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平成17年(ネ)第10081号損害賠償請求控訴事件
平成18年12月13日判決言渡,平成18年11月29日口頭弁論終結
(原審・東京地方裁判所平成15年(ワ)第20874号,平成17年3月30日判決)
判決
控訴人株式会社パルカ
訴訟代理人弁護士宮岡孝之,二宮麻里子,橋積京子
補佐人弁理士井ノ口壽
被控訴人オリンパス株式会社
訴訟代理人弁護士水谷直樹,岩原将文
補佐人弁理士韮澤弘,飯高勉
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴人の求めた裁判
1原判決を取り消す。
2被控訴人は,控訴人に対し,1億円及びこれに対する平成15年10月17
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
1手続の経緯
(1)控訴人は,原審において,原判決別紙物件目録記載のビデオディスプレイ
装置(以下「被控訴人製品」という。)が控訴人の有する特許第3129719号
の特許権(以下「本件特許権」という。)の請求項1に係る発明(以下「本件発
明」という。)の技術的範囲に属し,被控訴人がこれを製造し,販売する行為が本
件特許権を侵害すると主張して,被控訴人に対し,本件特許権に基づき,平成14
年6月までの間の損害賠償として損害額6億4000万円のうち1億円及びこれに
対する訴状送達の日の翌日(平成15年10月17日)から支払済みまでの民法所
定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めた。
(2)原審は,被控訴人製品は本件発明の技術的範囲に属しないとして,控訴人
の請求を棄却した。
(3)控訴人は,原判決を不服として控訴した。
2争いのない事実等,争点及び争点に関する当事者の主張
争いのない事実等,争点及び争点についての当事者の主張は,以下に争いのない
事実を加えるほかは,原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」及び「第
3争点に関する当事者の主張」に記載のとおりであるから,これを引用する。
原判決3頁26行目の次に,行を改めて,次のとおり加える。
「(4)本件特許について被控訴人から無効審判請求がされ,特許庁に無効20
04−80013号事件として係属したところ,特許庁は,平成17年2月16
日,本件特許の請求項1に係る特許を無効とする旨の審決をした。
控訴人は,上記無効審決の取消しを求める訴えを提起した(東京高等裁判所平成
17年(行ケ)第119号事件として係属し,知的財産高等裁判所の発足に伴って
同裁判所平成17年(行ケ)第10397号事件となった。)ところ,当裁判所
は,平成18年4月17日,審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の審決取消事
由は理由がないとして,控訴人の請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
控訴人は,上記判決を不服として上告及び上告受理の申立てをした(最高裁判所
平成18年(行ツ)第187号及び平成18年(行ヒ)第212号事件として係
属)ところ,同裁判所は,平成18年9月21日,上告を棄却するとともに上告受
理の申立てを受理しない旨の決定をした。これにより,上記判決は確定した。」
第3当裁判所の判断
1上記の争いのない事実によれば,本件特許の請求項1に係る特許を無効とす
る旨の審決が確定したのであるから,特許法125条本文の規定により,請求項1
に係る特許権は,初めから存在しなかったものとみなされる。そうすると,控訴人
の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。
2以上によれば,控訴人の請求を棄却した原判決は相当であって,本件控訴は
理由がないから,これを棄却すべきである。なお,控訴人は,上記平成17年(行
ケ)第10397号審決取消請求事件について,当裁判所が言い渡した確定判決に
対して再審の訴えを提起し,当裁判所に平成18年(行ソ)第10001号事件と
して係属したところ,上記事件について,本件と同一の裁判体が審理し,本判決の
言渡しの日に,再審の訴えを却下する旨の決定をするものである。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官
塚原朋一
裁判官
高野輝久
裁判官
佐藤達文

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