弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人3名の弁護人喜田村洋一の上告趣意のうち,競売入札妨害罪の公訴時効の
成否に関し判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引用するものであって,本
件に適切でなく,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法
令違反,事実誤認の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
所論にかんがみ,第1審判示第7の1に係る競売入札妨害罪の公訴時効の成否に
つき,職権で判断する。
1原判決の認定及び記録によれば,上記第1審判示第7の1の事実に関する事
実関係は,次のとおりである。
(1)被告人Aは,甲株式会社(平成7年11月24日の商号変更により株式会
社乙となる。以下「本件会社」という。)の代表取締役であるとともに,同社関連
会社である株式会社丙の実質的経営者として両社の業務全般を統括しているもの,
被告人Bは本件会社の財務部長,被告人Cは丙の代表取締役であったものである
が,被告人3名は,共謀の上,平成7年10月31日付けで東京地方裁判所裁判官
により競売開始決定がされた本件会社所有に係る土地・建物(以下「本件土地・建
物」という。)につき,その売却の公正な実施を阻止しようと企てた。
(2)そこで,上記競売開始決定に基づき,同年12月5日,同裁判所執行官が
現況調査のため,本件土地・建物に関する登記内容,占有状況等について説明を求
めた際,被告人Bにおいて,同執行官に対し,本件会社が同建物を別会社に賃貸し
て引き渡し,同社から丙に借主の地位を譲渡した旨の虚偽の事実を申し向けるとと
もに,これに沿った内容虚偽の契約書類を提出して,同執行官をしてその旨誤信さ
せ,現況調査報告書にその旨内容虚偽の事実を記載させた上,同月27日,これを
同裁判所裁判官に提出させた。
(3)その後,同裁判所裁判官から本件土地・建物につき評価命令を受けた,情
を知らない評価人は,上記内容虚偽の事実が記載された現況調査報告書等に基づ
き,不動産競売による売却により効力を失わない建物賃貸借の存在を前提とした不
当に廉価な不動産評価額を記載した評価書を作成し,平成8年6月5日,同裁判所
裁判官に提出した。これを受けて,情を知らない同裁判所裁判官は,同年12月2
0日ころ,本件土地・建物につき,上記建物賃借権の存在を前提とした不当に廉価
な最低売却価額を決定し,情を知らない同裁判所職員において,平成9年3月5
日,上記内容虚偽の事実が記載された本件土地・建物の現況調査報告書等の写しを
入札参加希望者が閲覧できるように同裁判所に備え置いた。
2被告人3名は,平成12年1月28日,本件土地・建物につき,偽計を用い
て公の入札の公正を害すべき行為をした旨の競売入札妨害の事実で起訴されたもの
であるが,所論は,競売入札妨害罪は,即成犯かつ具体的危険犯であるから,現況
調査に際して執行官に対し虚偽の陳述をした時点で犯罪は終了しており,公訴時効
が完成しているのに,その成立を否定した原判決には法令解釈適用の誤りがあると
いう。
しかしながら,上記1の事実関係の下では,被告人Bにおいて,現況調査に訪れ
た執行官に対して虚偽の事実を申し向け,内容虚偽の契約書類を提出した行為は,
刑法96条の3第1項の偽計を用いた「公の競売又は入札の公正を害すべき行為」
に当たるが,その時点をもって刑訴法253条1項にいう「犯罪行為が終つた時」
と解すべきものではなく,上記虚偽の事実の陳述等に基づく競売手続が進行する限
り,上記「犯罪行為が終つた時」には至らないものと解するのが相当である。そう
すると,上記競売入札妨害罪につき,3年の公訴時効が完成していないことは明ら
かであるから,同罪につき,公訴時効の成立を否定した原判決の結論は正当であ
る。
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官堀籠幸男裁判官上田豊三裁判官藤田宙靖裁判官
那須弘平裁判官田原睦夫)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛