上その
上部に支払保証と記入しても虚偽記入罪は成立せぬと主張するのである。と
ころで原判決も明示しているように被告人がCから騙取した約束手形における同人
の記名捺印個所は一は手形表面の「振出人欄の住所」と「支払を受ける者欄の殿」
との間の「殿」に近き部分であり他は手形表面の右端であるから、この記名捺印個
所自体と証人Aの証言を綜合すれば、Cは支払保証の趣旨を了解の上記名捺印した
ものと解下るのが常識に合致する。しかも手形法第七十七条第三項第三十一条第三
項によれば「約束手形の表面に為したる単なる署名は之を保証と看做す但し振出人
の署名はこの限りにあらず」と規定されているから、Cの記名捺印はその手形面に
おける場所的関係から振出人のそれと見るべきではなく、保証と看做されるのであ
る。それゆえに既に保証の意義を有する記名捺印の上部に「支払保証」なる文字を
記入しても、それは真実に反する記載ではないから虚偽記入罪は成立しない。論旨
は理由があつて原判決はこの点において破棄を免れない。
 よつて、原判決を破棄し、直ちに判決することができると認め、刑事訴訟法第三
百九十七条第四百条但書に従い次の通り判決する。
 原判決の認定した第一の事実を法律に照すと被告人の所為は刑法第二百四十六条
第一項に該当し以上は同法第四十五条前段の併合罪であるから同法第四十七条第十
条により法定の加重をした上被告人を懲役一年四月に処し訴訟費用は刑事訴訟法第
百八十一条に従い被告人の負担とする。
 尚本件公訴事実中被告人が昭和二十五年一月上旬頃から同年二月上旬頃までの間
にCから騙取した約束手形十七通に対し同人の記名捺印の上部に支払保証なるゴム
印を押捺し以て虚偽記入をしたとの点については罪とはならないから刑事訴訟法第
三百三十六条に従い無罪の言渡をする。
 (裁判長判事 斎藤朔郎 判事 松本圭三 判事 網田覚一)

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