弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
債権者の本件仮処分申請を却下する。
申請費用は債権者の負担とする。
       事   実
一 申立
1 債権者
(一) 債務者は、別紙第一目録記載物件(以下「本件第一物件」という。)及び
同第二目録記載物件(以下「本件第二物件」という。)を製作し、販売し、または
右各物件の据付工事をしてはならない。
(二) 債務者の本件第一物件及び本件第二物件に対する占有を解いて、神戸地方
裁判所執行官に保管を命ずる。同執行官は、その保管にかかることを公示するた
め、適当な方法をとらなければならない。
2 債務者
 本件仮処分申請を却下する。
二 主張
1 債権者
(一) 申請理由
(1) 被保全権利
イ 債権者は、別紙第三目録記載の実用新案(以下「本件考案」という。)につ
き、昭和六〇年六月二〇日出願公告、平成元年四月四日登録を経て実用新案権(以
下「本件実用新案権」という。)を取得した。
ロ 債務者は、現に本件第一物件の製作、販売、据付工事をし、本件考案を実施し
ている。
ハ 従つて、債権者は、債務者に対し、本件実用新案権に基づき、債務者の右権利
侵害行為の差止を請求することができる。
ニ 債権者は、別紙第四目録記載の意匠(以下「本件意匠」という。)につき、昭
和六二年四月七日登録を経て意匠権(以下「本件意匠権」という。)を取得した。
ホ 債務者は、現に本件第二物件を製作、販売、据付工事をし、本件意匠を実施し
ている。
ヘ 従つて、債権者は、債務者に対し、本件意匠権に基づき、債務者の右権利侵害
利為の差止を請求することができる。
(2) 保全の必要性
 そして、債権者は、債務者の右権利侵害行為により著しい損害を被つているの
で、その差止を求める本案訴訟を提起すべく準備中であるが、本案判決の確定を待
つていては損害が甚大になるので、本件仮処分申請に及んだ。
(二) 抗弁に対する認否
(1) 抗弁事実(1)イは認める。
(2)イ 抗弁事実(1)ロは否認する。
ロ 債務者会社が商号を日工ゲート株式会社と変更するまでは、債権者が実質上全
株式を保有し、その代表取締役として経営全般を主宰するという債権者の個人会社
であつたから、その法人格は否認されるべきである。
 債務者主張の考案に関係のある期間の人的構成のうち役員構成について言えば、
常勤の取締役は代表取締役としての債権者のみであり、その他は非常動のほとんど
名前だけの役員である。
 また右の期間における従業員構成のうち特記されるべき事情は次の通りである。
(イ) まず【A】は、昭和五五年一月から営業社員として給与を支給されている
が、当時同人が鳥取大学在学中であつたため、仮採用という形をとり、同年四月か
ら正式入社したものである。ところがその後同年八月頃病気により約三か月間入院
し、同年一〇月退職したものである。結局同人は、病気療養中はもちろんそれ以前
も実質的な営業社員としての仕事は殆どできていなかつたものである。
(ロ) 次に【B】は、兵庫県神戸土地改良事務所定年退職後、債務者会社にその
経歴を利用した「営業用の顔」(営業顧問)として入社してもらつたもので、週一
回二ないし三時間くらい出社していた程度で実働も殆どなかつた。
(ハ) 【C】は、入社後わずか三か月の試用期間中に退職したもので、実際上の
戦力と言えるような存在ではなかつたものである。
(ニ) 【D】は繊維会社社員から転職した営業担当社員で、しかもその入社は北
淡町役場向の製品の納入等がほとんど完了していた昭和五六年二月であることから
して、本件考案の完成等に関係を有する者ではない。
(ホ) またその余の【E】は債権者本人の長女で【F】と共に単に事務を担当し
ていた事務員にすぎない。
(ヘ) 結局債務者主張の本件考案に関係ある期間においてすら、本件考案の完成
に利用ないし協力でき得るような人間が一人もいなかつた。
ハ また債務者の主張する意匠創作に関係のある期間の人的構成のうち役員構成に
ついても、債権者、【G】、【H】以外の役員は日工からの出向という形の非常勤
役員であり、しかも右【G】及び【H】についてもいずれも日工からの出向役員
で、水門関係については全くの素人であり、格別債務者会社役員としての戦力にな
りえなかつた存在なのである。また、その従業員構成においても、その入社年月
日・担当職種からして【I】、【J】、【K】の三名以外はそもそも意匠の創作に
協力利用できるような人間でなかつたことも明らかである(右三名以外の技術系社
員は【L】のみであるが、その入社年月日は昭和六〇年四月である。)。
 そして、【I】は、明らかに意匠の創作に関与しておらず、右【J】は専ら完成
した本件意匠をPRするための構造・強度計算を、右【K】は本件意匠に基づく具
体的な製品の実施設計やチラシの作成等の広告活動等にそれぞれ関与したものにす
ぎず、いずれも本件意匠の創作に関与したものでない。
 また、右の人的構成からしても、営業・経理・人事その他の具体的日常業務の殆
ど全ての事項を債権者が自ら直接或いは少なくとも間接的にせよ手がけていたもの
であり、債務者主張の「役員報酬」も格別に「技術開発ないし研究」の報酬として
支給を受けていたものではなく、右の全ての職務に対するものとして支給を受けて
いたものである。
(3) 抗弁事実(1)ハは認める。
(4) 同(1)ニは否認する。
(5) 同(1)ホは否認する。
 本件考案の完成時期は昭和五二年であり、本件意匠の完成時期は昭和五八年夏頃
である。
(6) 同(1)ヘは否認する。
 しかしながら、債務者会社は、とりわけ河川機工の当時、債権者の実質的な一人
会社というだけでなく、個別製品の受注・製作・販売等を含む営業活動、資金調達
その他の経理、さらには人事に至るまで具体的な日常業務のほとんど全てを代表取
締役であつた債権者が自ら直接に手がけていた弱小零細企業であつた。
 従つて債務者会社は、右の当時債務者が言うような「技術部門」であるとか「技
術部門の最高責任者」であるとか或いは「技術担当取締役」とか言うような概念や
言葉自体が観念的にせよおよそ成り立ち得ないような企業であつたものである。ま
た、債権者の具体的な職務も、営業、経理、人事その他種々雑多な瑣末的な事項を
含むあらゆる日常事務全般の処理にまで及んでいた反面、
格別に水門関係製品の開発・製造方法の改良等をその職責とするというような取り
決めはもちろん、事実上の職務分掌すら存在していなかつたのであり、債務者の言
う「水門関係製品の開発・製造方法の改良等の任務」というものも仮にそれが存す
るとしても、右のような広範囲な職務の一環として抽象的観念的に存したものにす
ぎないことがまずもつて銘記されるべきである。
 また、本件考案の完成した昭和五二年当時、また、その後昭和五五年五月末まで
は、会社は、旧タイプの転倒ゲートの権利者であつた日豊鍛冶春工業の販売総代理
店という地位にあつて専ら旧タイプの転倒ゲートの販売等の代理をその業務内容と
していたものである。そのような会社の業務内容からして旧タイプと競合し、その
旧タイプの販売等を減殺させる本件考案の製作等を行うことは、右代理店契約上の
義務としても許されず、それは当時の会社の具体的な業務範囲には属していなかつ
たものというべきである。
 従つて、本件考案は、会社の設立目的には含まれるとしても、当時の会社の右業
務内容からして、少くとも債権者の職務に属するものでなかつたものというべきで
ある。
 この意味からも本件考案が職務発明であるとする債務者主張の抗弁は失当であ
る。
(7) 抗弁事実(1)トは否認する。
 そもそも発明に関して「会社の業務活動を通じて職務上知得した知識・経験」す
らも会社の便益供与とすることは職務発明の要件とされるべき「便益供与」の範囲
を逸脱するも甚だしい。それでは少なくとも技術系の被用者が使用者の業務に関連
する発明をしたときは全て職務発明とされるべきことになり、職務発明につき「便
益の供与」を要件とした意味が失われることは明らかである。
 またその他の「高給の支給」や「会社の提供した人的・物的・資金的諸便宜の利
用」が、「一般的」に「常態である」と言えるかどうか自体も疑問である。会社の
技術部門の最高責任者の役員が常にかならず「高給」をもらつているとはかぎらな
いし、ましてや会社の提供した人的・物的・資金的便宜の利用が常にあるとはかぎ
らない。
 そしてさらに、債務者会社から債権者が支給を受けていた役員報酬も右の全ての
職務に対するものであつて、格別「技術開発」に対する報酬として支給を受けてい
たものではない(なお右の如き内容の報酬の支給をもつて債務者会社が本件考案及
び意匠の完成について相当の便益を提供したものとされるべきでないことは明らか
である。)。
 本件においても債権者が債務者主張の役員報酬を専ら本件考案の「研究・開発」
に対する役員報酬として受けていたのであれば格別、右のような日常業務全般の処
理という職務に対する報酬(特に日豊鍛冶春工業との代理店契約が終了する昭和五
五年五月以前の分は実質的な意味における「販売会社」の代表取締役としての報酬
でしかない)、またそれと並んで多分に事実上の利益配当という性格を併せもつた
ものとしてその給付を受けていたものである以上、右債務者主張の「役員報酬」を
もつて本件考案に対する職務発明についての便益供与と解されるべきではない。
(8)イ 抗弁事実(1)チないしルは否認する。
ロ しかしながら、そもそも債務者主張の期間は、本件考案についてもまた本件意
匠についても、いずれもそれぞれ本件考案、本件意匠の完成以後の期間を主張する
ものであり、まずその点自体において、債務者の主張が失当である。
 また、債務者主張の債務者会社の人的構成その他から見ても債権者が受けていた
報酬が本件考案及び意匠創作についての便益供与でないことが、より一層明瞭とな
る。
 右の人的構成からしても、当時の債務者会社は債権者が実質的に全株式を保有す
る実質的な一人会社というだけでなく、個別製品の受注・製作・販売等を含む営業
活動・資金調達その他の経理、さらには人事にいたるまで具体的な日常業務の殆ど
全てを代表取締役であつた債権者が自ら直接に或いは少なくとも間接的にせよ手が
けていたことも明白である。
 従つて、債務者会社から債権者が支給を受けていた役員報酬も右の全ての職務に
対するものであつて、格別に「技術開発ないし研究」の報酬として支給を受けてい
たものではない。またその額自体もその職務内容を考慮すれば非常勤取締役である
【M】、
前記営業顧問の【B】、その他の従業員の報酬・月額給与・賞与額等と比較して決
して多額なものといえないことは明らかである。さらにまた債務者主張の「役員報
酬」は右の実質的役員報酬という趣旨のほかに、債務者会社が当時債権者の一人会
社であつたこと等から、事実上の利益配当という性格も併せて有していたものとも
考えられるのである。
 そもそも職務発明に対する便宜供与は、考案の完成に何らかの関連性があればよ
いというものではなく、考案の完成に向けられた便宜供与であり、しかも使用者側
に当然の無償かつその権利存続期間内においては無期限の強力な(登録しないでも
特許権又は専用実施権をその後に取得した者に対しても効力を生ずることにつき特
許法九九条二項)通常実施権を付与するに応しいものでなければならない。
 また、その額自体も日工から役員として出向してきたものの、債務者会社役員と
して格別の戦力にもなり得なかつた【G】・【H】が、それぞれ昭和五九年には総
支給額金七一八万七七八五円、金六四八万六五二〇円、昭和六〇年には金七三五万
五四三〇円、金六九六万九六〇〇円と、代表取締役社長たる債権者本人(右の当時
金七二〇万円)以上若しくはそれと大差ない報酬を受けていること、その他の単な
る従業員の受けていた給与等との比較から言つても決して多額なものと言えないも
のであることは明らかである(むしろ債権者の職務内容・経歴その他から言つて特
に右【G】・【H】の役員報酬との比較から言えばむしろ少額とも言える。)。
(9)イ 法が職務発明として使用者に通常実施権を無償で付与しているのは、
「使用者が被用者に対し、かかる発明を命じた場合のみならず、その業務の範囲に
属する技術問題についてその進歩改良のために研究すべきことを命じ、あるいはこ
れを期待して発明者にたいし相当の便益を供し、よつてかかる発明を完成する機会
を与えた如き場合には、かかる発明に対する使用者の間接的寄与に報いるためこれ
に実施権を認め、」もつて使用者と従業者との間の利益調整を図るためである。
 これを逆に言うならば、その発明考案が被用者の職務に関連するものであつたと
しても、使用者がその発明等の完成に対し、「相当の便益を供」していない場合に
は「発明者の職務に属する考案ではない」として、使用者に「職務発明」としての
通常実施権を与えるべきではないのである。そうでなければ、使用者は何らの寄与
なしに単に職務に関連する発明というだけで無償の実施権を法律上当然に取得する
こととなり、甚だしく公平を失することになる。
 そして右の「相当の便益」とは、どんなささいな寄与でもよいというのではな
く、その発明・考案の内容等からして使用者側に無償の実施権を与えるに相応しい
「相当」なものでなければならない。
 本件考案は、債務者の総売上高の約二〇ないし二五パーセント、金額にして年間
五〇〇〇ないし八〇〇〇万円の売上を有するものであり、その粗利益は四〇ないし
四五パーセントで、実施料もその販売価格の五ないし一〇パーセントが通常であ
る。一方本件意匠も年間一二〇〇ないし一五〇〇万円の売上を有し、粗利益は約三
五パーセントで実施料も販売価格の四ないし五パーセントが通常である。
 本件考案ならびに本件意匠について職務発明であることを肯定することは、右に
ついて少なくとも実用新案について公告から一〇年(実用新案法一五条)意匠につ
いては登録から一五年(意匠法二一条)、当然かつ無償で実施権が債務者に付与さ
れることになることが銘記されるべきであり、前記「相当の便益の提供」の存否に
ついては右の点が充分に考慮されるべきである。
 更にまた、考案、創作の完成そのものに対してではなく、考案、創作完成後の具
体的な製品化や商品販売のためのPR等に対する使用者側の寄与をもつて右の職務
発明とされるに必要な「相当の便益」と解することはできないことは論をまたない
ところである。
ロ これを本件考案についてみると、本件考案の製品がいずれも河川の状況等その
設置条件に応じたいわゆるオーダーメイドであり、個別的な製品製作の度毎に製作
図面の作成等が必要となることは当然であつて、これを考案の完成に対する債務者
の寄与と混同すべきでないことが特に注意されるべきである(この点については本
件意匠も同様である。)。
 債務者主張に言う発明考案の完成について必要とされる「技術的内容の具体化、
容観化」が何を意味するのか、どういう場合に「具体化、客観化」があつたと言え
るのかはかならずしも明らかでないが、右債務者主張に関するかぎり、その具体
化、客観化とは「図面化」或いは「物品化」(具体的な図面にしたり物を作つたり
すること)を意味するものと債務者は解しているようである。確かに発明・考案の
完成については、一般的に発明の技術的内容がその技術分野における通常の知識経
験をもつ者にとつて反覆実施できる程度にまで具体化・客観化されていなければな
らず、その技術内容がこの程度に構成されていないものは、発明として未完成であ
るとされている。
 しかし、そこで言う「具体化・客観化」というものは、その技術の内容が抽象的
架空的なものであつたり、特殊個人的な技巧や伎倆を要したりする等産業上の利用
可能性がないものであつてはならないということであつて、かならずしも債務者が
言うような「図面化」・「物品化」或いは「文章化」を意味しているのではない。
そこで問題にされているのは、技術の「内容」自体であつて、その技術内容の「表
現形式」ではないのである。前記債務者の主張は両者を混同するものであり、その
不当性は明白である。
 そしてまた本件考案は北淡町役場向の製品の販売納入以前の段階で、既に完成し
ていたものである。そのことは、右北淡町役場からの発注を受ける以前、ほぼ時期
を同じくして、北淡町以外に、竜野土地改良事務所、兵庫県土地改良連合会、城崎
町(豊岡土木事務所)に対し売り込み、引合いのため具体的製品のための組立図の
みならず計算書・材料表の作成(材料チエツク)までがなされていることに端的に
示されているのである。けだし、考案の技術的内容がその技術分野における通常の
知識・経験をもつ者にとつて反覆・実施できる程度にまで具体化客観化されていな
ければ、換言すればすなわち考案として既に完成されていなければ、右のような具
体的、個別的なしかも複数の製品の組立図、計算書、材料表(材料チエツク)まで
が作成されることは考えられないからである。
 右北淡町役場向け製品等に関する債務者の関与は、すべて本件考案の具体的個別
的な製品の販売納入に関するものにすぎないから、右をもつて債務者が職務発明に
対する「相当の便益」を供与したものとすることはできない。
 本件考案は、債権者自らの創作にかかる別紙第五目録記載の実用新案(以下「旧
考案」という。)に若干の改良工夫を加えたものであつて基本的・技術的な構造そ
れ自体は旧考案に依拠しているため、本件考案の実施にあたつても、その製作図等
は旧考案のものを基本的には流用できる。それ故、北淡町への具体的な製品販売納
入のための製作図等についても、旧考案の製作図等をもとにその改良工夫点を債権
者が具体的に指示して、今井設計事務所がこれを機械操作的に製図しただけで出来
上つたものなのである。
 要するに本件考案の構成要件は油圧配管方式を含めて、北淡町役場向の製品につ
いて洲本土木事務所の事前審査の段階から完成していたものであつて、これを
【I】が昭和五六年二月頃に完成させたとする債務者の主張は理由がない。
 なお債務者は北淡町及び城崎町向の製品の設計製作費も会社の費用負担により行
なわれたとし、これを考案完成に向けられた便益の供与と主張する。しかしなが
ら、右費用は全て販売代金の中に含まれているものである。これが右便益の供与に
あたるならば被用者の発明を利用実施して使用者が製品を販売した場合(本件の場
合もまさにそれである。)は全て職務発明となり、その不当性は明白である。
ハ 【K】は、アーチプレートの製品化、具体的な製品のための実施図面の作製・
実施設計、さらには販路拡大PRのための強度実験や広告用チラシの作成等に関与
していたにすぎず、本件意匠の創作そのものに関与していたものではない。
 本件意匠は【K】が入社する以前に債権者が既に債務者会社の便益の供与なしに
創作していたものである。右【K】の関与をもつて本件意匠の完成に向けられた便
益の供与とする債務者の主張は失当である。
 また、【J】は、構造解析、強度計算の専門家であつて、水門関係について独自
の水門型の創作をできる能力等を備えた人物ではなく、既に存在する構造物を前提
にその構造計算、強度計算をするのがその仕事であつて、本件意匠の関係でも債権
者自らが創作した意匠を前提に「その販路の拡大、PRのため」その構造計算、強
度計算を行なつたのである。従つて、【J】の構造計算、強度計算の前提として債
権者の本件意匠の創作が前提として存在したのであつて、それが存在しなければ
【J】の構造計算、強度計算も不可能なものである。
 そして、【K】は、前述のとおり債権者自ら創作にかかる本件意匠、それに対す
る【J】の構造計算、強度計算をもとに個々具体的な製品の実施図面の作成、広告
用チラシの作成、強度実験の実施等を担当したものにすぎない。
 なお、債務者は意匠の創作について、実用新案の完成と同様、図案化ないし物品
化を要すると解するようである。しかしこの点についても、意匠を物品の形状等を
通じていわゆる意匠的「型」として表現されていることを要すると解されていた旧
法とは異なり、意匠においても考案を保護するものとの観念の強い現行法の下にお
いては、その創作に図案化、物品化を要するとされるべきかは疑問の余地がある
(意匠の出願登録について図面化或いは物品化が必要とされることは当然である
が、特に職務発明との関係で「意匠の創作・完成」を考えるとき、その図面化或い
は物品化が必要であるかは疑問である。)。
 本件意匠は、債権者自らの創作にかかる別紙第六目録記載の登録意匠(以下「旧
意匠」という。)の創作を通じてすでに完成されていた。しかし、その機能効用を
発注者である役所(北淡町)に理解してもらいその認定を経たうえ販売納入実績を
積み重ねていくため、実際の数値による理論的解析や強度テストが必要であると考
えて実行したのが【J】への研究委嘱や強度テストである。
 いずれにせよ、本件意匠は少なくとも昭和五八年夏頃、最初の図案化がなされて
いる。
ニ 以上のとおりであり、債務者の主張する会社の関与なるものは、具体的個別的
な製品の販売納入や構造計算、強度テストのための供試品製作等の為のものであつ
て、本件考案並びに意匠の完成自体に直接関係を有するものではないのである。
 右のような本件考案並びに意匠の完成自体に直接関係を持たない会社の関与をも
つて、「職務考案」の要件を満たすものとすることは、明らかに法の趣旨を没却す
るものであつて失当である。
(10) 抗弁事実(1)ヲは否認する。
(11) 抗弁事実(2)のうちイ、ハは認めるが、その余は否認する。
(12) 抗弁事実(3)のうち、本件考案が昭和六〇年六月二〇日出願公告され
たこと、本件意匠が同年一〇月一一日出願され、昭和六二年四月七日登録されたこ
とは認めるが、その余は否認する。
(三) 再抗弁
(1) 法定実施権の不取得
イ 本件考案が完成したのは河川機工の時代であり、かつ河川機工は、債権者が実
質上全株式を保有し、また代表取締役としてその経営全般を主宰するという債権者
の完全な個人会社であつて、その従業員構成からしても河川機工は、債権者とは別
個の法人格を有するといえるような会社ではなかつた。
 そして、債務者は、昭和五八年八月頃、日工株式会社の資本参加を受け、役員構
成においても日工株式会社からの役員派遣がなされており、その資本構成、役員構
成その他の点において河川機工とは全く別個なものとなつている。
 従つて、両会社間の法人格の同一性を肯定することができず、少くともそのよう
な現在の会社が右河川機工時代の債権者の職務発明を理由として本件考案に対する
法定実施権を主張することは許されない。
 よつて、債務者は、本件考案につき法定実施権を取得することはできない。
ロ 債権者は、債務者会社の代表取締役社長として営業活動や経理、人事等殆どす
べての具体的な日常業務の決定遂行を職責としたものであり、単なる「技術担当の
責任者」というような存在ではなかつた。
 そもそも法が「その性質上当該使用者等の業務範囲に属し」かつ「その発明をす
るに至つた行為がその使用者等における従業員等の現在又は過去の職務に属する発
明について」、使用者等に当然かつ無償のしかも権利の存続期間内においては無期
限の強力な通常実施権を与えているのは、使用者等が右発明等の完成に対し「相当
の便益を供し」ていることに根拠を有する。
 そして、右の「便益供与」は、どんなささいな便益供与であつても良いというの
ではなく、使用者等に前記の当然かつ無償の強力かつ無期限の通常実施権を与える
に相応しいものでなければならない。
 そして「職務に属する」という要件は、職務発明の前記制度趣旨から考えれば、
例えば使用者等が従業者等に当該発明に関しての研究・開発をすることを命じて給
与を支払つていた場合の給与等を含めた、広い意味での「相当の便益の提供」と裏
腹の関係にあるものと言うことができ、実質的に考えて使用者等に右の「相当の便
益の提供」があつたときにはじめて、右「職務に属する」という要件の充足がある
ものと言うべきである。本件の場合も職務発明が成立するか否かは、つきつめれば
まさに債務者会社に職務発明に基づく通常実施権を与えるに相応しい相当な便益の
提供があつたと言えるかどうかにかかるものと言うことができる。そして、それが
肯定されるか否かは単に抽象的・一般的に「技術部門の最高責任者の役員による発
明が会社の便益供与と無関係になされることは実際上有り得ない」とか「技術担当
の責任者として行なつた」と言うだけで足りるものではなく、具体的な債務者会社
の人的・物的構成や業務内容、債権者の職務内容と債務者の提供した便益の供与の
有無・内容さらには発明の成立過程やその内容その他の具体的個別的な諸事情が相
関的に考慮されるべきなのである。
 また、従業者等が給与・報酬を受けていたとしてもそれが直ちに職務発明につい
ての便益供与とされるべきでないことは明らかである。それがどのような職務に対
して支給されたものであるかを考慮しなければならないことは当然である。債権者
が専ら「技術開発」のみをその職務とし、その職務に対する給与・報酬としてその
金員を受けていたのであれば格別、中小企業の代表取締役社長として営業活動や経
理、人事等殆どすべての具体的な日常業務の決定遂行をその職責としていた債権者
の職務内容、とりわけ債務者会社が昭和五五年五月末の代理店契約解消までは日豊
鍛冶春工業の総販売代理店であり、債権者も実質的な販売会社の代表取締役という
地位にあり、しかも旧考案と競合する本件考案を開発しかつ実施することは右の代
理店という立場上なしえなかつたこと等その他の事情からして、債務者から支給を
受けていた役員報酬は、使用者たる債務者会社が本件考案並びに本件意匠の完成・
創作のために供与したものとは言い得ず、職務発明の実質的要件である相当の便益
の供与と言うに相応しいものでなかつた。
 しかしながら、職務発明の成立につき実質的に要求されるべき便益の供与とは発
明の完成に向けられ、発明の完成のために使用者が提供した便益供与を意味するの
であり、使用者側に職務発明に基づく通常実施権を肯定するに相応しいものでなけ
ればならない。
 債権者の主張する転倒ゲートの販売納入の実施を通じ得た知識、経験ということ
も、例えば、使用者等がその研究の一環として、当該発明の研究・開発のため、従
業員に命じて発明に関連する製品の販売・実施を経験させるような場合であれば格
別、本件の如くたまたま債務者会社が旧転倒ゲートの販売代理店として、旧転倒ゲ
ートの製作、実施を行ない、債権者がその代表取締役としてそれに従事していたに
すぎない場合にまで便益の供与があつたとするのは、無限定に職務発明の成立を拡
大するもので不当である。
 また、会社に存する豊富な他社の資料等の技術情報という点も、その技術情報の
獲得・入手等それ自体に例えば独自の研究を行うなど相応の費用が必要であつたと
いうのであれば別論として、右のような旧ゲート製品の販売納入のための資料とし
てたまたま債務者会社に保有されていたにすぎない資料の活用をもつて、職務発明
の成立に必要な便益の供与とすることは、右と同様無限定に職務発明の成立範囲を
拡大するもので不当である。
 また、「労働の成果」という点も「職務に属するものであれば」という前提があ
つてはじめて言い得ることである。そして「その職務に属するかどうか」という点
は、使用者等が発明の完成のためどのような便益の供与をしたかということと密接
不可分の関係にある。
 これを逆に言えば、使用者が発明の完成のために職務発明の成立を肯定するに相
応しい便益の供与があつたときには、
その発明は「職務に属するものとなり」そしてかつまたそれは「労働の成果」とし
て使用者に還元されなければならないと言い得る。
 要するに、債権者は、本件考案につき債務者から通常実施権を付与するに相当の
便益の供与を受けていないので、債務者は、本件実用新案権につき通常実施権を取
得しえない。
(2) 本件実施契約の錯誤による無効
イ 本件考案についての通常実施料は年額四〇〇万円、本件意匠権についてのそれ
は年額七五万円を下ることはない。
 ところが、本件実施契約においては、「特許申請に係る諸費用」の支払のみが債
務者の負担とされているだけで、実施料そのものが無料とされており、実質的には
無償契約に等しい。
 債権者がこのような契約を締結したのは、本件実施契約締結以後も債権者が債務
者会社の代表取締役の地位にとどまることをその動機として、かつまたそれが黙示
的に表示されていた。
 ところが債権者は、昭和六二年五月代表取締役を事実上解任され、同年六月八日
付で辞任させられた。
ロ そもそも、無償契約の場合には、「何故無償の契約を締結したか」という狭義
の動機が重要であり、その点につき錯誤があれば要素の錯誤があるとされている。
 本件実施契約締結の時点において、債権者は、今後も代表取締役にあり続け、債
務者会社の経営権を掌握しうるから無償で実施させようとした動機の点において重
大なる錯誤が存し、かつ右動機は、同契約締結当時、債務者に対しても黙示的に表
示されていたから、債権者における右錯誤は、本件実施契約における要素の錯誤と
なり、同契約は、無効であるといわねばならない。
(3) 本件実施契約の事情変更の原則に基づく解除
イ 本件実施契約は、債権者が代表取締役の地位にとどまることをその前提ないし
基礎とされていたが、債権者が前記(2)のとおり実質的に解任されたから、本件
実施契約の前提・基礎事項に変更があつた。
ロ 右の事情の変更そのものは、債権者には同契約締結当時予見不可能であつた。
 債務者は、債権者の個人会社であつたが、昭和五八年九月の日工株式会社の資本
参加後も債権者は、なお四三パーセントの株式を保有し、右資本参加は債権者と会
社にとつては新製品販路拡大のための事業投資を可能にするものであるという理解
の下にこれを受入れたものであつて、その事業投資故の当初赤字を理由に債権者が
代表取締役の地位を実質的に解任され、債務者会社の経営権を奪われることは予想
できなかつた。
ハ そしてまた、本件工業所有権を含め、「今後有する特許権」についてさえ、債
権者が代表取締役の地位を解任された以後も、なお無償で債務者会社にその実施を
認めることは、信義則上も極めて苛酷な結果を招来することになる。
ニ よつて、債権者には本件実施契約について事情変更の原則に基づく解除権が認
められるべきである。
 そこで、債権者は、昭和六三年一〇月二八日、債務者に対し、右解除権の行使と
して本件実施契約を解除する旨の意思表示をしたから、同契約は、同日終了した。
(4) 本件実施契約の期間満了による終了
 本件実施契約の存続期間は昭和六三年八月三一日までであるところ、債権者は、
昭和六二年七月六日債務者に対しその更新を拒絶する旨の意思表示をしたから、同
契約は、昭和六三年八月三一日をもつて終了した。
(5) 信義則違反
イ 債務者は、本件考案及び本件意匠につき、自らが作成したパンフレツトその他
においてその権利性・有効性を前提にして対外的な広告活動を行つてきたものであ
る。
ロ また、本件考案の出願は、当初債務者会社の旧商号である「株式会社河川機
工」名義でなされたものである。
ハ さらに債務者は、債権者の本件考案等につきその権利性・有効性を前提に本件
実施契約を締結し、その登録諸費用並びに登録料も右実施契約に基づき債務者会社
が実質的に出捐していたものである。
ニ そして債務者は、今日現在も本件実用新案権及び本件意匠権を実施して大きな
利益を上げているものである。
ホ しかもまた、債務者が無効原因として主張している実施その他の「行為」は、
いずれも債務者自身の行為であり、債務者は右債務者主張の無効原因「行為」を自
ら行つておりながら、右イないしニ等の諸行為を行つているものである。
ヘ 債務者は、本件仮処分事件において、本件実用新案権及び本件意匠権を前提に
して、職務発明並びに実施契約に基づく通常実施権を主張しているものである。
ト なおまた債務者の登録無効の審判請求は、本件仮処分の必要性を否定するため
だけになされたもので、本件仮処分の必要性が否定されれば右無効審判請求を取り
下げ、結果的に本件実用新案権及び意匠権に対する自己の実施権を確保するという
不正な意図によるものとの疑いが強いものである。
チ 以上のとおりであり、債務者会社は、本件考案及び本件意匠を自らが登録以前
に実施等しておりながら、その後本件実用新案権及び本件意匠権の権利性・有効性
を前提にした諸行動をとり、しかも現在もその実施により大きな利益を得ているも
のであり、そのような債務者会社が本件仮処分の必要性を否定するためだけという
不正な意図をもつて本件実用新案権及び本件意匠権が無効であるとして登録無効審
判を請求すること自体、またそれを援用して本件仮処分の必要性を否定すること
は、信義則ないし禁反言の法理に違背するものである。
2 債務者
(一) 申請理由に対する認否
(1) 申請理由(1)イ、ロ、ニ、ホは認める。
(2) 同(1)ハ、ヘは否認する。
(3) 同(2)は争う。
(二) 抗弁
(1) 職務考案、職務意匠による通常実施権
イ 債務者は、昭和四四年八月一日、商号を株式会社河川機工とし、目的を水門そ
の他水路構造物の設計、製作、据付工事等として設立され、昭和五八年八月その商
号を日工ゲート株式会社と変更した。
ロ 本件考案及び本件意匠の創作に関係のある期間における債務者会社の人的構成
は次のとおりであり、その間会社は独立した法人格を有していた。
(イ) 考案に関係のある期間(昭和五五年九月末から昭和五六年三月末までの
間)の人的構成
代表取締役社長 【N】(債権者)
取締役(非常勤) 【M】( 〃 の妻)
取締役( 〃 ) 【O】( 〃 の親戚)
監査役( 〃 ) 【P】(税理士)
従業員 七名
(ロ) 意匠に関係のある期間(昭和五九年七月末から昭和六〇年五月末までの
間)の人的構成
代表取締役社長 【N】(債権者)
取締役 【G】(日工(株)よりの出向)
取締役 【H】(   〃      )
取締役(非常勤) 【Q】(   〃      )
取締役( 〃 ) 【R】(   〃      )
取締役( 〃 ) 【S】(   〃      )
監査役( 〃 ) 【T】(   〃      )
従業員 一四名
ハ 債権者は、昭和四四年八月一日から昭和六二年六月八日まで、債務者会社の代
表取締役社長に就任していた。
ニ 本件考案及び本件意匠は、その性質上いずれも債務者会社の定款の目的に定め
られた水門製造の業務範囲に属するものである。
ホ 債権者は、昭和五六年二月本件考案を完成し、また昭和五九年八月本件意匠を
完成した。
ヘ 債権者は、水門に関する技術の専門家であり、河川機工、日工ゲートを通じ、
代表取締役社長として、経営方針を決定すべき任務を有していると同時に、技術部
門の最高責任者として、会社の生産技術の改良考案を試み、その効率を高めるよう
に努力すべき具体的任務を有していたから、本件考案や本件意匠を完成する行為
は、当然債権者の右役員としての職務に属するものである。
ト そして、一般に技術部門最高責任者たる役員は、会社から高給を受けているう
え、考案等に関して会社の業務活動を通じて職務上知得した知識・経験、さらには
会社の提供した人的・物的・資金的諸便宜の利用等、会社のあらゆる便益供与の中
で考案等が行われるのが常態であり、債権者も本件考案及び本件意匠の創作にあた
り、次のとおり便益供与を受けているから、債権者は、本件考案及び本件意匠の創
作をなすべき職務を有していたものということができる。
チ 本件考案及び本件意匠の創作に関係のある期間における、債権者が債務者会社
から受けていた報酬は左記のとおりである。会社の規模(零細企業)、収益状況
(昭和五五年度当期利益一一〇万円、昭和五九年度損失一八〇〇万円)、他の従業
員の給与との比較からみると、債権者は社長としての相応の報酬を得ていたといえ
る。右報酬は、本件考案及び意匠創作についての便益供与に当たる。
 記
(考案に関係のある年の報酬)
昭和五五年 五四〇万円
昭和五六年 五四〇万円
(意匠創作に関係のある年の報酬)
昭和五九年 七二〇万円
昭和六〇年 七二〇万円
リ 河川機工は、設立以来研究を重ね、旧タイプの倒伏ゲートに改良工夫を加え、
遂に本件考案にかかる多段倒伏堰の新工法を完成するにいたつた。
 債権者は、勤務時間中に、旧タイプの油圧ゲートの日豊鍛冶春工業のデータ多数
を利用したほか、債務者会社の業務活動や諸資料を通じて知り得た技術情報に依存
して本件考案を完成させた。
 考案は、構想の段階で完成するものではなく、完成というためには考案の技術的
内容が具体化し客観化されていることが必要である。
 本件考案は、北淡町向け油圧式倒伏ゲートの設計組立図の完成によりはじめて具
体的構成をとつて完成したが、本件考案の創作にあたり、債務者会社は、債権者の
ため、種々の人的・技術的・経済的な便益を供与した。
ヌ(イ) 債務者会社の設計技術担当従業員である【I】(六年の経験を有する設
計技術の専門家)は、北淡町向けゲートの設計製作に際し、旧考案の実用新案権を
他社に譲渡ずみであつたので、昭和五五年一〇月頃債権者より「シリンダーを上下
逆転した倒伏ゲートを作るように」と命ぜられたので(ほかには油圧配管・スイベ
ルジヨイント等何の具体的指示もなかつた。)、その設計を今井設計事務所に外注
した。しかし、同事務所は、倒伏ゲート設計の経験がなかつたため、【I】は、旧
考案のうち参考になる資料を【U】に渡し、これを基礎にして【U】が提出した設
計図についても検討を重ねて修正し、最終の完成設計図を作製した。
 【I】は、油圧配管について自ら検討して粗図を画き、これを【U】に渡してそ
の製図を指示し、【U】は、油圧配管施行要領図を作製した。
 また、【I】は、ゲートの製作について株式会社巴製缶に外注し、同社に出向い
て組立図どおり製作されるように指導に当つた。
 以上のように、【I】は、設計から製作完了にいたるまでの間、債権者を補助
し、設計技術者として協力したのであり、本件考案は、右協力によつてはじめて具
体化し、完成したものである。
(ロ) また、その後昭和五六年五月に本件考案の応用として城崎町の豊岡土木事
務所向倒伏ゲートが製作されたが、これについても仕様書提出の段階から【I】が
関与していた。
 そして、右ゲートの外注による設計製作費も河川機工が費用負担している。
ル(イ) 本件意匠については、まず債権者の命を受けた債務者会社の設計技術担
当従業員【K】が債権者に協力し、約一か月間構想を練り、昭和五九年八月二七日
にアーチプレート型ゲートの基本図を作製した。
 明石市向アーチプレート型ゲートは、【K】が検討図を作り、強度計算をしたう
え、山本工業所に右検討図を示して設計図作成を依頼し、同工業所がこれを作製し
たものであるから、仮に前記の基本図が明石市向けの設計等を参考にして作製され
たものであるとしても、【K】が深く関与していることに変りはない。
 【K】は、右基本図作製後、債権者を補佐し、山本工業所に対し基本図に基づく
具体的なアーチプレートゲートの設計を外注し、その指導を行なつた。
 すなわち、竜野土地改良事務所向設計図(昭和六〇年二月)、三木土地改良事務
所向設計図(同年二月又は三月)、豊岡市向設計図(同年三月)がそれであり、い
ずれもそれぞれの納入先の個別状況に応じ、基本図を変形して作製された設計図で
ある。
 また、同年六月【J】顧問のアーチプレート型ゲートの強度・構造計算の際、
【K】が作製した図面(疎乙第一〇号証)の中にも、この基本図がそのまま用いら
れている。
(ロ) 本件意匠も、また右基本図に基づいて作製された。すなわち、【K】は、
債権者の命により、昭和六〇年五月七日、アーチプレート型ゲートのPR用チラシ
を作成したが、その裏面に、右基本図に基づき、本件意匠図と同じ図面を作図して
掲載した。
 右作図について、【K】は、債権者から何ら具体的指示は受けていない。
 以上のように、本件意匠は、【K】が作図したチラシ裏面の図面により完成した
ものであり、そのもとになる基本図自体も【K】が作製したものである。
 従つて、本件意匠は、【K】の協力によりできたものである。
ヲ 従つて、債務者は、実用新案法九条三項、意匠法一五条三項、特許法三五条に
より、本件実用新案権及び本件意匠権につき、それぞれ通常実施権を取得した。
(2) 実施契約による通常実施権
イ 債権者は、昭和五八年八月二五日、債務者との間に、本件考案の仮保護権につ
いて債務者に通常実施権を許諾する旨の実施権設定契約(以下「本件実施契約」と
いう。)を締結した。
ロ そして、本件実施契約の締結については、実施料が無償であつて債務者会社の
利益を害しないから、商法二六五条所定の取締役会の承認は不要である。
ハ 債権者は、平成元年四月四日、本件考案につき実用新案権の登録を経由した。
ニ 従つて、債務者は、本件実施契約により、本件実用新案権につき通常実施権を
取得した。
(3) 本件考案及び本件意匠の公知公用の無効審判請求
イ 本件考案の公知公用
 本件考案は、昭和六〇年六月二〇日出願公告されたが、債務者は、右出願前であ
る昭和五六年三月油圧式倒伏ゲートを製品化し、北淡町役場にこれを販売納入のう
え据付けられた。
 従つて、本件考案は、昭和五六年三月に完成され、そのときに公知公用となつた
から、本件考案は、「公然知られた考案」または「公然実施された考案」に該当す
るので新規性を欠き、実用新案法三条一項一、二号により登録を受けることができ
ないものである。
 そこで、債務者は、平成元年九月四日、本件考案につき登録無効審判請求をし
た。
ロ 本件意匠の公知公用
 本件意匠は、昭和六〇年一〇月一一日出願され、昭和六二年四月七日登録された
が、債務者により出願前に公にされた①昭和六〇年五月七日作成のチラシの裏面記
載の図面、②同年七月付で挨拶書のあるパンフレツトの一〇頁に記載の図面は、い
ずれも本件意匠の意匠図と同一のものであり、かつチラシやパンフレツトとして配
布されている。
 従つて、本件意匠は、昭和六〇年五月七日に完成され、そのときに公知公用とな
つたので、これが公知公用に該当することは明白である。
 よつて、本件意匠は、意匠法三条一項により登録を受けることができないもので
ある。
ハ 従つて、債権者は、現在においては、本件考案につき本件実用新案権を有し、
本件意匠につき本件意匠権を有しているとしても、このような無効原因を内包する
権利に基づく差止請求権の行使は緊急性の要請とは相容れないものであつて、満足
的仮処分による応急的保護を与える必要性はない。
 すなわち、本件仮処分申請につき保全の必要性がない。
 よつて、債権者の本件仮処分申請は理由がないから却下すべきである。
(三) 再抗弁に対する認否
イ 再抗弁事実は、すべて否認する。
ロ 債権者は、本件実施契約が代表取締役であり続けることを前提としていたとい
うが、契約上何らその旨の規定はない。
 また、右契約が本件工業所有権につき無償の使用を許しているのは、右前提が契
約の動機となつていたからであるとし、そのことは黙示的に会社に対し表示されて
いたというが、その事実もない。債権者は、昭和六二年六月八日代表取締役を辞任
したとはいえ、本件仮処分申請当時はもとより、その後平成元年八月二二日任期満
了時まで取締役として在任し続けていたのである。
 そもそも本件実施契約は、日工株式会社からの資本参加を目前にして、債権者が
急きよ会社の代表者として、債権者個人と契約したいわゆるお手盛の契約であり、
債権者が一人で自由に締結したものであるから、動機を黙示的に表示したとか、会
社が知りえたものであるとかいうような錯誤の理論をこの契約に当てはめようとす
ることは、それ自体無意味であるといわねばならない。
ハ 事情変更については、債権者は、代表取締役を解任されたのではなく、債権者
が赤字の経営責任を認めて辞任したものであつて、代表取締役としてあり続けるこ
とができないことは当然予測できた筈である。
 従つて、事情変更による契約解除の主張は失当である。
       理   由
第一 本件考案について
一 本件実用新案権に基づく差止請求権の発生について
1 申請理由(1)イ、ロは、当事者間に争いがない。
2 本件考案が昭和六〇年六月二〇日出願公告されたことは、当事者間に争いがな
い。
3 右認定事実によれば、債務者がその主張にかかる通常実施権を取得しない限
り、債権者は、債務者に対し、債務者が本件第一物件を製作し、販売し、据付工事
をする等の行為について本件実用新案権による実用新案法二七条所定の差止請求権
を取得しうることが明らかである。
二 職務考案による法定実施権の発生について
 債務者は、本件実用新案権につき職務考案による通常実施権を取得した旨主張す
るので検討する。
1 職務考案とは、①従業者、法人の役員(従業者等)が行なつた考案で、②それ
が性質上当該使用者、法人(使用者等)の業務範囲に属し、③かつその考案をする
行為が、従業者等の現在又は過去の職務に属するものをいうと解するのが相当であ
る(実用新案法九条三項、特許法三五条一項)。
2 そして、職務考案について従業者等が実用新案登録を受けたときは、使用者等
は、その実用新案権について通常実施権を取得することができる(実用新案法九条
三項、特許法三五条一項)。
3 抗弁事実(1)イは、当事者間に争いがない。
4 成立に争いない疎甲第二三号証、疎乙第二九号証、第三一、第三二号証と審尋
の全趣旨によれば抗弁事実(1)ロ及び債務者が昭和四四年八月設立以来現在まで
(本件考案及び本件意匠の完成時を含む。)法人としての実体を継続して有してい
たことが疎明される(従つて債権者の主張(二)(2)ロは失当である。)。
5 抗弁事実(1)ハは、当事者間に争いがない。
 右認定事実によれば、右(一)①の要件が充足されることが明らかである。
6(一) 前掲疎甲第二三号証によれば、債務者会社は、終始水門その他の水路構
造物の設計・製作・据付工事等の業務を行なつてきたことが一応認められる。
(二) 審尋の全趣旨によれば、債務者会社の目的が水門その他水路構造物の設
計・製作・据付工事等であることが一応認められる。
(三) 前記一1認定事実によれば、本件考案の対象はいずれも水門その他の水路
構造物であることが明らかである。
(四) 右(一)ないし(三)の各事実によれば、本件考案が債務者会社の業務範
囲に属することが明白である。
(五) 右認定事実によれば債権者は、前記(一)②の要件が充足されることが明
らかである。
7(一) 本件考案の完成時期について、債務者は昭和五六年二月と主張し、債権
者はこれを昭和五二年であると主張する。
(二) そして、前記5認定のとおり、債権者は、昭和四四年八月以来右いずれの
時期までも債務者会社の代表取締役社長の地位にあつたものである。
(三) 会社の設立当初より継続して代表取締役社長として会社の経営にあたると
ともに、会社の技術部門担当の最高責任者であつた者は、後者の地位に基づき、会
社の人的・物的資源を総動員しても生産技術の改良考案を試みてその効率を高める
ように努力すべき具体的任務を有していると解されるから、その者が右技術につき
考案や意匠の創作を完成した場合には、具体的な便益供与の有無・程度について検
討するまでなく、その考案や意匠は、会社の役員としての職務に属する行為である
と推定すべきである。
 そして、右最高責任者以外の従業者等については、考案や意匠の創作をするに至
つた行為が創作者の職務に属する場合とは、特に会社から考案や意匠の創作を命ぜ
られ、あるいは具体的な課題を与えられている場合に限られず、結果からみて考案
や意匠の創作の過程となりこれを完成するに至つた思索的活動が使用者等との関係
で従業者等の義務とされる行為の中に予定され期待されてその創作を容易にするた
め使用者等が従業者等に対し相当の便宜供与をした場合をも含むと解するのが相当
である。
(四) 前掲疎甲第二三号証と審尋の全趣旨によれば、債権者は、債務者会社の設
立以来少くとも昭和五六年二月まで会社の技術部門担当の最高責任者たる地位にあ
つたことが一応認められる。
(五) そして、本件実用新案権の実用新案公報の「考案の詳細な説明」によれ
ば、本件考案は、河川の水位調査等に使用する油圧式倒伏ゲートの改良に係り、ゲ
ートの設置に付随して生ずる河床落差を僅小にすると共に、ゲートの据付並びに保
守管理の容易化を可能とした油圧式倒伏ゲートに関する技術的創作であることが認
められる。
(六) 右(三)の法理に鑑み、右(一)、(二)、(四)、(五)の各認定事実
によれば、債権者は、前記(一)③の要件が充足されることが明らかである。
8(一) なお、債権者は、再抗弁として、本件考案が完成したのは河川機工の時
代であつてその当時債務者会社は債権者の完全な個人会社で、債権者と別個の法人
格を有しなかつた旨主張するけれども、前掲疎甲第二三号証、成立に争いない疎甲
第二六号証によつてはこれを一応認めるに足りず、他にこれを疎明するに足りる証
拠はない。
 却つて、債務者は、前記4認定のとおり法人としての実体を有していた。
(二) また、債権者は、再抗弁として、日工株式会社の資本参加により日工ゲー
ト株式会社(債務者)は、河川機工株式会社とは別個の法人格になつた旨主張する
けれども、前掲疎甲第二三号証によつては未だこれを一応認めるに足りず他にこれ
を疎明するに足りる証拠はない。
 従つて、債権者の右再抗弁は失当である。
(三) さらに、債権者は、再抗弁として、本件考案につき債務者から職務考案の
成立を肯定するに相応しい便益の供与を受けなかつたから債務者は通常実施権を取
得しえない旨主張する。
 しかし、債権者は、前記認定のとおり終始債務者会社の技術部門の最高責任者の
地位にあつた者であるから、右7(三)の法理に鑑みると、全く会社から便益供与
を受けず、独力で創作を行なつたというような特段の事情が存しない限り、再抗弁
は成り立たないと解するのが相当である。
 しかし、本件全証拠を検討しても、これを一応認めるに足りる疎明はない。
 従つて、債権者主張の再抗弁はすべて失当である。
9 以上の次第であるから、債権者の本件考案は、いわゆる職務考案に該当すると
いわねばならないから、債務者は、実用新案法九条三項、特許法三五条一項によ
り、本件考案につき通常実施権を取得したことが明らかである。
第二 本件意匠について
一 本件意匠権に基づく差止請求権の発生について
1 申請理由(1)ニ、ホは、当事者間に争いがない。
2 右認定事実によれば、債務者がその主張にかかる通常実施権を取得しない限
り、債権者は、債務者に対し、債務者が本件第二物件を製作し、販売し、据付工事
をする等の行為について本件意匠権による意匠法三七条所定の差止請求権を取得し
うることが明らかである。
二 職務意匠による法定実施権の発生について
 債務者は、本件意匠権による通常実施権を取得した旨主張するので検討する。
1 職務意匠とは、①従業者等が創作した意匠で、②それが性質上使用者等の業務
範囲に属し、③かつその意匠を創作する作為が、従業者等の現在又は過去の職務に
属するものをいうと解するのが相当である(意匠法一五条三項、特許法三五条)。
2 そして、職務意匠について従業者等が意匠登録を受けたときは、使用者等は、
その意匠権について通常実施権を取得することができる(意匠法一五条三項、特許
法三五条一項)。
3 債権者は、前記第一の二3ないし5のとおり、右1の①の要件が充足されるこ
とが明らかである。
4 前記第一の二6(一)、(二)の認定事実、右一1の認定事実によれば、本件
意匠が債務者会社の業務範囲に属することが明らかであるから、債権者は、右1の
②の要件が充足されるということができる。
5(一) 本件意匠の完成時期について、債務者は昭和五九年八月と主張し、債権
者はこれを昭和五八年夏頃と主張する。
(二) そして、前記認定のとおり債権者は、昭和四四年八月以来右いずれの時期
までも債務者会社の代表取締役の地位にあつたものである。
(三) 前記第一の二7(三)のとおり。
(四) 前掲疎甲第二三号証と審尋の全趣旨によれば、債権者は、債務者会社の設
立以来少くとも昭和五八年夏頃まで会社の技術部門担当の最高責任者たる地位にあ
つたことが一応認められる。
(五) そして、本件意匠権の対象たる物品は水門扉であることは前記認定のとお
りであるから、仮に債権者が会社から具体的な課題として本件意匠の創作を命ぜら
れていなかつたとしても、本件意匠は、結果からみて意匠の創作の過程となりこれ
を完成するに至つた思索的活動が使用者等との関係で従業者等の義務とされる行為
の中に予定され期待されている場合に含まれていると解されるのである。
(六) 右(一)ないし(五)の各事実によれば、債権者は、右1、③の要件が充
足されることが明らかである。
6 以上の次第であるから、債権者の本件意匠は、いわゆる職務意匠に該当すると
いわねばならないから、債務者は、意匠法一五条三項、特許法三五条一項により、
本件意匠につき通常実施権を取得したことが明らかである。
第三 結論
 結局、債権者は、本件実用新案権及び本件意匠権に基づく差止請求権を取得する
に由ないから、右各差止請求権の取得を前提とする本件仮処分申請は、その前提た
る被保全権利の存在を欠き、かつ事案の性質上疎明に代わる保証を立てさせて右申
請を認容することも相当でないからこれを却下することとし、申請費用の負担につ
き民訴法八九条を適用して、主文のとおり決定する。
(裁判官 辰巳和男)
 第一目録
 別紙図面Aは油圧式倒伏ゲートの縦断側面図、図面Bはその部分的断面図であ
り、これらの図面に示すように水路底壁2に適宜の横方向間隔で並設した複数の支
持枠3と前記支持枠3の前部に載置固定され且つ適当な横方向間隔で複数の螺着ブ
ラケツト5を取付けた横置桁材4と前記各ブラケツト5にゲート枢軸7によりその
下縁を起伏自在に枢着され、且つ上部後面側にブラケツト6aを固設した略平板状
のゲート6と前記ブラケツト6aにシリンダー本体8bがシリンダー枢軸9により
回動自在に枢着された単筒式油圧シリンダー8と前記支持枠3の後方部に固着され
てピストンロツド10の先端をピストンロツド枢軸12により回動自在に枢着する
と共に、前記ゲート6が所定の最大仰角度で完全に起立したときにはピストンロツ
ド枢軸12が前記シリンダー枢軸9の中心を通る垂直線と前記ゲート枢軸7の間に
位置し且つ前記ゲート6が完全に倒伏したときにはピストンロツド10の軸線が水
平線に対して角度αだけ上向きに傾斜する位置に前記ピストンロツド枢軸12を支
持する取付金物11と前記ゲート6の裏面側に固着され、前記ゲート枢軸7と同軸
線上に配設したスイベルジヨイント14aを介して油圧作動源へ接続すると共に、
前記シリンダー枢軸9と同軸線上に配設したスイベルジヨイント14bを介してシ
リンダー本体8bへ接続した油圧配管13とより構成した油圧式倒伏ゲート。
 以上
<12807-001>
<12807-002>
 第二目録
別紙図面cに示すような形状を有する水門用扉
 以上
<12807-003>
<12807-004>
 第三目録
実用新案
名称 油圧式倒伏ゲート
出願 昭和五六年四月九日(同年第五一八三七号)
出願公告 昭和六〇年六月二〇日(同年第二〇六五六号)
登録 平成元年四月四日(同年第一七六五七六五号)
登録請求の範囲 別紙実用新案公報の「実用新案登録請求の範囲」記載のとおり
 以上
<12807-005>
<12807-006>
<12807-007>
<12807-008>
<12807-009>
<12807-010>
<12807-011>
<12807-012>
<12807-013>
<12807-014>
<12807-015>
 第四目録
意匠権
意匠に係る物品 水門扉
出願 昭和六〇年一〇月一一日(同年第四二八一七号)
登録 昭和六二年四月七日(同年第七〇九三六四号)
登録意匠の範囲 別紙意匠公報記載のとおり
 以上
<12807-016>
<12807-017>
<12807-018>
 第五目録
旧実用新案
名称 水門扉の油圧開閉装置
出願 昭和四二年一二月二一日(第一〇七二六五号)
出願公告 昭和五〇年七月一九日(同年第二四〇二九号)
登録請求の範囲 別紙実用新案公報の「実用新案登録請求の範囲」記載のとおり
 以上
<12807-019>
<12807-020>
<12807-021>
<12807-022>
<12807-023>
<12807-024>
 第六目録
意匠権
意匠に係る物品 水門用扉
出願 昭和四三年一二月一三日(同年第三七四九四号)
登録 昭和四六年三月三一日(同年第三二九八四四号)
登録意匠の範囲 別紙意匠公報記載のとおり
  以上
<12807-025>
<12807-026>

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