弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告人ら代理人小林茂夫の上告人A1、同A2、同A3関係の上告理由第一点に
ついて。
 本件記録によれば、本件訴訟の経過は次のとおりである。即ち、(一)被上告人
(原告)が本件訴訟の訴状を第一審裁判所に提出した日時は、昭和三七年三月一三
日であり、第一審裁判所の裁判長が第一回口頭弁論期日を指定したのは、同年三月
一四日である。(2)第一審裁判所が本件訴状と同三七年四月四日の第一回口頭弁
論期日の呼出状とをあわせて被告たるDあてに送達手続をとつたところ同年三月二
三日送達された。(3)しかし、被告たるDは、同年三月一六日死亡していたから、
第一審裁判所は、右第一回口頭弁論期日を同被告の関係で開かず、口頭弁論期日を
おつて指定とする旨の措置をとつた。(4)その後、同年九月一三日に、右Dの相
続人たる上告人A1、同A2、同A3は、弁護士甲斐庸生を訴訟代理人に選任した
うえ右Dの訴訟を承継する旨の申立を第一審裁判所に対してしたので、第一審裁判
所は右受継を許可するとともに同三七年一〇月三日の口頭弁論期日を開いた。(5)
第一審裁判所は、その後一〇回の口頭弁論期日を開き、その審理結果にもとづき、
同三八年一二月三日被上告人勝訴の判決をした。そこで、上告人A1、同A2、同
A3ほか六名の共同訴訟人は、被上告人を相手方として、控訴の申立をした。(6)
第二審裁判所は、右控訴の申立にもとづき、前後三回の口頭弁論期日を開き、その
審理結果にもとづき、同三九年九月九日上告人らの控訴を棄却する旨の判決をした。
(7)そこで、上告人A1、同A2、同A3ほか六名は、被上告人を相手方として、
上告を申し立てた。(8)前記第一、二審の訴訟においては、被告たるDの訴訟を
上告人A1、同A2、同A3において承継したことについては、右上告人三名から
はもちろん、被上告人(原告)からもなんらの異議がでず、ただ被上告人の本訴請
求の当否のみが争われてきた。以上の事実が認められる。
 以上の訴訟の経過にもとづいて、本件を検討するに、上告人A1、同A2、同A
3の三名は、前記のとおり、みずから被告たるDの訴訟を承継する手続をとりこれ
を承継したものとして、本件訴訟の当初からなんらの異議を述べずにすべての訴訟
手続を遂行し、その結果として、被上告人の本訴請求の適否について、第一、二審
の判断を受けたものである。このように、第一、二審を通じてみずから進んで訴訟
行為をした前記上告人三名が、いまさら本件訴訟の当事者(被告)が死者であるD
であつたとしてみずからの訴訟行為の無効を主張することは、信義則のうえから許
されないものと解するのが相当である(昭和二六年(オ)第五一八号、同三四年三
月二六日最高裁判所第一小法廷判決、民集一三巻四号四九三頁参照)。したがつて、
論旨は、結局、失当として排斥を免れない。
 同第二点について。
 原判決挙示の証拠によれば、所論の点についての原判決の認定した事実を肯認し
うるところ、右認定した事実関係では、亡Dのした転貸に対し被上告人からの黙示
の承諾があつたといえないとする原判決の判断は、是認できる。原判決には所論の
違法はなく、所論は、結局、原審の事実認定を非難するに帰し、採用しがたい。
 同第三点について。
 原判決がその挙示の証拠により認定した事実関係のもとにおいては、被上告人の
した本訴請求は権利の濫用といえないとした原判決の判断は、当審も、正当として
支持することができる。原判決には、所論のような違法はなく、所論は、採用しが
たい。
 上告人ら代理人小林茂夫の上告人A4、同A5、同A6、同A7、同A8、同A
9関係の上告理由について。
 原判決に所論のような違法のないことは、上告人A1、同A2、同A3関係の上
告理由第二点および第三点について判断したとおりである。所論は採用しがたい。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

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